これの続き。 子供たちから総スカンを食らった。 ま、そりゃそうか。 イルカ先生が耳まで真っ赤にしてるから、何があったかうっすら察したんだろう。 「ずりぃーってばよ!」 「おい!何しやがった…!」 「イルカ先生真っ赤だったし…!ひょっとして…? 相変わらずサクラだけなんでかしらないが瞳を輝かせてたけど、ま、なんていうか…小さくてもくノ一だし、謎は謎のままにしておくことにした。 下手にちょっかいかけるといろんな意味で怖いしね。 「さ、お前らのおかげでイルカ先生は忙しいから、ちゃんと後片付けするようにね?」 実際あんなに大量にりんごが余っていたのは偶然だけど、全部切らなきゃいけなかったのはコイツらがはやし立てたせいだ。 大体あれだけ食べたんだからちょっと位働かせてもバチはあたらないはずだしね? 「洗い物はいつもやってるからいいけどさー。なんか納得いかねぇってばよ!」 「ちっ…!おぼえてろ…!」 「カカシ先生もまともなこといえるんですね!」 やっぱりサクラは恐ろしい。切り返し方が既にいっぱしのくノ一並だ。 頭のいい子なんだけどねぇ…?ある意味一番末恐ろしい。 にしても…イルカ先生の前での猫の被りっぷりは凄まじさには目を見張るものがある。 今までもコイツらいくらなんでも態度が違いすぎるだろうと思ってきたけど、イルカ先生とその…親密なお付き合いをするようになってからの猛攻振りといったら! まだまだガキのくせに必死になって作戦立てて向かってくるのが微笑ましい。 今のところは、だけど。 本気になったら…多分俺も全力で排除するだろう。 この件に関しては譲るつもりは欠片もない。本当はあの人の時間全部を俺のものにしたいくらいなんだもん。 ちょっと妬けるけど、そういうとこにも惚れてるんだよねぇ? 「はいはい。口はいいから手を動かしなさいね?ナルトはカレーなべ、サスケはお釜お願いね?あとサクラは…」 「はーい!イルカ先生のお手伝いしまーす!」 「んー?駄目駄目。それは俺のお仕事なのよ。サクラは食器下げるの手伝ってちょうだいね」 「えー?ま、しょうがないか。じゃあ!サクサク片付けるわよ!」 「はーい!ってばよ!サクラちゃーん!」 「そうだな…コイツには…!」 あっさり引き下がったのが怪しいが、今は様子見しておくか。 「じゃ、早速。よーい。どん!」 「俺の方がぜーったい早く洗い終わってやるかんな!」 「ふん!ドベの癖にできるのか?」 「なんだとおう!」 「ちょっと!邪魔よ!さっさと片付けなさいよ!」 「あ、ごめんってばよサクラちゃん…!」 「おいドベ。外に運ぶぞ。台所じゃでかくて洗いにくいからな」 「うるせー!言われなくてもわかってるってばよ!」 「はぁ…」 相変わらずの騒ぎっぷりだ。…ま、中は良さそうだしいいってことにしとこう。 それよりも今は…イルカ先生の方が重要だ。 「はは!大騒ぎでしたね!」 「イルカ先生!そっちはどうですか?」 「ああ、酒に漬けてみたんですよ!しばらく漬けて置いたら美味しくなりますから一緒に飲みましょう?」 「はい!」 この手際のよさ…!さすがイルカ先生だよね! 「カカシ先生!はい食器!」 「ん、ありがと。じゃ、あっちは…」 手渡された食器を片付ける前に、サクラがさっとイルカ先生のところに駆け寄った。 「ねぇイルカ先生。ちょっといーい?」 「ん?どうしたサクラ」 「あのね?…」 「え!あ、うー…!」 「やっぱりホントは…」 「違う!あ、その…!」 「そっか。ならいいの。ありがとうございます!」 「あ、いやその。ありがとな?心配してくれたんだろ?」 「だってあの二人に任せてたらいつまでたってもでしょ?でも大丈夫。私からも言っておきます!」 「うん。…すまん」 「いいんですって!あ、片付け途中なんでいってきまーす!」 …なんだか置いてけぼりにされた気分なんだけど、一応全部聞こえちゃってるのよね。 「あ、あの、その!」 「ん?なんですか?サクラもお年頃だからなぁ?」 とぼけて見せたらあからさまにホッとした顔をしてくれたから、聞こえてたことは黙っておこう。 …ホントは今にも踊りだしそうなんだけど。 「カカシ先生のこと、本気で好きなの?」 なんて、いいこと聞いちゃってくれるねぇ? きゃいきゃい騒ぐ外の野郎二人は置いといて、今度サクラにはサスケを口説くのに使えそうな術でも教えてやろう。 「ふふ…」 「な、なんですか?急に笑ったりして?」 「んー?幸せだなって。ね?」 「うっ!…俺、これちょっと仕舞って来ます!」 逃げられちゃったけど、走り出す瞬間のすごーくすごーくかわいい顔はばっちり見た。 これはもう…あいつらが帰ったらたっぷりしっかり見せてもらうしかない。 …もっと凄い所と一緒に。 「あと、ちょっと」 俺は楽園までの時間を思ってほくそ笑んだのだった。 ********************************************************************************* リクエストをいただけたので農家にしてみたり。 告白聞いて脂下がった結果、いきなり襲うのは諦めたとかあきらめないとか… ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |