季節はずれの怪談

「朝起きたらさ、なんか枕元にもさもさするもんがあってさ…」
「で?」
「それがさ、なんかこう…手触りがいいから寝ぼけながらもさもさしてたんだけど、…あからさまにおかしいだろ?だって俺んちにそんなもんはないし」
「あー…まあそうだな。お前忍獣使わないし、ベッドも普通のやっすいシーツだもんな」
「やっすいは余計だ!…まあ、それでだ。驚くだろ?」
「そりゃそうだ。で?」
「だからさ、慌てて起き上がって枕もとのソレに視線をやろうとしたんだけどさ」
「なんだよ?ノラネコかなんかだったのか?」
「…そうだったらどんなにいいか…」
「え?あれ?ちがったのか?」
「なんかさ、いきなりぎゅっとこう…抱きしめられてな」
「抱きしめ…っ!?っておまえ!ついに遅すぎる春が!よかったなぁ…!」
「春って言うかさ…その…」
「あ、え?もしかして…その、不本意な相手だったとか…?」
「はたけ上忍だったんだ」
「えええええ!?じょ、上忍!?っていうか男だろ!?」
「でさ、起き抜けにいきなり人肌じゃん?うっかり当たってさ。その朝のナニが」
「もういい!そんな話ききたくねぇよ!」
「いいから聞け!…そしたら、ん…?足りなかった?とか、ちょっと寝起きでかすれた声耳に吹き込まれてさ。そんで、驚いてびくってなったら嬉しそうにくすくす笑ってる声がして…それからなんかもう気がついたら俺も服着てないし色々まさぐられるし…!」
「そんな怪談はもう聞きたくないから!お前ももう忘れろって!」
「それが、できたらなぁ…」
「飲め!な?飲んでその…忘れろ!」
「何を?」
「あ、カカシさん!」
「遅いからお迎え。ねぇ?もう帰っていいでしょ?」
「あ…その…!」
「ダメです!俺は今相談中!カカシさんはそこで待機!」
「えー?だって、今日はいいでしょ?ずっと我慢してたのに…!」
「ずっとって…!だって一昨日もしたじゃないですか!昨日は俺が遅かったから任務ですれ違っちゃっただけだし!」
「じゃ、今日はいーい?」
「まあ、その…善処します。だから、ちょっと待ってて下さい!」
「はぁい。ちぇー!…早くね?」
「はいはい」
「おおおおおおい!アレ!ナニ!?何で!?」
「だからさ、相談って言うのは、普通あんなにしょっちゅうしたがるのって普通かっていう話なんだけどさ…」
「普通…かどうかわかんないけど!とりあえず、脅されたりはしてないんだよな!?」
「え?そりゃあたりまえだろうが。恋人なんだし」
「…そ、そうなんだ…なら、そのーいいんじゃないか?お互いが幸せなら」
「でもなー…なんか気持ちよすぎて怖いから…」
「それ以上はびた一文聞きたくない!ホラ!もう帰れって!恋人待たせんのは良くないし!」
「そういえばそうだな!じゃ!お先に!」
「…もう秋なのになんで怪談聞かなきゃいけないんだ…!」


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適当小話!
意味もなく最近寒いので増やしてみましたとさ!
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