……ここはどこだ?私は一体?
目を開けた御剣は蛍光灯のまぶしい光に目を細めた。
ものすごい倦怠感に体が占拠されている。
最近どう?泳いでる?とりあえず生で一杯いっとく?
……わが輩はワインをいただこうか。
聞き覚えのある声が聞こえる。しかし体が動かない。いや、動かせない。
蛍光灯の光に慣れてきた御剣はぼんやりと天井を見つめる。
かろうじて首だけは動くので横を向いてみる。
見覚えのある顔の口元から白い歯がこぼれる。
久しぶり。御剣ちゃん。最近どう?
あー、御剣ちゃんは調子悪いもんね。新人弁護士に負けちゃうんだもん。
僕、傍聴席で見てて驚いちゃった。
…ふん。だからキサマはいつまでたっても夢見がちなロマンチストだと言っておるのだ。
新人弁護士なんぞに負けおって。狩魔の名を汚すつもりか!!
まあまあ、カルマちゃん。いいじゃない。
今日はそんな面汚しの御剣ちゃんも体を張ってさ師匠のご機嫌をとってくれるみたいだし。
……局長?………先生?
御剣の両脇には厳斗局長と狩魔検事の姿が見える。
他にも人の気配はするが御剣の視界には入ってこないので
誰がいるのかまでは確認する事が出来ない。
だんだんと体の感覚が戻ってきた。同時に体の異変にも気づき始める。
両手は後ろで組まれ、粘着テープのようなもので固定されて動かせない。
両足もピッタリと閉じられ足首から先しか自由がきかない。
なにより上体が動かない。肩にも粘着テープのようなものが見える。
どうやら板のようなものに固定されているようだ。
そして御剣はさらなる異変に…いや、絶望に気づいた。
衣類を身にまとっていないのだ。
誰かが足の先から付け根までを撫で回している。胸の辺りが冷たい。
そして…なにより御剣の大事な所が
生クリームでコーティングされ、新鮮なフルーツがトッピングされている。
懐かしいよね、カルマちゃん。僕らの小さい頃はこんな贅沢な食べ物なかったよね。
コーンに乗せたアイスをデパートで買ってもらうのが唯一の楽しみ。みたいな。
ふん。アイスならほれ、目の前にあるではないか。我が輩はよい。先に楽しむがいい。
いいの?カルマちゃんの手前、遠慮してたのに。お師匠様の許可も出たことだし、
溶けないうちにいだだきまーす。
状況がつかみきれていない御剣に快感だけが届く。
冷たいアイスで縮こまっている乳首に温かな、やらしい感覚がはしる。
突然の刺激に御剣は反射的に声を荒げる。
き…局長!やめてくださ……ぐっ…
”御剣検事”のささやかな抵抗の”異議あり”も狩魔検事におしぼりをねじこめられ”却下”される。
ふん。異議を唱えているのは上半身だけではないか。
下半身に決定的な証拠を提示しているキサマに発言権はない。
どれ、検察側から証人を召喚するとしよう。刑事、よろしくたのむ。
御剣はおしぼりを突っ込まれ、声にできない声でうめいている。
頭の中で刑事とはいったい誰なのか?いったい何人この場に居合わせているのか…
視野が制限されている為、もう正常な考えができなくなっていく。
……フルーツは全部で4種類飾った。いちご、キウイ、メロン、オレンジだ。
しかし、今は5種類に増えている。いちご、キウイ、メロン、オレンジ……バナナ…だ。
このバナナは……コボウズ…お前の…だ。
御剣は体全体が熱くなっていくのを感じた。
このような醜態をさらしているにも関わらず体は意思とは全く違う反応をしているのだ。
そんな混乱状態に陥っている御剣に狩魔は
昨日のあの失態はなんだ?あんな新人弁護士なんぞに手を貸すような真似をしおって。
キサマは狩魔の教えに背くつもりか?
もう二度とそのような気を起こさぬよう検事局、警察庁のよりすぐりの先輩方々にカツを入れてもらおうと
このような席を設けたのだ。ありがたく思え。
なんという事だ…確かに昨日、わたしは逆転無罪判決で負けた。
しかし不思議と敗北感はかった。むしろ何か違う…そう何か分かりかけている自分に戸惑っているのだ。
そんな心境の変化がどうやら先生の逆鱗に触れてしまったようだ。
先生は絶対だ。いままでも…そしてこれからも…
わたしをここまで育てあげてくれたのだから、先生の言う事は絶対なのだ。
御剣は少し目をふせ、大人しくなった。
そんな御剣の口から狩魔はおしぼりをつまみ上げる。
御剣の頬におしぼりから自分の唾液が落ち下の板へと落ちていく。
どうした御剣?皆さんに何か言う事があろう?
………いつものように言えばよいのだ。
…わ…わたしの為に時間をさいて頂きありがとうございます……どうか…この御剣怜侍を……
御剣は混乱していた。なぜ人前で…先生はこのような行為を自分にさせているのか。
ふたりだけの…ふたりだけの秘め事ではなかったのだろうか…
しかし体は、いや口はそんな御剣の気持ちとは裏腹にいつものセリフを事務的に吐く。
………しつけ下さい…
その言葉を受け、狩魔は指をパチンと鳴らし
法廷で見せる得意げな笑みを浮かべ御剣に命令した
ならば"待て"だ。決して動かず、声を上げる事も許さん。
御剣は心にぽっかりと穴が空くのを感じた。その穴を塞ぐのは先生の言葉のみ。
今から自分のすべての行動は目の先にいる先生の為だけにあるのだ。
御剣は狩魔の目を見たまま動く事も、口を開く事もしなくなった。
ふん。それでよい。それでこそ我が弟子。
狩魔の教えを乞う者の姿よ。
カルマちゃん、凄いね。ここまで仕上げるの大変だったんじゃないの?
厳斗局長が御剣の乳首をこねくり回しながら尋ねる。
当然御剣はそんな刺激にも懸命に耐え、表に出さないように努力している。
仕上げる…違うな。"しつける"だ。
さあ刑事。こやつはもう抵抗もしない。自由にしてやれ。
無言で御剣の体にまとわりついた粘着テープを取る馬堂。
この場にいる罪悪感でもあるのだろうか?
御剣の放心した顔を見ないようにテープを巻き取っていく。
視界に入る馬堂などまるで興味が無いかのように御剣はただ、狩魔の目だけをうつろに見ている。
板…いやテーブルの上にぐったりと仰向けのまま横になっている御剣。
起き上がり逃げ出すという選択肢は心の中に見当たらない。次に出される命令を待つ…ただそれだけだ。
突然、御剣は目をつぶった。
厳斗が生クリームの中にそびえ立つバナナに舌をはわしている。
せっかくバドーちゃんが用意してくれたフルーツ。美味しいうちに頂かないとね。
ぴちゃぴちゃと生クリームだけをバナナから舐めとる厳斗。
それに必死に耐える御剣。
そんな非日常的な光景を目の当たりにした馬堂は
俺はさくらんぼの部分をもらおう…
馬堂自身も自分がいったい何を言っているのか分からなくなっていた。
御剣の白い裸体に白くねっとりと溶けていくアイス。
その中からは2つ赤く熟れた果実が覗いている。
先ほどの罪悪感はどこへいったのだろう。
そのさくらんぼを中の種まで味わうかのごとく馬堂は御剣の乳首にむしゃぶりつく。
せ…せんせぇ……
乳首には馬堂。大事な所には厳斗。
2人のいままでの経験からモノを言うテクニックに御剣は必死に耐えながらも翻弄されていく。
快楽に溺れそうな御剣はそれでも必死に狩魔の目から視線を外そうとはしない。
口からはずっと、せんせい…せんせい…と呪文のように小さな声で狩魔の名を呼ぶ。
声を出すなと言ったはずた。
狩魔のいいつけを守れそうにない御剣は目に涙を浮かべながら
口から恐る恐る舌を出す。
その舌先はまるで狩魔を誘っているかのように小さく小刻みに揺れている。
唾液がこぼれるのもお構いなしに御剣は狩魔に早くこのいいつけを守らない唇をふさいで欲しかった。
目からは涙があふれ、もう気が触れそうなくらい体が
内からの快楽をなんとか押さえ込んでいる。
そんないけない御剣の唇を狩魔は
お飲み物をお持ちしましたー
ふすまの向こうから店員の声が聞こえる。
…あとちょっとで練乳バナナがで出来上がったのに。
バドーちゃん、受け取ってきてよ。その間に僕は御手洗い行ってくるから。
2人から解放される御剣…だらしなく狩魔を誘っていた舌を引っ込め肩で小刻みに息をしている。
御剣の横たわるテーブルの上にに座る狩魔。右手で御剣の頭を優しくなでる。
使用のないやつだな。ほれ、ご褒美だ。
その言葉だけで何を行えばいいのかが分かるのか
御剣はおもむろに起き上がり狩魔が両足を開いた間に床に手を置きひざまづく。
胸からはアイスだったであろう白い液体がポタポタと落ちている。
我が輩の衣類を汚すことは許さん。口だけで受け取れ。
御剣は目の前のファスナーを器用に口だけで開けていく。狩魔はそれをただニヤニヤと見ているだけだ。
御剣の目の前にご褒美の品がそそり立つ。年期の入ったその品を御剣は根元から丹念に舌をめいいっぱい出し舐める。
先の方も口に含まし舌を小刻みに上下に動かし、先端に舌先を押し当て力を入れたり…
そんな御剣の手慣れた仕草に生ビールを持つ馬堂も立ったまま生唾を飲み込み食い入るように見つめる。
上手だね。御剣ちゃん。男にしておくのがもったいないよ。
厳斗もふすまを閉めながらニヤニヤと話しかける。
そんな周りの状況などお構いなしに御剣は唇をすぼめる力も利用して先生につくす。
つくした甲斐があったのか御剣の口の中いっぱいに狩魔からのご褒美が注がれる。
それをいやな顔…いや、むしろ恍惚の表情で無心に飲み込み吸い出す御剣。
そんな自分の精液を健気に飲み込む御剣に狩魔は頭を2、3度なで満足そうにワインに口をつける。
ご褒美をすべてきれいに受け取った御剣に狩魔が恥じることなく口づけする。
狩魔の口の中のワインが御剣の口の中に注がれる。
目をキュッと閉じたままワインも飲み干す御剣。頬を赤らめ、狩魔の目を見てやっと口を開く
ありがとうございました。これからもご指導のほど、よろしくお願いします…
その言葉を聞き、満足した狩魔はその場にいる同胞達に
後は好きなようにするがよい。
とだけいい、部屋を後にする狩魔。突然の解放に慌てふためく御剣。
狩魔の背中にせんせい…せんせいと呼びかけ立ち上がろうとする。
しかし急に御剣は言葉を失った。口の中に獣のような臭いが充満する。
………………。
どこいくの?これからじゃない、御剣ちゃん。
御剣の口の中には厳斗の皮手袋がねじ込まれていた。
心の支えを失い、半泣きになる御剣に厳斗は
先生が見てないところでも言う事聞いてこその弟子…だよね?御剣ちゃん?
御剣には厳斗の声が遠くの方で聞こえた。御剣の心中は穏やかではなかった。
先生…信じていた先生…。すべてはわたしを立派な検事に育てあげる為だったのではないのですか?
弁護士の夢を捨て、先生のような立派で完璧な検事になる為の教育だったのではなかったのですか?
……わたしがいけないのですか?狩魔の教えを少しでも疑ってしまったわたしが…
ごめんなさい先生…今すぐ謝らなくては…
今なら…今ならまだ間に合う!!先生…豪先生!!!
御剣の目に生気が戻る。御剣は突如皮手袋を吐き出し、自分の衣類を探し出す。
入り口だろうか?ふすまのそばに無造作に置かれている。
歩み寄りかき集める。そんないつもの"御剣検事"のようなキビキビとした行動をとっている御剣に厳斗が背後から忍び寄る。
待てと言ってるのが聞こえなかったの?
御剣の肩に手をおく厳斗。御剣はその手を払い振り返って言い放つ。
無礼を承知で言わしてもらう。あなた方はまかりなりにも法の番人なのではないのか?
拉致、監禁のような行為。表沙汰になったら困るのはあなた方ではないのだろうか!?
あまりにも正論な御剣の発言に厳斗がにこやかな笑みを浮かべ、パチパチと手をたたく。
するとふすまの向こうから声がした。御剣の顔がみるみる青ざめる。
聞き覚えのある声だ。というよりも昨日、いやというほど聞いた声だ。
いままでの威勢はすっかり消え失せ御剣は唇をブルブル震わせ、その場に立ち尽くす。
いやー。さっき御手洗い行ったでしょ?僕。そしたらさ、成歩堂ちゃんだっけ?
ばったり会っちゃってさー。もうびっくりしたよ。
なにやら無罪を勝ち取ったからって友人達と祝勝会してるんだって。
そうだ!成歩堂ちゃんにお願いしてこようかな?
"御剣検事に監禁容疑をかけられて有罪にされそうなんです。弁護してもらえませんか?"ってさ。
そう言いながらまた厳斗は御剣の素肌に手をかける。
もう振り払う事も、抵抗する事もしない御剣に厳斗は肩をいやらしく撫で回しながら
…………………。
あんな若造に心動かされる御剣ちゃんじゃないよね?
御剣は心の中で当然だ。とつぶやいた。
この御剣怜侍の心も体も先生のものだ。あんな素人同然のましてや憎き弁護士などにだれが心を許すものか。
しかし…なんなのだ。成歩堂…。あいつには…あいつにだけはこんな姿見られたくはない…。
この気持ちはいったいなんなのだろうか…
右手で左肘を持ちうつむき加減で歯を食いしばっている御剣に厳斗は耳元でささやくように命令する。
僕の皮手袋持ってきてよ……手を使わずにね。よろしく。
ワインの酔いが少し回ってきたのだろうか?少しふらつきながら先ほど吐き捨てた皮手袋のもとへ向かう。
手にビール瓶を持つ馬堂の視線が痛い。
やっとの思いで皮手袋の前まできた御剣。
犬のように四つん這いになり、口で皮手袋をつまむ。
そんな誘うような体制の御剣に
いいかっこだね御剣ちゃん。ふすまの向こうの彼達にも見せてあげたいよ。
四つん這いのまま硬直する御剣。それだけは止めてくれないか。と皮手袋で喋れない口はあきらめ、目で訴える。
そんなに不安がらなくても大丈夫だよ、御剣ちゃん。
バドーちゃん。ほら、御剣ちゃんにもっとリラックスしてもらえるように晩酌して。
………………下の口にね。
局長の指示は絶対だ。馬堂は手に持っていたビール瓶の口を御剣の下の口にあてがう。
すまない。と御剣にだけ聞こえるような声で馬堂はビール瓶をゆっくりと押し込む。
や……あぁ…あ……
感じたこともない感覚が御剣の下半身に走る。冷たい異物から中にシュワシュワと液体が流れ込む。
口からは皮手袋と共に唾液が糸を引くようにいっしょに落ちていく。
きょ…きょくちょ……う…や…はぁ…やめ…て
そんな四つん這いのままプルプルと震える御剣の真横にしゃがみこみ厳斗が尋ねる。
見られるのいやなんじゃなかったの?
もうビンビンじゃない?御剣ちゃんが。
そんなビンビンな御剣に厳斗は
嫌ならやめてあげてもいいんだよ?でもそれだとここで放置して帰るけどいいよね?
厳斗は生クリームの残り油分で光っている御剣自身をヌルヌルと利き手でしごきながら問いかける。
こんな状態にされて今更帰ってくれなどと断れるのだろうか?
狩魔からのワインか? 馬堂からのビールか?
何が原因でこんな思考回路になってしまったのか考える事も出来ない…。
それくらい御剣は自分の性欲を心の中だけに留めておくことが出来なくなっていた。
局長…はやく。もっと早くしごいて下さい。
我慢できないんです。もっと…強く握って…お願い…
………………了解。
御剣ちゃんにお願いされたら、きかない訳にはいかないもんね。
油分のおかげで厳斗の指からの力がより御剣自身に襲いかかる。
ずっと我慢していた御剣の下半身はあっという間に精子を放出した。
力なくその場に倒れ込む御剣。下の口にあてがわれていたビール瓶がその拍子に外れる。
馬堂が慌ててビール瓶を拾う。馬堂の目線の先には御剣の菊門からシュワシュワと溢れ出るビール。
厳斗の目線の先には性欲を満たし余韻に浸っている御剣の乱れた顔。
そんな顔がついている頭を厳斗は前髪を持ち自分の方へ向け白い歯をみせ問いかける。
さあ御剣ちゃん。僕のモノとバドーちゃんのモノ。どっちが欲しい?
馬堂は達した後で脱力しきっている御剣の脇に腕を通し羽交い締めにする。
予想外の馬堂の行動に御剣はおののき、厳徒は口笛を吹き胸のタイを締め直す。
局長すまない。このあと部下と飲みに行く約束をしているんだ。
……先に頂くがいいだろうか?
厳徒は満面の笑みを浮かべ、手を叩きながら馬堂に話しかける。
いいよ―いいよー。バドーちゃんその調子!その調子!
僕の事は気にせずさ…………君の欲望を御剣ちゃんにぶつけなよ。
なんて事だ…馬堂刑事とは数年前一度仕事をしたことがあるが、仕事一筋の真面目な人ではなかったのだろうか…
このような卑劣な行為を黙って見送る…いや、手を貸すような真似…信じられない!!
御剣は後ろにいる馬堂になかば諭すように語りかける。
馬堂刑事。あたなはこのような卑劣な行為に参加されているがご自身の意思なのだろうか?
もし違うのであれば魔が差したと言う事で目をつぶっておくつもりなのだが、いかがなものか?
馬堂は一瞬躊躇したように見えたがさらに御剣をがっちりと締め上げる。
しかしいくら刑事とはいえ若い御剣の抵抗に少し押され気味になる。
………………見苦しいよ。御剣ちゃん。
自分だけいい思いしてさ。出るとこ出ててもいいんだよ?
立ち上がり、ふすまに手を添える厳徒。目を見開く御剣。もう自分を救ってくれる人間はこの場にはいないのか…?
御剣は目を潤ませ馬堂に尋ねる。
……あなたはまっとうな人間ではないのか?わたしは男なのだが…なぜだ…
馬堂は御剣の耳元で厳徒に聞こえるか聞こえないかくらいの声で答える。
コボウズ、お前のその誘っているような容姿が悪いんだ。性別なんか関係ない。
あの日狩魔検事と初出廷したお前を見た時からこうなる事を夢見てきたのかもしれない…
すまない。大人しく俺の夢を叶えさてくれないか…
そんな衝撃的な告白に御剣の首筋に鳥肌が立つ。
驚き自分を見つめる御剣に羽交い締めしていた馬堂は
先生にはなかば愛想を尽かされ、局長には見られたくない失態を見られ
逃げ出そうにもふすまのむこうは成歩堂…
最後の頼みの綱、馬堂刑事には絶望に近い告白をされ御剣の体がどこか暗い穴の中へと落ちていく感覚に襲われていた。
そんな自暴自棄になりかけている御剣の口から
…………好きなようにすればいい。
感情も何もこもっていない言葉が馬堂に投げかけられる。
なるべく優しくはするから、大人しく協力してくれ。
馬堂は羽交い締めしていた手を御剣の胸にはわす。御剣の乳首を優しく…腫れ物でも触るかのように五本全ての指で触れていく。
そんな丁寧な愛撫に御剣はピクピクと体に力を入れ感じとっている。
ずっと恐る恐る触れている馬堂に御剣が首をうなだれ馬堂の目を見てつぶやく
……口づけはしてはくれないのか?
馬堂の指先に力が入る。体が熱くなる。
こんな感覚に震えるのは久しくなかった気がする…
本能を呼び戻された馬堂は
突如、御剣を自分の方へ向かせ何も言わず優しく口づけをする。
夢にまで見た御剣刑事との行為に馬堂はじっくりと味わうように御剣の舌を感じる。
そんな口づけに夢中になる馬堂の下半身にそっと触れる御剣。
馬堂の張り詰めたモノを確認するようになぞりながら取り出す。
そんな性に積極的な御剣の唇から離れ馬堂がささやく。
コボウズ。まだ早い。もう少しお前を味あわせてもらうぞ…
御剣を畳の上に押し倒す馬堂。御剣の首筋を鎖骨を撫でるように舌をはわせ、下に下にと降りてゆく。
あ……あ…あ……
目を閉じ、舐められる度にもれる御剣の吐息。先ほどむしゃぶりついた乳首を再度味わいながら手は御剣の下半身の穴に誘い込まれる。
そこは生クリームでヌルヌルと動き、中はビールのせいだろうか?熱く蠢いている。
簡単に馬堂の指が2本入る。馬堂は探していた。
さらに御剣を喜ばす場所を、さらに御剣を狂わす場所を
場所を探し当てた馬堂は
中指をあてそっと上下に動かす。御剣の表情が一変する。
目を細め、酔いがまわりうっとりとしていた顔が突然の快感に目を見開き両手が馬堂の肩をつかもうと空を舞う。
そんな素直な反応の御剣に体を寄せさらに深い口づけをしようとした馬堂に厳徒が手を差しのべる。
バドーちゃん、はい。御剣ちゃんにつけないと、服汚れちゃうよ?
このあと用事あるんでしょ?
馬堂は無言で厳徒からコンドームを1つ受け取り、御剣の先からまた液が溢れだしはじめているモノに手早くつける。
局長…すまないがもう1つ欲しいのだが…
厳徒の方に顔を向けている馬堂の首に御剣の両手が絡みつく。
………わたしの心配はしなくていい。入れたいのだろう?
早くあなたのモノをくれないだろうか?
馬堂が御剣の肩をしっかりつかみ御剣のひくつく穴に自分のモノをあてがう。
慣れているのだろうか?御剣がため息まじりに目を細め、淫らに馬堂を見つめる。
すると馬堂のモノが御剣の中に飲み込まれるように入っていく。
いいだろう…だがコボウズ、忘れられなくなるぞ…?
あつい…物凄くあつい…
ゴムをしていない分余計に御剣の中の感触が馬堂に伝わる。
あとはもう本能に任せ腰を御剣に打ちつけるだけだ。
御剣の目から一筋の涙が伝う。きつい…いたい…という声も馬堂にはもう届かない。
……コボウズ…受けとれ。
ぐっと腰を御剣に押し当てる。御剣のあつく酔いしれている中に馬堂の精子が流し込まれた。
馬堂が腰を引き、ずるりと御剣の中から自分のモノを抜き出す。
そこには足をM字に開き真ん中にはコンドームをつけ、はちきれんばかりの御剣のモノ。
その下の穴からは自分の吐き出した精子がだらしなく漏れている。
これ以上このような光景を見ていてはまた心が御剣を求めてしまう。
手早く身支度を済ませ厳徒に、失礼する。とだけ言い残し御剣を見ないようにその場を後にする馬堂。
さてと…2人きりになっちゃったね?御剣ちゃん。
…………ナニして遊ぼうか?
相手の欲望だけを満たし、自分はただそれに耐えていた御剣。
自分の欲望のはけ口が見あたらず、呆然と犯された格好のまま天井を見つめる。
目の前が一瞬白くなる。
とりあえず御剣ちゃんのかわいい姿を記念に…と。
厳徒の手にはデジタルカメラが見える。
カメラをテーブルの端に置き、厳徒は御剣に優しく手をかけテーブルのへりに座らせる。
厳徒の優しい仕草はそこまでだった。
厳徒はまるで書類でも扱うかのように御剣の髪をつかみ、自分の方へ強制的に顔を向けさせる。
放心状態だが下半身の勢いが修まらない、そんな若い御剣に厳徒は
御剣ちゃん。もう一回ヌいとく?
と弾むように言い、コンドームの根元を押さえ利き手で御剣のモノをしごく。
御剣はぎゅっと目を閉じ厳徒の肩に指を食い込ませ、口でハッハッと息をする。
そんな自分の快楽にまた溺れていく御剣の顔をずっと見続ける厳徒。
………いっ…
再び達してしまった御剣のモノから丁寧にコンドームを抜き取ると
何を考えているのか厳徒は自分のモノに裏返しをして付けなおす。
厳徒の赤黒いモノにコンドームが、その上には御剣の精液が包み込んでいるかのようにみえる。
下を向き息を整える御剣の髪をまた無造作に持ち上げ
出来の悪い部下に命令するかのように言いつける。
ゴムもったいないからさ、綺麗にしてよ?御剣ちゃん。
御剣が自分の精液を見たまま躊躇していると、厳徒は御剣の髪をつかみ手前にひく。
もう一方の手で御剣のあごをつかみ口を開き御剣の精液で汚れた自分のモノを突っ込む。
僕がイクのと御剣ちゃんが綺麗に舐めとるのとどちらが早いかな?
まるで今から楽しいゲームでもするかのように厳徒は弾むような声で御剣に話しかける。
当然御剣からの返事はない。
厳徒の欲望の塊が御剣の口の中を犯しているのだから。
んーんー。と声にはならない声を出し、御剣は厳徒にされるがままになる。
厳徒は御剣の頭を両手で持ち、ばたつく御剣の体など無いような素振りで自分のモノに打ちつける。
綺麗になった?御剣ちゃん?そろそろゴールが近いよ?頑張って!
他人事のように厳徒は御剣を励ます。
御剣は舐めるというよりただ自分の精液を強制的に喉の奧に流し込まれている。
あー気持ちよかった。どう、御剣ちゃん?綺麗になった?
厳徒が欲望を満たし御剣の口から自分のモノを取り出す。
御剣の口の中に残るコンドームを取り出し御剣の目の前に掲げ、ゴム越しに命令する。
これ飲む?それともこっちから直に飲むほうがいいかなあ?
御剣の思考回路はすでに限界を超え、体の方も限界に近かった。
もう解放してほしい。早くこの悪夢のような会から退席したい。
厳徒から出された選択肢に本能のまま楽な方へと答えが導き出される。
こっち…こちらをいただきた…い……
見つめる厳徒と視点が合わず口を半開きにする御剣。
だるそうに腕を上げ厳徒の精液入りのコンドームをつかもうと手を伸ばす。
御剣のつかみかけた手がむなしく空をつかむ。
厳徒が御剣の目線でしゃがんていた体制から急に立ち上がったのだ。
驚き見上げる御剣。
厳徒は目線だけを御剣に落とし、ゆっくり低い声で御剣に言い放つ。
………………もういいよ。こちらが下手にでてたらいい気になりやがって。
そんな態度とられたら命令する気もしねぇよ。
厳徒の豹変ぶりに御剣は恐怖を感じ、身を引く。
しかしそんな御剣の抵抗より先に厳徒の力強い腕が御剣の首にのびる。
御剣の首を強く持ったまま厳徒はその腕を横に振る。
御剣は頭からテーブルに打ちつけられ手を頭にやる。
そして下半身が無防備になり通常の状態に戻っている御剣のモノに
厳徒は自分と御剣の精液でヌルヌルのコンドームを根元にきつく結びつける。
急な刺激に御剣は上体を起こし慌てて自分のモノに触ろうとする。
そんな体力も限界な力ない御剣の手首をつかみ厳徒は頬から耳までをいやらしく舐め上げ
耳に唇をつけたまま低くささやく
お前の性欲なんか関係ねぇよ。覚悟しろよ。
手錠もかけられたかのように手が動かなくなった御剣に厳徒は
厳徒は御剣の耳の穴を散々舐めまわし、テーブルの上のワイン瓶に目をやる。
そのワイン瓶を持ち上げ、裏の説明書を眺める厳徒。
ふぅん。狩魔もやるねぇ。いつもご褒美でもらってんの?このワイン?
御剣の目にはいつも狩魔がしつけの始めに口移して飲ましてもらうワイン瓶があった。
厳徒に恐る恐るうなずく御剣。
突然体を反転させられ、尻を厳徒に突き出すような格好にされる。
躊躇なくワイン瓶の注ぎ口を御剣の菊門に差し込む厳徒。
トクントクンとワインが御剣に注がれる。
や…局長…すみませ……ん やめて…冷たい…
腰を上下に動かし抵抗する御剣。
グラス一杯分くらい注ぎ厳徒はワイン瓶を持ち上げる。
白晶油…依存性の高い誘引剤の一種…か。
直腸から直接飲むとどうなるんだろうね?
この"ババルワイン"さ。
聞いたこともない銘柄に御剣はただ厳徒を見つめる。
すると突然自分のゴムで拘束されているモノがいきり立つ。
自分の意志とは反する体の反応に御剣は驚き凝視する。
おかしい…体がおかしい…
しごいてもいないのに今すぐにでもイキそうだ。
乳首も触ってもいないのにうずく。
体の異変におろおろと首をふる御剣の突き出された尻を撫でる厳徒。
ひっ…
それだけの行為に感じる御剣。
全身が…全身が淫らな快感を求めている。
御剣の菊門のまわりを人差し指だけでなぞりながら厳徒は
しょうがねえな。狂わせてやるよ。
俺は優しいからな。お前の希望聞いてやるよ。
もう性の虜と化していく御剣の口からは
お願いします…めちゃくちゃに…してください…
は?誰をどうするって?
…犯してください…わたしを…
だ か ら お前に何をすればいい訳?
……イかせてください……
なんて卑猥なことを言わすのだろう。などと考える事もなく御剣は厳徒に自分の欲求を口にする。
厳徒はそんな性行為をする事に躊躇しない御剣の尻を横から足蹴りし
仰向きにさせ、御剣のいきり立つモノを足で踏みつける。
お前の穴は汚れすぎて使えねぇよ。ほら、イけよ?
イけるもんならな!!
あ…いやぁぁ…う…うぁ…イく…いや…いやぁ
ぐりぐりと踏みつける厳徒。そのたびに何度も何度もイきそうになる御剣。
しかし厳徒の結んだゴムが邪魔をする。
御剣は腰を小刻みに揺らし、イけない抑圧に今にも意識が飛びそうだ。
よだれをだらしなくたらし、焦点の合わない御剣の様子を厳徒は目を細め満足し踏みつける足をどかす。
どかしたにも関わらず御剣の腰は快感を求め動き続けている。
もう我慢できず御剣はゴムを外そうとする。
そんな御剣の両手を厳徒はつかみ側にあった粘着テープで指先から手首までをぐるぐる巻きに固定する。
御剣は恥じることなく涙を流し、厳徒に哀願する
やだ…お願い触らして…イかして…や…だ…もうやだ…
指でいじれなくなった御剣からゴムをほどいてテーブルの上にひとり置き去りにした。
厳徒は畳に置かれた座布団の上に座り下から御剣を見上げ手をパチパチ叩く。
ほらイけよ?御剣検事のオナニーショーの始まり始まりー
手の自由を奪われた御剣は
とにかく刺激を…自分を刺激するモノを探していた。
何でもいい。今すぐ、今すぐに自分を快楽に連れて行ってくれるモノを…顔を赤らめたまま御剣は辺りを見まわす。
ワインボトルか?ビール瓶か……目の前に腕組みをしているごつく大きな手が見える。
あの先についている指を入れたらさそがし気持ちいいだろう…御剣は指だけを見たままふらふらと厳徒に近づく。
指しか見えていないのか御剣は一心不乱に厳徒の指をぺろぺろと舐める。
そんな羞恥心すらなくなり欲望のまま動く御剣に気をよくしたのか厳徒は御剣に優しくささやく。
かわいいね。御剣ちゃん。ほら使ってよ。
あぐらをかいて座る厳徒の利き手が、中指と人差し指を上に向け御剣の前に差し出される。
すると御剣はビールや馬堂の精液、そして誘引作用のあるババルワインで満たされた菊門を
厳徒の手の上にあてがい、迷うことなくゆっくりとしゃがんでいく。
ありがとう
粘着テープで固定された手を胸の前にしてお願いをしているかのような格好で御剣は
白い歯をみせ厳徒を見つめ、にっこりと微笑んだ。
…………………。
厳徒の心中は穏やかではなかった。御剣の初めて見る笑み。
こんなに嬉しげに、いや男に使うような表現ではないが可愛らしく笑えるのか…
厳徒は御剣から目を離せなくなった。心すら御剣から離れない。いや吸い込まれていく。
そんな心境の変化に無言のまま硬直している厳徒などお構いなしに御剣は
自分の一番感じる場所を腰を上下左右に動かしながら懸命に探している。
み…御剣ちゃん…ここじゃないかな…?
先ほどまでの勢いはどこへやら。厳徒は御剣をイかしてあげる事に夢中になっていく。指先を少し曲げ、一緒に探す。
ん…あん………あった
御剣がまた笑みを浮かべ厳徒に報告する。厳徒の中で何かが切れた音がした。
…腕、僕の頭の後ろにまわしなよ?よくしてあげるよ。
端から見ると膝の上に乗り頭に手をまわし子供がお父さんに抱っこをねだっているように見える。
しかし、実際にはうれしさのあまり口づけをして一緒に見つけた快楽のふくらみを厳徒の指にこすりつけている御剣の姿があった。
厳徒は性に関してはノーマルの部類…なはずだった。男なんかに欲情?そんな事は考えたこともなかった。
今回の夜会すら、なかばおもしろ半分で参加したのだ。しかしこの状況はなんなのだろう。
目の前の男が妖艶すぎるのか?今なら馬堂の気持ちも分かる気がした。
唾液を残らず奪い取られそうな御剣の口づけに厳徒は舌を触れあわすので精一杯だ。
そんな御剣に夢中になっている厳徒から御剣の顔が離れ、せつなそうに震える。
あ…気持ちいい…
そう言い漏らすと御剣は厳徒に体を預け眠るように意識を失った。
すやすやと寝ているように見える果てた御剣。気を失ってまでも厳徒を夢中にさせる…
ふと気づくと衣類が御剣の精液で汚れていた。先ほどは他人を気づかう余裕すらあったのに…
酔いを冷ますかのように厳徒は目を閉じ首をふる。
今日はもうこれで満足ではないか。写真だって撮った。
これでこれからも"御剣検事"は命令をきいてくれるはずた。
念のため…いや…本心は純粋に欲しいだけの写真を厳徒は手に入れるべく
デジタルカメラを手に持ちまだババルワインが抜けきれず時折ぴくぴくと動く御剣に構える。
スー…………
まさにシャッターを押そうとした瞬間、厳徒の後ろのふすまが開いた。
"決定的な証拠"………か。
もう一つ大切なモノを忘れているのではないかな?
"決定的な証人"をな…。局長、そこまでにしてもらおうか?
………狩魔ちゃん。やだなぁ、驚かせないでよ。
好きにすればよいとは言ったが随分と可愛がってくれたようだな。
デジタルカメラのシャッターを押すのをやめ、おしぼりで衣類に付着した御剣の精液を拭き取り
狩魔の横を無言で通り過ぎる厳徒。
振り向きもせず狩魔が厳徒に話しかける。
そのカメラは置いていってもらおうか?
…………だれに命令してるの?狩魔ちゃん。
僕は警察局長なんだよ?立場分かってるの?
厳徒は振り向き狩魔の背中を睨みつける。
狩魔が手にしている杖がわなわなと震えているのが見える。
……もう一度いう。これが最後だ。
そのカメラは置いていってもらおうか?
君が他人の為にそこまで感情をあらわにするのも珍しいよね?
さしずめアレなんじゃない?
ミイラ取りがミイラになった。とか?
ミイラになりかけているのはキサマの方ではないのか?
御剣の心を満たせるのはわが輩だけだ。
"完璧なしつけ"で築かれた絆に勝るモノは………ない。
厳徒は肩をすくめこれ以上議論しても無意味だとあきらめ、デジタルカメラをテーブルに置き狩魔に話しかける。
その"完璧な絆"。あの新人弁護士に逆転されないよう、気をつけてね。
振り向きもせず見送る狩魔。
めり込むかと思うくらい杖を握りしめる。
……家に帰るぞ、御剣。
その汚れきったからだを洗い流さねばな。
狩魔は気を失いそのまますやすやと眠る御剣を抱き起こし、額に優しく唇をつけた。
………ここはどこだ?
ゆっくりと上体を起こす御剣。ひざ掛けのような物がスルリと落ちる。
どうやら先生の自宅のリビングのようだ。見慣れたソファーが眼下に見える。
何も身にまとっていない体から石鹸の香りがする。
いつの間にシャワーまで浴びたのだろうか?
いや……汚れているな。
御剣は両手で顔を覆い唇を震わしてつぶやく。
せんせい…ごめんなさい………せんせい…
声を押し殺して泣く御剣に狩魔が音もなく近づく。
狩魔の教えを受ける者の姿にはとうてい見えんな…顔を上げろ!御剣!!!
狩魔の声にビクッと反応し恐る恐る顔を覆う手をどける御剣。
下唇をかみ、目を赤く充血させ涙を懸命にこらえる御剣に狩魔は
………すまない。辛かったであろう。
狩魔の方から御剣のそばにより優しく口づけをする。御剣は自分の心臓の音が耳元で聞こえた気がした。
先生の方から口づけをしてくるなんて今までなかった行為だからだ。
驚き目を開いたままの御剣には、目を閉じ唇を重ねている狩魔の姿が見える。
あぁ…先生はわたしをゆるしてくださった……
もう教えに背を向けるような行為はしませんから…ごめんなさい…先生…
安心しきった御剣は目を閉じ狩魔の唇の奥にある舌を探すのに夢中になる。
ずっとこうしていたいと願ながら、御剣は狩魔の舌を味わう。
ゆっくりと離れていく狩魔の舌についていこうと御剣は目をあける。
…………?
目の前に狩魔の姿はなく、ただ闇が広がっていた。
いつもお前ばかりに奉仕させていたからな。たまにはわが輩が労をねぎらってやろう。
案ずるな。楽にするがよい。
突然目隠しをされ不安がる御剣を狩魔は優しく抱き寄せ頭をなでる。
御剣の石鹸の香りのする髪に軽く口づけをし耳元で狩魔はささやく。
お前の願いを一つだけきいてやろう。遠慮なく言うがよい。
御剣の願いはただ一つ。迷う事なく狩魔に告げる。
せっ…先生と…………ひとつになりたいです。
ふん。可愛いやつめ。と、つぶやき狩魔は御剣の頭をぽんぽんと軽く叩き御剣から離れる。
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえる。
御剣は期待に興奮を収めることが出来なかった。
あの先生のモノが…わたしの中に…
どんなに奉仕しても冷たく動く物体や指しか入れてはくれなかった先生が…
見てみたい…先生と繋がる自分の姿…この目に焼きつけたい!!!
目隠しされた布をとろうとする御剣に狩魔が間髪入れず忠告する。
御剣!願いは一つだけだ。その布をとるのなら…わが輩はこの場を去らねばならん。それでいいかな?
御剣はあわてて布から手を離す。闇が支配する御剣には狩魔の声だけが絶対の存在だ。
おそらくそそり立っているであろう自分の股間部分を狩魔によく見えるように体をそらし、精一杯誘うような格好をしてみる。
クックックッ…。それで誘っているつもりか?
焦るな。時間はたっぷりある…
そう言い終わると同時に御剣のそそり立つモノに温かい感触が襲う。
どうやら口にふくまれているようだ。御剣はうれしさのあまり泣いていた。
まさか…こんな日がくるなんて……!!
じっくり体感したい。深く記憶に残したい!!
御剣は快楽に耐え、一秒でも長く果てぬよう…終わりがこないよう身をよじる。
そんな快楽の時間も終わりを告げる。御剣はくわえられた口の中に欲望を吐き出した。
その吐き出されたばかりの欲望を御剣のもう一つの欲望の穴へと流し込みほぐしだす唇。
御剣は唇をも震わせ涙を流す。
おっ…お願いします…せんせい…
そうあせるな、御剣。
頭の上の方で狩魔の声がする。おかしい…先生は今わたしの下半身の方にいるのではなかったのか…?
では…この舌は…唇は誰なんだ…
目隠しの布を取ろうと上体を起こす御剣。起こすためにソファーについた両手に冷たいモノが当たる。
カチャリ
後ろ手にされ手錠のようなもので拘束される御剣。肩をしっかりと後ろからつかまれ耳元で誰かが話しかける。
わが輩がお前なんぞに奉仕すると本気で思ったのか?
身の程をわきまえろ、御剣。
ガラガラと崩れ落ちる御剣の心。もうなにも考えられなくなっていた。
そんな衝撃で固まる御剣の下半身を狩魔以外の何者かが容赦なく襲う。
御剣の体の心配などお構いなしに、ただ乱暴に腰を打ちつけ中に精子を放出させる。
はぁはぁはぁはぁ…
自分の欲望だけを出し、カチャカチャとまたズボンを履き直す音が部屋に響く。
後ろ手に拘束され、視界を奪われ放心している御剣のあごから額までをべろりと舐め耳元でささやく。
今回も命拾いしたようだな。
そう言い残すと、2人分の足音が部屋から消えていく。
残された御剣はただ口を開きまったく動かなくなった。
御剣の頬を涙だけが下に落ちていった。
いいのか?狩魔。あの様子だと明日から仕事にならないのではないのか?
案ずるな。あれでいて仕事に関しては完璧に出来るよう仕込んできた。問題ない。
ならいいのだが。しかし従順な部下を持ち、羨ましいかぎりだ。
あいつには立派な検事になってもらわねばならん。
そうでなければつまらんからな。
……しかし、もう幕を下ろす時がきたのかもしれんな……
……ん。何の話だ?
……独り言だ。気になさるな。
玄関先で車に乗り込む狩魔とは違う影。ヘッドライトをつけ狩魔邸を後にする。
クックックッ…"ミイラ取りがミイラになる"……か
あの日エレベーターの中で見た時から、わが輩もミイラになっていたのかもしれんな。
ひとりつぶやく狩魔の目には闇に溶けていく同僚の車のテールランプ。
それはまるで舞台の終焉を迎えようとするラストスポットのように映りこんでいた。