―――あの日、警察関係者は黒い組織を追いかけ
ついに町外れの倉庫まで彼らを追い詰めていた。

追い詰められた組織は、逃走の途中で御剣怜侍検事を捉えて倉庫に篭城した。
現場の空気が張り詰める中、隙をついて刑事達が一斉に乗り込んだ
そこには――

「け、けいじ…」

足元に広がる赤いスーツの中に埋もれて
ペタンと座り、白いヒラヒラしたフリルをかろうじて首にひっかけて
不安げな瞳で乗り込んできた男達を見上げる、小さな小さな男の子の姿があった。



現場の警察に保護されそうになって「私は御剣怜侍だ!」と暴れた小さな子供。

「なにか毒のようなものを飲まされて、ころされそうになった」

で、気付いたらこうなっていたと言う。
これじゃあまるでどっかの探偵漫画の少年ッスよ。と、刑事である糸鋸はため息をついた。

最初は糸鋸も、似ているだけの子供の戯言だと思っていたが
言葉を交わしていくうちに、この子は間違いなく御剣本人だと確信を抱くようになっていた。
御剣にしか分からない事件の詳細、プライドの高そうな口調、ふとした仕草の癖。
偉そうな態度を取るのに、時折どこか不安げに揺れる視線。
全てが、長年見てきた御剣そのものだった。

この子は御剣検事を追いかけて紛れ込んでた親戚の子ッス!などと無理のある嘘をついて
どうにか強引に関係者を煙に巻き、送り届けると言って小さな裸の体を赤いスーツで包む。
力の抜けた身体をおんぶで支え、涙をいっぱいに溜めてブツブツと背中で呪詛を呟く少年を抱えて
糸鋸はどうにか御剣を自宅に送り届けた。



それからというもの御剣は、やむをえず長い休暇を取り、元に戻る手がかりも掴めないまま
ただひたすら自宅で時間をやりすごす生活を送っていた。

仕事が終ってから、毎日御剣の代わりに食料を買って御剣宅に来るようになった糸鋸にも
些細な事で苛立ちをぶつけて激昂したかと思えば
突然しおらしくなって落ち込んで謝罪をしたり、感謝の言葉を述べたりする。
目に見えて御剣は不安定になっていった。

(御剣検事…つらいッスね。そりゃそうッスよね…。……可哀想に…。)




糸鋸は御剣の気持ちを紛らわせようと、出たばかりの「トノサマン」の最新劇場版のDVDを持参する。
御剣は、顔を真っ赤にして口篭もり、しかし小さく消え入りそうな声で
ありがとう、と言ってそれを受け取り、さっそくDVDを再生しはじめた。

身体が小さくなってしばらく経つぶん幼児向け番組を見るという恥が軽減されているのか
しばらくすると、御剣は食い入るようにトノサマンに集中し始める。

頬を紅潮させ、スーパーヒーローの見せ場では身体を無意識にビクンと震わせる程に熱中し
小さな口の中でなにやら呟いている(必殺技の名前らしい)その姿は
本当の子供と変わりないように見えた。


凄惨な少年時代を歩み、深い心の傷を負った御剣。

そんな彼が無邪気な子供のように、まるでもう一度幸せを取り戻そうとしているかのように
ヒーロー番組にはしゃいで没頭する姿は、勝手な感情ながらも糸鋸の胸を熱くした。

御剣に、普通の子供のような幸せで平凡な子供時代を
やり直させてあげられたら、どんなにいいだろうか。
その時、糸鋸はある事を思い出す。


「そうだ、御剣検事。今日チラシを見たんッスけど、明日トノサマンショーが遊園地であるらしいんッスよ」
「ショ、ショーだと!?」
「そうッス!気晴らしにショーに行きまショーッ!えへへ…」

親父ギャグを飛ばし、ポリポリと頭を掻く糸鋸が全く目に入っていない様子で
幼い御剣は、ううム、とうなって考えるポーズをとる。

「ま、まあ、しかたがないな。キミがそこまで言うのなら…いってやってもよいだろう。
ここに閉じこもっていてもしかたないしな…」

ほっぺを真っ赤にして、嬉しさを隠し切れない表情でうんうんと一人頷く御剣に
糸鋸は久しぶりにほっとした気持ちを感じていた。



「遅いっスねー…」

先ほどのショーでは、舞台に上がれる子供役に目を輝かせて真っ先に挙手をし
アクダイカーンに捉えられて大好きなトノサマンに助けてもらうという経験までして
すっかりテンションの上がりきった御剣は、ここで待っていろと糸鋸に命じて
トノサマングッズやまんじゅうを買いに走り出して行ってしまった。

慌てて後を追おうと思ったが、小さな御剣はあっというまに人ごみにまぎれてしまい
仕方なく人の消えた舞台前ベンチに座って、一人御剣の帰還を待ちつづけている糸鋸だった。

「それにしても遅すぎるッス。あれっ?」

携帯が震えて、見るとメールの着信が一件。
画面には、トイレ の三文字。
御剣の携帯からだった。



遊園地の外れにあるトイレの一室。
必死にカバンの中の携帯を操作する御剣の手を、後ろから男がはがいじめにする。

「コラー、何をちてるのかな?駄目でちょぉ〜」

男に携帯を叩き落とされ、抱き起こされて後ろから抱きしめられる。
この男は、幼児や少年ばかりを狙う変質者で
一人でトイレにやってきた子供を狙い、こうしてトイレの中に引きずり込んでイタズラをしていた。
外ではアトラクションに夢中になる人々の歓声や音楽が大音量で流れ、少しの物音では気付かれにくい。
子供の口にハンカやタオルを詰め込み、声を出させないようにしてから強姦を果たす手口で
男は遊園地やテーマパークを転々として犯行を繰り返していたのだった。

「ほら、大人しくしてればいいんだよぉ?大人しく、チンポを入れられてなさい!」

ハンカチを御剣の口に押し込み、上から手で押さえつける。
離れようともがくが、後ろからガッチリと押さえつけられて
細身の子供である御剣の身体では到底かなわない。助けを呼ぼうとする声は
布と外の音にかき消される。

「んん、んーっ」
「大丈夫大丈夫、気持よくしてあげるからね」

男は御剣のハーフパンツをずりおろすと、子供用の下着の上から
御剣の性器を揉みはじめる。

「んうっ!」

身体がビクン、と跳ねる御剣を、男は好色な視線でねちっこく舐めまわす。

「おんやあ、エッチな反応だね?キミ、まだ年齢一桁でしょ?9歳くらい?
もうオナニー覚えちゃってる系?」

首を振り、苦しげに顔を歪めるも、御剣の小さな性器はすぐに勃ち上がっていく。

「すごいね…君、すっごくエッチな身体なんだね!最高だ!
普通の子供は怖がっちゃって中々こうはならないよ?
これだけいやらしく感じちゃったら、もうハンカチで声塞いでおく必要も無いかな?
君、すごく可愛いからね……。さっき、獲物が来るまで男の子を視姦して
ズリネタでもするかな〜ってショーを見に行ったら
舞台に出て嬉しそうに笑ってる君がいてね。あの可愛い子が犯れたら最高だなって思ってたから
今日は本当にラッキーだったよ。壊れるまで、たっぷり何回も犯してあげるね」



男はハンカチを口内から取り、御剣の下着も足首まで下ろしてしまう。
股間を直に摩擦しはじめ、おっぱいをクリクリと指で挟んで転がすように刺激し
キスをしようと、ゆっくりと顔を御剣に近づける。
その時、御剣が精一杯の大きな声で助けを呼んだ。慌てて男が口を塞ぐ。


「み、御剣検事ぃ!そこッスか?」

トイレにばたばたと靴音が響く。


「やべぇ、おい誰だよ…!」

男は助けを呼ばれた事に気付いて、肉棒を勃起させたまま慌ててチャックを引き上げると
ドアを開けて一人だけ逃走する。糸鋸の巨体にぶつかるが
振り向かずに全力疾走で外に逃げていった。

「…?御剣検事、そこにいるんッスか…?」

走り去っていく男に、嫌な予感でいっぱいになりながら糸鋸は個室を覗く。


そこには、大きく開脚した格好で便座にまたがり
脱げた下着を足首に掛け、胸で大きく呼吸をして
脱力している御剣の姿があった。


「…っ!!」

「……けい…じ。ドアを…ドアを、しめてくれ…」


頭がよく動かないまま、糸鋸はゆっくりと後ろ手で鍵をかける。

時間が止まる。御剣の姿、明らかに何かをされかけていた痴態。
糸鋸の脳内では、さっきの男を追いかけて捕まえなければならないという事や
御剣に何かの言葉をかけなければならないという考えがグルグルと回るが
どれも出来ずに、ただ個室の中で御剣の姿を凝視する。


大人だった頃の御剣の、あの時の姿を思い起こさせる淫らな痴態。
しばらく忘れていた欲望の記憶。


御剣が元の姿だった頃のある日、地震で失神した御剣を自宅に送り届けた糸鋸は
お礼にと食事とワインを振舞われた。
酒乱癖のある彼はそこで抑制を失い、ひた隠しにしていた欲望を抑えられなくなり
御剣を犯した。


それからは無し崩し的に、あらゆる場所で数え切れないほどの性交を重ねた。
身体を貫かれたのは始めてだった、と糸鋸に語った御剣は、あっという間に情欲に溺れた。
糸鋸は、御剣が他の男にも抱かれている事を知っていた。
自分の知っている人間とも、知らない人間とも、誘われるまま、抵抗もせず
有能な検事の内実がセックス中毒といってもいいほどの乱れた日々である事実を知っていた。

御剣は生まれつき快楽を感じやすい身体だったのかも知れない。
もしくは、御剣を支配するトラウマ自身が、強い力で押さえつけられ、抱きすくめられ
激しく貫かれて肉体を一方的に愛される行為を、心のどこかでずっと欲していたのかも知れない。



欲望をすっかり忘れていたのは
御剣も同様で、幼い体になってからは
自然な欲求が起りづらい分だけ余計に性的欲望から遠ざかっていた。

しかし身体が幼くなっても、精神は快楽の味を既に覚え
頭の芯まで強い欲望に支配される記憶が染み付いている。
変質者に捕らえられ、身体を好き勝手弄ばれて、恐怖と嫌悪を感じながらも
その性的刺激によって忘れていた快楽が一気に溢れだして、御剣の脳を侵した。

元に戻れるのかも分からない不安な毎日を送っていた御剣に
快楽の麻薬は、いつもよりも強烈に頭を支配してしまう。


御剣は視線を不安定に揺れ動かせ、糸鋸の前でゆっくりと足を開く。


「けいじ………。ここ…」
「……あっ?な、何っすか?」

目の前で、恥部を大きく晒けだしてくる子供という
異常な状況に、糸鋸はゴクリと唾を飲んだ。

「ここ、けいじの、ペニスを、入れてくれないだろうか…」

指で穴を押し広げ、震える息を吐いて言葉を押し出す幼い御剣。

「えっええ!?む、無理ッスよ御剣検事!検事のここ、ちっちゃすぎるッス!
自分のチンポじゃ入らねッスよ!」

「いやだ、やだ、けいじ、ここに今すぐ、ちっちゃいここ
けいじのすごく大きいの、壊れてもいいから、むりやり力づくでゆさぶって気持よくして欲しい」

発情しきった淫乱の顔で、潤んだ瞳で糸鋸の巨体を見上げる子供の形をした御剣。
口の端からは涎まで垂れて、まるっきりセックス中毒患者の顔つきだ。
幼い声で、不明瞭なだらしのない口調で、何度も何度も性行為を哀願するその姿に
糸鋸の思考能力は奪われ、股間に血液が集中して、凶悪な武器の形を形成し始める。


「………や、駄目、ッスよ…。ね?わがまま言っちゃ駄目ッスよ…?
検事は大切にしたいんっスからね?これで我慢してください、ね…?」

糸鋸は節の太いささくれだった指を、御剣の小さくて熱い口の中に乱暴に捻じ込む。

「んぶっ、んうぅう」

頭を押さえつけ、小さな口内を楽しむように頬の裏の柔らかい肉や舌をかき回し
根元まで出し入れして湿らせ、指をちゅるんと口内から出すと
強引に御剣の狭い肛門の中に突き入れる。
子供の身体には太すぎる指を一気に根元までこじ入れると、御剣の身体がビクッと跳ねた。

「あっ、けいじの、んっ、太くていいっ、これ好き…」
「いいんッスか?指…」

一度戻して、いつもよりずっと浅い位置にある前立腺を揉み押して刺激してやる。
御剣は快楽にたまらず喘ぎ声をあげる。

「あっあっあ、けいじ、いい、指好きぃ、キス…キスもいっぱい…」



小さな手でコートをギュッと握り締めて、甘い声で求めてくる御剣の顔を真上に向かせ
指で顎を押さえ、口を開かせてから自らの唇で塞ぐ。
舌を根元まで入れるだけでいっぱいに埋まってしまう、いつもよりずっと狭い口内。

まるで食べているような気持ちになる、小さすぎる唇の感触。
小さな舌と、自分の分厚い舌が絡み合う感触に脳が麻痺して完全勃起するのを感じながら
糸鋸は御剣の内部に埋め込んだ指を激しく出し入れしながら、長時間しつこく口内を味わい続ける。


やっと解放し、ぷちゅ…と音を立てて唇を離すと
糸鋸の目の前には唇から糸を引きハァハァと息をする、幼い御剣の紅潮した顔。
瞳を潤ませた快楽の期待に満ちた表情を、天使のように愛らしい顔に浮かべている。

「御剣検事…」

糸鋸は自分のズボンと下着を一気に下ろし、逞しく脈打つ巨根を見つめる御剣を抱きかかえて
便座にバックスタイルで手をつかせ、背後から肉棒を御剣の尻の間にあてがう。


「けいじ…それで、めちゃくちゃにして欲しい…」
「御剣検事、ここは外だし怪我とかしたら後が大変だから、今日はこうしてあげるッスね?
身体が慣れてきたら子供検事におっきいチンポをぶち込んであげるッスから…」

そう言うと糸鋸は、閉じさせた御剣の脚の間に
肉棒を挟んで後ろから抜き差し始める。

「いやだ!あっ、早く入れろっ、けいじ、命令だぞっ!んっあっ…」

ぐずる御剣を無視し、掴んでいる手が一周してしまいそうなほど
細い脚と肉棒が擦れる感触を愉しみながら
腰をパン!パン!と欲望のままに強く叩きつける。
子供の御剣と思い切りセックスをしているような錯覚に、異常性欲を感じて強い快楽に眩暈がする。
腰を叩きつけながら御剣の性器をコリコリと摘んだり、擦ってやると
一気に力が抜けて大人しくなり、愛くるしい声で喘ぎはじめる。

「あっあっ、けいじおっぱい、も、いじってっ、痛くして」

手で上半身を押さえつけながら小さすぎる乳首をコリコリと強めに揉み潰して
もう片方で小さな性器をこよりのように擦る事を繰り返すと
痛みすらも快楽に変わるのか、御剣の痴態と喘ぎ声は激しさを増していった。

「あっあっあっ、けいじ!いいっ、もう気持ちいいからペニス、んはぁっ、もう入れて!」
「ふ…ふうっ…駄目…!はぁっ…うっ…!…ぐっ、出る!」

ひときわ強く腰を叩きつけ、うなり声と共に大量の精液を睾丸から排出する。

ビュク!ビュクッブビュッ!ドクッドクッ…

「あーっ…いいッス…!ちっちゃい検事に…全部ぶっかけて…ああっ…」

動けなくなるほどの強い快楽の余韻を噛み締め、小さな御剣の体を起こし強く抱きかかえて
御剣の頭を撫でながら、息を落ち着かせる糸鋸。
大量の精液にまみれた御剣は、精液を吐き出せない性器を脈打たせて
強く抱かれたまま、朦朧とした意識で性欲に満ちた日々を思い出していた。

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