カカシちゃんが唐突に訳のわかんないことを言うのはいつものことだけど、今回もまた意味不明だった。 「結婚して?」 「えー?ヤダ」 「なんで…?」 あ、泣いちゃうかも。で、でもさ、でもだって。無理じゃん。 「だってカカシちゃん男じゃん?」 「うん。イルカちゃんもだよね?」 なんだよ。知ってるだろそんなの。一緒にしょっちゅう風呂とか入ってんだし。 男同士は結婚できない。 それは最近爺ちゃんとかカカシの先生とか、俺の父ちゃんと母ちゃんとかが、なんでかしらないけど必死な顔で言い聞かせてきてる。 そんなの知ってたっていうと、ものすごーくほっとした顔するのに、それからすぐに物凄いため息つくんだよなー? なんでかよくわかんなかったけど、もしかしてコイツのせいか? 「だからできない。だって俺もお前も男だから」 これ以上完璧な理由があるだろうか。 父ちゃんも母ちゃんも爺ちゃんもカカシの先生も、そんでもって俺の担任の先生とかもものすごく真剣な顔で言ってきてるんだから絶対だ。 赤ちゃんできてもおっぱい上げられないし、男同士じゃコウノトリが来ないって言ってたし、よくわかんないけど無理なもんは無理だ。 カカシは俺よりずっと頭がいいのに、時々変な事いうんだよなー?変なヤツ。いいヤツでもあるんだけど、時々こうやって変な駄々捏ねて面倒臭い。 胸を張って自信満々に言ってみたけど、多分引き下がらないだろうな。 そういうのは流石に付き合いが長いから分かる。 「じゃ、男じゃなかったらいいの?」 あ、ヤバイ。なんか良くないこと考えてる。 笑ってんのに目が違うんだよな。なんかさ、どろーっとした感じがして、あとチャクラもジワジワ変な汗が出るみたいな気配とかがする。 …止めなきゃ。被害がでっかいと、また爺ちゃんとこのお面の人たちまみれになっちゃうじゃないか。 「そういう問題じゃないけど、そもそも俺らまだ結婚できない年だろ?」 「そ、っか。もうちょっと時間が必要?じゃ、とりあえず婚約?」 「落ち着けって…」 なんでそんな必死なんだよ。だいたい結婚って、ちゃんと自分で稼げるようにならなきゃできないって、先生も言ってたのに! 「俺が、いやだから、だめなの…?」 ああああ泣く!これ絶対泣くだろ!しかもすっごく悲しそうに声抑えてひきつるみたいにして! そうやって泣かれると俺までなんか悲しくなって、でも俺が泣くとカカシもパニック起こすからそれは絶対駄目だ。顔とか舐めてくるし。 「嫌だなんて言ってないだろ!馬鹿!泣くな!」 頭をもしゃもしゃしてやったら、ほっとしたみたいで、零れかけた涙も引っ込んだ。よし。コレで多分大丈夫だ。 「…どこにも、いかないでね?ずっと」 「いかねーよ。任務とかなら別だけど」 ひっつきてきたカカシを抱き締めたら、いつもみたいに口をくっつけてきた。 なんか変な感じだ。ふにゅってしてやわらかくて、なんか落ち着かない。ドキドキする。 うーん?でも避けるとまたカカシが泣くもんなぁ…。 「絶対だからね!」 「わかったって」 頷いたらいつもみたいにすっごく嬉しそうに笑ってくれて、俺もなんだか幸せな気分になった。 でも…友達なんだから一緒だって言ったら結局ビービー泣かれて、お面の人が青白い電気を纏ってバリバリいってるカカシと大立ち周りを繰り広げたのは…俺のせいじゃないと思う。 ******************************************************************************** 適当。 次当たりとある上忍更新したいです。タグ打ちなおしてたらね落ちまくってしもうた。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |