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 背中から伝わる温もりが心地良くて、うとうとしていたのだと思う。不仕付けな掌がシャツの裾を捲り、侵入していた事に気づいたのは、自分の口から頓狂な声が出た時だった。

「ひゃっ……」

 驚いてとっさに口を押さえながら状況を確認する。腹が見える程、捲られたシャツに差し込まれているのはカイトの左手だ。不埒な指が乳頭を掴み、好き勝手に弄んでいる。

「バッカ……、やめろ……っ」
「マッサージチェアになろうかと」
「こんな椅子ねーよ……!」
「そうですね」

 あっさり肯定したカイトは右手で俺の顎を掴んで無理やり振り向かせた。射通すような眼光が刺さり、目を逸らす事を許さない。顔を寄せてくるカイトがスローモーションに映って、キスされると分かったけれど、瞼を伏せたら負ける気がして睨み返した。

「……っ」

 そっと触れ合う。続けて舌がゆったりと口唇を舐って、中に入れさせろと催促する。今、口を開けてしまったらダメだと分かっていても、乳首を弾くようにこりこり弄くられて堪らず声が漏れた。

「は、ぁ……」

 息つく間もなく舌を絡め取られて蹂躙された。強引な初動に反して、カイトの舌使いは優しくしなやかだ。ゆっくりじっくり熱を高めていくような口付けは、いっそもどかしさすら感じる。首を捻っているせいで息がしづらくて肩が震え始めると、カイトは顎を離してくれた。
 前を向き直して息を整えていたら囁く声がした。

「続きをしてもいいですか……?  マスター……」
「……!」

 最初は強姦だったくせに今日は伺いを立てるなんて順序も何もない。聞くなよ。答えられるわけがない。認めてしまったら、そのまま泥の中で溺れて一人で浮き上がる事も、息をする事さえ出来なくなるような気がした。
 鎧を剥がされて隠れる場所なんてなくても、自分を守るために嘘をつく。

「だめ、だ……」
「……分かりました」

 カイトは肌に触れていた手を引っ込め、俺の背を押して寄り掛かるのをやめるように促した。そのまま立ち上がる気配がして体温が遠ざかっていく。部屋に戻るのだろう。
 頭の中では、これでいいんだと見送ろうとする自分が居た。だけど、どんなに押し込めようとしても溢れ出てきた激情が背骨を伝い、腕を上げて、指先がカイトの服を掴んでいた。

「あ……」

 無意識に引き止めてしまった手と、振り返るカイトの姿を知覚した途端、かーっと顔が熱くなった。耳まで赤くなっているのが分かる。再び屈んだカイトが俺を覗き込むようにして見ている事も。
 剥き出しの感情がどうしようもないと訴えている。

「……時々、そうやって凄く可愛い反応をされるので堪りません」
「うぁ……っ」

 二の腕を掴まれ、引き上げられるようにして立ち上がった。そのまま有無を言わさない力で連れて行かれた先はカイトの部屋だ。ベッドサイドまで押し遣られ、ふくらはぎの裏にフレームが当たる。軽く肩を叩かれれば、重力に逆らえずに白いシーツの海へ倒れ込んだ。捕食者の目をしたカイトに見下ろされて反射的に起き上がろうとすると、カイトはそのままの姿勢で問い掛けてきた。

「マスター、俺を引き止めたのに逃げるんですか?」
「っ……」

 分かっている。素直になったら楽になれるという事。それでもまだ抗おうとしてしまう。――引き返せるうちに。だけど、この温もりを手放す事も出来ない。俺はもう幸福を知ってしまった。
 起こし掛けていた上半身を宙へ投げ出すと、ポスッという音と共にコイルスプリングが受け止めた。このまま沈んでしまいませんように。
 カイトがベッドに乗り上げてきて、俺のボトムを脱がせに掛かった。留め具を外され、ジッパーを下ろされて、あっという間に脚から抜き去られる。最初はまた胸を弄られるのだろうと思っていたから、いきなりそっちかよと内心焦った。まだ萎えたままの肌を晒されたが、カイトは触れては来ずに、俺の膝を掬い上げるとポケットから小瓶を取り出した。やっぱりいつも持ち歩いてるのかと思っている間に、後ろに宛てがわれてぐぷぐぷと注ぎ始めた。素の状態でされるには恥ずかしすぎて顔を背けていると、何かを挿れられた感触が続いた。指とは違う、柔らかいシリコンのような何かが口の辺りで引っ掛かっている。

「何、これ……」
「マッサージ器です。リラックスしてください」
「動くのっ?」
「動きません」

 カイトは説明しながら内側を探り、位置を調整しているようだった。先端があの場所に当たっているのを感じる。バイブレーションのような凶猛なものはでなさそうだが、ずっとそこに留まられるとそわそわする。
 固定し終わると俺の脚を下ろさせて、覆い被さってきた。視界一面に広がる群青色。カイトの目や髪は、暮れゆく夜空のように神秘的だ。俺に触れてくるのは支配ではないと彼は言ったが、そのまま飲み込まれてしまうのではないかという恐怖を内包している。

「優しくさせてください」

 吸い込まれそうな双眼が近づいてくる。虹彩は星々の舞う銀河のようだ。――溺れる。それ以上見てはいけないと思っているのに、瞬きも忘れて見つめていた。
 唇を食まれ、緩やかに舐られる感触が伝った。乞われる前に口を開いて舌を見せれば、すぐに絡め取られた。突かれれば突き返し、撫でられれば撫で返してやる。カイトはやり返されるのが嬉しいらしく、目を細めてうっとりとしていた。

(その顔いいな……。綺麗だ……)

 感情の赴くままに手を伸ばして頬に触れると、カイトは少し目を見開いた後、上から手を重ねてきた。俺の掌に頬ずりして甘えるような仕草をしたかと思えば、手首を掴み直されて指先に口付けられた。一本一本、愛おしむように。

(うあ……、恥ずかしい……)

 じわっと体が熱くなって顔を背けたら、今度は目じりや瞼にキスされた。唇が触れるたびに『好きだ』と言われているみたいで、くすぐったくて堪らない。瞼を伏せていると、シャツ越しに乳頭をふにふにと押される感触がした。壊れ物を扱うような繊細な手付きで、軽く摘んでは離すというのを繰り返す。

「……っ、……は」

 首のあたりがそわそわしてきて息を漏らすと、きゅっと握るような動きを加えられて背筋がぞくっとした。僅かに走る痛みと、それを上回る快楽が一緒に押し寄せてきて火花が散る。背中を反らせたせいで胸を突き出す形になり、もっとして欲しいと強請っているみたいだった。
 いきなりボトムを脱がせてきたわりに、シャツはまだボタンの一つも外されていない。おそらく焦らされているのだろう。起ち上がった乳頭がシャツに当たって痛いような、こそばゆいような感覚でじりじりする。逃げるという選択肢は無くなったけれど、だからといって自ら脱ぐには躊躇いがあった。気持ちよければ何でもいいと割り切れたらいいのだろうが、あいにくそんな度胸は持ち合わせていない。

「痛い、から……、も、触んな」

 不満を言うと、カイトは迷いない手付きでシャツのボタンを外しに掛かった。やめさせるような言い方をしても、本当はどうして欲しいのか気づかれている。丁寧すぎると思う程、ゆっくりした動きで一つまた一つとボタンが外されていく。既に下肢を晒していて、これ以上の羞恥なんてないはずなのに、一つ外れるたびに心臓がどくっと血を吐いて耳奥まで響いた。
 シャツがはだけると、爪先から頭の天辺まで見通すような視線が降り注いだ。ブラックホールみたいな双眼が全身をくまなく捉えている。俺の全てはカイトの手中にあるみたいだ。こんなの支配だろうという怖じ気と、飛び込んでみたいと思う好奇心、委ねてしまえばいいという甘心がマーブル状に揺らめいている。
 カイトはまた緩慢な仕草で胸に顔を寄せてきた。薄く開いた唇から濡れた舌が覗く。目を離せないでいると、乳頭に触れるか触れないかというところで秋波を送られて赤面した。

「……っ」

 舌先がもったいぶるように乳頭を掠めていく。つんと張り詰めたそこは、僅かな接触でさえ繊細に拾い上げる。まさか「舐めていいですか」なんて言い出さないだろうかと思って、カイトを見遣った途端、咥えられた。

「は、ぁ……、ん、うぅ……っ」

 口に含まれ、舌でくにくにと転がされると堪らなかった。腰に甘く響いて身を捩らせてしまう。無意識に脚を動かしていて、その拍子に体内に挿れられた道具も動いたらしい。そこからじわっと快楽が生じて下肢を痺れさせた。

「あぁう……っ」

 大きな声を出してしまって口を手で塞ぐと、カイトは弄るのを止めて俺の顔を覗き込んできた。絶対、引き剥がされると思ったけれど、手の甲にそっと口付けてきただけで咎めるような事はしなかった。その代わり、耳元で「大好きです……」と囁かれてまた一層体が熱くなった。
 自分ばかり痴態を晒して恥ずかしい。俺はかろうじてシャツだけ羽織っている状態なのに、カイトはきっちり服を着たまま余裕そうにしているのが気に食わなかった。

「うるさい……、バカ、嫌いだ……」
「……俺、優しく出来てないですか?」

 どうせまた勝手に俺の言葉を翻訳するだろうと思っていたが、カイトは注意深く確認するように訊いてきた。不満が顔に出ていたのかも知れない。

「俺の体、おもちゃにして楽しいか……?」
「え、そんなつもりはありません」
「だったらお前も脱げよ。全部」
「あ……。俺、マスターに気持ちよくなって貰いたくて夢中で」

 弁明しながら、てきぱきと服を脱ぎ捨てていく。前の時は気にしている暇がなかったけれど彫刻みたいに綺麗な体躯だ。腹の前で屹立している雄が目に入ってきて、とっさに顔を背けた。何より嫌悪を感じていない自分に驚いた。あれに穿たれたのだと改めて意識してしまい、体の中がそわそわする。

「強姦野郎……」

 居た堪れなくてぼそっと呟いた俺に、カイトはふっと笑って覆い被さってきた。反射的に緊張を走らせると、背中に腕を回されてぎゅっと抱き締められた。

「んぅ……、っ……」

 互いの腹にぴったりと焦熱が触れて存在を主張する。耳元で「はぁ……」っと熱い吐息をこぼされ、堪らず胴震いした。擦り付けたい衝動が走り抜けて、みっともないからやめろと自分に言い聞かせた。

「マスター……?」
「……何だよ」
「強姦したいわけじゃないんですけど、『挿れていいですか』って訊いても答えてくれないですよね」
「……」

 恐ろしい質問だ。流されるままなんてそれこそ男らしくないとも思うが、まだ旨く割り切る事が出来ない。ただ、カイトにされるのは嫌じゃなかったという事実だけが行き場なく転がっている。何も言えず、汗ばむ体を落ち着かせようと深呼吸していると、カイトは続けた。

「マスター、俺に挿れたければ、いいですよ」

 なにか凄い事を言われている気がする。なんでそんな淀みなく言えるんだと、いっそ感心すら覚えた。カイトの事を、男だろうとアンドロイドだろうと好きだと認められたのはつい最近で、それ以上どうとか考えてなかった。

「そんなの考えた事ねーよ……」
「挿れられるのは考えてたんですか」
「それもないっ」
「俺が女だったら、マスターはもっと素直に愛してくれたんでしょうか」

 カイトは体を起こして俺の横に転がると、甘えるように腕に絡み付いてきた。何だよそれ、デカい図体で可愛い事しやがって。
 カイトが女だったらそもそも家に招いていない。兄弟や友達みたいに気楽にやっていけそうだと思っていたのもあるし、何より歌声が気に入ったのだ。女声ソプラノは少々耳に痛いと思っていた俺に、カイトの声は心地良く響いた。

「……無いな」
「〈俺〉で良いですか」

 天井を向いたままの俺の頬に真っ直ぐな視線が刺さってくる。まるで誘導尋問のようだが、カイトの真剣な態度がそうではないと物語っている。俺もちゃんと向き合わなければいけないんだ。今更、本当の気持ちは覆せないんだから。

「お前が良い……。イヤじゃない、から……」

 やっぱり言葉にするのは恥ずかしくて反対側に顔を背けると、カイトは俺の手に指を絡めて握ってきた。指先がとんとんと手の甲をノックする。俺がぎゅっと握り返せば、血が止まるのではないかという程、ぎゅーっとやり返してきた。

「痛てーよ……」
「嬉しいです、マスター」
「それ……、今は、やめろ……。マスターって呼ぶの……」

 〈マスター〉のくせに良いようにされて喜んでいるのかと、後ろ暗い感情がわだかまりのように残っている。俺のプライドなんてちっぽけなものだけれど、社会通念や観念を完全に取り払うのは容易ではない。
 カイトは顔を上げて俺の耳元に口付けると囁いてきた。

「それなら……、佳一さん」

 一文字一文字、大事にするように俺の名を呼ぶ。体中が切ないような苦しいような感覚に襲われた。

「っ……、さん、要らない、から……」
「佳一……、佳一……、愛してます……」

 甘くて蕩けるような声が鼓膜にこびり付く。臀部がうずうずしてきゅっと締め付けた瞬間、今まで感じた事のない程、強烈な快楽が湧き上がった。

「……っはぁ、っ……ん、あぁ、ァ……、なに……れ、ェ……っ」

 爪先は痺れ、自分の手足がどこにあるのかすら分からなくなる。次から次へと押し寄せてくる波動に、呼吸はぐちゃぐちゃに乱れて声を喘がせるしかない。カイトが覗き込んでくる気配がしたけれど、恥ずかしさより何より、体が溶けてなくなってしまうような感覚が怖くて縋り付きたかった。

「あうぅ、っ、カイ……っ、こわ、い……っ」
「ドライでいきそうなんですね」
「ひっ……、触、ンな……で……っ、ふ、ぁ……、は、っあぁ……っ」

 太腿を軽く撫でられただけなのに、神経が剥き出しになっているみたいに過敏に反応してしまう。身を捩らせながら、必死でカイトを呼んだ。

「かいと、かいと……、っあ、んぅ……っ、あ、ああ、ぁ……っ」
「佳一……」

 頭の中が真っ白になった。体のどこもかしこも甘くてどろどろで、幾度にも押し寄せる快楽の波に溺れる。

「ゥ……、っ、……は、っ……、や……、もう……、っあ、あァ」
「気持ちよさそう……、可愛いです……」

 傍に居てほしくて懸命に伸ばした腕は、カイトの首根っこを掴まえたみたいだった。うっとりした声が耳に届いて、ああ近くにカイトが居るんだ、良かったと思った。

「す、き……、すき……、か、いと……、あぅ、っ、ああぁ……っ」

 カイトに伝えたくて何度も何度も言葉にした。頬の筋肉が落ちてしまったみたいで、上手く言えているのか分からない。ふにゃふにゃと口を動かすとカイトの口が塞いでくれた。
 唇を食むような穏やかなキスを繰り返しているうちに、溶けるような熱が落ち着いてきた。多幸感は続いていてまだ夢の中に居るみたいな心地だ。酷く消耗していて全然、体に力が入らなかった。

「動けな……」
「しんどいですか?」
「も……、むり……」
「はい。体拭きますね」

 精を漏らしてないのにいつの間にか外陰部は治まっていた。ただ、透明な体液でべたべただ。『ドライでいく』とかカイトが言っていたけれど、こんなにも恐ろしく気持ちいいものなのかと呆然とする。
 はっと思い出してカイトのそれに目を遣ると、まだ凛々しく上を向いたままだ。よく我慢していられるなと尊敬の念すら覚えた。

「……。お前……、どうすんの……」
「どうにかします」

 カイトはさらりと答えて俺の世話を続けている。一人でするのか、治まるのを待つのか分からないけれど、最初からそのつもりだったみたいに気にしていない様子だ。今日は、いきなり臀部にマッサージ器とやらを挿れてきて「優しくさせてください」と言われたんだ。俺を悶えさせるだけで満足なのかと呆れてしまう。
 カイトの事は好きだ。もうこの気持ちから目を逸らす事は出来ない。カイトが俺に挿れたいなら、――それでもいい。ただ、今は体力的にも精神的にもそれを言葉にするのは難しい。だから精一杯、勇気を振り絞って提案する。俺もカイトに優しくしてやりたかった。

「……。……さ、わって、やろうか……」
「嬉しいですけど、無理しなくていいですよ」
「大丈夫……、手ぐらい、動くから……」
「あ、後ろの抜かないといけないので……、ちょっと待ってください」

 自分でどうにか起き上がろうとすると制止され、シーツに縫い止められた。体の一部みたいになっていた道具がゆっくりと抜けていく感触がする。これも微妙に快楽を生じさせるから困る。全て抜けたのが分かると、はーっと溜息が出た。
 続いて、カイトが正面から抱き付いてきて、わっと思っているうちに体を起こされた。枕を挟んでベッドフレームに寄り掛からせてくれる。カイトは俺の脚を跨いで膝立ちしていて、すぐ目の前に雄を晒している。俺は心の赴くままに両手で包み込んだ。

「ぁ……、佳一……っ」

 息を飲んで、切なそうに俺の名を呼ぶ。少し触っただけなのにぐっと硬度を増して脈打っている。そんなに嬉しいのかと愉快で、可愛がってやりたい気持ちになった。

「もっと、こっち……、来い……」
「……はい」

 しっかり擦ってやらないと良くないだろうと分かっているが、体がだるくて上手く力が入らない。カイトを見上げると悩ましそうにしているけれど、このままではとても上り詰めるには至らないだろう。

「悪い……、自分で動いていいから……」
「……は、っ……すぐ、っ済みます……」

 両手を筒の形で固定させると、カイトは先端を片手で覆って腰を動かした。俺に掛からないようにするためだろうけれど、今の体勢で始めた段階で、掛かる事なんて気にしていなかったから意外だった。

「きもちい……?」
「は、い、っ……、はぁ、っ……ぁ……、も、う……っ、けい……ッ」

 ずっと堪えていたのだろう、大して時間も掛からずに限界を告げられた。恍惚の表情を浮かべて、胴を震わせるカイトが愛おしくて胸が一杯になる。搾り取るようにむにむにと刺激してやると、歯を食い縛って身悶えている。可愛い。

「っ……、佳一……、大好きです……」
「……俺、も」
「俺も……、嫌い、ですか?」
「……。フ……、ああ、キライ、大キライ」

 じゃれ付く言葉に俺も乗ってべっと舌を出すと、カイトの顔が近づいてきた。虹彩の銀河の中に俺の姿が浮かび上がる。俺は囚われてしまったのだろうか。ずぶずぶに溺れて息が出来なくなってしまうのかも。ただ、恐怖心は無くなっていて、傍に居たいと思った。キスがしたくて見つめたまま口を開けると、望みどおりにカイトのそれが重ねられて幸福に包まれた。



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