ふつうのれんあい(適当)


れんあいってどうしたらいいの。だってそんなの誰も教えてくれなかったんだけど。
父さんはいっぱいそれはもう死ぬほど術を教えてくれた。それから先生も覚えがいいなぁなんていいながら沢山術とそれから戦略と色々余計なことまで教えてくれた。
優秀だねぇなんて褒められて、でも忍の技ばっかりじゃって心配されて、そうして二人とも俺をおいていってしまった。
心配してくれるなら、もうちょっとどうしたらいいか教えてくれてたらマシだったのかもしれないのに!
…まあもういない人に八つ当たりしてもしょうがないんだけど。
愛読書を片手に苦悩する日々を重ねてはや三年。
愛しい人は未だに俺のことをどう思ってるかもわからない。
声をかけるだけでも死にそうに緊張するのに、そんなこと聞けない。
それでなくても胡散臭いって思われてるみたいなのに。
好きって言って、振られたら…きっと監禁しちゃう。
「ねぇどうしたらいいと思う?」
「聞くなよそんなこと!」
「そうよ。聞くまでもないでしょ?どうせその内我慢できなくなるんだから今やっちゃいなさいよ」
「ちょっ!?待て!何てこと言いやがる!こいつならやっちまうかもしれないだろうが!?」
取り乱すクマは置いといて、やっぱり紅は頼りになるなぁ!
流石くノ一!陰険な手段も使うけど、男前だ!
…ま、こんな女と付き合ってるくせに、ちょっとクマはダメすぎだよねぇ?
「えー?それってやっぱりアカデミー?それとも受付?」
いつも見かけるところっていったらそれだけだ。
…本当はご飯とかデートとかホテルとか言ってみたいんだけどなー…。ホテルじゃなくて俺の家でもいいんだけど、一回家に入れちゃったらその勢いで地下の監禁部屋におしこめちゃうかもしれないし。
「告白するのに手ぬくんじゃないわよ!ちゃんと呼び出しなさい。口は動かなくても手紙くらい書けるでしょ?」
「なるほどね!」
納得した。手紙…手紙っていうと式だな。それなら何とかできそうだ。
「なんだ…そっちかよ…」
「ヘタレの癖に余計な想像ばっかりするのね?そんなに…色々されたいの?」
あ、紅がクマを狩る体制に入った。ここらで俺は退避しないとな。
「じゃあな。ありがと紅」
「いーえ。うまくやんなさいよ?」
「はーい」
ほこほこしながら店を出る瞬間、髭クマが紅の手で拘束されるのを見た気がするけど…ま、楽しそうだし放っておくことにした。
*****
早速式を出した。
告白といえばどこだと思うかって聞いたら、部下たちはアカデミー校舎裏だって言ってたからそこに呼び出したんだ。
一部上忍から火影隠し部屋だのなんだのっていうのがあったけど、暗部しかしらないしねぇ。
「はたけ上忍!お待たせしました!」
「イルカせんせ」
あ、コレ間違った?
その様子でそう悟った。
めちゃくちゃ緊張してるし、背嚢背負ってるし、多分これ任務だと思ってるよね?
「いえ、その。私用でお呼び立てして申し訳ありません」
緊張してきた。どうしよ。ああでもイルカせんせも緊張してる。かわいい。
「私用!そうだったんですか…!よかった…!またナルトがらみでなにかあったのかと!」
ホッとしたとばかりにへたり込みそうになっているイルカ先生には申し訳ないけど、こうなったらさっさと告白してしまおう。
ここなら人目につきにくい…って待て待て。ダメだ。さらうのは最終手段!
「好きです。付き合ってください!」
この台詞も色々と愛読書をはじめ上忍中忍下忍に調査した結果だ。
恋愛小説家からの依頼ってことにして、七班指名で任務依頼しただけだけどね。
シンプルに。そして真剣に。相手と二人っきりで言うのが一番ってことになった。
ダメだったら…いつもの癖で仕込んであるワイヤーと縄と禁術の札もあるし。
「え!」
あ、びっくりしてる。…これって…どっちなの?
もうどっちでもいいや。我慢できない。…触れたい。
「あなたのことが、こういう意味で好きなんです」
調べたことなんて吹っ飛ばして、それでもいきなり押し倒すのはなんとかこらえた。
キスは、しちゃったけど。
「ええええ!?…あ、あの!俺も好きです!でも罰ゲームとかですか!?」
「罰ゲームってなぁに?」
喜んだ後殺気だったイルカ先生もかわいかったので、素直に聞いたら、すごい勢いで絞め殺されそうになった。
「わー!いいんですね!本気ですね!…今日から俺のうち連れて帰っても飯食わせても!」
「へ?いいの!?」
イルカ先生の手料理とか当然食べたいに決まってる。
「勿論です!」
ずっと狙ってたんです!なんて言ってくれて、なんだか無駄に気合が入ってるイルカせんせのおかげで、どうにかこの仕込みの札とか色々はお役ごめんにできそうだ。
「イルカせんせ…!」
「カカシさん…!」
ひしっと抱き合って幸せに浸った。
これって、多分普通の恋人同士ってのになれたってことだもんね?
*****
後日、紅がしょぼくれたクマを連れてたから、一応お礼を言っておいた。
毛艶がいいって褒めてくれたけど、全部イルカせんせのおかげだしね?
「俺が下なんですか!って言ってたけど、すごくすごーく大事にしてくれるよ!」
「そーお?まあいいんじゃない?あの中忍せんせなら」
「お、おい…!?」
「じゃね?幸せになりなさい」
「ん。ありがと!」
こうして、俺の普通の恋人生活は今のところ順調だ。
後は…できちゃった婚ってやつを目指せばいいはず。
逃がさないようにするにはって父さんも言ってたような気がするし。
「まっててねー!イルカせんせ!」
大量の禁術書の中で、なんとかめぼしはつけてある。
あとちょっと、時間はかかりそうだけど、せめて片思い期間よりは短くしないと。
俺は幸せ一杯の気分で家路を急いだのだった。



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適当。
イルカ先生サイドも書くかも。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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