はろいん(適当)



「なーにやってんのかなー?」
「っ!チッ!」
「舌打ちなんかしちゃって。…許されると思ってんの?」
「知らない」
「知らない、ねぇ?お前、居候の身分ってことちゃんと理解できてんの?」
「知らない!…知らな、い…ッ!」
「あーもう。泣けば許されると思ってんじゃないの?…ちゃんと片付けな」
「うるさい!バカカシ!帰るの遅い!うそつき!」
「…めんどくさい」
「…!」
「拗ねるにしたって、やり方ってもんがあるでしょ?どーすんの。この部屋。今日どこで寝る気?大体これなんなの?血糊…はニセモノ?この黒い布とか…」
「え!もうすぐはろうぃんなんだぞ?知らないのか?」
「はろうぃ?…あー。あれね。仮装して民家を襲撃するっていうタチの悪い遊び。先生も好きだったんだよねー」
「お菓子もらえるんだ。その日はおばけがでてこれるって、爺ちゃんが。お盆みたいにオバケにまぎれてでてくるかもって、だから母ちゃんが作ってくれたみたいに…そしたら」
「…どうすんの。これ」
「片付ける。…もう、いい」
「そうじゃないでしょ?型紙とかないの?」
「かた、がみ?」
「…知らないのか。ならどんな服なのか教えなさいよ。変化してみせて?できないの?」
「で、できるもん!えい!」
「なるほど。外套と…中身は…へぇ。さすがうみの上忍。見事なもんだ。こんなクソガキに燕尾服ってのはともかくとして、良く変化できてるのは褒めてやるよ」
「なっ!変化ぐらいできる!えらそうにいうな!バカカシの馬鹿!」
「なんでもいいけど、これじゃ布足りないんだけど」
「え!だって母ちゃんが買ってたのとおんなじ長さで…」
「は?そりゃお前が育ってんでしょ?」
「ええ!?で、でも!カカシとあんまりかわんないのに…」
「とーぜん。俺も育ってんの。育ち盛りってヤツでしょ。似たような年なんだから当たり前でしょうが」
「そ、か。俺、俺、もうでっかくならないのかと思って…」
「はは!そりゃないって!安心しな。お前の父親もだけど、母親は背も高かったし、腕も良くて器量よしだったから、お前もちょっとは似てくるんじゃない?」
「え!そ、そっか!へへ!俺、父ちゃんみたいになるんだ!」
「…ま、好きにすれば?天然熱血尻敷かれ上忍に憧れるってのも変わった趣味だと思うけど」
「しりひかれ?」
「なんでもいいから真っ直ぐ立つ」
「え?え?」
「さ・い・す・ん。大体作り方も切り方もあってるみたいだけど、育った分が足らないでしょ。…記憶力も親譲りなんだから感謝しときなさいよ。お前の親に」
「…うん」
「ん?この匂い。飯?」
「さんま、焼いた。…お前の分も」
「…ふぅん?」
「だって、カカシ昨日帰るって言ったのに遅いし、ごはん食べてないだろうと思って…」
「そ。ありがと。じゃ、食べてからにするよ。食べ過ぎて腹が出ても着られる様につくんないとねー?」
「腹なんかでてない!バカカシの馬鹿!」
「はいはい。裁断は手伝ってやるからがんばんな」
「…うん。カカシのも」
「は?なんで?」
「え?だってお菓子が貰えるのに!」
「…はー…。ま、好きにしな。あ、味噌汁ナス?へー」
「…ごはんよそう」
「ん。たくさん食べなさいね。チビすけなんだから」
「うるさい!いつかカカシなんかよりでっかくなって、おんぶしてやるんだからな!」
「はいはい。好きなだけすれば?」
「ッ!覚えてろ!おんぶして、あとえっと、うー?そうだ!だっこして商店街歩いてやる!覚悟しろ!」
「ックク…!やる方も恥ずかしいってわかってんのかね。ま、楽しみにしといてやるよ」


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適当。
唐突な子カカイル祭。ちびっこは反抗期。保護者もまだ10代。
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