「おいしそうって、体目当てなのか」 「おい」 「いやでも俺は普通に男だ。あと食う…いや、硬いよな?っつーか人肉は色々駄目だろ…ってそうじゃなくて…!」 「なぁ」 「っつーか肉は硬いしおおおおおっぱいもな…うげ!」 「イルカーもどってこーい!」 「…はっ!俺は一体ナニを!」 頭部に強烈な一撃を食らったおかげで頭がぐらぐらする。 いや、その前からぐらぐらしてたというか、悩みすぎて眩暈までし始めてたんだが、コレは一体どういうことだ。 痛みと混乱で思わず拳骨を落としてくれた同僚を見上げてみれば、あきれ果てたとばかりに椅子に突っ伏して苦しんでいる俺に冷たい視線を向けていた。 「打ち所悪かったか?…恋わずらいか?大変そうだけど残業中とはいえ、もうちょっとまじめにやれ!」 「…ああ…」 そうだよな。職場でナニやってんだ俺は。 ひとしきり落ち込みながら、それでも痛みやらなんやらで突っ伏したままの俺に、同僚が教師らしく無駄にでかい声で背中を叩いてきた。 「落ち込むなって!なんとかなる!お前には前から肉食系彼女のが合うと思ってたんだよな!」 「そ、うか?」 彼女じゃねぇ。 あの人は、どっからどう見ても男で、間違っても女性ではありえない。 「好きなんだろ!あたってくだけとけよ!」 「す、き…!?」 すきって、好きか。うそだろ。 いや心当たりはあるようなないような…!? 「…お、おい?完璧に恋わずらいだって、それ。自分でわかってなかったのか?」 「わかって、なかった…」 そして今でも信じ切れていない。何かの間違いだとさえ思っている。 いや、だってあの人暗部で男だぞ? そんで俺も男で、でも会えないのが辛かったし、会えたら会えたでものすごく嬉しいし! でも、これが、恋なのか? 「…もう今日は帰れよ。この間も手伝ってもらったしさ、大丈夫だって」 「すまん…」 口の中がからからに乾いている。こういうときこそ飴玉だと、普段の自分なら考えるはずなのに、もうそれすらめんどくさかった。 「すまん。今日は帰るな…」 「おう!無理すんなよ!あと多分相手も脈アリだぞ!」 妙ににやにやした同僚に送り出されるままふらふらとアカデミーを出て、それからどうやって家に帰ったか覚えてすらいない。 ******************************************************************************** 適当。 はろうぃんなのでちっとれんさい? ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |