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外は久々の快晴だった、6月下旬。
梅雨時のあいまの晴れだった。
本当ならこんな日の週末は、湿気だらけの寮の部屋を換気したり掃除したりしたいところだったのだが……。
「うっ……んん……」
週末、この時間では人気もない8号館の3階トイレで、僕はいま男のナニを咥えていた。
「はぁ……秋山さん、案外、上手いんですね」
僕にナニを咥えられてる男が、僕の頭に手をやりながら吐息まじりに言う。
大学の後輩であり、同じテニスサークル所属の宮下だ。
明るく活発でよく笑う、どこか愛嬌のある奴だった。積極的でもあり、冗談で人を笑わせるような楽しい奴でもあって、人の懐に容易く入ってくるような要領のいいところがあった。
会ったばかりではあったが、僕は宮下のことを器用な奴だなとは思いつつも、無邪気に慕ってくれる態度に多少心を許していたんだと思う。
それでも、トイレでこんなことをする関係になるつもりなんて僕にはなくて、僕はとにかく早く終わらせようと無心になって頭を動かした。
「んっ……なんか事務的だなぁ……つまんないよ、秋山さん」
言われるままにやってやってるというのに、何が気に入らないのか宮下はそう言うと、僕を引き離し便座に座らせた。
「もっと楽しみましょうよ」
嫌な笑みを浮かべて僕を見下ろすと、宮下は僕のズボンに手をかけた。
「ま、待てっ!」
そう言ったからといってやめてくれると本気で思っていたわけじゃないが、思わずそう声を上げてしまったのは、情けなくも僕のそれが反応してしまっていることを、宮下に知られてしまうのが恥ずかしかったからだ。
「なんだ、秋山さんも興奮してるんじゃないですか。もしかして、マゾの気とかあるんじゃないですか?」
宮下の言葉にカッと顔が熱くなって、言い返そうと口を開けたらすかさず宮下に手で口を塞がれた。
「静かにしてください。もし人が来たらどうするんですか」
じゃあ、こんなことやめてくれと思ったが、口を塞がれているので何も言えない。
「でも、やっぱ声出ちゃうかも知れないんで――」
なんだ? やめてくれるのか? と思わず期待してしまったが、床に放り出していた鞄からタオルを2枚取り出すのを見て、そんな期待もあっさり霧散した。
宮下がまた下卑た笑みを浮かべて言う。
「口を塞いで、ついでに手も縛っちゃいましょう」
そして、僕は猿轡をされ、両手を縛られて、宮下のされるがままに喘ぐおもちゃと成り下がった。
そもそも、こんなことになってしまった原因は、やはり僕にあるのかも知れない。
大学生活も2年目になって後輩ができて、サークル仲間と飲みに行ったり、寮の部屋で騒いだりということをよくやっていた。
1年目のときは先輩に付き合ってるという気持ちが強かったが、後輩ができたらどこか肩の荷が下りたような楽な気持ちになって、そうして仲間と騒ぐことがその時の僕には、ただただ楽しかったんだと思う。
僕は酒は弱い方なんだけど、その日は勢いにまかせていつもより酒をあおり正体をなくしていた。
酔っ払ったあとの記憶を僕はなくしていて、いつも真面目で大人しいと言われてる僕が、あとで聞けばまるで人が変わったように楽しそうにしていたと言われ、さらに途中で糸が切れたようにコトンと眠ってしまったんだ、と聞かされた。
僕の部屋で飲んでいたから、それほど迷惑はかけなかったはずだが、自分の部屋だったということが気の緩みに繋がったのかも知れない。
到底信じられないと今でも思うのだが、泥酔したまま目を覚ました僕は最後に部屋に残った宮下のいる前で、部屋に飾られてたプロレス選手のポスター相手に自慰をしたらしい。
「らしい」というのは僕の記憶がないからだが、でも実のところその証拠はしっかりと残っていた。宮下の手に。
「秋山さん、これ覚えてます?」
今日、宮下に呼び出されて見せられたケータイの画面には、壁のポスターに向かって下半身を露出し、自分のそれを扱いている僕がしっかり写っていた。
そうして、絶句している僕に宮下が囁いたんだ。
「これ、ばら撒かれたくなかったら――わかりますよね?」
そう言って僕を脅す宮下の目的はセックスだった。
もともとゲイだったのか、それとも僕の自慰を見て興味がわいたのかは知らないが、人気のない8号館のトイレに連れ込むと、加虐的な目をして僕を屈服させた。
洋式の便座に座らされて、ズボンと下着を脱がされ、両脚を抱え上げられるという恥ずかしい格好で、僕はいま宮下に犯されている。
こんな場所で、しかもこんな体勢は苦しかったが、それよりも辛かったのはほとんど準備もしていない後ろに、いきなりデカイ宮下のものを突っ込まれたことだ。
いくら男同士とは言っても、いや、男同士だからこそ準備もなく突っ込まれたらキツいというのは分かりそうなものだが、忘れているのだとしたら宮下も相当興奮しているのか、それとも――
痛みに瞑っていた目を開けて宮下を見上げると、そいつは獣のような目をして上唇を舐めているところだった。
僕が見上げているのに気付き、宮下はさらに目を細めた。
「秋山さん、声出てないですね。もしかして余裕ですか?」
違う、キツくて声が出ないどころか息もできないんだと、僕は首を横に振ったが宮下はそれをどうとったのか、
「もっと、気持ちよくしてあげますよ」
と、先ほどよりも激しく僕を攻めはじめた。
そうじゃないんだと、僕は何度か首を振ってみせたが、宮下はそれを無視し続けた。
いや、宮下にとっては僕がどう思ってるか、どう感じてるかなんて関係ないのかも知れない。
ただ、僕の弱みを握れたから、それを脅しに使ってちょっと遊んでやろうとか、きっとその程度にしか思っていないんだろう。
宮下がこんな奴だったなんて!
「ううっ……ぅうー……っ!」
「うっ――はぁ、秋山さん、だんだん濡れてきましたね……それにこっちも」
言いながら宮下が僕のものに触れてきて、思わず反応して体が震えてしまった。
宮下の言うとおり、宮下と繋がったところからは湿った音がしだし、僕の先端からは先走りが溢れはじめていた。
「やっぱり秋山さんって――」
獣の目で宮下は僕を見下ろし、だがそれ以上言葉を続けることはなかった。
でも、僕には宮下が何を言おうとしていたのか分かった気がした。
「うっ! ぁうっ――うう……」
次第に僕は声を出すのを我慢できなくなり、宮下のものが僕の中を抉るたび喘ぎ、気がつくと僕は目を閉じて下半身の快感に神経を集中させていた。
そうして興奮が最高潮を迎えたとき、屈辱感も一時忘れて僕が思ったのは「イきたい」、ただそれだけだった。
その欲求は自然と行動に表れて、僕は手を縛られていることも忘れ、動かしにくいまま忙しなく手を下半身へと持っていっていた。
だが、僕の動きに気づいた宮下がそれを阻止して、解放を求める僕のそれをギュッと握りしめた。
「うぅっ!!」
「ダメですよ、勝手にイッちゃ」
露骨な笑みを浮かべる宮下を、僕は恨めしげに見上げた。
「いいですね、その表情……もっと見せて下さいよ」
そう言うと宮下は僕の中を掻き乱し、僕のものを扱いて絶頂へと誘うが、射精しそうになると根元を握ってそれを止めるということを繰り返した。
その度に僕は体を震わせ、つい物欲しげに下半身を、そして宮下を見つめてしまう。
僕の先端からは先走りが溢れ続け、宮下の手が動くたびにいやらしい音をさせていた。
たまらなく僕の解放を塞き止める宮下の手が煩わしくて、動かしづらい手で宮下の手を退かそうとするも、そんな僕の抵抗は宮下の征服欲を煽るだけだったようで――
「秋山さん、そんなにイきたいんですか?」
ふいに問われて僕は思わず何度も頷いたが、それを見て宮下はまた舌なめずりをすると、空いてる方の手を伸ばして猿轡をずらした。そして、
「秋山さんの口から聞きたいな」
すぐには、宮下が何を言っているのか分からなかった。
「秋山さんの口から、どうして欲しいのか言ってくださいよ」
再度言われて僕は忘れていた羞恥がよみがえって顔が熱くなった。
だが、僕に選択肢はない。
宮下が繰り返した。
「どうして欲しいんですか?」
「……はぁ、あっ――もう……」
「もう?」
しかし、やはり恥ずかしさにそこで言いよどんでしまう。
そんな僕の様子にもどかしく思ったのか、宮下が僕のものを扱いて、また射精を止めるという行為を繰り返した。
「ああっ!――っあ……んっ」
「言ってください、秋山さん。もう、の続きを。じゃないと――」
これがずっと続くのかと、僕はのぼせ上がった頭で思った。
「あぁ……み、宮下っ、あっ!」
深く、宮下のものが僕の中に差し込まれる。
「うっ……も、もうっ――」
今度は宮下のものが、限界まで引き抜かれる。
「イかせて、くれっ――っ!」
その時、僕は宮下が卑猥な笑みを浮かべるのを見た気がした。だが、すぐに荒々しく貫かれ、扱かれる快感に喘ぐと前後不覚になって訳がわからなくなった。
「ああっ! いっ、出るっ――宮下っ! イクッ!!」
「はあっ! 秋山、さんっ――っ!」
急な強い快感に目がくらんで、気がつくと僕は背を仰け反らせて射精していた。
僕が放った精液は宮下の手と自分の上着を汚し、ほぼ同時に宮下も僕の中で射精した。熱いものが僕の中に放たれるのを感じて、僕はまたゾクッと体を震わせた。
さらに、射精を終えた宮下のものが、ゆっくりと僕の中から出て行く感覚に、ゾクゾクと言い知れぬ何かが背筋を這った。
強い快感後の倦怠感にぐったりとしていると、擬似的なシャッター音が聴こえて僕はハッと我に返った。
見ると、いつの間に出してきたのか、宮下がケータイを掲げて写真を撮っていた。
「なっ……」
咄嗟のことに罵る言葉も出てこない。
そんな僕をよそに、宮下はケータイをしまって服を整えると、まだ身動きできない僕を見下ろして言った。
「いい格好ですよ、秋山さん。それに、思った以上にサイコーでした。また、させてくださいね」
そう、まるで屈託のない笑みを残して、呆ける僕をその場に残し、宮下はトイレを出て行ってしまった。
後に残された僕は、中に放たれた宮下の精液が、後ろから洩れてくるのを感じながら、あまりの情けなさに長いことそこから動けなかった。