もうどうしようもないほどあの人が輝いて見えるので。 「わー!?あんたちょっとなにすんだー!?」 特製布袋で綺麗にくるんでちょっと自分の家まで運びこもうとしたら、そう叫ばれました。 いいアイデアだと思ったのにな…。 「ちょっとまて!?なんでそんなしょんぼりされないといけないんだ!?アンタの方がめちゃくちゃなことしでかしてんだぞ!?」 怒鳴り声にも胸がキュンキュンする。 鼻傷まで真っ赤にして、括った犬の尻尾みたいな髪の毛もそれにあわせてぴょこぴょこしてて、興奮にか潤んだ瞳が俺だけにむけられているのだ。 真っ直ぐに目なんか見えないけど好きで好きで仕方なくて、そうなると当然やりたくてたまらなくて、だけどあんまり輝きすぎててできないかなぁと思ったから、頑張ったのに! ちゃんと肌触りのいい布を選んだし、ちくちく縫うときも目が狂わないように頑張ったし、術を掛けるときだって、念には念を入れて、身動きを封じて、でも感覚は鋭くさせるように目隠しだって用意した。 でもイヤだっていうんだもん。そんなコト言われたら持って帰れないでしょ? だって、嫌われたくないし。 「あー…アンタがまた何考えてんのか知りませんが、ほら、涙吹いて。鼻水で顔凄いコトになってますよ?」 あんまりきちんとアイロンの当たってないハンカチでこうして顔を拭われているだけで気持ちイイ。 アイロンだってなんだって、きっと俺はこの人よりずっと器用だ。 でもこの人みたいにまわりを暖かい気持ちにさせることはできない。 でも、ほしいんだもん。諦められない。 「…せんせ。せんせが欲しいです。ダメですか?」 そう言ったら深くふかーく溜息をつかれた。 「あー…まあ、あれです。まずは友達って言うか、アンタはもうちょっと普通ってどういうもんかを学んだほうがいいと思いますから。お付き合いしましょうか…?」 鼻水を強引に拭かれてちょっと肌が痛い。 でも嬉しい。だって今イルカ先生から触ってもらえてる。 「がんばります!…でも、いいの?」 本当にそんなコト言ったらそれはもう頑張って頑張って…今夜にでも全部貰っちゃうつもりなんだけど。 「アンタに常識がないのなんてとっくに知ってますよ?アンタは自分がこういうコトしでかすの何度目かなんて覚えていないんでしょうけど。…もういい加減無視するのにも疲れましたからね」 笑ってくれている。しょうがないなぁって顔だったけど。 でもその慰めてるんだか怒ってるんだか分からない言葉でも嬉しかったから、鼻水を拭いてもらってきれいになった顔を先生の顔に重ねた。 「えへへ!好きです。大好き!」 「…調子に乗るな!」 …で、まあしっかり殴られたんだけど。それもまた愛かなって思うコトにした。 ********************************************************************************* 適当。 上忍の暴挙はどうしたって止まらないという話? ではではー!なにかご意見ご感想等ございましたら、お知らせくださいませ! |