※時期は『4』第4話の半年後くらい
 ニットが既婚者だったり、
 ミツが検事辞めて警察局長になってたりと、8割方妄想注意


白いティーカップから立ち昇る湯気が、爽やかな香りを鼻腔に運ぶ。
出されたのは、フォションのダージリンだった。
「紅茶が出てくるとは、意外だったな」
「人に貰ったんだよ。ぼくはあんまり飲まないからさ」
「御剣さん、紅茶好きなんですか?」
「ああ。よく飲んでいるよ」
「わあ、オイシイ!おかわり…と言いたいトコだけど、もう行かなきゃ!
みぬき、これからお仕事なんです!」
彼女はプロの手品師である。当然、週末は書き入れ時だ。
「そうか、偉いな。みぬきくんは。どこぞのピアニストとは大違いだ」
「…それ、僕のことじゃないよね?」
「そういえば、オドロキさんも今日人と約束してるって言ってませんでした?」
「え、もうこんな時間!?わ、ち、遅刻だ!」
「デートか?オドロキくん」
「そっ、そんなんじゃないですよ!とにかく、オレもう行きます!
あ…御剣局長、今日はどうも、ありがとうございました!!!」
「もう、オドロキさんてば。そんなに大きな声出さなくても聞こえますよ。
じゃあ、私もシツレイしますね。今日はありがとうございました」
「いや、こちらこそ」
騒がしい二人が出ていくと、事務所の中は急に静けさに包まれた。
「ホント、久しぶりだよね。7年ぶり、かな」
「そう…なるな」
「…悪かったな。…何も、知らせなくて。オマエ、忙しいと思ったからさ。
そのうち、言おうと思ってたんだけど。」
「いや…気にする必要はない。…おめでとう。心からお祝いする」
「ありがとう」
「…そういえば、彼女の姿が見えないが…」
「ああ、真宵ちゃんなら実家にいるよ。修行とかで、忙しいみたいでさ。
こっちには、滅多に来られないんだ」
「そう、だったのか。しかし…まだ新婚だろう?」
「まあ、仕方ないよ。アッチにも、いろいろあるから。」

成歩堂龍一が結婚した。相手は、あの綾里真宵。
式は身内のみで行ったらしく、数か月経ってから電話で聞かされて知った。
自分が何も聞かされていないことに水臭さを感じたが、
彼らにも事情があるのだろうと思い、深く詮索はしなかった。
仕事が一段落した私は、久し振りの休日にこうして祝いの品を持って成歩堂の事務所を訪れたのだった。

視線を転じると、部屋の隅にある机の上に、小さな写真立てが置いてある。
その中の写真には、成歩堂と、真宵くん、みぬきくんに、王泥喜法介が写っている。
何れも、身を寄せ合って幸福そうな笑顔を浮かべている。
どこからどう見ても、仲睦まじい家族の写真だ。


私の視線に気付いたのか、成歩堂がああ、あれね、と言って注釈を加える。
「この前、皆で真宵ちゃんの実家に行った時撮ったんだよ。」
写真の中の彼女は、当然ながら、以前見た時よりも随分大人びて見えた。

「…そういえば話は変わるんだけどさ」
「?」
「ちょっと噂を聞いたんだよ。お前の」
「…噂?」
唐突にそう切り出されて、おうむ返しに問い返す。
…なんとなく、嫌な予感がした。
「そ。実際のトコロどうなのかと思ってね。」
成歩堂が、口端を僅かに上げるだけの笑みを浮かべる。
「……『御剣怜侍は、上司に体を売って局長の座を手に入れた』」
「……………」
「はっはっはっ。ジョークだって。そんな顔でニラむなよ。ほんと怖いぞ、オマエ」
青いニット帽に包まれた頭部が小刻みに揺れる。
「……キサマは、言って良い冗談と悪い冗談の区別もつかんのかッ!!!」
「だから、悪かったって。」
「…もういい。……どうやら、長居してしまったようだ。そろそろシツレイする」
自然体を装おうと、腕時計を見てそう切り出し、立ち上がる。
「もう?久し振りに会ったんだ、飲もうよ」
「あいにく、私はキミのように暇ではないのだよ」
「相変わらずだなあ」
「…キミは、少し変わったようだ」
玄関先で靴を履き終え、ドアノブに手を伸ばす。
「……………
 ダメですよ、御剣局長。」
「…っ」
ぞくりと、した。
耳許で呟かれた声の鋭さに。
過去の法廷以外で私に使うことなどなかった敬語に。
…私の頭の間横を遮り、背後から伸ばされた男の左手。
退室を禁じるように目の前の扉に張り付いている。
「何のつもり、だ?」
顔を僅かに後ろに向けて言う。
真後ろに立っている男の表情は窺えない。
男が灰色のパーカーのポケットから右手を出すのが見えた。
その手がゆっくりと、玄関扉のロックを掛ける。
カチリ。
「聞かれた事には答えないと。」
「い゛っ!ぎ、ひあッ、な、なに、をっ!」
その瞬間、急に左胸と股間に痛みが走り、堪らず悲鳴を上げた。
「『噂』の真偽ですよ。勿論」
服の上から、武骨な男の手が荒々しく乳房と股間を弄っている。
全力で撥ね退けようとしたが、密着した男の体はびくりともしない。
「何の真似だっ!離せっ!!はな…ぁ…ッ!」
「…おや。なんでしょうね、コレは」
信じ難いことに、私のモノは男の手の中で形を変えつつあった。
男の指があまりにも巧みだったためで、私の意思とは関係ない。


激しい羞恥に耳が熱くなる。
「局長は、男にココを触られて感じるんですか?」
男の声にからかうような色は無い。
まるで法廷で証人と言葉を交わすような事務的な声だった。
しかし今はそれが、かえって怖ろしい。
「バカなコトをッ…あ…くっ!」
反論しようとする傍からファスナーを下ろされ、
男の手が隙間から引きずり出した性器を激しく扱き上げてくる。
左手は、いつの間にかベストを捲り上げシャツ越しに乳首を捏ね回している。
人差し指と中指の先端で摘み、扱き、押し潰し、爪先で引っ掻き―――繰り返す。
「あまり大きい声出すと聞こえるよ。外に」
「………!」
そう言われて初めて、ここがビルの一室の玄関先であることに思い至る。
扉一枚隔てた向こうは、人が自由に出入りできる場所だ。
誰かが通る可能性はゼロではない。
「…っく…くぅ……っ」
男を罵倒したかったが、今口を開けば嬌声しか出てこない。
私にはただ扉に額を押しつけて、歯を食い縛り与えられる快楽を遣り過ごすことしかできなかった。
「…ひ、ぅ」
耳殻に熱い息がかかる。反射的に体が震える。
男のぬめった舌が耳たぶにねっとりと絡みついてくる。
短い無精髭が項に当たってざらざらする。
目を瞑っているせいで聴覚だけが敏感になり、
全く乱れていない男の呼吸のリズムを耳で追ってしまう。
気が付けば、息を荒げて欲望を吐き出しているのは自分のほうだった。
…何が、起こったのだろう。
はあはあと肩で息をしながら、目を開けて自分の股間を見遣る。
生理的な涙で滲んだ視界の中。
萎えた性器を握り込む、骨ばった男の手が白く濁った液体で汚れていた。
「………あ」
成歩堂の手で、達してしまった。
信じられない。目の前が真っ暗になりそうだ。
倦怠感も相俟って足元がふらつく。
「おっと」
ふらついた体を受け止められたと思った。
呼吸を整えて、正常な思考を取り戻そうとする。
「っ、え……?」
何だか、下肢がスースーする。
そう思って見るといつの間にか自分の足元にスラックスと下着が滑り落とされている。
おまけに、扉に手を付いて男に尻を突き出すような格好になっている。
乳首を弄んでいた左手はがっちりと腰を掴んでいた。
「っ、う」
アナルの入り口を擽るように何かが触れてきたかと思うと、濡れた何かが侵入してくる。
考えるまでもない、精液を纏った男の指だ。
絶頂の余韻の抜けきらない体は、十分に濡れた二本の長い指を難なく根元まで飲み込んでしまう。
二本の指は狭い穴を拡張するように小刻みに動く。
くちくちと微かな音を立てながら。
そして、三本目の指がアナルの淵をぬるぬると彷徨っている。
頭の片隅で危険信号が点滅する。
「ダ、メだ成歩堂、もうや…ぁっああ」


くぱぁ、と音が聞こえた気がした。
三本の指がアナルの入り口を押し拡げ、敏感な粘膜がひやりとした空気に触れる。
男の不躾な視線がソコを睨め回しているのを嫌でも感じた。
きっと、汚らわしいものでも見下すような目で。
「!」
ぱっくりと口を開けたソコに熱い塊が押し当てられる。
とっさに身を引こうとしたが、腰を掴む男の左手は動じない。
「―――――やめ……っく…」
亀頭が精液に濡れた入り口をこじ開け、
みちみちと音がしそうなほど強引に肉棒が捩じ込まれていく。
キツい締め付けに、背後で男が小さく息を詰めたのが聞こえた。
しかしそれさえも愉しむかのように、間髪を入れず激しい抽挿を開始する。
「ぐっ、うう、う」
男の動きはまるで私のアナルを使って自慰をしているような独り善がりなものだった。
奥に突き入れ、抜けるギリギリまで引き出す。また、突き入れる。
射精という、ただ一つの明確な意図を持って。
そう、思っていた。だが。
「ひっ!?ぁ、あっあっあ、はあっ、く、うぅん!」
急に男の動きが変わった。
直線的だったストロークが変則的になり、大きく張り出したカリが前立腺を深く抉る。
目が眩む様な性感が脳を直撃し、必死に繋ぎ止めていた理性が瓦解しそうになる。
「やっぱり初めてじゃなかったね」
耐えがたい快楽が襲い来る中、ずっと押し黙っていたはずの男の言葉が耳に届いた。
何を…言っているのだろう。
「警察局長っていうのは、こんな風にチンポ突っ込まれて腰振るのが仕事なのか?」
その言葉で私は初めて気付いた。
…男の動きが変わったのではなく、私自らが動き、感じる場所に男のペニスを擦り付けていたことに。
「……あ、」
頭から冷や水を浴びせられたような気分。
それは、私が他の男に抱かれている事を示す証拠だった。
彼に、知られてしまった。
どうしようもない絶望感が胸に広がる。
「体は正直だね」
「ちがっ…」
「今度から君に質問するときは、体に直接聞くことにするよ」
「んああっ!っひ、はっ!あ!ああ、あ、なる、ほどう、ッ!!!」
暴力的な付き上げが、怖ろしい程の的確さで感じる箇所を責め始める。
先程までの単調な動きは、ワザとだった。
「――――――――ッッッ」
容赦のない動きに声もなく絶頂に押し上げられる。
腹に付くほど反り返った自分の性器からはトロトロと精液が漏れ出していた。
強い締め付けに直腸内のペニスが大きく震え、男も射精を開始する。
その間、男の突き上げが止む事はない。
「あっ、ひ…」
それによって、何度も何度も断続的な絶頂を味わわされることになる。
男の射精が終わる頃には、私は意識を手放していた。


気が付くと、元通りに服を着て事務所のソファに横たわっていた。
そしてどういうわけか、成歩堂の膝に私の頭が乗っている。
全身を支配する倦怠感に、指一本動かすことができない。
「…こんな事をして…タダで済むとでも思っているのか」
殴りつける代わりにそう言い放った。
「…起きたんだ」
私の覚醒に気付き、こちらに視線を向けてくる。
その曖昧な微笑からは相変わらず感情を読み取ることができない。
男の手には掌ほどの大きさの四角い何かが握られており、
そこから伸びたイヤホンが男の両耳に繋がっている。
成歩堂はその片方を外して、私の耳に近付ける。
『…何の真似…』
『…ぁ、あっあっあ、はあっ…』
『…もうや…ぁっあ』
『…こんな風にチンポ突っ込まれて腰振るのが…』
『…っひ、はっ!あ!ああ、あ、なる、ほどう、ッ…』
…聞こえてきたのは、自分の嬌声だった。
男が手にしている機械を見せられる。
その中央にある画面には、成歩堂に犯される自分が映っていた。
精液を垂れ流すアナルが至近距離で映し出される場面にさしかかっている。
「これ。誰にも知られたくないよね。御剣局長?」
「……………」
現職の警察局長に対する暴行・脅迫。
告発すれば間違いなく有罪になるだろう。
だがそうすれば同時に自分もこの男も破滅する。
自分には、なすべきことがある。
そのために、プライドを捨ててまでここまで上り詰めた。
そして、これからも。
だから、ここで立ち止まる訳にはいかない。
それに…
先程会話した、みぬきと王泥喜の屈託のない笑顔が脳裏に浮かんだ。
…自分さえ。………黙っていれば、誰も傷つかなくて済む。
「僕の言うこと、聞いてくれるかな」
目の前に、勃起したペニスを突き付けられる。
私は無言を肯定としてそれに舌を這わせる。
ぴちゃぴちゃと音を立てて奉仕する私の髪を撫でながら、男が口を開く。
「…もっと早くこうしていればよかった」
その言葉に、ついに私の涙腺は決壊した。
四半世紀越しの彼の気持ちを今更、理解してまったから。
…ずっと心の奥底で縋り付いてきた、親友を喪うことと引き換えに。

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