言えない言葉の代わりにこんなものばっかりあの人の中に残している。 後から後から溢れ出る自分の吐き出した白濁を掻きだして、少しも残らないように洗うのは俺の役目だ。 抱き潰してしまった体で覚束ない抵抗をするのをいなし、奥まで指を突っ込んで、こんなにも汚したんだと薄暗い歓喜と罪悪感を感じながら洗い流していく。 ここを触れていいのは俺だけ。 そんな自分勝手な呟きは、意識すら危うい上に、締め付けられる心地よさに押さえきれずに中を刺激し喘がせてしまう自分のせいで、ちゃんと聞こえてさえいないだろう。 好きだって言ってたら、違ったんだろうか。 この体はこんなにも素直に俺を受け入れるのに、視線はいつだってそらされたままで、嵐のような行為の最中だけ、興奮に染まった瞳が俺を映す。 俺を見て、ねぇ。あなたが欲しい。 俺みたいなろくでなしの誕生日を祝ってくれた人から、強引にむしりとったプレゼント。 あなたが欲しいと告げた瞬間に見せた戸惑いに、逃げられるかもしれないと思ったらもう駄目だった。 止まれなくて全てを奪ってしまってからずっと、俺は一方的な所有権をこの人に主張して、こうして蹂躙し続けている。 …この人がどんなに嫌だといっても、もう二度と手放せない。 その瞳が俺を見ることがなくなったとしても。 「ねぇ。せんせ。…全部俺のモノですよね?」 背に傷を残した手は風呂場のタイルを掻き、やがてそれすらもできなくなったのか、くったりと体を投げ出してしまっている。 もう、意識はない。 だから、抱きしめても嫌がられない。 大事に大事に腕の中に抱き込んで、間違ってしまった自分を、捕らえられてしまったこの人を。 それでも離せない自分に、少しだけ泣いた。 ***** 驚いた。 いきなりの行為にも、ちょうだいなんて言葉を泣きそうな顔で告げてきたことにも。 …それが告白のつもりですらないことにも。 自分でも制御できないのか好き勝手してくれたこの馬鹿に、どうして言えるっていうんだ。 言われなくてもくれてやるつもりだったなんて。 だからしばらくは…そうだな。あと1年くらいは、唐突に無体を強いてきた分際で、一人悲壮な顔をしているこの馬鹿に、一番欲しがっているものをやらないと決めた。 ここまでされたんだ。絶対に逃がしてはやらない。 でも素直にくれてやるつもりもない。 俺がやるのは体だけ。そう、少なくともあと1年は。 …次の誕生日には、こっちから強請らせてやろう。 もうとっくに俺に溺れて抜け出せなくなっているこの男を救い上げてやるまであと1年。 それまで自分が耐えられるだろうかと思わなくもないのだが。 自分だけ苦しいみたいな顔してるこの男が眠ったときだけ送る口付けで、しばらくは我慢してやろうと思った。 ********************************************************************************* 適当! おたおめにちょっとまもたせ。 ねおちしまくりおのれがこわい。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |