よく晴れた休日。
マンションの自室でゆったりと時を過ごしていた私はインターフォンに呼ばれて玄関へ向かった。
おそらく矢張だろう。一時間ほど前に電話があった。
『お前のせいでスミレにフラれちまったじゃねえか! 責任取れよな御剣ィ!』
わめく矢張に事情を訊ねても『そんなこと電話で言えるかよ!』の一点張り。
それなら訪ねてくればいいものを。いつも勝手に押し掛けてくるのだから。
玄関のドアを開けると、トノサマンが仁王立ちしていた。
速やかにドアを閉めたが、インターフォンの連打に負け、結局部屋に招き入れるはめになった。

「無言で締め出すなんて酷いじゃねえかよ御剣!」
マスクだけ外した着ぐるみ姿の矢張が抗議する。
「玄関の前に不審者がいたら誰だってそうする。通報しなかっただけ有り難いと思ってもらおう」
私がはねつけると、矢張は気に入らなげに下唇をつきだした。
「それで、いったいどういうつもりだ、その格好は。まだバイトをしてるのか」
電話の件と関係があるのだろうか。
別れた恋人とトノサマン……まだロジックを組み立てる手がかりが足りないようだ。
「あのさ、気付いちまったんだよ、オレ……」
矢張はふっと真顔になった。声も深刻そうだ。
「なにを、だ?」
つい釣られて身を乗り出した。
「オレが付き合う子ってさ、モデルとか、女優が多いワケよ」
「……? ああ、そのようだな」
「キリッとした美人で、高飛車で、自分に自信持ってて、意外と情があって」
「それだからキサマのようなフザケた男はすぐに振られるのだ」
あっさり切って捨てると「黙って聞けよな!」と怒鳴られた。
話が見えてこない事に多少イラつきだした私も怒鳴りかえした。
「だから結局なにが言いたいのかはっきりするがいい!」
「俺の好みの大元はお前だったんだよおおおおおおっ!」

矢張のとんでもない絶叫のあと、部屋に沈黙が降りた。
「おい御剣、なんか言えよな。照れるじゃねーか」
「あ、いや、あまりのことに言葉を失ってしまった。……尋ねたくはないが、どういう意味なんだ、いったい」
「俺もさ、女と付き合ってて考えることあるわけよ。なんでいっつも同じタイプの女に惚れるのかなーとか。で、遡ったら小学校高学年くらいから始まってて、さらに突き詰めたら…思い出しちまったんだよなあ。昔たまーにお前の顔とか足とかにドキッとしてたコト」
「……なんだと?」
「そんなこと考えてボーッとしてたらスミレに『違う女のこと考えてる顔だ』ってフラレちまったんだよ」
「そ、それはつまり……」
「多分さあ、俺の初恋ってお前だったんだワ」
テヘッと頭をかく矢張を前にして、ドッと疲労感に襲われた。
「初恋……キサマまでもが……っ」
「え、なんだ? 他にもいるのか?」
思わず漏れた呟きに反応されて焦る。
矢張がもう一人の幼なじみの存在を思い出す前に話を逸らした。
「とにかく! トノサマンの着ぐるみを着てする話ではなかろう。出直してこい」
「おっまえ、相変わらずこの手のことに鈍いなあ」
呆れたように矢張は言うが、私には何のことか解らない。
「ほら、お前ってトノサマン好きだろ? だからこの格好は俺なりのラブアピールってわけ」
矢張は親指を立てたこぶしを突き出して、下手なウインクを寄越した。



今度はこちらが呆れた視線を矢張に向ける番だった。
「キサマがトノサマンに擬態したからといって、私がキサマとどうこうなるわけがなかろう。今日はもう帰って一度よく頭を冷やすことだ」
噛んで含めるように言って聞かせると、矢張はトノサマンの効果がなかったことを悟ったのか「チェッ」としぶしぶ立ち上がった。
「一旦帰るけどよぉ。夜にまた来ていいか? 一緒にメシ食おうぜ」
「いや、夜は糸鋸刑事が来ることになっているから……」
「おい御剣、俺のことは追い出しておいてオッサン連れ込む気かよ! まさかあの刑事とここでイイコトしてんじゃねーだろうな!?」
軽口と分かっていたのに、一瞬言葉に詰まってしまった。
勘のいい矢張が目を剥く。
「マジかよ……」
「い、いや、そうじゃない」
「そういやさっき、キサマもかって言ってたのは、もしかして成歩堂のことか? アイツもお前に……」
矢張は自分の言葉に引き込まれて感情を高ぶらせていっているようだった。
着ぐるみの身体を押し付けられた私はじりじりと後退した。

「落ち着け、矢張、聞け」
「これが落ち着いてられるかよ! 俺は気付いたばかりの恋に燃えたぎってんだぜ!」
叫んだ矢張は着ぐるみの袴の前部分を突然ごそごそといじりだした。
小便器の前で行う仕草だ。しかし衣装の構造と辻褄が合わない。
何をしているのか尋ねようとした時、信じられないことに、袴のヒダから剥き出しのペニスが現れた。
「なっ……なんのつもりだキサマァッ!」
「いやー、この衣装、めちゃくちゃションベンしにくいんだよ。で、ちょこっと改造したら雇い主にバレてさあ。セットで買い取りだぜ。まいっちまうよなあ」
悪びれない様子でぼやきながら、矢張は私の手首を掴んでキスしようとしてきた。
抵抗したが、ふりほどくたびに再び捕まえられる。
重い着ぐるみを着て長時間の芝居をこなしたり、力仕事のバイトをしたりすることもある矢張は、細身の体格に似合わず体力も腕力も人一倍ある。
「くっ……はな、せ……っ」
短い格闘の末、ついに唇を奪われた。
強引に迫られると弱い己の性癖も、この行為を許してしまった一因になっている。
矢張がキスが上手いことなど初めて知った。女性経験が豊富なだけのことはある。

身体の芯が熱を持ちはじめ、その事実に情けなさを覚えた。
拒んでいても結局、男に口を吸われただけでこのざまだ。
――淫乱。
そう、そのとおりだ。すました顔をしていても、所詮、私は淫乱なのだ。
かつて投げつけられた言葉に酔い、徐々に理性が他のものに支配されていく。
幼なじみとのキスに夢中になっている間に、身につけていたシャツとスラックスをはぎ取られた。
「御剣って意外とエロいパンツ穿いてんだな……」
食い入るような目で見つめられて、慌てて自ら脱いだ。
男に贈られたものだ。穿いているほうが恥ずかしい。そういう下着だった。
「お、協力的だな」と嬉しそうにする矢張を見て観念した。
どうせキレイな身体ではない。情事の相手がまた一人増えるだけだ。
それが矢張だというのは想定外だったが。
私は膝をついて矢張の股間に顔を寄せた。
今まで着ぐるみの中で蒸されていた雄の臭気に鼻腔が犯される。
この臭いにも、コレがトノサマンの衣装から突き出ている非日常性にも、確かに欲情している己を認めざるを得なかった。
セックスが始まった。


こんなことするはずじゃなかった。本当だぜ。少なくとも今日は。
俺は御剣の口に自分のチンポが出入りしてるのを凝視しながら、どこかの誰かに言い訳した。
さっきのコイツの変わりようは凄かった。
直前までいつもの御剣だったのに、キスした途端にメロメロになった。
さすが俺! テクニシャン!
予定外だけどこりゃ脱がすしかないと思って裸に剥いたら、自分からフェラしてきたもんだからびびった。
いや先にチンポ出したのは俺だけどよ。なんか我慢できなくなって。
咥える前に俺の股に顔を埋めるみたいにして……コイツ多分、俺のチンポの臭い嗅いでた。
しかも、恍惚っての? めちゃくちゃエロい顔でクンクンしてた。
もー俺、御剣のこと分かんねえ! 普段はいかにも堅物君なくせに!
少なくとも言えるのは、男との経験が半端なくあるんだろうってことだ。
畜生、どこの誰だよ、俺の前にコイツをこんな風にしやがったのは!

ちなみにこんなこと考えてる間もずっと御剣にチンポしゃぶられてる俺だったりする。
なんか考え事して気を散らしてないと、あっという間にイッちまいそうなんだもんな。
終わらせるのがもったいないくらい気持ちいい。ちんこ溶けそう。
ううっ、ダメダメ、先っちょはダメだって御剣。
気持ちよさに呻いたら、御剣がちょっと得意そうな顔して俺の顔をチラ見した。
なんだよお前、その顔は。可愛すぎるんだよ。
いたずらな仔猫ちゃんはペロペロが上手でちゅね〜、とか言っちゃいそうになるだろ!
俺はこの癖で歴代の彼女にドン引かれてきてんだからな! なめんなよ!? いや舐めて!
「そういや御剣って、昔、笛かなんかで賞もらってたよな。尺八だっけ? 上手いはずだよなあ」
代わりにそんな事を口走ってみた。尺八って。オヤジか俺は。
あ、もうダメ。イク。

出した瞬間に思いっきりバキュームされて腰が震えた。
御剣のやつ、出たもんを躊躇なく飲んだうえに、萎えた俺のチンポちゅうちゅうしてるよ……。
思わず頭を撫でてやったら、ぱっと嬉しそうな顔して俺を見上げて、それから照れたように俯いた。
なにその反応。本当にお前、いつも誰とどんなセックスしてんだ?
その時、やっと気づいた。御剣の右手の行方に。
俺のをしゃぶってる間に、コイツが自分の股間に手を伸ばしたのは知ってた。
要するに気分出てきて自分で掻いてるんだろうと思ってた。
でも違ってた。右手はもっと奥に消えている。
「御剣、まさかおまえ……尻んなかに指入れてんのか?」
俺が指摘したら、御剣は顔を真っ赤にしてうろたえはじめた。
中途半端な姿勢でかがんでいる御剣の身体を後ろに押すと、バランスが取れなかったのかあっけなく倒れた。
仰向けになって全身が俺からよく見えるようになった御剣の指先はやっぱり尻の穴に入ってた。
フェラしながらアナニーかよ。
こんな上級者を満足させられるのか、俺って男の腕の見せどころだな!

御剣は、「見るな」とか言いつつ、ずっぷりささった指を抜こうとしない。
それどころか見せつけるように中でクニクニ動かしている。
たまらなくなった俺は、御剣自身の指を強引に抜いて、自分の指を入れてみた。
俺が指を進めるのに合わせて、御剣は「あっ、あっ」って引きつるような声をあげた。エロい。
もっと激しく動かしたいんだけど、濡れてないから難しい。
今は床の上に押し倒された状態になっている御剣がテーブルのあたりを指差した。
「あの箱を……取ってくれ」
指を入れたままでも手が届いたんで、取ってやった。
しゃれた装飾が施された箱から出てきたのはローションとコンドームだった。
え、なんでリビングのテーブルにこんなもん入れた箱を置いてんだ?
ていうか、この箱って確か、ここんちの他の場所でも見たことある。
玄関と、便所と、台所と、あとどこだっけ。
パッと思い出せるだけでも結構な数が用意してある。理由は多分……。
「お前っていろんな場所でセックスするんだな、御剣」
絶句した御剣の顔が見事に熟れた。正解だったらしいぜ。


ローションで濡らした指を、同じく濡らした穴に差し込んでいく。
出し入れを繰り返すとじゅぶじゅぶと音がたっていやらしい。
それ以上に御剣の喘ぎ声がすっげえいやらしい。たまんねえ。
「あ」とも「う」とも「ん」ともつかない声で、俺が指を動かしてる間ずっと鳴いている。
御剣は折り曲げた脚の膝裏を自分で持って、股を大きく開いていた。絶景だ。
「矢張……もう、指じゃ、いやだ……」
うおっ、おねだりされちまった。泣きそうな声でそんなエロいこと言うなよな。
でも残念なことに俺の息子はまだ復活してない。
あたりを見回して、代わりになりそうな良いものを見つけた。
出掛けにピカピカに磨いてきたからそんなに汚れてもいないだろう。
俺は、転がっていたトノサマンの頭を拾い上げ、ちょんまげにコンドームを被せた。
ここでトノサマンプチ情報な。
このトノサマンマスクは頭の部分はヘルメット代わりに硬い素材で作られてるけど、ちょんまげ部分だけはシリコンでちょっと軟らかい。
戦闘シーンで敵も自分も長い武器を振り回したり、組み合ったりするんで、ぶつかってもいいように安全設計になってる。

俺がしている事を見て御剣は顔色を変えた。
服従をしめす飼い犬みたいな格好でうっとりしてたのが嘘みたいに、がばっと身体を反転させて起き上がろうとした。
逃がすか! って俺が足首を掴んだせいで、立ち上がりかけてた御剣はバランスを崩して床で膝を打った。
「おい、大丈夫か?」
痛みで動きが鈍った御剣をちょっと心配しつつ、うまい具合に四つん這いになってくれた尻にちょんまげをあてがった。
「ちょっと細身だけど、そのぶんカリ高ってことで許せよな!」
片手で御剣の背中を押さえつけて、片手でトノサマンの顔を持って、俺に向かって突き出してる可愛い肛門にちょんまげをズブッと挿入した。
「あ――っ! あっ、あっ……や、やめ……あぁうっ」
大好きなヒーローのちょんまげを挿れられた御剣は、「馬鹿者」とか「抜け」とか他にも怒鳴ってたけど、リズミカルに動かしてやってたらそのうち静かになった。
いや、「静かに」っつっても文句を言わなくなっただけで、アンアンいい声出し続けてはいたけどな。
俺がちょんまげを抜き差しするのに合わせて、御剣が激しく尻を振る。おお、ノリノリだな。

調子に乗ってグリグリズポズポやってたら、突然てごたえがなくなった。
ポカンとする俺と、驚いた顔で肩越しに振り向いた御剣の目が合った。
マスクからもげてしまったちょんまげが、御剣の尻に突き刺さっていた。
「こ、壊してしまった、のか」
息が整わないまま、おずおずと聞いてくる御剣がかわいい。
レンタルじゃなくて俺が買い取ったもんだし、持ち主としては別に壊れたってかまわない。
「接合が甘かったんじゃねえの?」
適当に答えておいて、御剣をまた仰向けに引っくり返した。従順だなー。いい子いい子。
ちょんまげ抜いてないけど、俺が挿れるときに穴が広がってて楽そうだから、そのままにしておくことにした。
さっきから、なんだかんだ良いところで中断するもんだから、御剣は一度もイッてない。
俺の息子そろそろ復活しそうだけど、ここらへんで御剣んちの息子さんも可愛がってやるかあ。


チンポをキュッと握ってやると、御剣は鼻から「くぅ」って犬みたいな息を漏らした。
膝を立てて股を開いたまま、俺が手を動かすのを期待して待っているのが丸わかりだ。
でもお前のチンポを擦るのは俺の手じゃないぜ。
「御剣、見とけよ」
俺はそう言って、ちょんまげが取れてただの「マン」になったトノサマンのマスクを使って、御剣のチンポをゆるく扱きだした。
マスクの鼻や唇のおうとつを利用して、竿や亀頭を刺激してやる。
御剣のやつ、嫌がるだろうと思ったのに、一瞬目を瞠っただけでおとなしくしてる。
あれ? 意外だ。トノサマンファンとして抵抗するかと思ったのに。トんでんのかな。
それどころか、色っぽい声を出しながら自分から擦りつけるように腰を動かしだした。うわー…エロい。
おまけに、なんか知らねえけど自分で乳首弄りだしたよ! なんだ、この光景! エッロ!
俺自身は乳首って感じないんで思いつかなかったわ、男の乳首責めるなんて。
そっかー、御剣が気持ちいいなら、ぜひ触ってやらないとな。
でも今は自分で弄ってるの眺めてるほうが楽しいから今度な。

御剣はまだイッてなかったけど、どうも俺のほうが我慢できなくなってきた。
よし次のステップだ、とマスクを遠ざけたら、「ぃや…」とかいいながら腰を浮かせて追いかけてきた。
ホントにエロいやつだな! そんなにしたいなら自分でやれ、とマスクを御剣の腹に置いて、俺は急いで着ぐるみを脱ぎにかかった。
そう、まだ着ぐるみ着てたんだよな。なんとなく脱ぐタイミング逃しちまって。
でも好きなヤツと繋がる時は肌を触れ合わせたいじゃねえか? コイツとは初エッチだし。
……なんて純情なこと俺が考えてる時に、当の御剣はトノサマンマスクと腹の間でチンポを押し潰すみたいにして腰をくねらせている。
たまにトノサマンの唇部分を先っちょに当てて、やけに熱っぽい目でそれを見つめてんのは、もしかしてトノサマンにフェラされるのを想像してんのか? まさかな!
素っ裸になった俺は御剣の脚の間に割り込んで、御剣が夢中になっているトノサマンの頭を取り上げた。
やっぱりまだイッてねえな。結構時間かかんのな。
「御剣、挿れるぞ? いいよな?」
一応同意を求めてみたんだけど、御剣はぼうっとして返事をしない。……まあいいか。
挿れたままにしておいたトノサマンのちょんまげを回しながらゆっくり抜くと、御剣は「ん…んぅ…」って色っぽい声を出した。

膝裏を押して御剣の身体を折り曲げた。丸見えになった穴にチンポの照準を合わせる。
なんていうの? まんぐりがえしならぬ、ちんぐりがえしか?
バックからのほうがやりやすそうだけど、顔見たいからまずは正面からな。
御剣は俺のすることをじっとおとなしく見てる。期待してるように見えるのは気のせいじゃないよな。
「ぁあ、あ、ん、ん…ああ…あ…」
ぐぐっと押し込むと、チンポの進み具合に合わせて御剣がいやらしい声を漏らし始めた。たまんねえ。
最後は強引に肉を押し分けて全部挿れきった。
「あ、あ、あ――っ! あああ――っ!」
さあこれから、と思ったら御剣が凄い声出してぎゅうっとチンポを締め付けてきた。
「うわっ、ちょ、キツ……な、なんだ!?」
見ると御剣の胸から顎にかけて白く濁った汁が飛び散ってた。
え、イッたの? 挿れただけだぜ? ……トコロテンかよ!


「このタイミングでイクなんてエロいじゃねえか御剣! 今日初めての発射じゃねえ? 遅漏か?」
俺がからかうと、ハァハァ息を切らした御剣がなんか言った。ん? 聞こえねえ。もう一回。
「……いれ、ら、な…ぃと……いけな、ぃ……」
……「挿れられないとイケない」? それはちょんまげとかじゃなくて……生チンポを、ってことか!?
「やあああああっ! やあっ、や、やっ……あうぅうぅぅっ!」
なんか頭の芯がカッとなって、気づいたらめちゃくちゃにチンポを突きこんでた。
イッたばっかりの御剣は喘ぎ声っていうより悲鳴を上げてるけど、止めてやれねえ。
「ああっ、あぅっ、あ、あ、まて、待って、くれ…矢張、あ、あっ…!」
ガクガク揺さぶられながらも御剣は懸命に俺を制止しようとしてる。無駄だけどな!
「舌噛む、からっ、黙ってろ、御剣っ!」
「やぁっ! あっあっあっ、あーっ! あーっ!」
御剣のチンポがまた勃ちあがってきた。復活早いな。それだけイイってことか?
扱いてやろうかと思ったけど、多分コイツ尻だけでイケるよな。
感じすぎてヒィヒィ泣いてる御剣の尻の奥を好き勝手に突きまくった。
またエロすぎる声を上げてイッた御剣の締め付けに、俺も今度は一緒に出した。

ベッドで寝転がりたかったんだけど、腰砕けになっちまって立ち上がるのも面倒なんで床でゴロ寝。
あー……気持ちよかったー……。
俺は寝てしまった御剣の尻を揉みしだきながら惚けていた。なんか幸せを感じるぜ。
でも、恋人にはしてもらえそうにねえなあ……。
コイツの相手、ひとりふたりじゃなさそうだもんな。一人の男が満足させられる身体じゃねえよ。
多分、成歩堂と、刑事のおっさんと、あとは俺が知らないどっかの男が何人かいるんだろう。
俺もそのうちのひとりになるしかねーのか。こう見えて俺って本命には一途なんだけどよ。
いや、成歩堂だって刑事のおっさんだって、そういうタチに見える。
そうか、みんなで御剣に苦しい恋してんだな。切ないっ。ま、あくまで想像。
あ、そういや今何時……げげっ、もう夜じゃねえか。
夜は刑事のおっさんが来るって御剣言ってなかったっけ。
慌てて起き上がった時、インターフォンが鳴った。すぐ外に人の気配。
「御剣検事ー? 来たッスよー。……あれ? いないッスか? じゃ、勝手にお邪魔しとくッス!」
ガチャガチャと鍵を開ける音が、硬直した俺の耳にやけに大きく響いた。




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