仮装と情熱(かぼちゃのてんぷら)

「ハロウィンかー…」
「なんだよ?どうしたんだイルカ?」
「腹減ったのか?ちょっとだけならオヤツあるぞ?」
「い、いや、今年はどうしようかって…!」
「あー…そうだなぁ?お前毎年すごいもん作るもんな?」
「おもしろいけど、危ないのはやめとけよー?」
「そ、それはいいんだ!別に!今年のハロウィンケーキはちゃんとまっしろふわふわお化けケーキにするって決めてあるし!」
「あー…いつものはなー?美味いんだけど見た目がアレだから、生徒には不評っちゃ不評だなぁ?」
「そういやアレ怖いよな…。切り口が変にリアルでえぐい」
「美味いからいいんだ!」
「まあイルカならそうだよな」
「で、なんで困ってるんだ?」
「こ、困ってなんかいないぞ!仮装なんて別に…!」
「なんだよ?かぼちゃ大王じゃないのか?今年は」
「珍しいな?かぼちゃ大王のかっこよさとかなんとか言って、毎年同じだったじゃないか」
「だ、だって…!でもかぼちゃ大王はかっこいいんだ!キラキラで!」
「あーそっか。さては生徒になんか言われたんだろ?」
「俺のクラスはミイラ男だぞー?この本とかどうだ?おばけ大全!中身は飛んでも本だけど、結構イラストとかは使えると思うぞ!」
「ミイラ男…!いっぱい覆ってあれば…!」
「おい?大丈夫か?」
「イルカ?」
「うぅぅ…!俺はお菓子じゃないし、いたずらって…いたずらってそういうのじゃないと思うんだ…!」
「…なんだ。はたけ上忍か」
「あー…なんていうかさ。がんばれ!でも助けてはやらん!」
「仮装のレベル上げて驚かせようと思っただけなのに…!」
「泣くなって!えーっとな?多分その、聞きたくないんだがそれは…」
「この間朝っぱらからよろよろしてたよな…?あの日か…?」
「耳だってちゃんと動くし尻尾もかわいくできたのに…!がおーって言ったらなんで俺の方が…!」
「はたけ上忍見境ないな…」
「余裕なさそうだったもんなー…?イルカに関してだけは」
「だから!俺はもっとびっくりして怖がる仮装をするんだ!」
「それは無理じゃないか…?」
「多分どんな格好でもあの人ならヤルだろ」
「な、なんでだよ!おばけだぞ!怖いんだぞ!がおーって…!」
「そりゃなぁ?」
「だってそりゃおまえ…」
「かわいい恋人がかわいい顔して襲ってくるんだからその気になるでしょ?
「かわいくなんてない!」
「ぎゃー!?でたー!?」
「痴話げんかはよそでやってください…!」
「なんでお前らが怖がるんだ!俺のお化けの格好よりきゃあきゃあ言われてるなんて…!」
「ほらほら泣かないの。帰ろ?」
「うぅー…!なんで驚かないんだ…!がんばったのに…!」
「そうねぇ?かわいいからかなー?じゃ、この人貰ってくから」
「降ろせー!」
「…行った、か?」
「…当日は…平穏にすごせるといいけどなー…」


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かぼちゃのてんぷら!
脳内で記念日扱いだったりする上忍と、脅かすことに血道を上げる中忍という相変わらずかみ合わない二人。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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