地方検事局、そのとあるフロアの最奥にある一室。
普段は上層部の人間たちが重要な会議を行う時に使用する会議室だ。
それが今日は異様な雰囲気に包まれている。
重い扉は内側からしっかりと施錠され、部外者の侵入を拒んでいる。
会議室があるフロアはエレベータホールに警備員まで配置され、
入室はおろか部屋に近付くことさえ禁じられている。
そこまで厳重に人の出入りを禁じている会議室で今日執り行われるのは、
検事・御剣怜侍の査問委員会だった。

表向きは“主席検事・宝月巴の裁判における証拠品ねつ造の疑い”についての査問である。
「査問」というからには、取り調べや調査が目的であるはずだ。
しかし、この会議室ではそのような一般的な「査問」が執り行われる様子はなかった。


窓には厚いカーテンが、隙間のないよう閉められている。
部屋の中心をぐるりと取り囲むように、壁に沿ってパイプ椅子が並べられている。
椅子には検察上層部の関係者達がきちんとした身なりで腰を掛け、各々雑談などに興じている。
ここまではさほど違和感のない光景だが、この部屋の光景を異様なものにしているのは他ならぬ、
部屋の中央に位置する御剣怜侍本人だった。

椅子も机も何もない部屋の中央に、御剣怜侍が立っている。いや、立たされている。
その両手は頭上に掲げられ、手首には麻縄が巻かれている。
縄の先は天井へ伸び、フックのようなものにしっかりと引っ掛けられている。
目には黒い布で目隠しをされておりその異様な様子は、周囲からの好奇の視線にさらされている。
当の御剣はというと、その姿勢による肉体的な苦痛もあるのだろうが
やはり精神的な屈辱の方が大きいようだ。唇を噛み締め苦しげな息を漏らしている。

その時、部屋の一番奥にある椅子に掛けていた初老の男が時計を見ながら立ち上がった。


「それでは皆さん、そろそろお時間のようです。御剣怜侍検事の査問会を始めるとしましょう」

御剣の体がビクンと反応した。男たちからまばらな拍手が起こった。
初老の男は御剣の方にゆっくりと歩み寄る。彼こそがこの地方検事局のトップであった。


「いいかな、御剣君。今日は君のためにお忙しい皆様が集まって下さったのだよ。
 まずはお礼を申し上げなさい」

尊大な物言いで御剣に言い放つ。御剣はきゅっと唇を噛んだ後、言葉を発した。

「私のためにお時間を取らせてしまい…大変申し訳ない…お詫び申し上げます…」

男は不遜な微笑を浮かべた。もちろん御剣の目には映らないが。
御剣の周りをゆっくりと歩みながら説く。

「君は本当に優秀な検事だよ。だからこそ、君のためにこういった場を設けているのだ。

 君に疑わしいところがあるのなら、それを晴らして。
 誤った所があるのなら、それを正して行こうじゃないか。なあ御剣君」

男の指が御剣に伸びる。人差指で御剣の顎を支え、くっと持ち上げる。
御剣の体がびくつく。周囲からかすかな笑みが漏れた。

「まずは、例の宝月検事の裁判の件…と言いたいところだが」

男の指が御剣の顎をさらに持ち上げる。御剣は喉を伸ばす。

「その前に…君に対する“ある疑惑”について検証していきたいと思うのだが、いいね?」

「は…い」

御剣が苦しげに答える。男は不敵にほほ笑んだ。

「君は非常に優秀な検事だが…ある種の噂が後を絶たないのだよ。
 君自身の耳にも入っているかなぁ…?君は心当たりがあるかい?」
「…私が証拠品のねつ造や隠ぺいに関わっている、という噂でしょうか」

御剣の答えに、男は声を上げて笑った。周囲からも低い笑い声が漏れた。

「ああ、そんな噂もあるようだね。でも我々はそんなもの信じていないし関心もないよ。

 そんなものよりもっと低俗で、下品なものだ。君は知らないか?」
「…心当たりがありません」
「そうか、じゃあ教えてあげよう」

男はもったいつけるように妙に長い間を取る。目隠しの下、御剣の表情が曇る。

「御剣怜侍は淫乱だ、誰とでも寝る。
 検事としての今の地位は、股を開いて築いたものだ。
 師匠である狩魔検事に、幼いころから性的に調教されて来た。
 …こんな噂を、聞いたことがないかね?」

誰かあからさまに笑ったものがいた。男は御剣の顔を見ながらほくそ笑んでいる。
御剣の白い頬がさっと赤らむ。狼狽した様子で答える。

「し、知りませんし…そんな事実はありません」

男はほう、と楽しげに漏らした。

「そうだろう。
 検事局きっての天才と謳われる御剣検事に、そんな男娼のような事実があるわけないよなあ」
「…事実無根です」

男はにやにやと笑いながら御剣の全身を舐め回すように眺めた。

「その言葉を聞いて安心したよ、御剣君。ただね、僕らも子供じゃないんでね。
 違うと言われてハイそうですか、というわけにはいかないんだよ。
 君もこんな仕事しているから分かるだろう?
 物事は何事も確たる証拠や確証を持ってよしとしなければならない。」

御剣の顔がさらに曇る。渇くのだろう、舌で唇を舐めた。

「…どういうこと、でしょう」
「今から確かめさせてもらおうってことだよ。これで疑念が晴れれば君も嬉しいだろう?」
「なっ…?」

御剣が言葉を失ったが、男は構わずに続けた。

「さ、じゃあ時間ももったいないし進めよう。まずは、誰から行くかな?
 とりあえず若い者から行こうか」

はい、という声が答えた。
目隠しのため御剣には誰か分からない。声からして御剣と同年代か少し年上であろうと思われた。


「じゃ、よろしく」

指名した若い男に言い渡すと、初老の男は自分の席へと戻って行く。
御剣の前に若い男が立ちはだかった。

「御剣さん、いい姿ですね。今日はよろしくお願いしますね」

声のトーンに嘲笑が含まれている。羞恥と屈辱で御剣の顔が赤く染まる。
周囲からは絶えず低い笑い声が漏れる。
男は御剣のベストのボタンを外し、続いてシャツのボタンに手を掛ける。

「何を…するっ!」
「何をって…分かっているでしょう?御剣さん」

男はくすくすと笑いを漏らす。御剣が身をよじって抵抗する。

「動かないで下さいよ、怪我しても知りませんよ?」

至って冷静な口調で男が言い放つ。御剣は唇を噛んだ。
男のスムーズな手つきはシャツのボタンを全て外し、御剣の白い胸板があらわれた。
引き続き、ズボンのベルトに手を掛ける。

「や、やめろっ!」

御剣が声を張り上げた。

「少し黙ってて下さいよ」

周囲から年配の男の声がする。

「口、何か縛っとく?」

御剣はぞくりと戦慄した。孤立無援なのだと改めて実感する。

「そうですねぇ…いや、いいです。これで」

若い男はそう言うとポケットからハンカチを取り出し、御剣の口内にねじ込んだ。
御剣が呻くがくぐもった声にしかならない。

「そりゃいいや」

誰かが笑って言った。
男は御剣のベルトを外し、ズボンのファスナーを下げる。
はだけた胸、乱れた着衣の御剣が縄で天井から吊られている。

「御剣さんは淫乱じゃないから、こんな事しても平気なんでしょう?」

男の指が、あらわになった御剣の乳首をつまんだ。

「んう!」

御剣がうめくと、下卑た笑いが周囲から漏れた。

「おい、お前後ろに回れ。よく見えねえ」

外野の誰かが言った。

「そうですね、失礼しました」

男は言うと、御剣の背後に回った。両腕を頭上に掲げられた御剣の、脇の下から胸に手を回す。

「これで見えやすいでしょう」

背後から回した両手が御剣の乳首をこねる。

「ふ…っ!!」

御剣の鼻孔から息が漏れる。
男の指先は御剣の乳首をつまんでコリコリとなぶる。
それだけではなく、男は御剣の背後から耳に息をふうっと吹きかける。
御剣の全身にぞくぞくとした感覚が走り、身震いする。

「んッ…!」

男は背後から、楽しげな口調で御剣の耳元に囁く。

「感じちゃったりしないですよね?御剣さんは下品で淫乱な男じゃないですよね?」

指の腹で尖った突起をぷるぷると擦られ、耳元に舌を這わされる。
御剣の頬が上気し、呼吸が乱れる。

「なんか、乳首勃ってきちゃってますよ?まさか感じちゃってないですよね?」

言葉で辱められる。周囲から嘲笑が沸き起こる。
御剣自身も認めたくない。
しかし、感じやすい部分への愛撫に性的快感が高まっている事はどうしようもない事実だった。

「確かめてみますね」

男は背後から回した手を下半身へ下げる。
開いているファスナーの間から手を差し入れ、下着の上から御剣の股間を握った。
うっと呻いて御剣が腰を引こうとしたが、背後にぴったりと男が密着しているので叶わなかった。

「おい、どうだよ?」

外野の問いかけには答えず、男はくすくすと笑いながら御剣に告げる。

「御剣さん、どうして勃っちゃってるんですか?」

周囲からどっと笑いが漏れた。ちょろいもんだな、と言った男がいた。
羞恥のあまり、頭がぼうっとして来る。何もかも夢であればいいと思った。
何よりも歯がゆいのはこのような状況で感じ、反応してしまっている自分自身だった。

男は片手で乳首を弄びながら、もう片方の手はズボンに差し入れたまま御剣自身をぐにぐにと弄る。
御剣が鼻を鳴らす。

「んッ…ふぅ…ッ…んんッ…」


いい眺めだぜ、と言う男がいた。
初老の男の声がした。

「じゃあ、もう一人くらい手伝って」

はいという声と共に外野から一人、立ち上がって中央の御剣へ歩み寄る男がいた。
一人目の男よりは少し年上だった。二人目の男はもう一人の男へ言った。

「お前はおっぱいを可愛がってやれよ。俺はこっちにする」
「あれぇ、いいトコ取りっすか」

二人のやり取りに周囲が笑った。本人たちも笑っているようだ。
二人目の男は御剣の正面に回り込み、座りこんだ。勿論御剣にはその行動は見えないが。

男は御剣の腰にかろうじて引っ掛かっていたズボンを、引きずり降ろした。
ワインレッドのズボンが御剣の足元に溜まる。
下着は、勃起した御剣のペニスの形を恥ずかしいほどあらわに浮き出していた。

「おやおや」

男は御剣の勃起を目の当たりにして楽しそうに呟いた。
下着の上から手を這わせると、御剣がびくりと跳ねた。

「おっぱいだけでこんだけ勃起しちゃうなんてなあ…感度がいいな、御剣」

布越しに指でむにむにと弄られ、御剣は身悶えた。淫乱だな、という声が聞こえた。

「ガマン汁でシミになっちゃってるぞ、お前。」

男はくすくすと笑い、御剣の先端だと思われる部分を親指の腹で布越しにくりくりと撫でた。
御剣がビクンと跳ね、鼻を鳴らした。

「そろそれこれ、取ってあげましょうか。御剣さんのイイ声聞きたいし」
「そうだな、取ってやれ」

そんな会話の後、口内に詰められた布が取り去られた。
御剣の口から唾液の糸を引くハンカチが、背後の男の手で床に捨てられる。
ようやく口が自由になり、御剣ははぁっと大きく息を吐いた。

「じゃあイイ声で鳴いてもらおうか、御剣」

正面の男の手が下着の中にもぐりこむ。
先ほどからじわじわとした緩やかな刺激に耐えていたペニスに直に触れられ、
御剣の全身を快感が貫く。

「はぁんっ」

御剣が身をよじった。背後の男から絶え間なく与え続けられる乳首への愛撫に伴って、

ペニスからは大量の先走り液が溢れ出ていた。
その体液を絡ませながら、くちくちと愛撫される御剣の尿道口。

「んっ、はあっ…や、やめて…くれっ…!」
「あれえ、こんなになってるのにまだそんなこと言うんですか」

背後の男がくすくすと笑った。

「そろそろ皆さんにも見てもらおうか、お前の卑猥なイチモツを」

御剣が首を振るのもお構いなしに、男は御剣の下着をずり下ろした。
勃起したペニスが下着に引っ掛かり、ぷるんと跳ね上がった。
周囲からのどよめきが起こった。

「ハハッ、フル勃起じゃねえか」
「どれどれ。ホントですね!御剣さんってば淫乱じゃないですか」

尊厳も何もかも打ち砕く恥に晒されて、御剣の目から涙が溢れた。
もっとも、目隠しの布のせいで周囲の者は気付かなかったが。
むしろ周囲の目は、膨張して脈打つ御剣の男性器に注目していた。

「あ〜あ、ガマン汁こんなにタラタラ流して…そんなに感じてるのか?御剣」

親指が執拗に尿道口をくちくちといたぶる。
人差指と中指はカリ首に引っ掛かり亀頭全体を刺激する。
その間も背後から乳首をこね回される。快感が御剣の思考を支配する。

「んん、はあッ…あん…うっ…」

足に力が入らずガクガクと震える。
そんな様子を見て、正面の男が言う。

「おいおい、イッちゃうとか言わねえだろうな」
「え、御剣さんもうイッちゃうんですか?」

その様子を見ていた初老の男が口を挟む。

「勝手に達するのは許さないよ御剣君。君の査問会は始まったばかりなんだから」

男達が御剣の乳首とペニスから手を放す。
快感に囚われた御剣の体は、さらなる刺激を求めてびくつく。

「君が淫乱だと言うのは証明されたから、次の確認に移ろうか。じゃあ次、君」

次に歩み寄って来たのは中年の男と、それより少し若い男の二人だった。
中年の男は手にいくつかの道具を持っている。

「君のその穴が、誰でも受け入れる淫乱な穴だって噂があるからねえ」

初老の男の合図で、中年の男が御剣の傍に跪いた。
若手の男が足元に溜まっているズボンから御剣の片足を引き抜くと、掴んで持ち上げた。


「な、何をするッ…!」

御剣の抗議には答えず、男は手際よく御剣の膝あたりに細長い布を巻き付けた。
その布を引っ張り、御剣の手が拘束されている麻縄に縛り付ける。
御剣は片足を持ち上げられる格好になり、拡げられた肛門があらわになった。

「やめてくれっ…頼む…!こんなこと…やめてくれ!!」

御剣の必死の懇願も、周囲の嘲笑に掻き消されてしまう。
準備を整えると若手の男は席に戻り、中年の男だけが御剣の傍に残った。



拘束された両手を吊るしあげられ、目隠しをされ、脚まで開かされ、
羞恥の極地へ陥った御剣をさらなる試練が待ち受けていた。

中年の男は手元の道具から一つを取り出した。ボトルのようなものを開け、手の平に伸ばす。
さらにはそれを指先に取ると、御剣の肛門へ塗りたくり始めた。
ひんやりとして、それでいてぬるりとした感触。御剣にとっては馴染みある感触だった。

ローションを塗られているのだとすぐに分かった。

「や、やめろっ!」

肛門の周りをほぐすと、早々に指が挿入された。

「んぅ!」

くにくにと直腸内を捏ねられる。乾いていたその部分がローションで濡らされ、滑る。

潤滑が良くなると同時に、挿し込まれた指が直腸内を自由にまさぐり始める。

「ああぅ!!」

男の指が御剣の前立腺を擦ると、御剣はひときわ高い嬌声を上げた。
ビクンと体が跳ねる。勃起したままのペニスがぷるんと震えた。
中年の男がようやく口を開いた。

「こっちの方もかなり感度がいいみたいですよ」

初老の男に向けられた言葉だった。報告を受け、周囲がざわつく。やはりな、という声も聞こえる。

「じゃあ、例のやつ試してみてください」

初老の男の声で、中年の男は他に用意した道具を取り出した。
取っ手の先に、ごつごつとした突起が連なっている棒状のもの。
男は御剣の肛門を眺めると言った。

「なんだ御剣、アナルがヒクヒクしてるじゃないか。」

ははっと声を立てる。周囲も合わせて笑う。
先の刺激が足らずに、さらなる快感を求めて肉の門が蠢いているのは事実だった。

「そんな淫乱なアナルには、これが丁度いいだろう」

男が用意したアナルバイブが御剣の肉の穴を割って入る。

「んああっ…あ…あぁう」

バイブはぬぷぬぷと御剣の直腸へ吸い込まれて行く。その様子を物珍しげに眺める外野の男たち。

「バイブは初めてか?ってそんなわけねえか」

嘲るように笑うと、前触れもなく男はバイブのスイッチを入れた。
ウィン、というモーター音と共に御剣の中で暴れだすバイブ。

「んあっ!」

御剣の体が激しく跳ねる。
泣き叫ぶような喘ぎ声とバイブのモーター音が辺りに響いた。

バイブの竿は御剣の肉壁にぴったりと密着し、出し挿れされるたびに
快楽のスポットを絶妙に擦る。モーターが直腸を振動させ御剣の奥深くを痺れさせる。

片足を揚げられてはしたなく晒した御剣の秘部に、ぬぷぬぷと卑猥な音をたてながら
器具が出入りする様は淫靡という形容しかなかった。
屹立した性器の先から淫らな汁をぽたぽたと滴らせ、全身をぶるぶると震わせながら御剣が悶えた。

「んあっ、あぅ、やあっ、はぁ、いっ、いくぅ…!」

まさに絶頂に達そうとしたその瞬間、御剣の中から刺激が消えた。

「…?」

男の手に握られたバイブはスイッチを切られ、動きを止めていた。
静止したバイブをぬるぬると抜き取られ、御剣の菊門から卑猥な糸をつうっと引いて切れた。
はあはあと荒く息をつく御剣の性器はいまだ果てられぬまま雄の形状を保っている。
その時、初老の男が声を発した。

「許可もなく果てるのはいけないよ、御剣君。まだまだ許しはしない」

周囲から冷笑が漏れた。
何度も果てる寸前で止められて、御剣の欲は暴走寸前だった。
限界まで勃起したペニスが痛いほど張り詰め、吐精を切望している。
御剣は唇をぎゅっと噛んだ。その表情を見た初老の男が高笑いする。

「苦しいか?御剣君。果てたいか?」

屈辱であった。
これまで検事として積み上げてきたものが跡形もなく砕け散った。
それでも最早、本能が求める快感を御剣の理性が拒否することはできなかった。
黙ったまま、コクリと頷く。初老の男が容赦なく問い詰める。

「果てたいと言うんだ、御剣。男の性器を数え切れないほど咥えて来たその口で、哀願しろ」

恥辱に体をうち震わせながらも、御剣は上ずる声で答えた。

「…い…イきたい…です…。イかせて…ください…」

辺りからひときわ高く、嘲笑の声が沸いた。初老の男が低い声で笑いを漏らした。

「君は信じられないほどの、淫乱だな」

無数の嘲笑と耐えがたい恥辱に晒されいつしか御剣は、捨て鉢な心境に陥っていた。
そうだ、私は肉欲に溺れる、淫らで卑猥な男なのだ。
そんな男が、このような目に遭ったからと言って何なのだ。これは当然の報いなのだ、と。

初老の男が合図した。
手に刃物を持った男が一人御剣に歩み寄り、天井から下がっている縄を切断した。
ピンと張り詰めていた縄が切られると、御剣は床に倒れ込んだ。
体を吊っていた縄からは解放されたが、両の手首に結ばれた縄はまだ解かれていない。

床に突っ伏す御剣を周囲の男たちが嘲り笑う。
しかし全てを諦めた今の御剣にとってはもう、他人の侮辱など些細なことであった。


横たわる御剣の元に一つの足音が近づいて来た。あざ笑うような声で、初老の男が言葉を掛ける。

「いい格好だな御剣君。」

御剣は声のする方へ顔を向けた。無論、見えるわけではないが。初老の男がさらに続ける。

「果てたいと言ったな。君のような淫乱に、他の者が手を貸すまでもない。
 自分で慰めて見せよ、普段やっている通りにな」

いいぞ、やれやれと周囲がはやし立てる。

「どうした?それとも男に抱かれないと果てられないとでも言うのか?
 そんなにも、男には不自由していない身分なのか?」

男の言葉に、どっと笑いが沸いた。
御剣は横たわったまま、縄で拘束された両手を自らの性器に添える。
限界まで焦らされたそれは、軽く触れただけで果ててしまいそうだ。

「ふっ…んぁ」

勃起したペニスを握りしめ軽く擦る。ビクンと体が震え、甘い声が漏れた。
自らの手淫であっけなくも吐精してしまいそうだった。
人前でオナニーできるなんてなあ、という誰かの声に続き漏れる笑い声。
周囲の視線も、蔑む汚い言葉も、嘲笑も、今の御剣にとっては快楽の助長ですらあった。
こんな淫らで卑猥な私の痴態を見て、もっと罵ってくれ。嘲ってくれ。

「はぁっ、んぁ、ふぅ…はっ…ん」

再び昇りつめる快感。
自慰に耽る御剣の腰がびくびくと浮く。

「ん、あぁ、んぅ、くっ…!!」

射精に向けて御剣の手がその動きを増した時だった。
肩口に激しい衝撃を受けて御剣は仰向けに突き転がされた。

「んあっ!」

御剣にとっては何が起きたのか分からなかったが、
自慰に耽る姿を傍で見下ろしていた初老の男が、御剣を足蹴にしたのであった。
またしても欲を吐きだすことができず、御剣は苦しげに呻いた。
頼む、いかせてくれ。いきたくて仕方がないのだ。

「惨めだな、御剣怜侍。そのような哀れな姿を晒して、なおも自らの醜い行為を晒すか。
 貴様は本当に淫乱だ。淫らで醜い、下劣な存在だよ。」

初老の男に罵倒される。最早それすらも御剣の興奮を高める。
声のする方に顔を向ける。だらしなく開いたままの口からはあはあと熱い息が漏れる。
その様子を見下ろしながら初老の男はチッと舌打ちをした。

「罵られてまで興奮するのか。救いようのない淫乱だな、貴様は。」

男は靴のまま、屹立する御剣の性器を踏みつぶした。御剣が苦痛の声を上げた。

「んあぁ!」

男の靴がぐにぐにと性器を圧迫する。硬い靴底が、敏感な皮膚を擦り激しい痛みをもたらす。
しかしそれと同時に、底知れぬ快楽が御剣を襲う。

40 名前:御剣査問会10/10[sage] 投稿日:2009/11/01(日) 21:53:10 ID:???
「ああぁ…!い…いい…!も…もっと…強く…!」

激しく身悶えながら、御剣は求めた。男は唖然とした様子で言った。

「足蹴にされてなお、快感なのか…。貴様は」
「ん…ふぁ…い…いくぅ…あああ!!」

御剣の体がぶるぶると激しく震えた。
男の靴の下で、踏みつぶされている性器から精液が激しくほとばしり、御剣自身の腹部を汚した。

「あぁっ、あ、あっ…」

御剣の痙攣は続き、男の足の下で体を震わす。
男が足をぐっと踏みしめるたび、御剣の性器からぬるぬると残りの精液が絞り出された。


室内はシンと静まり返っていた。
はやし立てるものはおろか、身じろぎするものさえいなかった。
達した後の御剣がはあはあと荒く息をつく音だけがしていた。
初老の男を含め、その部屋にいる全員が御剣の痴態を固唾を飲んで見つめていた。

しばらくの沈黙が続いた後、御剣の体から足を下ろし初老の男が言い捨てた。

「君の性癖とやらは十分に分かった。
 人前で醜態を晒して悦びよがる変態だっていうことがね。
 検事としての地位は守ってやる。
 その代わり…君の性に自由はもう、無いよ」

不敵に言い捨てると、男は先立って部屋を出て行った。
重い扉の閉まる音。後に続いてぞろぞろと人が出て行く足音。
乱れた姿の御剣に、一人歩み寄る人物がいた。

「御剣さん、最高にいやらしかったですよ。次回の査問会、楽しみにしていますね」

男は御剣の両手から縄を解くと、足早に部屋を後にした。
誰もいなくなった会議室で、御剣はしばらくの間呆然とした。

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