これの続き。 「落ち着いたか?」 「ゥゥ…!」 「なんだよー?どうしたんだ?別にあの人がくれたものに毒なんて入ってないぞ?」 「グルル!」 「駄犬と違って普通の人はそういう事をしないもんなんだよ。お礼もちゃんとできなかったじゃないか」 「クゥン…」 「あーもう!しょげるなって!腹減ってんのかな?何か食うか?」 「ワン!」 「しょうがねぇなぁ。駄犬もこの辺に来たことがあるみたいだったよな?お前でも入れる店って知ってるか?」 「ワン!」 「お?分かるのか?じゃあ案内してくれないか?」 「ワンワン!」 「アカデミーの分もお土産買わないとなぁ。昼飯済んだら何か探そう」 「…ウゥー!」 「ん?なんだ?どうした?」 「ガウ!」 「土産物屋が嫌なのか?確かお前ら鼻いいもんな?ストーブの匂いがダメとかなのか…?今度は土産物屋の外で待っててくれよ」 「グルルル…!」 「あ!ひょっとして具合悪いのか?宿に帰るか?」 「ガウ!」 「ダメなのか…?うーん?飯食ったら落ち着くかな?」 「ワン!」 「ああわかったって!そうせかすなよ!…まあダメそうなら犬預かってもらえばいいもんな」 ***** 「ここ、か?」 「ワン!」 「…悪いな。ここは多分俺じゃ無理だ。値段が違う」 「クゥ?」 「あーつまりだな。お前の主人は変態で駄犬だが金持ちなんだ。俺は中忍!稼ぎが違うんだよ」 「ワンワンワン!」 「わー!?吼えるなって!こんな高そうな店の前で…!」 「あら!いらっしゃいませ!はたけ様の子ですわね!それに…ああ!あなたが!」 「へ?あのう。俺、その、通りかかっただけで…!」 「是非上がってくださいませ!はたけ様の奥様でしょう?」 「へ?いやその!?」 「ワン!」 「はたけ様にはお世話になっておりますの!さあ、上がってくださいな!」 「あの、すみません!俺はその、そんなに持ち合わせが…!」 「はたけ様の奥様からお代なんていただけません!」 「えーっと。その、奥様ってどこから…!?」 「先日任務の帰りだとかでふらりといらっしゃいましてね?鼻にかわいらしい傷があるとかたっぷりのろけて帰られましたの。お写真も何枚か拝見したもので…」 「あんの馬鹿!一般人に忍の写真なんてみせてどうすんだ…!うちの駄犬がご迷惑を…!」 「ああはたけ様を責めないで下さいな!私が無理を申しましたの。あまりに幸せそうに話されたものですから」 「そ、そうですか…?」 「普段はあまり表情を出されない方でしょう?その方があんなに嬉しそうに…つい気になってしまって」 「…でもあの、俺、いや私は男ですし…驚かれたんじゃ」 「少し。でもあれほど愛されていらっしゃったら、殿方でも恋に落ちるのは不思議じゃありませんものねぇ…!幸せそうなはたけ様を拝見できて良かった」 「無表情…?しかもあの変態里外でノロケばら撒いてんじゃあるまいな…!?」 「ご案内しますので、どうぞこちらへ」 「あ、あの!今度必ず駄犬に支払わせますので!」 「あらあら。そうですねぇ。でしたらまたノロケ話でも強請ろうかしら」 「え!?そ、それはその!?」 「照れやでかわいい方ですのね!お話どおりだわ」 「え…!?」 「ガウガウガウ!」 「あら、怒られてしまいましたわねぇ?うふふ!ちゃんとお守りつきですのね。あれだけ心配していらっしゃるのにご一緒じゃないなんて…そういうことでしたの」 「えーっと。あのー?」 「愛する方とはなれて過ごすのは寂しいでしょうが、せめてもの心づくしをどうぞ召し上がってください」 「ワン!」 「あー…その、宜しくお願いします…」 「ワン!」 「…何か大変なことになっちまった…!?」 ********************************************************************************* 変態さんがとりかえしがつかないほどばりばりつづきー! 上忍ひっそり必死。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |