不埒な話(適当)


カカシは変なヤツだ。
でもいいヤツだ。
近所に住んでるくせにあんまり会わない。父ちゃんはいるけど母ちゃんは早くにいなくなっちゃって、代わりに父ちゃんが色々やってるけど時々すごいことになってたりもする。
それで相談にきたっていうか、父ちゃんが二人まとめてうちに連れてきたのが、最初に会った切っ掛けだったかもしれない。
たまに会うときには一緒にいろんな話をしてくれる。それに母ちゃんいわくきりょうよし?なんだって。
確かにすっごくかわいいと思う。
でもやっぱり変なヤツなんだよな。
任務が終わったからって朝からうちにやってきたカカシと遊び倒して、気づいたらもう晩飯の時間だ。
いつも飯食ってけっていうんだけどな。母ちゃんだって大喜びだし。
でもカカシは迷惑になるからって嫌がる。
その辺はまぁ仕方がないって言うか、カカシの父ちゃんもちょっと変わった人だし色々あるんだろう。おうちのルールがあるのよって母ちゃんも寂しそうにしてる。
で、だ。それなのにカカシはさらっと帰ったことがない。任務が入っちゃったときでもだ。
「イルカちゃんにぎゅうってしてもらうまで、うちにかえらないもん!」
多分ちょっとだけだけどカカシの方が年上のはずなのに。
背もでっかいし、それはまあいつか追い抜かしてやるつもりだからいいんだけどな!だってカカシのがほそっこいし、俺は父ちゃんに似て多分でっかくなると思うし!
赤ちゃんみたいだってびっくりしたこともあったけど、ダセェって言っちゃったときも泣きそうな顔で「でも帰らないもん!」っていうんだもんなー。
しょうがないじゃん?ちょっと恥ずかしいけど、家でカカシの父ちゃんが待ってるかもしれないし、どうせなら帰らないで音まりすればいいのにって言うのは俺のわがままだ。
でも、ちょっと言ってしまいたくもある。
俺からもお礼にとっておきの秘密基地教えたりしてるけど、カカシはもう中忍になってるから遊ぶ時間はあんまりないし、話したいことはいっぱいあるのに帰っちゃうなんてつまんないもんな。
「あらあら困ったわねぇ?いっそのことうちの子になる?」
母ちゃんの言葉は俺が言いたかった言葉でもある。いいじゃん。帰んなくても。…カカシの父ちゃんごとうちにきちゃえばいいのに。父ちゃんがうんって言わなくても母ちゃんがするって言えば平気だと思うんだけどな…。
「えっと。でもむしろイルカを俺の籍に入れたいっていうか…!」
「あら!そうなの!楽しみね!」
「せき?」
ってなんだろ。母ちゃんが楽しそうだから怖いことじゃないんだろうけど。
「んー?おっきくなったら相談させてね?あとぎゅー!」
きらきらした目で駆け寄ってきたカカシを思わず抱きしめてしまったのは…きっと条件反射だ。
だってうちに来る度にこうなんだもん!くっそう!せっかくうちの子にしちゃえ大作戦を決行しようってさっき思ったばっかりなのに!
「…カカシ。またきてね?」
悔しくて寂しくて、でもカカシの父ちゃんが待ってるから泣きそうな顔になるのをこらえてそういったら…カカシがなんだかおかしくなった。まあいつもおかしいんだけど。
「イルカ…!」
ぎゅうぎゅうに抱きしめ返されて、息もできない。
母ちゃんも笑ってないで止めてよ!苦しいよ!イルカの将来安泰ねって…ここで人生が終わっちゃいそうじゃないか!
「なにすんだカカシ!」
「だって!イルカちゃんが!…イルカちゃんが大好きなだけだもん!」
…こういうとこに弱いんだよな。俺。
なんで俺よりでっかいのに泣きそうな顔してるんだこいつ。なんなんだよもう!
「俺も好きだけどあんまりぎゅーってされたら苦しいだろ?」
「うん…ごめんね?」
しょぼくれた犬みたいになってるから、思わずもふもふとそのやたらとふわふわしてる頭を撫でてやった。気持ちよさそうな顔するとこもわんこそっくりだ。
「じゃ、またな!」
「うん!また!絶対絶対遊びにくるから!」
去っていくカカシを見送るのはやっぱり寂しいけど、今度会ったらまたぎゅーしてやろう。いっぱい。
*****
「あんたそのまま大人になったんですねぇ…」
うちの居間…中忍ばかりが住む安アパートのちゃぶ台の横にながながと寝そべって、俺の足の甲にじゃれ付いている。
銀髪のいい年した男が。
見た目も器量よしと母が称したまま育って、どっかで傷はこしらえてきたがその代わり優秀なイチゴ飴色の瞳も貰ってきた。
で、いつの間にやら将来安泰だ。多分。だってコイツ俺以外いらないなんて叫んで大騒ぎになって、火影様もそれを了承した。
…俺の同意は必要なかったらしいってのは、いまだになんとなく納得できていないんだけどな。
ある日突然知らぬまに結婚できましたよーなんていいだした日には…まあ軽く血の雨が降らせてやったからいいってことにした。コイツ頑固さはある意味俺以上だからな。
会えなかった間のことは知らない。ぽつぽつと寝物語に脈略なく語られるそれらのおかげで、語れないほどに辛かったんだろうと断片的に理解してはいるけれど。
「そうですねぇ…俺大人!じゃ、しましょ?」
「したばっかだろうが!ごろごろしてないであんたも風呂入ってきなさい!」
「ちぇー?…お風呂、ぎゅーってしてくれなきゃ入りませんから!」
…こういうところが変わってないっていうんだよ。全く。
まあ帰らないでくれればいいのにっていう夢は、ちゃんと現実になったからいいとする。
「あんた馬鹿ですねぇ…」
床に転がったまま赤ん坊のように両手を俺に突き出して強請る男を睨むと、あの時とそっくり同じに泣きそうな顔をして見せた。
演技も入ってるんだろう。流石の俺もそれはわかるようになった。…大分本気なのも分かってしまう辺り腐れ縁ってやつなんだろうな。
「ぎゅー!」
わめく男の手を交わし、代わりに頬に唇を落としてやった。
「ふぇ!?」
ほっぺたピンクになんてしやがってどこの乙女だ。やることはしっかり雄なのにな。人の性別無視してまで押し倒してくるくせに憎めないのは…まあ結局は惚れた弱みなんだろう。
「風呂上がってベッドにきたら、ちゃんとしてあげますよ?」
まあキスだけだけどな。これ以上したら腰が壊れる。
「いま!いますぐいってくるから!待ってて!」
「ちゃんと洗ってくるんですよ!」
さて、勘違いして襲ってきたらどうやっていなしてやろう。外堀を固めるときしでかした色々は無茶なんて言葉で止まるものじゃなかったが、俺が本気で嫌がれば絶対に無理を通さない。
我慢させたときのあの困り顔がかわいいから困る。
ベッドにさっさと潜り込みながら、早くあの顔がみたいなんて、不埒なことを思った。



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適当。
間に別物挟んでみたり。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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