著者:館野とお子
出版:東京漫画社
発行:2013年1月31日
[内容]
割愛
[感想]
うーむ、実はだいぶ前に読んだんだけども…
冒頭より後の印象がほとんど残っていません。
かと言って、「面白くない」という感想もとくに持ってなかった気がします。
ただ、話がなかなか先に進まないなって感じはありました。
父親が家に連れてきた同僚?部下?を、主人公(高校生)がからかうつもりで女性を装ってメル友(?)になり、つい会う約束をしてしまう。女装して会うが結局バレバレだったようで、だがそこから2人の微妙な関係が始まる…という感じかな。
主人公はまだ若いせいか反抗期なのか、常に相手に対してイライラモヤモヤしていた気がする。そんでもって、素直じゃないし向こうから自分に「好き」って言わせてやる、みたいな流れがあったような気がする。
相手も、主人公が高校生だし上司の息子だし(?)、強くはっきりと一線を引いてて、こっちはこっちで頑なって感じがしました。しかも、表情や感情が読み取りづらくて何を考えてるのか分からない…
じっくり物語が進むのは好きだけど、進んでるのかどうかも分からずイライラモヤモヤだけっていうのはしんどいなぁと思います。
2014.09
著者:ぢゅん子
出版:大洋図書
発行:2010年5月15日
[内容]
妹の結婚式に出席した佐竹航は、そこで再会した従兄弟・史浩の姿に衝撃を受ける。かつて運痴のパーの超デブ男だった史浩が、なんと王子のごとき「いい男」へと変貌を遂げていたのだ! 一方、昔はイケてたはずが今は冴えないリーマンの自分…。そんなわが身を顧みて複雑な気持ちになる航だったが、史浩はあの頃と変わらず航を慕ってきて……
(裏表紙より)
[感想]
表題作である『王子の帰還』ですが、下手をすると甘々な内容になりそうなんだけども、主人公の航がツンツンなので(デレはないと私は感じた)甘ったるい印象はないです。
史浩はほぼ無条件で航を慕っていて(航の努力してる姿を知ってるから好きとは言ってましたが)、航が弱音を吐いてもその想いは揺るぎません。
だからなのか、恋愛面においての危機感はなく、ただ史浩のデレっぷりと航のツンぶりの対比を楽しむ漫画、となってるのかなと思います。
正直そこまで萌えもないし、とても面白かったとは思えなかったです。でも、最後のオチが不完全燃焼を多少払拭し、続きが読みたいかも…という終わり方になってるのが良かったです。
でも航がツン、史浩がデレ、と完全に分断されてるので、その辺りもう少し何かがあれば…と。
あ、あと、2人は社会人なんだけども、あまり絵が大人っぽくありません。たぶん、大人っぽいのを描くのが苦手なんじゃないかなと思う。そこもまた残念かな…
表題作のほか、『メタモルフォシス』、『彼のとなり』、『指輪物語』があります。
『指輪物語』は3ページの『王子の帰還』のその後的な話で、史浩の異常なデレ(?)っぷりが伺えます。
『メタモルフォシス』は受けっぽい(大人しい)律が、幼なじみの恭弘に一方的な想いを胸に秘めていて――という話。視点は恭弘ですが。
感想としては、ちょっと律が自分は怖いかなと思いますね。あれは天然っていうか、精神的な未熟さを感じるという部類じゃないかなと。
あと、律が「先輩(男)が好き」と知ってから、自分の想いに気づいた恭弘が、やっぱりそれを隠して先輩に「律をお願いします」って頭を下げるのがイラッとします。
んで、その頭を下げられた先輩も、とくに好きというわけではない(?)律にちょっと過剰なスキンシップしたり、すべて知ってて恭弘を挑発するようなことを言うのにイラッとします。
この作品は3話続いてるんですが、ずっと気だるいような重い雰囲気で、自分はちょっと苦手系でした。
『彼のとなり』は3人の男友達の(1人は女子と付き合い始めるんだけど)三角関係になります。
1人が女子と付き合い始めたことで、灰島がその男友達を好きだったと自覚し、つけ入る隙はあると画策しようとするが失敗。男友達の幸せそうな顔を見て身を引く決心をします。つまり失恋。
で、失恋で泣いてるところをもう1人の男友達、鉢谷が実は灰島を好きだと告白してしまいます。灰島混乱。
煮え切らない態度の灰島にイラつき、つい鉢谷は灰島を押し倒してしまうけども、我に返って「頭冷やしたいから距離置こう」と。ところが、距離を置かれてから途端に鉢谷が気になる灰島くん。
灰島くん、実はもう鉢谷が好きになってましたー、めでたしめでたし。
うん、こういうパターンはスッキリしません(笑)
そんなにコロコロ気持ち変わるか? ってか失恋してるところにつけ入ろうとするなよ。あと、灰島は人の恋路を邪魔するんじゃない。
『メタモルフォシス』よりは面白いけど、ちょっと微妙でした。
著者:ぢゅん子
出版:徳間書店
発行:2011年12月10日
[内容]
ある事件をきっかけに、中学からひきこもり&ニートの二重苦生活を送っていた遠藤央。こんなんじゃダメだ! と自らを奮起して、コンビニのアルバイトを開始!! でもそこにはソリが合わないタメの同僚・山井幸平が…。デカイ図体にデカイ態度の所謂「お山の大将」。そんな山井が苦手だったはずなのに……?
(裏表紙より)
[感想]
『少年スクラブ』という短編が入ってますが、あとはほぼ全編『コンビニくん。』のお話です。
面白くないわけではなかったんだけども、とくにワクワクドキドキしたり萌えたりすることもなかったです。
何というか央はもともとゲイなんだろうけども、山井はそうじゃないですよね。央の仕草とか表情に惹かれたのかも知れないけど、自分はウジウジしてる男の子ってう〜ん…と。
この内容ならむしろ男女の方が良かったかも知れない。
ゲイを学校でからかわれて不登校になったり、そういうのを聞いても山井は「それだけ?」とか「堂々としてりゃいいんだ」とか言って、央の気持ちがふっきれたりとか、そういう背景なり出来事があるので男同士の意味がないわけじゃないとは思うんだけど…
あ、でも、最後のあっさり感というかオチは男同士ならではかなと思うので、その点は良かったかも知れない。
もうひとつの『少年スクラブ』は、高校生と社会人の恋人同士の話でしたが、主人公の高校生が子供すぎてイライラするお話でした。
2013.05.10
著者:夏目イサク
出版:リブレ出版
発行:2009年12月10日
[内容]
都会の病院から田舎の診療所へと赴任してきた医師の鳥羽は、第一印象サイアクの無愛想なボンボン・和弘の屋敷に居候することに。そっけない態度をとるかと思えば、いきなり襲ってくる(!)和弘に翻弄される鳥羽だったけれど、和弘の人間不信の原因を知って…? 不器用同士のメディカルラブ。(ジャケットより)
[感想]
初めて読む作家さんです。
とあるサイトで試し読みして、面白そうなので全部読んでみたら、思った通り面白かった作品。
最初は「無愛想なボンボン・和弘」が本当に無愛想でイヤな奴で、誰かに何かしてもらったら必ずお金で返すって聞いて、過去があったとしてもその思考はないだろーと思ってたんですが…
最後に本当はなぜそうするのかって原因がわかり、それを聞くとなぜか「そうなんだ」って受け入れられてしまうという。
最初の態度の悪さとかも、なぜそうだったのかっていうのが最後に判明して、よく考えて描かれてるなって分かります。
それに、ツンデレっぽくてタメ口だけど年下っぽく可愛いところもあり、そのギャップに萌え(笑) 年下攻めってのも良かった。
意に反して受けになっちゃった鳥羽も良かった。
基本イイ人だし、口調は若い男性らしいちょっと荒っぽい感じだけど、誠実で優しいと思う。大らかというか心が広いっていうか、若く見えるけど30手前だし、問題ある青年を受け入れる度量くらいはあるってところが安心して見ていられました。
あと、Hの時でも女っぽくならなくて良かったです。たまに普段男っぽくても、Hの時に女っぽくなったりする作品があるのですが、この漫画はそういうこともなく清々しい(笑)感じで読めました。
あとは、和弘にも過去に問題があり性格が捻くれてしまったわけですが、鳥羽も田舎に来たのには訳があり、それがトラウマみたいになってしまってたわけです。
和弘にも問題があり、それを解消してあげたいと考えていた鳥羽が、ふとしたきっかけで自分の問題に触れられて心を乱してしまうという――互いに弱いとこ知って慰め合って親しくなる、という関係も良かったと思います。
ただ、鳥羽が過去を思い出してうろたえてからの、それを和弘に告白する辺り、もうちょっとこう…上手い具合に描いて欲しかったなぁとは思ったりもしますが。
以上、続きが読んでみたいなーってくらい面白かったです。
作家さんの他の漫画もぜひぜひ読んでみたいですね。
2014.01.14
著者:夏目イサク
出版:新書館
発行:2008年12月27日
[内容]
直樹と龍之介は幼なじみ。龍之介が極道一家の跡取りだったり直樹に惚れていたりしつつもそれが当たり前の毎日を過ごしていた。だが高校卒業間際、龍之介が突然組を継がないと言い出し周囲は大騒ぎ。その理由というのが……?
(裏表紙より)
[感想]
『きら星ダイヤル』が面白かったので、この作家さんの別のを読んでみようと思い、選んだのがこの作品。
数ページ立ち読みができて、面白そうと思ったので買ってみました。
で、やはり面白かったんです。
極道さんでケンカがあるので、やっぱその辺りは苦手だなぁと思うんですが、それを除けば面白かった。
いや、それがあることで2人の葛藤が生まれ、その辺りで悶々したりハラハラしたり、という面白さはあるわけですが。
まず、やっぱり受けも男らしいのがいい。Hのときもアンアン言わないし、体差し出す(?)時もなんか男らしい。
本当に「男同士」って感じが私好みです。
あと、最近気づいたんだけども、攻めの方も相手が好きっていうのが、ちゃんと分かるのがいいなと…
何というか、攻めもちゃんと頬を染めたり、ドキドキしたり、切羽詰ったり…そういう描写を見せてくれた方が、やっぱり何か安心しますね。
この『タイトロープ』は、むしろそういう部分が前面に出てくるお話で、攻めの龍之介は妄想までしてしまうほど思いつめてたりして…
で、最後に想いは叶うけども、そのとき「妄想、甘かった」って言うので、ちょっとギョッとしてしまいました。「思ってたのと違った(がっかり)」的な意味かと思って。
でも、それとは逆の意味だとすぐ気づいてホッとしましたが。
これ、最後のおまけページでも同じこと言ってて、Hシーンではこっちの方が良かったというか、直樹の感情面でも本編で足りなかった部分を補っててくれて、おまけ含めて満足って感じです。
そしてショックを受けたのは『どうしようもないけれど』の話が入ってる! ということ。
読んでないですよ、まだ…orz
ちゃんと確認しないで買ったのが悪いんですけどね。
というわけで、慌てて『どうしようもないけれど』を注文しました。
すぐに買う予定はなかったんですが、でもこれはこれで楽しみです^^
2014.02.28
著者:本間アキラ
出版:心交社
発行:2009年9月10日
[内容]
大学病院に勤務する医師の卯月は、ある夜、成り行きから銃創を負ったヤクザの野浪を助ける。
次の日、病院に現れた野浪に、銃創を見られたことを口封じにきたのではないかと恐れる卯月。
しかし、野浪はそのとき名乗った卯月を「スズキ」という女性だと勘違いしており、その女性に惚れたからと舎弟を強引に入院させ、院内で「スズキ」捜しを始めるが――。
(裏表紙より)
[感想]
いろんなブログ間をうろうろしてたら、レンタルコミックの広告にこの作品が載ってて、見事に引っかかりました(笑)
いいコマを広告にしなさるw
ちょっとなよっとした可愛い系のお医者さんと、コワモテヤクザさんとの出会いから始まる恋バナです。
あまり女の子っぽいウケも、ヤクザさんが出てくる作品も、実はちょっと苦手だったりするのですが、この作品は無問題!
お医者さんも可愛いと言ってもそんなに女の子女の子してないし、時折ヤクザさんも可愛いなと思ったりします。
「出会いから」と書きましたが、当初は2人ともノンケだったようで、ヤクザさんも「なんでこいつに反応するんだ」みたいなこと言います。
最初は惚れた相手が男と知ってヤクザさんも打ちのめされ退散するわけですが、やっぱり諦めきれずに執着しちゃうわけですねー。
んで、威圧感のあるコワモテヤクザさんですが、理不尽なことを言うときもあるけども、根本では優しいところもあると知ってお医者さんも惹かれはじめる…と。
その過程の中での細かなシーンひとつひとつが良いんですよねー。
よく考えられて描かれてるなと思います。
でも、お互い知らない者同士からの出会いで、しかもどちらもノンケだもんだから、なかなか進展しないことがかなり焦れったいですw
そういう過程も大事だし楽しいからいいんだけども、やっぱりすごいもどかしいですね。
さらに、1巻には『兎オトコ虎オトコ』とは別の物語、『嘘とかいてホンキとよむ』という話も収録されてます。
内容は16歳年下の19歳青年に35歳(?)男性が迫られるという、大まかに言うとそんな感じ(笑)
幼い頃はご近所さんだったということで幼なじみになると思うのですが、青年はどうやら6歳の頃から当時22歳の幼なじみ・あんちゃんが好きだったらしい。
年の差で年下攻めということだけども、それがツボったのかあるいはキャラクターが良かったのか、これが連載でもいいってくらい面白かったです。
2013.05.09
著者:本間アキラ
出版:心交社
発行:2010年6月10日
[内容]
「スズキ」の正体が自分だとバレてしまった卯月。
これで諦めてもらえるだろうと考えるが、野浪は男でもかまわないと卯月を抱こうとする。
強引さの中にも、不器用な優しさをのぞかせる野浪に惹かれ始めていた卯月は、これ以上の関わりあいをもつことが怖くなり、病院から出ていってもらうことを条件に、一度だけ抱かれようとする。
一方、初めて感じる強い想いを取引に利用されたことに傷ついた野浪は、卯月を諦める決心をし、舎弟を退院させて病院を出てしまうが――。
(裏表紙より)
[感想]
ひどいっ!!
何がひどいって、すごい気になるところで終わってしまってるからです!
しかも3巻がまだ出ないわけです(涙)
ドラマCDでは結末まで描かれてるとは聞いてるのですが、やっぱり先に漫画で読みたい!
…と、改めて検索してみたら本間アキラさんのブログに行き着きまして、今年1月の記事で「3巻の作業やってる」とあり歓喜!
発売はもう間近だ! と期待したいと思います。
というわけで感想を。
1巻の終わりで、ついに2人最後まで行ってしまうか!? というところで「つづく」となってましたが、2巻の冒頭で結局、緊急手術が入ってしまい――。
そこで思いとどまるヤクザさんは、やはり何だかんだ言って優しいしお医者さんのことを本当に想ってるんだなと。
しかし、ヤクザさんの世界はおっかないし、よくわからん…
ヤクザものを描く(書く)作家さんは、一体どんな本を読んで勉強してるんだろうか。
そして、どういうところに魅力を感じるんだろう。
私はまだ、その辺の魅力に気づけないでいる…
そうそう、2巻にも1巻にあった『嘘とかいてホンキとよむ』の続編がありました。
今回は『悪戯とかいてホンキとよむ』です。
キャラクターやら設定はとても好きなんだけど、今回はそれほど面白くはなかったかな。
なんか、あんな嘘に引っかかってしまう“あんちゃん”が、何だか情けなくて…。それで本当に35歳かよっていう。
こちらの続きも描いてるようなので、続編に期待したいと思います!
2013.05.09
著者:本間アキラ
出版:心交社
発行:2006年4月22日
[内容]
(割愛)
[感想]
これは『兎オトコ虎オトコ』を読んだあとに読んだもので、『兎オトコ〜』のような感じのものを期待してしまったのがダメだったのか、自分はあまり楽しめませんでした。
内容はアメリカNYのマフィアと一般人の主人公(日本人?)とのお話なんですが、実は主人公はマフィアのボスの隠し子だった――という話だったと思います。
どこかで冒頭を試し読みしたときには面白そうだなーと思ったんですが、実際に読んで見ると雰囲気が重い重い…(汗)
やはり自分はこういうジャンル(マフィアとか)は苦手だなぁと再認識しいた次第です。
でも、絵がやっぱり上手いです。
人物絵で雰囲気の出せる漫画家さんだなと思います。
新作も描かれてるようなので、そちらも期待したいなと思います。
2013.05.09