痴話げんか(適当)

「ハロウィンですね!」
「そうですね。…あんた何でそんな元気なんですか…」
朝っぱらから淫行に励み…というか励まれ、さんざっぱら酷使した体は未だその余韻を残している。
どうにも気だるくてならないというのに、元凶はにこやかに不穏な気配を漂わせている。
ハロウィン…確かそう言っていなかったか。この男は。
「だぁって、ねぇ?イルカ先生がそんな格好してたらそりゃ元気になるってもんでしょ?」
「そ、ですか…」
そもそもいきなり人の服ひん剥いたのは誰なんだ。
飯を食って、風呂に入って、それから布団でゆっくりと睡眠を堪能するはずが、その時間は全て卑猥な言葉を投げかけては腰をたたきつけてくる男によって台無しにされた。
今日が休みじゃなかったら、怒鳴りつけている所だ。
といっても、酷使しすぎた喉ではまともな声など発せそうにないのだが。
とりあえず、そっとしておいて貰えないものだろうか。
随所随所がぎしぎしときしむこの体では、抵抗もままならない。
つまりは全ては男の意のままということなのだが、気まぐれで欲望に忠実で、俺への執着が桁違いのこの男には、俺の懇願など通じはしない。
様子を伺いながら逃げ道を探ってみたものの、どうやら男は俺にとって望ましくない行為を仕掛けてくるつもりのようだ。
なにせ、握っているものがマズイ。
なんだってそんな…耳だの尻尾だのを手にしているのか理解に苦しむ。
「これなーんだ」
「…なんでしょうねー…?」
用途は分かる。だからこそ男にそれを身につけさせようとする意味が分からない。
大体にして、まがりなりにも恋人に対してこんな無体を強いるというのはどういうことか。
今見る限りでは、上忍のくせに完全に舞い上がっている。
効果は期待できないが、諦めきれず…俺は実力行使にでた。
「しませんよ。絶対に。するならアンタがつけなさい」
耳は百歩譲って付けてもいい。実害は羞恥を煽ること以外に特にないからだ。
だが…尻尾は違う。
尾の付け根につけられているもの…それは見覚えのある性具だった。
電動式のそれを大切な俺股間の息子に括りつけられて、鳴いても喚いても何度達しても開放してもらえなかった過去を思い出す。
確か結婚する同僚と式の前後に休暇を取らせるためにシフト調整面談なんかしたもんだから、嫉妬されたんだったか、あのときは。
それが今度は尾を模した玩具に付けられている。…その意図は明白すぎるほど明白だ。
「んー?イルカ先生がしたいならいいけどねぇ?でもこれ、イルカ先生のためにかったから」
…雲行きは限りなく怪しい。逃げ切ることができる可能性がゼロに近いなら…しょうがない。ここは被害を少なくする方に重点を置くべきだ。
「…わかりました。耳は譲歩しましょう。尾は…アンタ以外のものなんて、そんなおもちゃでも嫌だ」
きっぱりと言い切ってやった。
男に足を開くこと自体抵抗があるのに、おもちゃなんて言語道断だ。快感が欲しいなら花街に行く。…俺がほしいのはそんなもんじゃない。本当にほしいのは、この男だ。
「あ…!やっぱりいってくれた…!」
意図的だったらしい男が感動しながら襲い掛かってきて、結局休日は別の意味で寝て過ごすことになったのだが。
なんてことするんだと責め立てて要求したら、上忍もちゃんと猫耳を付けてくれたから、よかったってことにしておいた。


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適当!
ねむいんでしたよーぅい。
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