著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2011年2月28日
[内容]
日本有数の財閥の家に生まれた帝人朔一と、生まれも育ちも一般家庭の、どちらかというと大雑把に育った貴志良太。
ふたりは家は隣で、幼稚園も小学校も中学校も一緒の幼なじみだ。
だけど、中学三年の冬、良太は留学前の朔一からプロポーズされる。
そして、数年後、音信不通になっていた朔一がいきなり良太の前に現れて!?
たくましい庶民派代表のプリンセス(!?)良太の初恋物語、ついに登場!!
(裏表紙より)
[感想]
まずイラストが上手い、きれい、好み!
で、尚且つキャラクターもストーリーも最高です!
主人公の良太を好きな朔一が、同性を好きになるという普通で考えると葛藤するところを、何となくすっ飛ばしてるというか超越してるような気がしないでもないんだけども…
でも、好きだと自覚した時点で悩み自問自答し消化した――とか、あるいはもう幼い頃から好きだと思っていたため良太一筋でそれしか考えられない――とか、そういう説明がなくても「そういう事なんだろうな」と読んでていつの間にか納得していて、疑問を感じさせないところもまたすごいなと思います。
逆に、良太はどの辺りで好きになったんかなっていう疑問はありましたが…
まぁそれも、告白(というかプロポーズ)されたことで意識下にあった思いを、次第に自覚するようになった、ということは言えると思いますが。
あと、気になるところが、朔一がアメリカに行くっていう話が出始めたシーン。
クラスメイトがそういう話をしてる、というだけで、それを初めて知った良太の反応とかが特になかったので、そこは「あっさりしてるなぁ」って気になってしまいました。
気になったのはそれくらいで、あとはもう最高(笑)
良太はごく普通の男子だけども、裕福な朔一に対して妬みや羨みがなく、そういう意識が少しでもあってそれを隠してるという素振りすらなく、本当に自然体っていうのがイイ!
それに、たぶん(というか絶対)良太が受けなんだろうけども、受け特有の女っぽさがないのがいい。
ホント、こういう普通の男の子の受けが自分は好きだ。
そして朔一だけども、ボンボンだからか少し一般の常識からズレてる感じで、天然も入ってそう。良太一筋で、普段はポーカーフェイスに近いのに良太が関係することだけには感情を左右されるほどベタ惚れ。
しかも、それを隠そうともせずに自然体でそれを表してしまうという…
なんか、大人になって久しぶりに良太に会って、(下半身的な意味でw)切羽詰ってる様子が見てて楽しかったというか(笑)
そんでもってやっぱり、ジャンルがBLでも王道はいいなと。
どっちかの家が裕福、飛び級できるほど頭がいい、容姿端麗、良い体躯(笑)、そして一途。
やっぱり王道が一番いい。
あ、そういえばもうひとつ気になるところが…
最後の夜這い(?)シーンで二人とも「言葉攻め」って言ってましたが、これは使い方はあってるんだろうか…
どうも攻めてはいないように見えるのだけども。
以上、感想ですが、最初は星4つでもいいかなぁと思ってたんですが、読めば読むほどハマッてしまって最終的に星5つに。
2巻を含めて繰り返し読んだ結果、ということでもありますが、読んでてクスッとかニヤニヤと適度に笑える面白さもあり、鬱になるようなシリアスな場面も一切なく、読んでる途中も読後も爽快で久々に良いBL漫画と出会いました。
オススメです!
2012.08.08
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2012年2月28日
[内容]
大金持ちの帝人財閥の跡継ぎである帝人朔一と、やや貧乏家庭で育った貴志良太は、幼なじみで恋人同士だ。
アメリカ留学後すっかり逞しくなって帰ってきた朔一は、恋人として良太に猛烈アプローチ中!
あんな男が俺にベタ惚れってどんな奇跡!?
戸惑いつつも、嬉しさを隠せない良太だったけれど……。
(裏表紙より)
[感想]
ま、まさか3巻まで続くとは…orz
いや、続いてくれるのは嬉しいけども、最後まで××ってのが見たい(爆)
いやいや、でもやっぱり見たくないような気もする…(どっちだ)
今回は朔一が本当にボンボンだなというシーンが。
帝人グループの運営するホテルへ行って、カード見せたら支配人が――って、こういう系の話によくあるパターン。
でも、朔一は鼻にかける風もなく、従業員に対してもごく普通の態度で接してる――んだけども、特別待遇が当たり前に身についてて、良太の(1巻での)言葉を借りると「奉仕され慣れてる」感があります。
そういうのを、ちょっとした台詞とか表情とか、表現できちゃう作家さんがすごいなと、そこにも感心してしまいました。
で、2巻では幼い頃の、朔一と勘違いされて良太が誘拐された、という過去が描かれてました。
1巻でさらっと流されていたので、まさか2巻で描かれるとは思いませんでしたが、描いてくれて良かったって思える内容で嬉しかったです。
良太のこと1巻でも可愛いと思ってましたが、この過去を読んで格好いい!と、もっと好きになりましたね。
そうか、そりゃ朔一が惚れるのも当然だなって。
作者さんの描き方も上手い! もうホント尊敬します!
あ、そういえば、その前に朔一のお兄さんが登場してました。
先にネットであらすじを読んでて、これまたどんな美形兄だろうと思っていたらとんでもない。ごく普通の朔一とは似ても似つかない兄でした(笑)
しかも性格が悪いっぽい。憎めない感じではあるけども…
でも、この予想外がちょっと新鮮でした。こういうの大概美形が出てくるから。
そういえば、朔一は次男なのになんで帝人の跡取りなのかなぁと思ってたんですが、お兄さんはアメリカで暮らしてて英語しか喋れず(なんで?)、どこかで何かの研究をやってるんですね。
どういう経緯でそうなったのかはわかりませんが、とりあえず納得です。
そしてそして、なんと二人は互いの親公認でしたとさ!
いや、この展開にはびっくりしました。まさか、そんな昔からどちらのご両親も朔一の想いを知ってたとか、それどころか受け入れてたとか。
良太だけしか知らなかったなんて、ちょっと可愛そうかも?
ただ、朔一が良太の両親に告白したのは描かれてましたが、自分の両親にカミングアウトするところは描かれてなくて残念。
衝突したりご両親は悩んだりしたのかなぁ、やっぱり。
それをどう受け入れたんだろうなと、つい思い巡らしてしまう…。
3巻でその辺り描いてくれるでしょうか。
それにしても、良太の両親もだけど朔一の両親も良い人です。
カミングアウトされた当初はわかりませんが、今ではこんなごく普通に受け入れていて、朔一が良太と一緒に居て仲良くしてるのも戸惑いや嫌悪の目で見ることもなくて、ちょっと現実にあり得るかな?っていう疑問が無いこともないですが、でも理解ある両親で良かったなと。
そんなわけで、2巻も面白かった!
3巻がとても楽しみです^^
2012.08.08
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2013年5月11日
[内容]
愛はあるけれど経済的には苦労しながら育った貴志良太と、大金持ちなうえに王子様な容姿を持つ帝人朔一は幼なじみで、いまでは家族公認の婚約者だ。
ずっと想い合っているふたりだけど、なかなか関係は進まない。それなのに、朔一を能無し呼ばわりする天才の兄・貴弘がふたりの邪魔しまくって、朔一の我慢はそろそろ限界に!? どんどん恋が加速する、待望の第三弾登場。
(裏表紙より)
[感想]
3巻も面白かった!
今頃(2014.02.28)感想を書いてますが、発売してすぐ入手して読んでます。
今回はめいっぱい朔一のお兄さんが邪魔しまくり、3巻でもまだHできずに終わっちゃいました。
いや〜、お兄さん極悪だわ(笑)
でも、途中までは邪魔されたりしても、ギリギリ理性もあって大きな問題にはならなかったのに、お兄さんがいらん一言をいってしまったことで大喧嘩してしまい…
お兄さん、嫌いなキャラではないが余計なことするわ〜、みたいな。
んで、キレた朔一の暴走も、なんでそうなっちゃうかな〜、みたいな。
いや、でも大人っぽくはあるけど、まだ18歳なんだよね。仕方ないよね、とは思うけども。
でも、その後ニューヨーク(?)で起こった事件のときの、お兄さんの行動は意外だったかなぁ。思ったより思いやりがある。自分勝手なのは自分勝手なんだけども。
それ以上に、美形の恋人がいるのにも驚いたけど。
ただ、今回ページ数いっぱいある♪って思ってたら、後半は大喧嘩のあとに離れ離れになっちゃって、良太とお兄さんの回みたいになってて残念。
ネタ的に(?)良太おいしい、とは思うけどね。
あと、下宿(?)の人たちの寛容さがハンパない。加えて、良太が朔一の筆頭秘書とかビックリ。
創作でファンタジーだと思えばいいんだけど、両親も受け入れてて下宿の人も理解してて――ってなると、恵まれすぎてるなぁと思う。
でも、そういうの含めて山本小鉄子さんの世界観だし、それが好きだから変えて欲しいとは言えない。
ただまぁ、3巻は筆頭秘書も加わって、ちょっと引っかかってしまったかなと…
それでも、続きがやっぱり気になる!
…と、これを書くにあたって新巻出てるかなと検索してみたら、もうとっくに出てました(爆)
即行で注文しましたが(笑) あー、早く読みたいな!
2014.02.28
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2014年2月28日
[内容]
日本有数の財閥の跡取りである帝人朔一の恋人は、幼馴染みでお金のない苦労も知っている貴志良太だ。
両家公認の婚約者のふたりだけれど、朔一の兄である貴弘の邪魔が入ったりしてなかなかエッチができずにいたのだけれど!?
良太とエッチがしたいと思い続けて六年間、ついに、朔一の願いが叶う日がやってきた。
(裏表紙より)
[感想]
4巻も今頃の感想になってしまった。
何だろなー、4巻から良太がちょっと可愛くなり過ぎというか、癒しキャラっぽくなり過ぎというか……
朔一の兄を嘘泣きで操ったりとか、笑顔を振りまいてリズさんを萌え(?)させたりとか、下宿の新しい管理人(男)まで良太に好意を寄せ始めてるとか――
天然のはずなのに小悪魔的なのもあって、なんだか違和感が拭えません。
あとは、銃を持った男に拉致監禁されてたのに、助けられたその後の展開がなぁ。
小学校の時と似たような状況になって、朔一が「あの時と同じだ。何もできない」っていうと良太が「違うよ」っていうから、どう違うのかって思ったてら「エッチしたい」って、おい……
「日本からすっ飛んできてくれて嬉しい」辺りだけで良かったよ。まだご両親にも連絡してないのに、きみたちそんな雰囲気になるの? みたいな。
そして念願のエッチ(シーン)。
私はエロいとも何とも思えなかった。
ずっとできなかったわけだし、良かったねーとは思うんだけども。
うーん、期待しすぎてしまったのかなぁ。
でも、それ以外のところでは面白いところもあったし、萌えもありました。
やっぱりキャラがいいのかなぁ。
それと、ちょっとしたやり取りとか会話とかの何気ないシーンがいいのかも。
全体的に和みがありますよね。
そして絵が超うまい!
そんなわけで、今回私的に全力で楽しめなかったのは残念ですが、良太を好きになったかも!? な人が現れたり、ついに良太も会社へ――ってところで終わって、続きがちょっと気になってはいます。
ってすでに発売されてるんですけどね。
実は買うの迷ってたんですが、次巻が最終巻ってわかったので買うことにします!
どんな終わり方なのか非常に気になりますね。
2015.06.28
著者:山本小鉄子
出版:株式会社 海王社
発行:2012年10月20日
[内容]
商店街の端にあるお寺のお坊さん、優慈。可愛くきれいな顔立ちだけど、ちょっと天然ボケな商店街のアイドルです。
そんな優慈は、豆腐屋の三男坊でぶっきらぼうな三朗くんにずっと片想い中!
でもある夜、酔っぱらってうっかり告白してしまい!?
美形だけど守銭奴キチクな兄・賢慈に片想いの男も現れ、お坊さん兄弟の恋は大波乱!?
(裏表紙より)
[感想]
何となく、BLでお坊さんが出てくるものは避けていたんですが、あの山本小鉄子さんのだし…と今まで悩んでました。金欠ってのもあったんですが(笑)
今回、別のを買うついでに「えいやっ」と買ってみたわけです。
うん、面白かったです。
やはり、この作家さんは私的にハズレがないのかも、という感じ。
なにより、絵が上手すぎる! そして好みすぎる!
顔の輪郭とか、体のラインとか、受けでも男っぽい体とか、手もすんごい上手い。惚れ惚れする!!
そして、リアルすぎず、シリアスにならず、それでもがっつりファンタジーにもならない、安心感のある世界観も読んでてホッとします。
あと、“同性を好き”ということに疑問を感じないんですよね。
とくに他の作家さんの作品との違いが見当たらないんだけど、読んでると「そっか、好きってそういうもんなんだな」って自然と受け入れてる感じ。とても不思議なんですが。
心理描写も上手いのかなぁと。
ただ、今回は攻めである三朗くんが、どのタイミングで優慈くんを好きになったのかな、という疑問はありましたけども。
それでも、その後の様子で好きというのがわかって、ドキドキほのぼのしました(笑)
しかし、いきなり優慈くんのお兄さん・賢慈くんの話も出てきてびっくり。まだ、優慈くんの話が始まったばかりなのに…と。
そして同性愛者が多すぎ(笑)
とはいえ、貢ぐストーカーを女性キャラにしてしまうと、もっと生々しくなってしまうんだろうなぁとは思いますが。
そんなわけで、全体的に面白かったんですが、両想いになってHまで行きたいのに、環境的にそれが難しくて必ず邪魔が入る――という展開か『マッドシンデレラ』と同じで悶々してしまったので、もうちょっと別の展開も読んでみたいな、という点で星4つになりました。
続きがもうすぐ発売で、どうしようかなと迷ったんですが、『マッドシンデレラ』4巻を買うついでに予約してしまいました(笑)
やっぱり、読むのが楽しみです^^
2014.02.28
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2005年12月15日
[内容]
ひとつ屋根の下、一緒に暮らすことになった幼馴染み・蒲生圭吾からの突然の告白。男と男でどないせえっちゅうねん…
戸惑うちひろと忠犬気質・圭吾の前途多難、青春恋物語開幕。
(裏表紙より)
[感想]
山本小鉄子さんだし〜、と何となく買ってみた漫画でした。
途中、作者名を確認するくらい、今の絵とけっこう違うなと、読んでる間たびたび思ってしまいましたけど、9年も前の作品ですもんね。違って当然です。
ストーリーとか雰囲気も、ちょっと今のと違うかも?
高校生だし、告白されてそれを受け入れるのに1冊丸々だし、そういうストーリーのせいか初々しい感じ。
展開が昔の少女漫画っぽいんですが(今の少女漫画知らないので…)、ちゃんと「同性だから」という悩みもあってBL要素がちゃんとあるのがいい。
そして、両想いになるところもベタベタしてなくて、男同士って感じで清々しいのがいい。
何より、受けらしいちひろが周りから「可愛い」と言われつつ、性格がちゃんと男の子らしいのがいい。
一方、攻めである圭吾が“忠犬気質”で爽やか男子って感じ?
本当にちひろと一緒に居るときは、シッポ振ってそうな雰囲気があります。
…でも攻めなんですよね。自分、こういう攻め、好きかも知れない(笑)
『マッドシンデレラ』の2人とちょっと似てるなぁと思いました。
で、爽やかに終わったあとで、もうちょっと続き読みたいなぁと思ったら、あとがきで続きがあると知って即注文(笑)
どんな感じなんだろうなぁ。続きが楽しみです♪
ってか最近、なんか立て続けに山本小鉄子さんのを買いまくってる自分。
どうせだから全部揃えてしまおうかなと思ったり。
2014.02.28
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2007年6月20日
[内容]
ひとつ屋根の下、一緒に暮らしている幼馴染みのちひろと圭吾。恋人になったふたりだけど、キスは一回だけ。
つき合ってる実感を持てないちひろは毎日がもどかしくてたまらない!
そんなとき、恋敵が現れた!? 忠犬気質の圭吾と意地っ張りのちひろのドキドキ&ズキズキLOVE!!
(裏表紙より)
[感想]
こちらの作品は『晴れてボクたちは』の続編になります。
上記の作品の感想を書いたあと、わりとすぐにこちらの作品も買って読んでたんですが、感想を書いてないということに今頃気づいてしまいました…
それはともかく感想を。
やっぱり前作と同じく面白かったですね。
恋人同士になったんだから、その先の展開は最後の方でもちろんあるんだけど、それでも高校生らしい関係だなって感じがします。
つまり清々しくて初々しい。
そして今回は、ちひろの方が“男同士の付き合い”について悩んでいます。
当然、自分たちの関係はみんなに秘密だから、イケメンの圭吾はしょっちゅう告白されまくり。
告白することも、告白されることも別にいいと思えるのに、何がそんなに引っかかるのか――と、かつて片思いしていた女子、雪野に相談してるうち「みんなに圭吾の恋人として見てもらいたい」と自分が思っていることに気づくんですね。
いやぁ、恋愛だなぁ――とか思っていたら!
ちひろの姉の仕事仲間(モデル)である、桶沢という男が現れて掻き乱してくれちゃってます。
これも恋愛の醍醐味みたいなもんだろうとは思いますが、この桶沢ってやつが腹立つんですよ(笑)
桶沢はもちろんゲイですが、それをカミングアウトしてるんです。
で、その桶沢に自分たちのことがバレてると気づき、バラされたらどうしようって後ろめたいって顔をちひろがしてたと。なのに、圭吾を独り占めしたいっていう独占欲が強すぎって桶沢は言うわけです。
圭吾が好きでイケメンで、そんな圭吾と付き合ってるちひろが羨ましいと思ったかも知れないけども、あまりにもちひろの背景というものを無視してる気がするんですよね。
ちひろは圭吾に告白されて紆余曲折で付き合うようになって、でも男を好きになってから日も浅いわけで、その辺の葛藤なり自分なりの答えなり出せてないと思うわけですよ。
なのに、その辺りのこと無視して自分はもうカミングアウトしてるからって周りの目を気にすることなく猛アタック。
2人が付き合ってるのを知ってるくせに、周りが知らないのをいいことに協力させようとしたりして――
ゲイってことが周りに知られるとどうなるか、ってことを十分知ってる人が、カミングアウトできない人にそれを強制している、しかも高校生っていう思春期まっただ中のちひろに――ということが腹立たしい。
そして何より、その桶沢がまた好青年に描かれてるのがちょっと悔しい。
最後、もうちょっと絞めてやって欲しかったな(怒)
とまぁ、そんなことがありつつも、ちひろと圭吾は障害を乗り越えてついに――
そこまでエロくはないけども、ほのぼのしてて2人とも可愛かったです(笑)
たまに無性に読みたくなる作品で、買ってから何回か読み返してます。
ちょっと古めの作品ですが、私的にはオススメです!
2015.06.28
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2005年12月15日
[内容]
高校生の持田真紀は自分を守ってもらうため、力を持っている相手に罠をはってきた。
自分の身体を相手に与えて…
そんなある日、クラスメイトの相原に恋をするのだが!?
(裏表紙より)
[感想]
『満開ダーリン』の1作目『花咲けるボクたち』を読みたくて買いました。
何というか、キャラクターもストーリーも好きなんだけど、主人公の大志が実は店長を好きになってた、という経緯が分かりづらいな、と思いました。
セクハラ受けてるうちに? とは思うんだけど、逆にセクハラしか受けてないもんなぁ。
でも、魅力のある男性だとは思う。変態だけど。
ただ、それ以上に大志がいいキャラなのかも。なんか可愛い系なんだけども、女の子っぽいってわけでもないし…
女の子っぽくなり過ぎた受けって苦手なんだけども、大志はちゃんと「男の子の可愛い系」って感じでいい。
店長が好きになったのも分かるなぁと。
うん、とてもキャラクターが良いお話だと思います。
で、表題作と他短編ですが、これはう〜ん…って感じです。
約10年前の作品で、それでも絵が上手いのはさすがだなぁと思うんですが、どちらもまず体の関係ありきって感じでちょっとなぁと。
表題作の攻めキャラは魅力あるキャラだけども、主人公のどこを好きになったんだろう、と思ってしまう。
それは他短編も同じなんですけどね。
しかし、山本小鉄子さんの作品は『マッドシンデレラ』から読み始めまして、そこから他作品を読むと(逆だけど)意外だなと思ってしまいます。
エロが多いし、エロがちゃんとエロい(笑)
『マッドシンデレラ』や『お参りですよ』みたいな進展を丁寧に進めて、かつ和むという印象が強いんですよね。
でも、『満開ダーリン』の店長みたいなキャラを魅力的に描けてるから、もっとこういう話を読んでみたいかも。
2015.06.29
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2009年2月16日(1巻)
発行:2010年10月30日(2巻)
[内容]
(1巻)
「よし大志、お前が迫れ!!」って言われても!?
大志が街の花屋さん『フラワーホール』の店長・藤森春彦とつき合うようになって一週間。店長のセクハラまがいのスキンシップなんていつものことのはずなのに、恋人と思うだけで、緊張と不安でいっぱいに……
なのに一緒に暮らすことになってしまい!?
藤森春彦大活躍!!な恋の物語
(2巻)
「俺はもうお前いないとだめみたいだ」!?
街の花屋さん『フラワーホール』の店長・藤森春彦とラブラブ同棲中の大志。
仕事はまだまだだけど、店長を好きな気持ちは誰にも負けない!! はずだったのに、自信はなくなる一方で…
そんなとき、店長の元恋人が現れて!?
変態で変人で最凶の男、藤森春彦と天然・大志の笑いと涙と愛いっぱいの大人気な恋の物語再び登場!!
(裏表紙より)
[感想]
この作品は、『恋と罠』に収録されている『花咲けるボクたち』の続編になります。
これ、すごい面白いです。
山本小鉄子さんの作品の中で1、2を争うくらい好きです。
まず、キャラクターがみんな魅力的だったり好感持てたりします。
脱サラして花屋を始めた店長が、傍若無人で俺様でクールな感じなんですね。そしてエロくて変態(笑)
なのに、大人で人の扱いが上手くて仕事ができて頼りがいがある感じ。
さらに、ほのかに主人公、大志に惚れてる感じが見え隠れするのが好感度高いです。
ただ、『花咲けるボクたち』の中でどんな風に大志を好きになったのか、その辺がよく分からないのだけが残念。
主人公の大志も好感持てるキャラでいいですね。
最初は常識人タイプかなと思ったんですが(『満開ダーリン』の中では常識人な方)、我儘なところがあってそれが俺様タイプでもお姫様タイプでもないってところがいい。
相手が好きだからこその我儘――って感じなのがいい。
最初、店長の元同僚が大志に「我儘でしょ」って言ってて、私も「?」だったんだけども、それを聞いてからは至極納得。
店長も俺様タイプで、それ以上の我儘な大志だから上手く行ってる、ということに「なるほどなぁ」と。
店長の花屋で開店当初から働いてる良さんって人もいい。
大志よりは年上で大人なんだけど、どっちかというと良さんの方が女性っぽい雰囲気。
でも、見た目が美形だからか野暮ったい感じではなく、やっぱり可愛いって感じがします。
ただ、良さんも男性と付き合ってて、その恋人と一緒にいると引くくらいイチャイチャで、そこだけは普通と違う感じ。
面白いんですけどね。
キャラクターはそんな感じで、内容はと言えば大志が俺様でセクハラな店長に振り回される話、という感じでしょうか。
大志も我儘なところがあるから、店長が振り回される感もあるわけですが、それは大人の余裕でスルーしたり、それ以上の俺様で対応したり――と、その辺のやり取りがとても楽しいです。
ただ、店長がちょっと捉えどころのない感じなので、どうして大志だったんだろうなって、やっぱりたまに考えてしまう…
とはいえ、2巻の描き下ろし(?)で大志が髪を短く切って、その容姿に「そそられる」と夢中になってる様子があって、それを見て何だかホッとしたな、と(笑)
もう続編は描かないんだろうなと思うんですが、もうちょっと読んでいたかった作品でした。
2015.06.29
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2009年7月15日(1巻)
発行:2010年10月30日(2巻)
[内容]
(1巻)
大好きだったじいちゃんが亡くなり、新入生の大鷹大輔は数日遅れの大学生活を始めるため、大学へ向かっていた。じいちゃんがいたからこそ鳥岡大学への進学を決めた大鷹は、すっかりやる気を失っていた。ところが、駅についたとたん目に入ったのは自分の名前の入ったプラカードを持ったチビちゃい野球部主将、森野雀、通称チュンだった! 半強制的に野球部に入部、おまけにチュンと同じ屋根の下に暮らすことになってしまい!? 小悪魔チュン、大活躍!!?
(2巻)
鳥大野球部主将の森野雀、通称チュンの罠にはまり、ついでに恋にもはまり、野球部で活躍することになった大鷹大輔。でも、チュンには男の婚約者がいた、しかも相手はプロ野球の人気選手、白鳥麗一だった!? チュンを賭けて白鳥と戦うことになったタカだが、ひとつ屋根の下で暮らすチュンに恋する男の欲望が負けそうに… だけど、勝負がつくまではいちゃいちゃ禁止の約束で… 恋する男はただのバカ。男たちの恋の行方は!?
(裏表紙より)
[感想]
なぜだろう、そんなに面白いと思えなかったです。
これは何というか好みの問題かなと思う…
主人公、タカが好きになるのが本名、雀でチュンというあだ名の先輩で、だからなのかチュンは口を尖らせてる顔が多くて、まずそれが自分は好きじゃない、ということに気づきました。
あと、会ったばかりのタカに「俺のために野球部やめないで」というようなことを言うんですね。
タカもこれにムカッとしてましたが、私もイラッとしました。
自分が人から好かれる性質だと自分で分かってないと、こういう言葉は出てこないですよね。(と、タカも言ってたし)
まさに小悪魔! しかも天然!(たぶん)
あと、そのチュンが周りの男にけっこうモテます。
それが何かアイドル的な感じでモテるので、私はそれがイヤでした。うん、こういうモテ方はイヤだ。
しかも、4歳(?)年上の幼なじみ(男)から猛烈アピールどころか、思い込みで親公認の婚約者とか――ちょっと受け付けない。
こう…文面で書くと何てことはないんですが、幼なじみの迫り方が変態でイヤ。
さらに、チュンはタカが好きと告白したにも関わらず、幼なじみはそれを認めずタカに勝負を挑むわけです。チュンをかけて。
しかも、自分が勝てばチュンを拉致監禁(?)するとか。
これ、チュンの親も公認ですよ。ちょっと怖いですねー。
そこまで本気にとるものではないのかも知れませんが、自分にはちょっとギャグとして読めなかったです。
ただ、やはり画力は言うまでもなく、キャラクターとかストーリーとかはさすがなんですよね。
ブレが無いから破綻もないし、おかしいと思うところがない。
つまりは楽しめないのは好みの問題ってだけ!(笑)
あ、でも、タカの自覚のないキザなセリフを言う癖(?)は面白いし、チュンが惚れるのも分かる格好いいキャラだと思います。
その辺りの、タカとチュンのやり取りは面白かったですね。
2015.06.30
著者:山本小鉄子
出版:大洋図書
発行:2012年7月16日
[内容]
この春、テレビ東都に就職したばかりの梟は、新人アナウンサーとしてプロ野球のイケメンスター、白鳥麗一に密着取材をすることに。がんばるぞと気合を入れたその翌朝、目覚めると、隣には全裸の白鳥が寝ていたから大変! オレ様でわがまま白鳥と、まじめでヤキモチやきなふくろうくんの恋が始まる。
(裏表紙より)
[感想]
この作品は、『チュチュンがチュン』に出てくるチュンの幼なじみ、白鳥麗一がチュンにフラれてからの話になります。
『チュチュンがチュン』の感想にも書きましたが、苦手なキャラなんですよねー、白鳥麗一。
中学か高校の頃にチュンを好きになって、まだ中学生のチュンを無理やり押し倒そうとして、頭を打って記憶は飛んでるけど既成事実は作ったと思い込み(?)、チュンよりも先にチュンの親に結婚を申し込んで「金持ちになれば」と条件出されつつも公認になり、チュンの気持ちを無視して婚約者ぶる白鳥だが、その実、両刀で男も女も喰いまくってるという……
好きになれんわー。
――なんて思いながら読み返したんですが、ムカつくくらい格好いいんですよねー、白鳥が(笑)
とはいえ、白鳥と梟くんが好き合うようになった過程がすっ飛んでいるので、最後は「籍入れるか」と言うくらいの関係になったにも関わらず、それほどの絆も感じられなくて危うい関係に見えて仕方ないです。
その辺り、時間かけて2人の絆が確かなものになる過程を、もっと丁寧に描いてくれたら好きな話だったなぁと思います。
その「時間をかけて」っていうのが無理だったのかも知れませんが…惜しい。
しかし、これはあれです。
白鳥の格好いいところを描く作品だったんだと思えば、それはそれで読めるというか――
プロのスポーツ選手の格好いいところも見せつつ、男前でたらし的な格好よさも見せられてるという感じで、『チュチュンがチュン』では一途って言っときながら他とはヤリまくりかよっていう所にドン引きしてたけど、フリーだったらそれも有りだなと思うほどイケメンだなと。
梟くんとの関係を含めて考えると、もうちょっと先の展開まで描いてくれたら嬉しいなと思いますね。
梟くんもアナウンサーとして一人前になって、周りからも認められて女性にも好感持たれたりして、そういう姿を見た白鳥がちょっと嫉妬したり焦り始めたりする――みたいな展開をちょっと見たかったかも。
そうしたら、安心して読めるのになぁって。
なんて感想を書きつつ、実はけっこうこの作品、『チュチュンがチュン』より好きかも…
『チュチュンがチュン』が面白くないかもと感じる原因が白鳥にあるはずなのに(笑)
2015.06.30