だきまくら


寒いので、カカシさんを抱き枕にするコトにした。
「ん?なぁに?スル?」
とりあえず寝っころがって如何わしい本を読んでる背中に張り付いて腕を回してみたんだけど。
それに何かを刺激されたらしいカカシさんがくすくす笑いながら背中に手を回して俺に唇を落としてきた。
「ちがいます。寒いから抱き枕!」
スルのは好きだ。
幼い頃に両親を失って、里も大変な時期だったから、そういう方面に興味を持つ余裕なんてなくて、当然全然免疫もなかった。
しかも回りも俺のそういう雰囲気を感じ取るのか、猥談どころかエロ本さえも回ってこなかった。
だからずっとそういうのと無縁だったし、ひょっとしてまだ若いはずなのに枯れちゃったというか、一生枯れたまんまなんだろうかとか不安になったこともあったけど。
この人と出会ってしまってから、全部が変わった。
触れるだけでドキドキするし、触れられると訳が分からなくなるくらい気持ちよくなって、二人で混ざり合う頃にはただその快感だけで頭が一杯になってしまう。
だから昔は想像もしなかった凄いことをしちゃってるわけなんだけど、慣れたというか、そういうのが当たり前になった。
行為自体には全然全くなれないんだけど。そこが可愛いとか言われちゃって、ムカッとするんだけど!
でも、今はしたくない。だって寒い。それに気持ちイイのも好きだけど、カカシさんとくっついてるだけで、ほわっとしてドキドキして、気持ちも体も温かくなるから今はソレが欲しい。
「抱き枕ー?くっついてるだけなの?」
不満そうにそういうなり、カカシさんは俺の肩を掴んで簡単に捕まえてしまった。
しっかりと抱き寄せられてしまって、全然動けない。ついでに俺の背に回されていたはずの手が不埒な行動をとり始めている。
背筋を伝い、太腿とその付け根をぐるりと撫でて、唇が、舌が、うなじの辺りを滑っていく。
まあ要するにカカシさんがしたがってるってことだ。
でも…抱き枕は抱っこされているべきだと俺は思うので、カカシさんの頭に手を回して髪の毛を引っ張ってやった。
「抱っこされるのが抱き枕の仕事です!」
唇を尖らせて不満を強調し、ちゃんと言い聞かせてやったつもりだったのに、抱き枕のはずのカカシさんはにやりと笑って俺の唇を舐めた。
「俺は不埒な抱き枕なんで。そんなかわいいことされたら我慢できないなぁ?」
なんだそれは!って叫ぶ前に、あれよあれよという間に服は引っぺがされてどっかにいっちゃってて、寒いって文句を言う前に口もあそこもふさがれて、気がついたらアンアン鳴かされていた。
*****
行為自体は今日もやっぱり気持ちよくてどうにかなりそうだったんだけど。
終わってからやっぱり不満が残ったので、掠れる喉に鞭打って、カカシさんに文句を言ってやった。
「抱き枕―…!」
ぎゅうぎゅうしがみついてぶーぶー言ってたら、温かい手が俺の頭をするするなでて、それから笑ってくれた。
「はいはい。好きなだけ抱っこしていいよ?」
何だか良く分からないけど、凄く嬉しそうだ。
俺としても温かくて幸せな抱き枕であるカカシさんが手に入ったので嬉しい。
ぎゅーって抱きしめて、嬉しいからキスしてうなじに鼻を埋めて顔をすりよせて、好き放題にカカシさん抱き枕を堪能した。
ああ、温かい。…温かくなったから眠い。
うとうとしだした俺の耳に、穏やかで優しくて、それからちょっと誇らしげな声が届いた。
「不埒な抱き枕だけど、いい仕事するでしょ?なんたって、イルカ先生を愛しちゃってるから。ね?」
ああ、幸せ。
でも、これだけはいっとかないと!
「俺もー…!愛してるんだからなー!負けません!」
ふふふって笑う声が首をくすぐって。
やっぱり寒い日はくっ付いて寝るのが一番だなぁって思った。
…暑い日も、くっ付いてるんだけどな!


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てきとうー!
という訳で、寒いのでいちゃいちゃバカップル絶賛放置プレイ!!!
ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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