騙された!(適当)


「ねぇ、いつになったらくれるのよ?」
最近小生意気にも態度がでかくなった男は、いつの間にか俺の身長まで越えてしまった。
実力に関しては嬉しくもないことにとっくの疾うに越えられているからいまさらなんだけどな。
「何度も言ってんだろうが。やらねーよ」
出合った時はあんなにも小さかったのに。
あんまりにも細っこくて心配で、成り立て中忍の安月給で何とかやりくりしながら飯を食わせて家に住まわせて養ってやった結果がこれだ。
拾った時にはただ単に弱っていただけで、実は暗部だったなんて、しっかり情が移ってから白状されても今更だ。
だったら出てけなんて言える性格してたら、俺は今頃こんな目にあってない。
しょんぼりした顔で言い出した男を、しょうがねぇから養ってやると言った気持ちにうそはなかった。
でも、だ。
だからっていきなりあんたがほしいはないだろう?
家族みたいな関係に、安らぎめいたものを感じて…それから寂しさを埋めてもらっていたのも事実だ。
いきなり性欲の対象としてみてるなんて言われても、どうしようもできなかったんだ。
無茶言うなって言っても、聞くようなやつじゃないのも良く知ってたけど、ここまで執念深いとは正直思っていなかったかもしれない。
いつかあんたをちょうだいね?
そう言って笑った子どもが、すっかり雄の顔をして俺の唇を奪っていくのを呆然と見送ったあの日ははるか遠く、いまや暗部を抜けるめどが立ったらしい男は、上忍師を目指すとまで言い出して、俺としては混乱するばかりで息もつけない。
家に帰れば男がいつも通り長々と寝そべって俺を出迎え、隙を見てはその細く長い両腕で、絡み付いてくるコイツが、そんな仕事ができるんだろうかなんて思いすらしているのだから。
何せ俺の知っている男ときたら、言わないと飯も食わないし、碌に寝ないし…まあ俺を抱きマクラにしないと眠れないとか言う悪癖はとっとと治してもらいたいもんだが。
最近やっと怪我が減ってきたと思ったらこれだ。
…何が悲しくて同性に、それも長いこと養ってきた子どものような相手に押し倒されねばならないのか。
「ちぇー?…じゃ、うばっちゃおうかなー?」
ちらちらと肉食獣の瞳を向ける男に付き合っていたら、あっという間に精神が消耗する。
「何をだ!ほらいいからふろ入って来い!」
風呂場に男を追いやろうとした途端、いきなりその腕に引きずり込まれるように抱きしめられた。
「とりあえず俺以外にここ触らせたりしないでね?」
「んぐ!?」
いきなり仕掛けられたキスは予想以上に上手くて、怒鳴るべき所を驚きに気をとられて忘れた。
「お風呂、入ってくるね?」
「くそ…!余裕ぶりやがって!」
そういや、コイツ、あんなにチビっこかったくせに年上だったんだっけ。いやでも!断じて負けねぇぞ!
頬が赤らむのも腰が上手く立たないのも全部気のせいだってことにして、大急ぎで自分の布団に帰った。
…多分今日も隣に滑り込んでくるだろう男には、とりあえず噛み付いてやろうと決めて。

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適当。ぶっ倒れてたので足慣らし。
とりあえず中忍はいちゃコラモードに流されちゃうんだろうなぁ(´∀`*)ウフフ
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