気がつくと寝心地のよさそうな陽だまりを探してうろついている。 春は何をしても眠いのだから仕方がない。 そんな言い訳をして、手ごろな木の上で瞳を閉じたのが数刻前。 いつのまにやら膝になついている男は一体何者なのだろう。 気配すら感じなかった。 これでも一応上忍だ。 その隙を突いて急所でもある腹を枕にして寝られているというのが恐ろしい。 相当の手練なのだろう。 だが、こうも穏やかに気持ちよさそうに瞳を閉じてまどろんでいるのを見せ付けられると、怒鳴りつける気も失せた。 「うぅ…?」 戯れに撫でてやると小さな声でうめき、目を細めて気持ちよさそうにしている。 そう、まるで猫のようだ。 「なーんか。かわいいねぇ…?」 といっても膝の上に乗っているのはどこからどうみても人間で、もっと言うなら男で、多分中忍か上忍だ。 額宛はしていないが、忍服姿だ。 見覚えがあるようなないような…。 記憶を探っても思い出せそうにない。 …穏やかで幸せそうな寝息に誘われるように、俺はもう一度瞳を閉じた。 「ま、なるようになるでしょ?」 ゆっくりと膝の上の男を撫でてやりながら、俺は昼寝の続きを楽しむことにしたのだった。 ***** 目覚めると膝の上で眠っていたはずの男は、気配すら残さずに消えていた。 「夢、か…?」 かわいい顔をしていたのに。 少し残念に思っている自分に驚きながら、ぬくもりの名残を求めてか少し寒く肌感じる体を無理やり起こした。 木の上から見る里は、もうとっくに夕方といっていい時刻になっている。 家々から漂う食い物の香りに、鼻を鳴らした。 そういえば自分もそろそろ腹が減っている。 あの男も食事でもしに行ったのかもしれない。 獣のような仕草の男なら不思議はないような気がした。 「んー?俺も、なんか食うかな」 傍らが奇妙にすかすかする。 こんなのは自分らしくない。 一人でいるのが寂しいなんて。 だが…今度またあの男がいたら、一緒に飯でも食おうと思った。 …それからしばらく後、俺が男に食い物として付けねらわれ始めたというだから笑い話にもならない。 が、しかし。なんだかんだ言って男を手に入れた今となっては。 「カカシさん!大好き!」 ま、かわいいからいいか。などと思っている。 ********************************************************************************* 適当!なような肉食ぬこのような? とりあえずねむいです。 ではではー!なにかご意見ご感想等ございますれば御気軽にお知らせくださいませ! |