「…ワシに何か言うことはないか?」 「ご、ごめんなさい…」 「なにに対しての謝罪じゃ?言うてみよ」 「じいちゃ…火影様の書庫にあった本に、禁ってあったけど試しました…。駄目だって、わかってたけど、でも」 「ふむ。あの術を試みてこの程度で済んだのは幸いじゃな」 「ごめんなさい…!」 「禁術になるには禁術になる理由がある。確かにお主には向いておるじゃろうが、制御できずに怪我をするようでは、な?」 「はい…カカシに怪我させたくなかったのに、俺が怪我しちゃったから結局カカシ怒って…うー…!」 「はぁ…不器用じゃのう。お主らは。あきれ返るわ」 「え?」 「お互いに心配ばかりしよって。無茶が過ぎるところまでそっくりじゃ。無茶をするところが違うだけだというのに、お互い見ていてわからぬか?」 「えっと、カカシが、だって、なんか高ランク任務っばっかり…!っく…!だから、俺は急がなくちゃって…!でも怪我しないけど、ずっと顔色悪いし、恐い顔してるし!だからサンマとか買ってでも…!」 「ふむ。ならばイルカ。守ってやると言われて、嬉しいか?」 「守ってやるって、カカシがよく言うけど、俺は、嫌だ。守るって、守られたまんまで、また置いていかれるくらいなら…戦って、もし駄目でも守りたい」 「それはの。カカシも、同じじゃ」 「え?」 「アヤツもなぁ。おいて行かれた方じゃ。それは分かるか?」 「…うん…。だってカカシも爺ちゃん以外に家族いない」 「ほっほっ!そうか。ワシも、家族か?」 「え!違う、の?」 「ああ泣くな泣くな!違わぬぞ?火影というのは、里人のすべてが家族じゃ。里を守るためにワシはおるんじゃよ。勿論イルカもな」 「うん!へへ!」 「アヤツめもはねっかえりが過ぎるが、勿論家族じゃ。むしろ気兼ねがなさすぎて、の。無遠慮というかなんというか…年頃のせいもあるじゃろうが」 「カカシは、どうやったら怪我しなくなりますか?無理しなくなりますか?俺が、頑張っても、駄目ですか…?」 「アヤツも馬鹿ではない。今は理解したがっておらぬだけで、その内落ち着くじゃろうて」 「…そのうちって、そのうちが来る前におっきな怪我したらどうするんだよ!」 「まあそれはカカシもいいたかったことじゃろうなぁ?強くなる前にその無計画さで…お主はもとより、側におった者が傷ついたらどうする?カカシはお主が無茶をすれば、きっとそれを止めようとするじゃろう」 「止めないもん…。馬鹿じゃないのとかいうだけだ。でもさ、カカシがさ、でっかい怪我とかするの嫌なんだ。自分のことなんでもどうでもいいみたいなの、すっごく嫌だ」 「不器用同士じゃと、こうもこじれよるか…。それも止めておるんじゃよ。アヤツの言い方が悪すぎるがの?」 「…俺も、バカカシとかいってる…。だって、カカシが俺のことずっと馬鹿にするしでも怪我とかするし、ちんちんとか…」 「なっ!?いまなんと!?」 「なんかでっかく腫れてたし、さわんなっていうし、どうしたらいいかわかんないけど、すぐに戻ったけど、病気じゃないって言うし。前に毒食らったときも、なんかこそこそかくれてたんだ。さわんなとかいうし。でも移んない毒だって、匂いで分かってたのに!」 「…その、じゃな。あれはその、そういうもんじゃ。…うむ。あーまだ早いかと思うておったが、そうじゃな…その、適当な資料を見繕っておく故、また取りに来るんじゃよ?」 「ホント?病気じゃないの?」 「病気ではない。病気ではないがしかし、その、色々と厄介でな」 「やっかい!?」 「説明が難しいだけじゃ。カカシは、その、上手く言えなかっただけじゃろう」 「そう、なの?そっか。良かった…!」 「イルカや。今度から術を学びたいときは、ワシに声を掛けなさい。アヤツの度肝を抜いてやると良い」 「うん!」 「あとは、何のために強くなろうとしているか、二人で話し合うんじゃよ?」 「…うん!」 ******************************************************************************** 適当。 はろいんはろいん。じいちゃん子育て(陰謀風味)奮闘中。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |