ハロウィンの戦い(変態さん)
「この際ヤツの性癖を利用するしかない」
「あー…そ、そうだな。今日はまた一段と目つきが…」
「ヤツが脱がす速度に見合うだけの何かが必要なはずだ」
「そ、そっか。でもな?イルカ。ここは職場だから…」
「ヤツが脱がせたがらない服、尚且つヤツが襲いにくい衣装なら…!そこに一瞬の隙が生まれるはずだ!」
「…そっとしといてやれよ…」
「そうだな…なんかこう最近毎日顔色が悪いって言うか、精神状態がやばかったもんな」
「猫耳メイド…いやむしろかぼちゃパンツの小悪魔王子がどうとか…」
「ちょっと待て!流石に落ち着け!」
「想像させるな!なんだそれ!?」
「…変態がメインディッシュと称して怪しいモノを…後はほうきプレイがどうのとも言ってたな。そう言えば…うぅっ…!」
「ほうきプレイって一体!?」
「あと猫耳メイドも小悪魔王子もお化けじゃない気がするのは気のせいか…!?」
「駄犬の妄想では魔女の魔法がどうので変身だのパンチラ…いや、なんでもない…」
「落ち込まないでくれ…!あと脳内に染み付いた恐ろしい映像を何とかしてくれ…!」
「イルカだろ!?イルカがだろ!?うぎゃあああ!」
「俺だって…俺だってそんなもんはお断りだ…!…っておい?」
「おい!大丈夫か!?…まさか…!?」
「あかい…ぐるぐる…けされ…!」
「…いる!?いるぞ!どっかに!?」
「ちぃっ!駄犬が!」
「イルカせんせぇええ…!お化けの日まであとちょっとですね…!」
「ひっ!?…その格好…!?悪魔…か!?無駄に脱ぎやがって…!」
「…すまんイルカ!俺はコイツを連れて退避する!」
「ああ頼む!逃げてくれ!…貴様のせいで!アイツに一体何しやがった!」
「え?だってイルカ先生使って破廉恥な妄想なんか繰り広げてるんです!制裁しないと!」
「…俺が…不用意に貴様の発言を…!くそ…!無事でいてくれ…!」
「ああん!大丈夫ですぅ!だってイルカ先生の同僚だから情状酌量…うらやましいいいいい!!!」
「落ち着け!俺が知りたいのは大丈夫とか言う根拠の詳細だけだ!」
「イビキにぃちょこーっとだけ…えへへ!」
「何を笑ってるんだ!イビキって…あのイビキさんか!?」
「ちょこっとだけ夢見せてるだけですよ?イビキがずーっと添い寝して、耳元で子守唄歌ってくれるんです!」
「それは…ちょっと…いや、相当嫌だがまあ耐えられ…」
「殺気むんむんで裸エプロンで鞭持ってますけどね!!!」
「ぎゃあ!?なんだそれ!?今すぐ解け!イビキさんに失礼だろうが!」
「えー?でもアイツはアレでも結構…」
「上忍だの特上だのの秘密なんぞびた一文知りたくない!いいからなんとかしろ!」
「はぁい!…えい!」
「…解いたのか?」
「はい!」
「…とりあえず信用しておいてやる。帰れ!」
「イルカ先生からお衣装のリクエストがあるなんて…!イルカ先生も楽しみにしてくれてるんですね…!うふふ!はい、どーぞ!!!」
「…なんだこれは!?」
「猫耳メイドと、小悪魔王子様でぇす!」
「とりあえず預かっておく。失せろ!」
「まってますねぇー!!!」
「…仕込みを確認して利用できるか検討だな…。どうせまた12時きっかりに出やがるだろうし。その前にあいつらの無事を確認しないと…!」
*****
「準備…万端ですね…イルカせんせ…!!!」
「来やがったな…!お前のせいで同僚が怯えて…!」
「かぼちゃパンツ…似合ってます…!!!」
「…背に腹は変えられんからな…それにこの服なら仕込が…くくく…っ!」
「怪しい笑顔が色っぽくて今すぐにも突っ込みたい…!ああ…!正に俺の小悪魔ちゃん…!!!ささ!今すぐ…!」
「おい駄犬。定番のセリフはどうした?」
「とりっくおあとりーと!おかしもいたずらもまかせてください!!!」
「よし!言ったな!?食らえ!」
「あ、ああ…!イルカせんせぇの匂いが染み付いた…!」
「まだまだあるぞ?…まあ貴様が食いきれなければ、誰か他に…」
「まってぇ!まってください!全部!全部俺のです…!」
「そうか。なら食え!全部だぞ!」
「おいしい…おいしいです…!!!ああ…!!!イルカせんせぇの…味ぃ…!!!」
「…これでしばらく時間が稼げる…!」
「もっと!もっと下さい…!」
「どんどん食え!まだまだあるからな!」
「あぁあぁあ…!し・あ・わ・せ…!!!」
*****
「…あっ…っうぅ…!イルカせんせぇので…お腹一杯です…!!!」
「ちっ!相変らず気色悪いことを…!…だが大分時間は稼げたな…!この時間なら…!」
「も、もっと…!まだあるんですか…!食べなきゃ…!他のヤツなんかに…!」
「腹が膨れるようにおからだのなんだのぶち込んどいたのに…。まあ一応味は大丈夫だったが。それにしてもお前、本当に馬鹿だよなぁ…」
「イルカせんせぇは欠片だって渡しません…!ほうきプレイ…!」
「…まだやる気が残ってるか…!想定範囲内だが…おい駄犬」
「は、はぁい!白いタイツが眩しいイルカせんせ…!今すぐ破ってかぼちゃパンツごと…!!!」
「貴様は随分と俺の菓子を貪ったな?」
「は、はい!イルカ先生もこれからたーっぷり奥の奥までぜぇーんぶ綺麗に…!!!」
「俺の分の菓子は当然用意してあるよなぁ…?」
「はぁい!俺の元気な…!」
「菓・子・だ!しまえ!…ないなら…他に行って…」
「えええええ!?だめぇ!だめですぅ!そんな格好で外に出たら間男があっという間に群がって俺のイルカ先生が…!!!今、今すぐ!…はいどうぞ!」
「相変らず素早いな。…茶は?」
「はい!今すぐ!うぅっぷ!」
「ふぅ…美味い。菓子もなかなかだな。誉めてやる」
「えへへ!ご、ご褒美…!」
「さっきから随分と具合が悪そうだな?もしかして…!?」
「え!?ええ!?なんでもないです!愛でおなかが一杯なだけです…!!!」
「いや。今すぐ病院へ行って来い。もう診察が始まってるはずだ」
「で、でも…!お医者さんプレイはいつでも出来ますよ…?」
「…ここで怒るな俺…!耐えろ…!」
「白衣も聴診器もあります!!!」
「いらん!…駄犬、吐き気はないか?」
「イルカ先生…!俺のことなら何でも分かるんですね…!嬉しい…!!!で、でも…!」
「まさかにんし…いや…そんな…!」
「えええええ!?そういえば俺たちいーっぱいいっぱい…!!!」
「なら分かったな?もしものことを考えて今すぐ病院へ行って来い。そう考えてみると貴様の腹は大分膨らんでいる」
「そ、そういえば…!」
「俺も着いていきたいのは山々だが、この格好だからな。着替える間待てるなら…」
「…禁術かけたのってイルカ先生になのにおかしいなぁ…?それにまだ準備段階…」
「お、おい!?今なんかとんでもないことサラッと…!?」
「でも…嬉しいです…!俺、今すぐ病院行ってきます!!!こっちの目ばっかり弄繰り回してたがるいけ好かない連中ばっかりですけど…!俺とイルカ先生の愛の結晶のためなら…!」
「…くっ…!ちょ、ちょっと、待て。今正に気分が悪いなら少し落ち着いてからでも…」
「心配、してくれるんですね…!」
「うぅ…!そんな目で見るな…!と、とりあえず寝ていろ!俺はまだこれを食うからな!」
「はぁい!ゆっくり食べてください…!かぼちゃの中に愛とかいろんな物をたぁあっぷり…!!!」
「待て待て待て!?…だが匂いも…!?解毒剤は飲んであるが…!」
「起きたら…うふふふふふふふふ…!!!」
「くっ!だがあの量だし、相当腹が膨れるレシピだ。まだ何とか…!」
「起きたら…イルカ先生が側にいてくれるなんて…サイコーですね…!」
「…黙れ。もう寝ろ。…くそ!結局…!」
「おやすみ、なさい…」
「この祭りはどうせ夜が本番だからな…」
「そうですね…本番…!!!」
「…何考えてるのか分かるのがいやだが…寝ろ!」
「はぁい…!えへへ…!」
「俺は…逃げ切れるのか…?」


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変態さん。
結局上忍が自ら病院に行くことを希望し、当然の事ながら里の業師の一大事に大騒ぎになって時間稼ぎができたものの、 当然すべて無駄になったりして?
ではではー!なにかしらつっこみだのご感想だの御気軽にどうぞー!

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