「最近狙われてる気がするんだ…」 「狙われてるって何にだよ?女関係…じゃないよな?生徒の親とかか?」 「いや。多分違う。と思う。俺の持ってる生徒の保護者は、どっちかっつーとなにかあったら真正面から来るタイプだしな」 「あーそうだよなー。それに悪戯小僧は多くても、意外と皆素直だもんな」 「そう!そうなんだよ!今日もさ、倉庫のクナイ数える担当だったヤツが手裏剣で遊ぼうとしたから思いっきり叱ったんだけど、あいつらちゃんと最後は反省して泣きながら謝ってきて…!」 「そりゃよかったな!じゃなくてよー。お前そんなんだから彼女できねーんだぞ?」 「うっ!た、たしかにそうかもしれんが!それことれとは別の問題っつーかだな!」 「俺ら狙ってもなー。生徒の情報っつってもアカデミー生じゃ大したことないし。受付の任務情報くらいだろ?わざわざお前狙わなくてもいくらでも手に入るだろ?」 「そうなんだよなー…。機密っつっても高が知れてるだろ?第一狙ってるのが情報なら、気配消して貼り付ける実力があるヤツなら、いくらでも俺を締め上げるとか幻術とか手段があるんだし」 「お前は、なんつーか確かに狙われやすい状況にはあったけどな。あのガキのせいで」 「あのガキなんていうな!」 「わーってるよ!そうじゃなくて。今は状況が違うだろ?俺だってすごいヤツだってのはわかってんだからさ」 「だろ!凄いやつなんだよ!あいつは!いつか本当に火影になっちまうかもしれないぞ!」 「だーかーら。そうじゃなくて。…お前、さ。ずーっとストレス凄かった訳だろ?アイツの担任だってだけでも凄かったのに卒業させたってんでさ、風当たり、強かったじゃねーか」 「ま、まあそう言うことも多少はあった、か。でも今は…」 「長期任務明けとかさー。ストレス凄かった後にでるんだってよ。…誰かに見られてる気がするーとかさ。そういう病気、あるらしいよな」 「…やっぱそうなのかな…。気のせい、だよな…。実は風呂に入るのもこえぇんだよ。気配もないのに視線だけ感じてさ…」 「温泉とかどっかでかけてこいよ。確かに忙しいけどさ、お前疲れてんだよきっと」 「…はは。そうだな。きっと、気のせい…」 「イルカせんせーごはん食べに行きませんか?」 「わあ!ああ、カカシさんでしたか!あーそうですね。今日は…」 「あーあーもう本日の受付担当終了だろ?ちょうどいいんだから、イルカもう上がっちゃえって。引継ぎは俺がやっといてやるよ」 「そ、そうか?すまん。ありがとな!」 「いーってことよ。今度奢れよー!一楽以外な?」 「食堂のA定ならな!じゃ、荷物取ってきます!」 「おーいってこいや!すみませんね。はたけ上忍」 「んー。…ねぇ。あの人に余計なこと言わないでね?」 「え?」 「温泉とか。そういうのは俺が連れてくから。任務中になにかあったらさすがに間に合わないかもしれないし」 「え?え?」 「アンタも行くなら行けば?ただし一人でね。食事も俺が出すし。なんなら女もつけてあげてもいいよ?」 「い、いいいいえ!?え?なんで?」 「もうちょっとなんだよねぇ…?だから、それまでアンタは黙ってて?」 「え。え…?」 「お待たせしました!どこ行きましょうか?カカシさん」 「んー。行ってみたかった店あるんですよねー。急がせちゃってごめんね?」 「いえ!ちょっとここんとこ忙しくてぱーっとやりたかったんですよ!良かったらつきやってやってください!」 「もちろん」 「じゃーなー!また明日ー!」 「お、おう!た、たのしんでこいよー!でもあのなんつーか」 「じゃ」 「…なんだったんだ。今の。なんで殺気…!?」 ******************************************************************************** 真冬の恐い話。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |