かぎ とある傍観者について(適当)


これの続き。




「でもだって、好きなの!」
こんな風に子どもみたいに喚く先輩を見るのは正直言って初めてだ。
確かにわがままっていうか、人を従わせることを当然だと思っている節はある。
なんていうか、手馴れてるんだよね。他人を“使う”ことに。
息を吸うよりも自然に、自分よりずっと年かさの上忍たちをしたがわせることができる。
決して横柄じゃない。傲慢でもない。
逆らえないと思わせるだけの何かを、先輩が持っているというだけのことだ。
こういうのもカリスマっていうんだろうか。
幼い頃から戦場にいて、それも腕がコレだけ立って、ついでに親の名も師の名も十分曰くつきだといわれるレベルだ。
厄介事の塊っていえば、僕も臨んだわけじゃなく特異な生まれだ。
でも、先輩の方がずっと辛かっただろう。
半ば存在を隠されて闇に守られてきた僕と違って、先輩は望むと望まざるとに関わらず、その存在が知られすぎていた。
四代目の愛弟子としても、失われた英雄の子としても。
…そうして今は、受け継いだ赤い瞳の使い手としても。
物心つく前から好き放題に囁かれる噂に好奇の視線に囲まれていれば、それを当然と思うようになってもおかしくない。
それでまあ慣れちゃったんだとは思う。
でもこんなに子どもみたいに駄々をこねて、癇癪を起こされると正直ちょっと戸惑う。
先輩にもこんな一面があったなんてね…。それも男の中忍相手に懸想するなんて信じられない。
そのさりげなさで女を食っちゃ捨て食っちゃ捨てした上に、持ち前の器用さでうらまれることなく、そのつれない男を手に入れられたら…なんてむしろ更に女にとっての付加価値をあげる人だ。
「付け込んだ自覚はあるけどね…。でもあんな任務受けちゃって…!やっとなし崩しに居座っても気にしなくなってきたのに!」
先輩の必死さはある意味新鮮で、多少鬱陶しくもあったけど、納得もした。
大切な人が心配なんだってのが分かったから。
「はいはい。わかりましたよ!一肌脱ぎます。でも!いいですか?あくまで僕たちの任務が丁度そのポイントを通過するからです!…あの中忍が迂回ルートをとっても、そっちを探し回る余裕はありませんからね!」
「ん。それは大丈夫。わかるから」
どうしてかなんて聞いても教えてくれないんだろうね…。
僕も種を飲ませた相手を追うくらいならできるけど、先輩が何やってるんだかわかったもんじゃない。
術も知力も体術にも優れた先輩を尊敬していた。
…その全力を使って追い詰められつつある中忍には同情しかできない。
逃げられないんだろうな。人が良さそうな普通の人だったように思うけど。
経歴を聞けばそこそこ腕も立つ、ただし情に流されやすそうで頑固な人間って感じだ。
自分の信じるモノを曲げない。
だからこそ先輩は惚れたんだろうが、正直言って厄介極まりない。
…何も厄介者同士くっつくことないじゃないか。って、絶対言えないけどね…。
「それじゃ、一応医療班も手配しておきますよ。後は僕の部下も」
手早く作った式で、心当たりを呼び出す。
「ん。頼むね?」
お前にしか頼めないから。なんて。
嬉しいと思う自分に苦笑して、だが頭の中は任務内容を詰め込んだ。
事と次第に寄っては連れて行く部下は全員先輩の手元に残す羽目になるだろう。
そうなるとこっちの任務が厳しい。
…そもそもそんなキナ臭い任務地に、あの中忍が単独で差し向けられること自体がおかしいんだしね。
中忍の方は気付いているのかいないのか、さっさと里を飛び出していってしまったから、時間の余裕はさほどない。
先輩から放たれる殺気染みたチャクラに耐えるのも辛いしね。
「先輩!一つ貸しですから!」
恋とは人を愚かにするものだと何かの本で読んだ覚えがあるけど、先輩にとっては恋は盲目って言葉がぴったりだと思う。
そこまで溺れられる相手がいる事が、少しだけ羨ましくもあるけれど。
「ん。いーよ。…着たね。いくぞ!」
普段はのらりくらりとこの手の貸しから逃げる人だけど、今は真剣そのものだ。
…この任務が終わったら、たっぷり聞き出してやろうと決めた。
のろけか、あるいは愚痴か。…多分その両方を。


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適当。
先日の続き的な。蛇足。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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