「ふわふわですね」 幸せそうに笑ってくれるから、禿げたら困るから俺の髪の毛で遊ばないで欲しいなーなんて事はとてもじゃないが言えない。 首が曲がりそうになるほど強く撫で回して、指で掻き分けて、それから頬擦りまでしてくるし、ついでに握ってきたりもする。質感を確かめるためらしいけど、キラキラした目で説明されちゃうとちょっと痛いんでお手柔らかにねー?って言うのが精一杯で、止めることなんてできやしない。 どうせなら別のところの毛でやって欲しいなー?なんてね。言ってみたいけど…ちょっとでもこういう話題を振ると真っ赤になって照れた後、猛然と怒り出すから、一度は言ってみたいけど流石に二の足を踏む。 いちゃいちゃしたいんであって、奉仕とかまではまあ要求しな…いや!そりゃ当然してくれたら嬉しいけど! でも文句なんか言えない。だって俺はこの人に無茶苦茶惚れてるんだもん。 気が狂うような思いなんて、初めて知った。好きで好きで好きすぎて、勢いあまってどうこうしそうだったから、制御できない己の欲望に驚愕しつつ、特Sランク任務並みに決死の覚悟で臨んだ訳よ。 で、いざってときになって好きですの一言が喉から出て行かなくて苦しくて苦しくて、このまま死ぬかもってくらい辛かったのに、この人は俺の手をとって大丈夫ですよって笑ってくれた。 喉につかえていた言葉は驚くほど簡単にこぼれだして、今度は止まらなくなってしまったけど、その日からずっと、俺たちは恋人同士でいる。 別れるなんて言われたら監禁とか拷問とか洗脳とかしちゃいそうで、時々ものすごい不安に襲われるけど、なんでかしらないけど、そういう気配をかもし出した途端、この人はものすごい速さで慰めてくれる。 なんで?どうやってんの?俺センサーとかついてるの?嬉しいんだけど! 実のところ今日も面倒な任務を終えたばかりでちょっとばかりやさぐれてたんだよねぇ。だから多分、これは慰めてくれてるんだと思う。 でもやっぱり髪の毛ばっかり構われるのは寂しいからこっちからちょっかいをかけることにした。 「イルカせんせ。イルカせんせの髪の毛も触っていーい?」 「へ?ああどうぞ?でも俺のはまっすぐで固いだけだからなぁ?太いし」 あっさり解いてくれた髪の毛に口付けて、しなやかなその感触を楽しむ。途端に真っ赤になるところがかわいいよね。もうたまんない! っていうか、さっきの台詞、すっごく卑猥なこと言ってるみたいに聞こえて、どきどきしてきちゃった。 だって無防備に触らせてくれちゃうから。…いいかなー。このままもつれ込んでも。いいよね? 決心したからにはさっさと丸め込んでしまおう。こっち方面のことには疎い恥ずかしがり矢の恋人は、ちゃっちゃとことを進めないと羞恥心で泣いたり怒ったりした後混乱したまま逃げちゃったりするから。 「カカシさん!?」 「ん。したい。ね、しよ?」 「…ま、まだ帰ってきたばっかりでアンタちょっとはやすみなさ…んぐ!」 逃げる唇を追いかけて重ねて、下はぬ半分違法脱がせてしまった。後は上も。足も腹筋も好きだけど、胸弄ってあげると切なげなすっごくイイ声で鳴いてくれるんだよねぇ。早く聞きたい。 「いいよね?」 「…うぅ…」 うめきつつも頷いてくれた人の気が変わらないうちに、急いで寝室に連れ込んで、当然、朝までぴったりくっついて離れなかったんだけど。 …髪の毛を弄られるとついついこうなっちゃうなーなんて思い返してぼそっと言ってみたら、イルカ先生が派手に動揺して、結果的にそれがイルカ先生からのお誘いだったこともあるってことが発覚した。 それから、ちょっとだけ髪を弄られるのが減った。さわりたそうにするんだけど、真っ赤になっちゃったりするのよね。 今となってはそれがちょっとだけ寂しいなーなんて思っている。ま、真っ赤になっておいしそうな恋人は、さっさとおいしくいただいてるんだけどね? ******************************************************************************** 適当。 いちゃぱら。 |