朝食(適当)


「ねーせんせ。だめ?」
 寝起きにやたらときれいな面を見せ付けられるなんて心臓に悪い。
「…ええ、と?なにがですか?」
 そうだった。昨日泊めたんだった。この人を。
 久々に里に帰還した同期を祝うって名目で、ドンちゃん騒ぎを楽しんで、ちょっとばかり精悍になった気がするそいつが相変わらず巨乳好きで、里長相手に最高の乳だと持ち上げるのを変わったんだか変わってないんだかわからねぇなとか、酒を煽りながら言ってやったところまでは覚えている。
 記憶が飛んで、確かさんざっぱら呑んだくれてふらふらした足元で自宅に向かっているときには、すでにこの人がくっついてきていたはずだ。
 歩けるし、大丈夫ですよとか、そういういつもの台詞は嘘じゃなくて、酔っ払うことはできるが忍の常で、有事の際にはさっと酔いが冷めちまうって体質だし、うわばみと名高い三代目と酒を酌み交わしてつぶしたことがあるのは俺くらいのもんだ。
 酔った勢いで路上で寝たこともないし、どんなに飲んでもきちんと家には帰れる。
 だからいいんだと説得しつつも足を進めるとついてくるこの人も、多分相当に酔っ払ってるんだろうと判断して、あきらめて家に上げた。
 風呂は危ないからだめですよといい置いて、客用布団に上忍を押し込んで、枕元には水も置いてやった。 俺も流石に風呂はまずかろうとシャワーだけ浴びて、脱衣所に放っておいた寝巻きを着て、自分のベッドにもぐりこんで…多分寝た。はずだ。
 この人、まだ酔っ払ってるんだろうか。もしかして。
「だめ?」
 脈略のなさと、それでも必死に同意を求める姿がこどものようでなんとなく突き放せない。だがこの人の体躯はしっかり大人の男なので重い。酒の匂いはほとんどしないってことは寝ぼけてるのか?
 穏便に降りてもらってから飯でも食わせて、話はそこからでもいいだろう。それには…まあ酔っ払いの頼みごとなんてたいしたことない用事だろうから、さっさと同意してしまうのが得策だと思われた。
「…いいですよ。ほら、降りてください。飯食って、それからにしましょう」
「…んー?ま、いいけど。お風呂も借りていーい?俺はへーきだけど、イルカ先生はいやだろうし」
「はぁ。かまいませんが」
 厄介なことになっちまったなぁ。天下の写輪眼相手じゃ、話のネタにもならない。これが同僚なら散々からかってやるところなんだけどな。
「ありがと」
 まあ、このきれいな顔が花が咲いたみたいにうれしそうに笑うのを見られただけでもよしとしとこう。同性でも思わず視線を奪われるほどの器量よしってのは、なかなかいないもんだしな。
 教えてもいないのにいそいそと風呂場に姿を消した上忍を見送り、自分も適当な服をひっかけた。
「飯、飯と。おお、ちゃんと予約してある。でかした俺!後は味噌汁と、お、鮭があった。これでいいよな?」
 記憶にないが食い意地の張っている己の前夜の行動を自分で褒めつつ、冷蔵庫の中身を適当に取り出していく。野菜好きらしいとナルトから聞いたことがあるから、あとはこれに適当に菜っ葉でもゆでときゃなんとかなるだろう。
 たまにはいいよな。こんな日も。なんて、暢気にそんなことを考えていた。
 鼻歌交じりに調理中に、やっぱり我慢できないんで、飯はあとでねとか言い出した上忍に組み敷かれるなんて思いもせずに。

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適当。
朝飯は大事だと説教した中忍を、気にするとこってそこなの?っていいながら色々手を入れて食べられるようにした焦げた鮭とかゆですぎたなっぱで舌から落とす上忍とか。

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