「寒いのは、イヤだよなぁ…」 「そうだな…」 「雪が…」 「…冷え込んできたと思ったら…」 「なぁ」 「なんだよイルカ?」 「俺はもう少しここにいる。でも寒いだろ?お前は先に行っててくれ」 「おい!いくら陣に近いって言っても、ここだって安全かどうか分からないんだぞ?」 「いても精々残党ぐらいだろ?それに陣も近いし、俺に何かあったらすぐ分かるって!それに…ここなら、見晴らしもいい。わざわざ敵もでてこないよ多分」 「あーもう!お前そういう顔するときって、絶対譲らないよな!」 「そういう顔?」 「なんでもないって顔して笑ってるけどさ…目が。違う」 「…そうか…?」 「いい!もう分かった!でも一刻だけだからな!それだけ待っても帰ってこなかったら引きずってでも連れ戻しに来る!…一人になりたいのも分かるけど、心配かけんな!」 「…うん。ありがとな」 「被害、大きかったもんな…結局俺らは邪魔だって追い出されたし…」 「しょうがないって…でも…」 「もういい。でも絶対時間守れよ!」 「おう!…ごめん」 「そう思うなら、帰ってからなんか奢れ!それでチャラだ!」 「はは!やっすいのでな!」 「ったく…!早く帰って来いよ」 「いいやつ、だよなー…アイツも…でも絶対俺は…!」 「なーにやってんの?」 「わぁ!?」 「戻んなさいよ。あんた中忍でしょ?補給部隊の」 「はい…あの、ちょこっとだけ、その」 「だーめ。危ないじゃないの」 「そう、ですね…」 「アンタそんな可愛い顔してるんだから」 「へ?」 「ああでも、ある意味チャンスってヤツ?」 「あ、あの?意味が分からないんですけど!」 「んー?あのさ。ちょっとこっち顔見せて?」 「な、なんですか?」 「あ、やっぱり。負傷者の側にいたでしょ?」 「え?あ、はぁ、まあ」 「あの人、助かるよ」 「分かるんですか!」 「さっき俺が医療忍連れてきたから」 「ありがとうございます…!手伝いに…!」 「で、代わりといっちゃなんだけど、俺の手伝いしてよ」 「えっと…俺ができるのはトラップと…」 「ん。知ってる。でもそっちじゃないなぁ?」 「そっちじゃない…?」 「わかんない?口説いてるんだけど?」 「くどっ!?わかりません!むしろ分かりたくありません!」 「じゃ、分かりやすく行こうか」 「へ?んんー!?」 「これでいいかなー?」 「よ、よくねぇ!なにしやがる!」 「ちゅーだけで真っ赤なんてサイコー…!ああでも、そうね。先にいっとかないとか。…好きです。結婚して?」 「アホかー!!!」 「アホは暗部になれないと思うけど」 「…そうですね…しんじらんねぇ!」 「ま、今後とも宜しくねー!急いでるからまた後で!」 「何でだー!…ってもういねぇし!なんだったんだ…!?」 ***** 「お帰り。早かったな!そうだ!アイツ大丈夫だって!医療忍が…」 「うん。教えてもらった」 「お!良かったな!でも誰に?」 「変な暗部…」 「暗部が変って…ソレ大丈夫なのか…?」 「大丈夫…なのか…!?」 「まあ、あれだ。とにかく早く帰ろうぜ!残党狩りの暗部の任務が済み次第撤退だっていうしさ」 「そうだな!…きっと冗談だろうし」 「なんだかわからんけど…無事に全員帰還できそうだし、よかったな!」 「ああ!」 ***** 「ただいまー!」 「ここは俺んちだ!アンタなんで!?」 「不安そうなアンタがかわいかったからかなー?」 「意味が分からねぇ!」 「ま、いいじゃない。雪なんか見てるより、俺見てるほうが楽しいよー?」 「そんなコト言われても!面つけてるじゃないか!」 「うん。だからほら」 「わー!?はずしっ!うわー無駄に綺麗な顔!」 「見ちゃったね」 「み、みちゃったけど!」 「じゃ、アンタこれから俺のものってことで」 「なんでだー!」 「顔見ちゃダメって子どもでも知ってるよー?」 「だ、でも!だから!」 「やっぱりいいね。ねぇ。俺のことも心配して、大事にして?」 「…そんなの、他にいくらでもいるだろ。そんな綺麗な顔してるし、暗部だし…」 「アンタにして欲しいんだよねぇ?だって…」 「だ、だって…?」 「もう顔見ちゃったし。これで暗部的にはパートナー成立―!ま、恋人ってことで」 「わー!?なんだそれ!?」 「末永く宜しくねー!」 「されたくねぇ!」 「冬はいいよねぇ?人肌恋しくなってるからさ、無防備な顔とかみれちゃうし」 「…あんときは…ダチが怪我してもうだめかもって…それだけだ!」 「そ、ね。でもあの顔、サイコーに可愛かった。不安そうで、陣の外つったってて、危なっかしくて、でも諦めないっていう目、してたから」 「当たり前だ!諦めて溜まるか!」 「んー?でも諦めが肝心なこともあるかもよ?」 「な、なんだ?さわんな!」 「さわんないとできないじゃない」 「何する気だ!」 「既成事実作ろうかなって!」 「爽やかになんてこと言いやがる!あ…っ!」 「返事くれたら止めてあげる」 「そんなんお断りに決まってる!」 「そ?じゃ続行」 「なんでだ!?」 「えー?返事は勿論はいでしょ?それ以外不可ってことで!」 「おかしいだろ!?」 「はいはい。じゃ、続き…」 「わー!待て待て待て!…えっとだな!?まず友達!友達からだ!」 「じゃ、結婚を前提としたお友達で宜しく!」 「…釈然としねぇ…!」 「まあまあ、いいじゃない?こんな出会いも」 「いい訳あるかー!」 ********************************************************************************* 冬の出会い系任務? 寒いので…! ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |