バレンタイン攻防戦8(変態さん)


これの続き。


「落ち着いたか?」
「ゥゥ…!」
「なんだよー?どうしたんだ?別にあの人がくれたものに毒なんて入ってないぞ?」
「グルル!」
「駄犬と違って普通の人はそういう事をしないもんなんだよ。お礼もちゃんとできなかったじゃないか」
「クゥン…」
「あーもう!しょげるなって!腹減ってんのかな?何か食うか?」
「ワン!」
「しょうがねぇなぁ。駄犬もこの辺に来たことがあるみたいだったよな?お前でも入れる店って知ってるか?」
「ワン!」
「お?分かるのか?じゃあ案内してくれないか?」
「ワンワン!」
「アカデミーの分もお土産買わないとなぁ。昼飯済んだら何か探そう」
「…ウゥー!」
「ん?なんだ?どうした?」
「ガウ!」
「土産物屋が嫌なのか?確かお前ら鼻いいもんな?ストーブの匂いがダメとかなのか…?今度は土産物屋の外で待っててくれよ」
「グルルル…!」
「あ!ひょっとして具合悪いのか?宿に帰るか?」
「ガウ!」
「ダメなのか…?うーん?飯食ったら落ち着くかな?」
「ワン!」
「ああわかったって!そうせかすなよ!…まあダメそうなら犬預かってもらえばいいもんな」
*****
「ここ、か?」
「ワン!」
「…悪いな。ここは多分俺じゃ無理だ。値段が違う」
「クゥ?」
「あーつまりだな。お前の主人は変態で駄犬だが金持ちなんだ。俺は中忍!稼ぎが違うんだよ」
「ワンワンワン!」
「わー!?吼えるなって!こんな高そうな店の前で…!」
「あら!いらっしゃいませ!はたけ様の子ですわね!それに…ああ!あなたが!」
「へ?あのう。俺、その、通りかかっただけで…!」
「是非上がってくださいませ!はたけ様の奥様でしょう?」
「へ?いやその!?」
「ワン!」
「はたけ様にはお世話になっておりますの!さあ、上がってくださいな!」
「あの、すみません!俺はその、そんなに持ち合わせが…!」
「はたけ様の奥様からお代なんていただけません!」
「えーっと。その、奥様ってどこから…!?」
「先日任務の帰りだとかでふらりといらっしゃいましてね?鼻にかわいらしい傷があるとかたっぷりのろけて帰られましたの。お写真も何枚か拝見したもので…」
「あんの馬鹿!一般人に忍の写真なんてみせてどうすんだ…!うちの駄犬がご迷惑を…!」
「ああはたけ様を責めないで下さいな!私が無理を申しましたの。あまりに幸せそうに話されたものですから」
「そ、そうですか…?」
「普段はあまり表情を出されない方でしょう?その方があんなに嬉しそうに…つい気になってしまって」
「…でもあの、俺、いや私は男ですし…驚かれたんじゃ」
「少し。でもあれほど愛されていらっしゃったら、殿方でも恋に落ちるのは不思議じゃありませんものねぇ…!幸せそうなはたけ様を拝見できて良かった」
「無表情…?しかもあの変態里外でノロケばら撒いてんじゃあるまいな…!?」
「ご案内しますので、どうぞこちらへ」
「あ、あの!今度必ず駄犬に支払わせますので!」
「あらあら。そうですねぇ。でしたらまたノロケ話でも強請ろうかしら」
「え!?そ、それはその!?」
「照れやでかわいい方ですのね!お話どおりだわ」
「え…!?」
「ガウガウガウ!」
「あら、怒られてしまいましたわねぇ?うふふ!ちゃんとお守りつきですのね。あれだけ心配していらっしゃるのにご一緒じゃないなんて…そういうことでしたの」
「えーっと。あのー?」
「愛する方とはなれて過ごすのは寂しいでしょうが、せめてもの心づくしをどうぞ召し上がってください」
「ワン!」
「あー…その、宜しくお願いします…」
「ワン!」
「…何か大変なことになっちまった…!?」


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変態さんがとりかえしがつかないほどばりばりつづきー!
上忍ひっそり必死。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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