言えない理由

「だ、だめです!そんな…!」
「いいでしょ?付き合ってもうどれだけ経ったと思ってるの?」
「で、でも、だめです!ま、まだ…!あ、脱がさないで…!」
「何で隠すの…?どうして見せてくれないんです!俺はあなたを愛してるのに…!」
「だ、だめです…!この額宛てだけはどうしても…!」
「額宛…?一体…何を隠しているんですか…!?」
「…言えま、せん…」
「何があっても俺はあなたを愛してるのに。…それなら、俺にも考えがあります」
「何をするつもりですか!?」
「こっちをみて」
「あ、かい…ずるい…!」
「こんなコトさせるなんて…あなたが悪い」
「どう、して…!」
「抵抗しないで。…ほら、気持ちよくなってきたでしょう?どうしてなのか、教えて?」
「ん…なにを…?」
「とろんとしちゃって…かわいいけどね。…どうして額宛を外してくれないんですか?」
「だって、みられたら…」
「みられたら?教えなさいよ!」
「だめ、だめ。ぜったいだめ。だって…!」
「隠しているのは術印?それとも怪我?…なんだっていいんだ!俺にはあなただけだから」
「あっ!」
「へ?」
「だめー!ひたいあてかえして!」
「なに、それ。ど、したの?」
「罰ゲームで同僚にー…だからやだっていったのにー!」
「肉。しかもまあ随分と達筆で…!」
「間違ったっていって、油性マジックで書いてあるから随分経つのにまだ消えないー…うええええ!」
「ああ泣かないで!…ちょっと待ってて!」
「ほら…置いてく。もう俺のことなんて…!」
「ちがうから!それ、落とせるの知ってるだけ」
「え!?どうやって!手ぬぐいでごしごし擦ったのに全然…!」
「除光液とか使うんです。すぐ戻ってくるから、泣かないで?」
「んんーっ!…ふぁ…!」
「…意外と似合ってるけど、ヤだったんだよね?復讐は俺が代行するから」
「ん、なに…?」
「ちょっとだけ、寝てて」
「あ…」
「さて、すぐ買って来ないと!」
*****
「ほーら。落ちた」
「ん…」
「ね、起きて」
「え!ああ!?カカシさん!」
「額宛ならここ」
「み、見たんですね…!?」
「なにを?」
「あ、鏡。…ない!消えてる!」
「こんなことで俺の愛を疑わないで…?」
「え、あ、う…!」
「イルカ先生が悩んでるのに力になれないなんて、イヤなの」
「…ごめんなさ…!」
「うん。ね。今日は寝よう?」
「もうこんな時間!…ごめんなさい!」
「いいから。…でも、明日になったらいい?」
「う…!いい、です…」
「ふふ。じゃ、今日はゆっくり休んでね?こんなことされて疲れたでしょ?」
「えっと…はい…あったかい」
「寝ちゃった。…さてと、原因を始末してくるかなー?」


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とあるお茶室で湧いたのでこの辺においておく。
その夜、晩酌を楽しんでいた教務主任(達筆で、よっぱになると色々やらかすおちゃめさん。54歳)は、舞い降りた白銀の悪魔によりとんでもない目に合わされたとか…!
ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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