雛人形と愛(あくまで子イルカ)

「あなたのわがままにはもうウンザリ!」
「待ってくれ!」
「だって…あなたは結局…私のこと何か愛していないのよ!」
「そんなことは…!」
「さよなら…。」


「コライルカ!雛人形で遊ぶんじゃない!…なんだその裏声!?気持ち悪いだろ!!!」
「いってぇ!…これからが盛り上がるんだぞ?こっちのおねぇちゃんとヒゲのおっちゃんの熱く激しい恋の…」
「いいからさっさと並べろ!」
「はーい!でもさ、順番わかんないんだけど?」
「お前のうちのだろうが!飾りたいって言い出したのも!…そもそもなんで息子しかいないお前ん家に雛人形が…?」
「とおちゃんがね!」
「あーもうわかった。それ以上はいい。さっさとやれ。」
「両方あったほうが楽しいからっていってたからなぁ…。でも、5月人形の代わりだって言って、本物の鎧兜を…。しかもソレが夜中に…」
「いいからやれ!」
「だから並べ方がわかんないんだって!」
「確か…正面から左がお内裏様で、その横がお雛様、で、その下が三人官女で…」
「さっすがカカシ!!!かあちゃんらしいぜ!!!」
「関係ないだろ!!!この時期任務で大名のトコ行くと必ず飾って…」
「そうか…舞台の方だったか…!!!えらいぞカカシ!!!」
「もういい…とにかく口じゃなくて手を動かせ!!!」
「おう!!!えーっと?だからこのおっちゃんはどこだ?」
「おっちゃんって…一応ソレは左大臣だからエライっていう設定なんだぞ? …そっちじゃない。その下…まてまてまて!それ持たせるやつ違うだろ!!!」
「太鼓を打ち鳴らしておねえちゃんの愛を乞う情熱的な男設定…」
「そんな裏設定はいらん!!!ああもう!貸せ!!!」
「おお!すげぇ!早い!!!」
「お前は菜の花と桃の花と菱餅とか買って来い!!!」
「おうよ!!!いってきまーす!!!」
「余計なモノは……もう行ったか。…なにやってんだろうな…俺…。」
*****
「こんなもんだな。」
「すげぇ!キレイだな…!」
「結構モノはいいよな。…ところで、どうして左大臣が三人官女に…」
「え?ヒゲがもっさもさだから…」
「分かった。黙れ。…飯にするか…。」
「おうよ!今日は寒いから鍋焼きうどんだぜ!」
「あー…そうね。温まるかもな。」
「じゃ、早速作ってくるからー!!!」
「はぁ…。」


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うみの家のひな祭り準備中。
人形たちに激しく反応する子イルカに苦労するカカチ。
当日はおいしいご飯と人形劇もどきが展開され、それはもうにぎやかなひな祭りになることでしょう…!!!
要するに、自分が今頃になって雛人形を飾った…という話。
あ、並べ方は地方によるようなので、その辺はスルーでお願いします!

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