「ハァハァ…御剣…御剣…シュッシュ…ウッ…」
もうずっとあっていない、幼馴染を思いながら自慰にふける成歩堂。
射精すれば一時の快感は得られるが、その後酷い空しさが襲った。

(御剣は男だしやらしてくれるはずないよな…
いっそぼくが女であれば、いや、あいつが女であればまだよかったんだ。)

同性に今までこんな感情を抱いたことはなかった成歩堂。
御剣が失踪して以来、御剣対する己の想いを自覚し欲しくて欲しくてしょうがなかった。
戻ってきた時強引に抱くことも考えたが、あれこれかんがえてるうちに彼はすぐに海外旅立っていった。

それからまた欲求不満を抱える日々が続いた。
御剣に、凶器となった我が分身をぶち込んで、たっぷりと精液を注ぎ込んでやりたい
欲望は募るばかりだった。

(次あいつがぼくの目の前に現れたらそのときは…)
強引にでも想いを遂げてしまおう。そう固く誓った。



御剣は一度帰国した。しかも急流を流され風邪をひいた成歩堂のために。
成歩堂はこの日ほど矢張に感謝した日はなかった。給食費のあれはもう忘れてもいい。
御剣は成歩堂のことを心から心配していた。
病室にあわてて入ってきたときの表情といったら、写真に収めておきたいくらい真っ青になっていた。
そんな彼の表情を更にゆがめたくなり。
成歩堂はわざと元恋人である、あやめの話をしてカマをかけてみた
御剣は心配そうな表情をしつつも眉間のしわを深くさせ、まるで嫉妬してるかにみえた。
(御剣は嫉妬してるんだ!ぼくとあやめさんのことを誤解して嫉妬してるんだ!)

これは脈ありだ!
すべてが終わった時、この想いを告げれば御剣とのセックスも夢ではない

しかし、あやめの裁判が終わって2日もしないうちに彼は海外へ戻っていった。


それから一ヶ月がすぎた。
真宵と春美に最近出来たバンドーホテルのテーマパークであるバンドーランドに行きたいと言い出した。
彼女らの話によればずっと前につれってってくれると約束したらしい。
成歩堂はまったく覚えがなかった。
また御剣のことを考えてる最中にいい加減な返事をしてしまったのかも知れないと深く反省した。

しかも真宵も春美もいつもなら許してくれるのだがその日に限っては押しが強く
成歩堂は二人に付き合うことになった。

可愛い女の子二人とデート。昔の自分ならば素直に喜べたのに、御剣の存在が邪魔をする。

(ああ、いっそすべてを忘れてしまおうか。)

ボートの漕ぎながら、目の前ではきゃきゃと楽しむ真宵と春美、
なんだか彼女らを見てるうちに自分の悩みがちっぽけな気がしてきた。


(そうだな、御剣はもうこの日本にはいないし、戻ってきてもまたこの海の向こうにいってしまうんだ。)

あきらめようかな。そう思って何気にテーマパークの正面入り口をつなぐ橋を見た時だった。

「御剣!?」
「え?どうしたの?なるほどくん」
「みつるぎけんじさん?」

「御剣がいたんだ!!あの橋の上に!!」


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