暑く湿ったこの部屋で(適当)


「あっちぃ…」
こんなこといったって涼しくならないのは承知の上だ。
だがこんなに急に気温が上がったら、ぼやきたくもなる。
部屋中が熱気で満ちていて、意気をするのも鬱陶しいほどで、その上湿ったシーツが追い討ちをかけるかのように肌にまとわりついてきているのだ。
窓から入る風はまだそう暑くはないのが救いといえば救いか。
…とはいえ、熱源がめっとり張り付いてるんだから、暑いことには変わりはない。
「んー…?もっとあっつくなります?」
昨日人を散々な目に合わせた張本人がこれだ。
自分勝手というかなんというか…割と本能に忠実なんだろうな。
大なり小なり忍なんてそんなものなのかもしれない。
そうでもしなけりゃ死ぬもんな。
上忍のそれは常軌を逸していることが多いのも事実ではあるんだが。
「いやです。俺は風呂に入って飯食って寝なおしたいんです。シーツも洗わないと…!」
「えー?まだいいじゃないですか」
よくねぇよ!洗濯物溜まってるし飯だって俺は食いたいんだ!という正直な怒りはぶつけないでおく。
そんなことを言おうことなら、また一緒に住もうだの、全部俺がやってあげますだのはじまるからだ。
ペットになる気などないと言っているのに。
無意識かそれとも確信犯か、どうしても支配したいという欲求が抑えきれないらしい。
このせいで喧嘩にもならない言い争いは幾度もした。
いまだに結論がでていないのは、こうしてすぐ下の方に持ち込む男のせいか、それともこの男に馴染んですぐに流されてしまうこの快楽への弱さのせいか。
まあ、どっちでもいい。抗えるだけ抗うだけだ。
…いつか、この男が俺を閉じ込める日が来ても、きっと憎んだりはできないだろうから。
「離せ。飯食わなきゃどっちにしろ腹へって眠れませんよ」
「おなか一杯注いだのになー?」
するりと腹を撫でられて、その危うい感覚に思わず総毛だった。
確かにこの男のモノを散々飲み込まされたのは事実だ。
サルみたいにがっつかれたおかげで掻き出す前にシーツにこぼれ出してしまっている。
腹を下すかもしれないな。こりゃ。
…しばらく身の内にあったそれが、少しは俺の中に溶けているだろうか。
そんな余計な考えは振り捨てることにした。日常を侵食するものはできる限り排除したほうがいい。そうでもなければ、あっという間にこの男に塗りつぶされてしまう。
「馬鹿言ってねぇで!ほらとっとと風呂入りますよ!」
「一緒に?ホント!入りましょう入りましょう!」
誘ったつもりはなかったんだが、こんなに喜ばれると…まあなんていうか、惚れた弱みだ。
どうしてこんなのに惚れちまったんだか。
いつだって虎視眈々と俺を狙い続けるけだものなんかに。
「まあ、いいです。シーツ引っぺがしてきてくださいよ?」
一応用意した着替えを身に着ける頃には、多分立てるかどうかも怪しい。
すっかりその気の男に、綺麗にした端から汚されるんだろうなぁとため息をついておいた。
これ以上溺れないですめばいいのになんて、望み薄なことを考えながら。


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適当。
原稿がいっぱいいっぱいぎみなので、粗品更新おそくなるかもしれません…。
後かぜひいた。なじぇすてぃ。肉がくいたいです。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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