イライラする。なんでこんなにイライラしてるのかって言うと、要するにアイツが全部悪いのだ。 「バーカバーカ!!人のこと置いて…こんなに長いこと帰ってきやがらねぇで…!」 周囲に散々待つなと、待っても無駄だと言われても待っていた。 信じてたというより、ソレはもはや意地だったと思う。 お陰で隣に立ってもいいと言ってくれた人もいたのに袖にしたし、家にだってずっと一人でいた。 元々誰かに側にいてほしい方だ。寂しくて寂しくて気が狂いそうになる夜もあった。 二人で過ごしてきた家だっただけに余計に。 でも、駄目だった。 他に違う誰かを得て、またその人が帰ってこなくなったらどうしたらいい?またずっと新たな苦しみと悲しみを抱えて生きていけるとでも? そんなの無理に決まってる。 だからずっと…いっそこのまま死ぬまで一人でいようと決めていたのに。 今更戻ってきやがったのだ。あいつは! 涙が出そうだ。 こんなに長いこと馬鹿みたいに待ってたのに、こんなにもまだ愛おしいなんて! 結局俺は、信じてないなんていいながら、生きている可能性に縋っていたのだ。滑稽すぎるにも程がある。 あの大災厄で、人の命がどれだけ簡単に消えてしまうものか…それが忍なら余計にいっそゴミのようだと思えるほど儚いと知っていたのに。 俺はずっと…それでもずっとこの思いを捨てられなかったのだ。 任務先でどれだけ好き放題にしてたかも分からないし、俺のことなんか忘れてたかもしれない。 「ごめん…ごめんね…?でも、嬉しい。ずっと一人でいてくれて」 …それに、こんな酷いことをいうのに。 俺がどんなに苦しかったか、寂しかったかなんて知らないくせに! それでも、こんなに温かい腕で抱きしめられたら拒めない自分に腹が立つ。 だから、言ってやったのだ。 「アンタが、全部悪い!責任取れこの馬鹿!もう…もう待ってやらないからな…!」 「あーもーずーっと我慢してたんだから、そんなかわいいコト言わないでよ!」 ぎゅうぎゅう抱きしめられて、キスの雨が降ってきて、コイツが発った日のことを思い出してまた涙がでてきて止まらない。 帰ってきたんだ。 皺がちょっと増えた。顔だって、修羅場をくぐってきたせいか、凄みが増しているように思える。 それに、やつれた。 馬鹿馬鹿馬鹿!俺から離れたりなんかするからだ! 任務が第一だと生徒に教えていることは、このさい棚に上げておく。 「うぅー…!」 腹立ち紛れに男の懐で涙を拭った。鼻水だってちょっとついたかもしれないけどそんなの知らない。 それから薄汚れた銀色を後で絶対洗ってやろうと思いながら久しぶりに思う存分かき混ぜて、それから…酷いことをいった口を自分の口でふさいでやった。 我が物顔で暴れまわる舌に、やっぱり腹が立ったけど、気持ちよすぎてどうでも良くなった。 「あのね?また任務で離れなきゃならないこともあるかもしれないけど、絶対絶対俺にはアンタだけだから」 「知るか!もう知らないんだ!そんなの…聞いてやらない!」 脂下がって言うのに腹が立つ。ああもう!この馬鹿どうにかしてやりたい! 「どーんなことがあっても、絶対俺のこと待っててって言って良かった!」 晴れやか過ぎるそのセリフに堪忍袋の緒が切れたので、これからそれこそ、たった今からずーっと張り付いて、コイツがいなかった分の時間も愛情もしっかり搾り取ってやろうと決めた。 「いいか、絶対に責任とらせてやるからな!」 俺としてはドスが効いた声を出したつもりだったんだけど。 「望む所でしょ?そんなの」 ふふんと誇らしげに笑って見せた男には、効果なんて無いのかもしれない。 …まあとにかく。 そんな訳で俺のイライラは尽きないって話だ。 …ソレと勿論愛っていう厄介な感情も。 ********************************************************************************* どんどん適当! …えーっとバカップル祭になってしまっているのかもしれない? とりあえずー…次は何か別のを!上げるはずだ! 原稿が終わるように神様に祈りつつ、コピー本でいいかなぁって思い始めていたりしてー…orz。 ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |