目が覚めた時、何故かベッドにくくりつけられていた。
まだはっきりとしない頭で、その原因を必死に考えてみるが、全く思いつかない。
「あー……確かスペインが俺んちに来て、強引にあいつんちに連れて行かれて」
唯一原因らしい原因が思いつきもしたが、
なぜこういう結果になったのかまでは理解できそうに無い。
「まあいい。原因はあいつに決まってる。スペインの野郎! 見つけたらギタギタにして」
「ん〜何か呼んだか? ロマーノ」
突然ひょっこりと顔を出してきた諸悪の根源であろうスペインに、
ロマーノは大きく肩を震わし。
すぐに彼を鋭い瞳でにらみつけた。
「お前、何してんだよ。早く離せよ。こん畜生が!!」
縛られていても上の立場に立てる人物が相手だと、こんなにも強気になれるものなんだと、
スペインは苦笑を漏らす。
笑われている事に気がつき、ロマーノは頬を膨らました。
こういうところは昔から変わらないらしい。「まーまー、落ち着けや。そんながっついてるから、童貞のままなんやで。
大人の男ならば、もーちょい余裕をもたんとな」
「うっせぇ! そんな事、今関係ないだろーが!」
とはいいつつも、図星だったのか、段々と顔が赤くなってきた。
動かない腕を振り回し、殴りかかろうとするが、全くその手はスペインに届きそうにも無い。
呆れ顔で彼の前に座り込み、首を傾げてみせる。
「ほんま童貞なんやね。しゃーないなぁ。親分が一肌脱いでやるんよ」
意味ありげにドアの方に視線をおくり……再びロマーノに笑顔を向けた。
「それで、上と下どっちが好みや?」
不可解な選択肢に、ロマーノは首をひねった。
「どっちかってーと下だな。それがどうし……」
「っつーわけや。ベル。上にのっかってな」
ロマーノの言葉をさえぎり、ドアの方に声をかけた。
一瞬遅れ、ドアから金色の髪が姿を現した。それから困った顔をした女性の顔。
「あんな、辞めん? やっぱこういう事は……」
「いやや。辞めるんだったら、街中でやるか。
ベルにそっちの趣味があるってんならば、止めやせん」
スペインの発言に、彼女……ベルギーは眉間に皺をよせ、やっと部屋の中へと入ってきた。
何故か半裸の状態で。
上品なドレスのはずなのだが、豊かな胸がさらけ出された状態で、
強調するかのようにリボンで両乳房をしっかり縛られ。
長いスカートには二箇所大きくスリットが入っており、歩くたびに大切な所が見えそうになる。あまりの出来事に目を白黒させるロマーノに、満面の笑みを向けるスペイン。
「俺んからのプレゼントや。そろそろ誕生日やろ。童貞卒業させてやる」
恥ずかしそうに身体を隠すベルギー手を取り払い、縛られたままのロマーノに対し、
裸体を見せ付けた。
頬を赤くし、目を丸くするロマーノから顔を逸らすが、大きな抵抗はしないベルギー。
「おっ、やっぱ元気やな。もうこないなって」
スペインの視線の先には……大きくテントを張ったロマーノの股間があり。
「違う! おれはそんな! 畜生はなせ!」
失態をさらしてしまったロマーノは、手足を動かし抵抗して見るが、
しっかりと縛られているせいか全く動く気配が無い。
それどころか、動けば動くほど、熱くなった血は下半身へと集中していき。「……ロマーノ君、結構おっきぃな」
完全に隠し切れなくなくなるほど主張をする下半身に、ベルギーはぽつりと呟いた。
それが気に食わなかったのか、スペインは不機嫌そうに彼女をちらりと見て。
「そっか。ベルはロマーノの方がいいんやな。そんならロマーノと勝手にどうぞ。
あーあ、寂しいから、ベルのあーんな写真、みんなに配ってみっか」
ぽつりと呟いた言葉に、彼女の顔は一気に青ざめた。
上目遣いでスペインの様子を確認し、覚悟を決めたかのように大きく頷く。
陶器のような白い腕をスペインの肩に回し、顔を近づける。
最初は軽く口付け。それから唇を舌でつつき、口の中に侵入していく。
彼女の舌が必死に口内を荒らす。
しかし、当の本人はすました顔で彼女の舌を受け入れるだけ。
自分からは何もしようとしない。
「ん……うぅ……ん…じゅ…親分……ずるい……」
「ずるいんはベルの方やろ。相変わらずこない可愛くて。
っと、ちゃうちゃう。今回は俺と遊ぶんじゃなくて、ロマーノの童貞卒業や」
思わず、縛り付けられている子分の事を忘れ、いちゃいちゃしかけたが、
我に返り、ロマーノを姿を確認する。
顔は真っ赤。股間は限界まで盛り上がっていて、かなり苦しそうだ。あまりに純な子分の姿に、スペインの頬が緩んだ。
「やっぱロマーノ可愛ええなぁ。ほーら、ロマーノのだーいすきな女の子やで」
ベルギーの腰を引き寄せ、豊かな胸を手で覆い包む。
手の中で形を変える胸と、唇から漏れてくる甘い声。
「触りたいか? そっか。触りたいか」
縛り付けられているロマーノの喉が音を立てる。大きく見開いた瞳で、小さく頷き。
「んー、じゃ触らしたる。ベル、ロマーノのを可愛がってやってくれや」
スペインの言葉によって、彼女は横たわるロマーノの前にしゃがみこみ。
手を伸ばしてズボンのチャックに触れ。
「あー、手使わん方がええ。唇だけでむいたれ」
潤んだ瞳でスペインを軽く睨みつけ、舌を使いチャックの金具を歯で噛んだ。
外れないよう、慎重にチャックを下ろしていき、下着を露にさせた。
すでに滾った物は先端から液体を漏らし、染みを作り上げていた。
その染みに口付けを一つ。それから下着を少しずらす。
途端にぴょこんと顔を出す亀頭に、ベルギー、そしてロマーノ二人とも頬を赤らめ。
「可愛ええなぁ。やっぱ二人めっちゃ好きや」
満面の笑みで呟くスペインに何を言っても無駄だと感じ、ベルギーは苦笑した。戸惑い気味に、目の前で主張し続けるモノに手を触れ。
「あ、包茎だからしっかりと剥いてやってや。そっちの方が気持ちええやろし」
「え? 剥くってどうやって? そないやった事ないし」
きょとんと目を見開いて問うベルギーに、スペインは実に幸せそうな笑みを浮かべた。
「そやな。俺は皮かぶってないし、わからなくても当然やな」
その反応は、スペイン以外の男を知らないという事実であり、
彼を満足させるには十分だった。
機嫌が良くなったのか、スペインは戸惑うベルギーの頭を抱き寄せ、おでこに軽いキス。
「わーった。教えたる。まずは両手で包み込んで、ゆっくりと根元に下ろしていくんや。
完全にかぶっているわけじゃないし、そない難しい事やないやろ」
「ちぎっ! お前変な事言うな! ぐっ」
脳に直接叩き込まれるかのような刺激。視線を向ければ、
頬を染めたベルギーが亀頭を包み込むように握っており。
「ちょい痛いかもしれんけど、我慢してや。ロマーノ君」
先端に軽くキスをしてから、両手をゆっくりと根元に下ろしていった。
ほんのりピンク色をした先端が露になる。
「かわええなぁ。遊んでないとこない色なんやね」
「俺だって遊んでないやん。ヤるのはベルだけ」
子供のように彼女の背中に抱きつき、拗ねた表情を見せるスペイン。
しかし、彼女も頬を少し膨らまし、
「だって……親分、昔は遊んでたんやろ。台湾ちゃんが小さい頃とか色々されたとか」
「あ、あれは……まだヤっては無かったし」
視線を逸らすスペインに、更に頬を膨らまし。
「『沈まない太陽』て言われてた頃、可愛い女の子達といろいろやってたんやない?」
「あー……あん時は……その……結構調子に乗ってましたごめんなさい」
反射的に彼女の前に跪いてしまう。
いつも鈍感すぎるのに、彼女の言葉には敏感に反応し。
あまりにも可愛らしい親分の姿に、彼女は頬を緩め、キスをしてあげる。
「はいはい。反省してるんやったら、許してあげる」
「あー、やっぱベルはいい女や〜」
満面の笑みを浮かべ、抱きついたまま、彼女のふくよかな胸を手で包み込み。
「んっ……ふぁ…親分……そないとこ……やぁ」
「可愛ええ。ほんまいいな。ベルは素直で」
羞恥に頬を染める彼女の唇を強引に奪おうと、形の良い顎に触れ。「……俺の事忘れるんじゃねーよ。ちくしょうが」
彼女達の下から聞こえてきた情けない声に、二人は顔を見合わせ。
「ああ、ごめんごめん。ロマーノ君の事忘れたわけやないんや」
「そうそう。ロマーノの事忘れたなんて……」
乾いた笑みを浮かべるスペインに、頬を膨らませ非難的な視線を向けるロマーノ。
手足が自由だったら、きっと昔のように頭突きを食らわしている事だろう。
「あー、よし、そんじゃ童貞卒業開始や。ベル、まずはたっぷりお口で可愛がってや」
ごまかすかのように早口になるスペイン。
何年たっても変わらぬ二人に、ベルギーは笑みを浮かべ。
「そうじゃねぇ! 俺を早く放せといって……ちぎっ!」
ロマーノの動きがぴたりと止まった。顔を赤らめ、自らの下半身に目をやる。
そこには柔らかな唇を開き、モノを頬張るベルギーの姿があった。
最初は大胆にも全体を頬張り、それから段々と先端へと移動してくる。
唾液でべとべとになったピンク色の亀頭の先端を舌でつつき、尿道を刺激した。
「なななななな、何をし…や、やめ! ベルギーやめろ」
「うまいやろ。俺の教えのおかげや。さーて、俺も楽しむとしよか」
ベルギーの手馴れた行動に、満足げな顔をし、大きく頷くスペイン。
それから、スペインは彼女の後ろに座り込み。
「うじゅ……んっ! やぁ! 親分やめぇ」
「止めろ言われて止める男がおると思うか? ロマーノのためにベルの準備をな」
長いスカートをたくし上げ、白い尻を露にすると、すでに蜜の溢れる秘淫を指でこじ開ける。
とろりと溢れ出す蜜が指に絡まり、甘い香りを放つ。
まだ硬い中に指をねじ込む。
一本いれるだけでも苦労するのに、
それを受け入れた途端、指を包み込むかのように壁が収縮する。
締め付けた瞬間を狙い、指を一気に引き抜く。
「ひゃっ、やぁ……ん」
あっという間に可愛い女から淫靡な雌の顔を見せるベルギーに、
スペインは満足そうに頷いた。
「ほら、お口が留守やで。ロマーノを気持ちよくさせや。じゃないと……」
きらりと彼の瞳が輝く。この瞳をした時は、かなり意地悪な事を思いついたときで。
「わかった。わかったから、親分いじんのやめ……ひゃっ」
「んー、子分の言う事は聞かん。よし、ロマーノをお口でイかせたらそれは止めたる。
だけど、ベルが先にイったら……なぁ」
「勝手に決めんな! だから離せ……ぐぅ」
息の上がってきたロマーノの陰茎を必死にしゃぶるベルギー。
その後ろで蜜壷を楽しそうに弄るスペイン。
時折、スペインの動きに舌の動きを止め、快楽に酔いしれるが、
それでも健気に奉仕を続ける。どれくらいたった頃だろうか。
唇を噛み、刺激に耐えるロマーノ。
しかし、肩は小刻みに震え、限界に近づいているのは明らかだ。
「ん……はぁ……ん、お願い……やから、ロマーノ……君、出してぇ」
涙目でお願いをするベルギー。こちらも限界に近いのだろう。
「ん〜ベルもロマーノも可愛ええな。もっと素直になりゃいいのに」
一人余裕のスペインがひくつく蜜壷に息を吹きかけると、ベルギーは大きく身体を震わせた。
「いやや! なぁ! ロマーノ君早く出してぇっ! せーえきお口にぃ」
ベルギーの切実なお願いに、ロマーノは大きく目を見開いた。
昔から知っている姉のような存在の彼女が、今こんな事を口走り、こんな事をしている。
幻想が音を立てて崩れていく。しかし、男の部分は実に正直で。
「ちくしょう!」
小さいうめき声とともに、ロマーノの身体が小さく震えた。
それと同時にベルギーも身体を震わし……口を離してしまう。
その途端に白い液体が彼女の顔を汚す。
禁忌の事だとはわかっている。彼女は汚してはいけない存在のはずなのに。
まるで名画に白い絵の具をぶちまけてしまったような感覚に襲われ。そこで彼の中の何かが壊れた気がした。
「おお、ベル頑張ったな。それじゃ、ご褒美を……ん?」
ロマーノの手枷を解いた後、崩れ落ちたベルギーを介抱しようとスペインは手を出したが、
一足早くロマーノが彼女の肩を支えていた。
少しだけ影の宿った瞳で彼女を見つめ。
「――童貞卒業させてくれんだろ。それならば」
荒々しく腰を掴み、高く持ち上げる。
まだ意識が朦朧としているベルギーはぼんやりと現状を把握しようと頭をあげ。
「……どうせもう」
後ろから勢いよく貫く。
「ひゃぁっ! やぁ、ロマーノく……んんっ」
途端に甘い声を漏らす彼女を憎憎し気に睨みつけ、腰の動きを荒くした。
ただ前後に動かすだけ。彼女を思いやる事などしない。
自らの快楽をも求めず、ただ彼女を痛みつけるかのように腰を動かし。
「あ……壊れたかぁ。ロマーノ意外に繊細やなぁ」
呆れた声で傍観者になっていたスペインは頭をかきながら呟いた。
「ま、童貞の暴走は良くある事やし、もう一発すりゃ落ち着くかな」
あまり心配していない様子で、側にあった椅子に腰掛けた。
その間にも、ロマーノは強く強く腰を打ち付ける。
「やっ、もっと…んっ、優しぃ……しぃ……うんん」
「うるせぇ! もっと凄い事もしてるんだろ」
大きい仕草で引き抜き…、勢いで抜けてしまう。
ぽっかりと空いた穴から白く泡だった蜜がとろりと溢れ出す。
それを目にしたロマーノはいらただしそうに小さく舌打ちをした。
「ちっ、こんなゆるいのが悪いんだ! もっと俺のをぎゅっと締め付けてろ」
もう一度、中に荒々しく突っ込む。
目の前で震える白い尻に大きく手を振りかざす。乾いた音と小さく呻く彼女の声。
途端に締め付けてくる彼女の中に、ロマーノは笑みを深くし。
「やっぱり叩かれるのが好きなのか。それならば」
もう一度平手を落とし、尻に赤い華を残す。
「ひゃっ、やぁ! 叩かんといてっ」
叩かれるたび、甘い声を漏らす彼女の胸を握り締め、爪を立てる。
赤い痕が残るよう、強く強く。
痛みを与えれば、彼を求めるかのように締め付けてくる感覚に、少しだけ寂しげな瞳をし。
「……ぐっ」
ロマーノの肩が震えた。痙攣するかのように腰がかすかに動き。
大きく息を吐き、彼女を解放した。
床に崩れ落ちる彼女を蔑んだ瞳で眺め、ベッドに自らもぐりこんだ。「あっちゃー、童貞には刺激が強かったかな」
スペインは椅子から立ち上がると、床の上で大きく呼吸するベルギーの肩を抱き寄せ、
軽くおでこにキス。
収縮し、白濁液を溢れさせる蜜壷をちらりと見て、苦笑を浮かべた。
「ロマーノはいじけてしもうたし、しゃーない。今度は二人で楽しむとするか」
後ろから抱きしめると、赤い痕のついた胸を優しく手で包み込む。
ふんわりとしていて、それでも弾力のある肌。元々白いから、赤みが酷く印象的だ。
終わったばかりなのに、主張する胸の突起を指先で弾き、首筋に唇を落とす。
「ん……ふぁ……やぁ」
イったばかりだというのに、彼女の口から甘い声があふれ出してくる。
先ほどの行為とは違い、純粋に快楽の声。
「ベルはかわええな。こない反応してくれて」
唇を重ねようと顔を引き寄せ、鼻をくすぐる精液の香りに少しだけ眉を潜めた。
何か拭うものがないかと、周辺を見回し、
机の上に置きっぱなしの白旗を手元に手繰り寄せた。
「ほら、顔こっち向け。んー動かんといて」
「ん〜親分〜くすぐったいやん」
くすぐったそうに身をよじるベルギーに、スペインは頬を緩めた。
後ろからぎゅっと抱きしめ、少しだけ瞳に影が宿る。
「何か昔みたいやな。前みたいに一緒に暮らせたら」
「親分……」
寂しそうなスペインの言葉に、心配そうに顔をあげ、彼の様子を確認しようとし。
予期せず、彼女の腰が浮き上がった。
抵抗する間もなく、勢い良く蜜壷に何かが侵入してきた。
自重で奥深くに入り込む感覚に、彼女は大きく背中を逸らし。
「やぁぁっ! いややぁっ」
身体が震え、彼の膝の上にじんわりと生暖かい液体が広がった。
何が起こったのか理解できない彼女は、肩で呼吸をしながら、虚ろな瞳で彼を見つめた。
「まったく、ほんまべルはえっちやな。入れただけで潮噴いて。ズボンベトベトや」
へらへらと笑いながら、スペインはもう一度腰を打ち付ける。
溢れ出す愛液とロマーノの精液があわ立ち、更にスペインのズボンを汚していく。
「もう、親分突然なんてずる……んんっ」
彼は何度も腰を打ちつけ、その度に彼女は甘ったるい声で快楽をあらわす。
肌のぶつかる音。濡れた音が部屋に響き渡る。
途中、彼は腰の動きをぴたりと止めた。不満げに彼女は小さくあえぎ。
腰を浮かせて彼と対面するように身体を動かした。
引き締まった胸板に胸を押し付け、唇を重ねる。
最初は軽く。
しかし、彼は全く動こうとせず、にやついた笑みをうかべ、彼女を見上げていた。
何も言葉にはしない。だが、瞳がありありと語っている。
『欲しければ自分で動け』と。
少しだけ頬を膨らまし、覚悟をしたかのように彼の唇を舌先でつっつく。
微かに開いた隙間から、舌をねじ込み、口内を荒らす。
柔らかな舌が彼の舌を追いかけ、絡め、吸い付く。
それでも彼は動揺を見せやしない。
「ふぁ……んっ、うぅん……ちゅ」
口内で唾液が混ざり合い、口角から零れ落ちる。
口の中を犯すだけでは物足りず、彼女は自ら腰を動かし。
「ま、女の子はちょっとえっちの方が楽しいんや。
な、だからそこで一人でヤってないで、もう一つの穴つこうたらどうや。ロマーノ」
突然の言葉に、彼女の視線はベッド方に移動し……
シーツが盛り上がっていた事に初めて気がついた。
小さくシーツが上下に動いており、微かに水音がそこからしていた。
一瞬だけ動きが止まり……シーツの中からバツの悪そうな顔をしたロマーノが出てきた。
手には自らの陰茎を握り締めて。
「ほら、こっちこいや。ロマーノのために、こっちの穴開けといたんや」
彼女を抱き寄せると、尻に手を伸ばし、小さな蕾を指でこじ開ける。
まだ硬い蕾だが、確実にスペインの手に反応を示しており、ひくひくと収縮を始めた。
「そない顔せんでも大丈夫や。尻に入るのは知ってるやろ。
前、ハンガリーんとこで見たビデオ……」
「ちぎぃぃぃっ! あ、あの時の事は忘れろぉぉぉっ!!」
青ざめた顔で頭をぶんぶんと振るロマーノ。――前にスペインと共にハンガリーの家に遊びに行った際、
本棚の奥から一本のビデオが出てきて。
興味半分に見たのが間違いだった。
その中には、男同士の濃厚な絡みが描かれていて――「あん時は目がやられたかと思った……
畜生。油断していた。ハンガリーんちはそういうもののメッカだと」
「俺は中々面白かったな。尻ん中に入るもんだなと感心して。そっからベルにも」
ちらりと胸の上のベルに視線を送る。涙目でスペインの事を睨んでおり。
「あの日からお尻ばっかで……いろんなもん入れられて……親分なんか嫌……ふぁぁぁっ」
「嫌いゆう口はどこや? ここか?」
蕾がずるりと指を一本飲み込み、ベルギーは大きく身体を震わせた。
指で壁を何度も擦り、それからもう一本指をねじ込む。
「ん〜やっぱベルの締め付けは最高やな。
尻に入れただけで、俺のをぎゅーぎゅー締め付けて」
溢れ出す蜜で腰が汚れていくのも気にせず、指を何度も動かし。
息も絶え絶えにスペインにしがみつくベルギーに、ロマーノは複雑な表情を浮かべていた。
「さーて、そろそろいいか。ほら、ロマーノ、この穴めがけて入れろや。
こっちの穴もめちゃ気持ちええんよ」
両手で双丘を書き分け、蕾を露にする。すでに慣らされたせいか、
苦しそうにひくひくと快楽を求める。
彼女もスペインのが抜けぬよう、できる限り尻を突き上げ、
振り返り、潤んだ瞳でロマーノを見つめた。
こんな美味しい状況を無視できるほど、ロマーノに余裕はない。
先端から涎をたらし、いきり立つものを手で支え、
戸惑い気味に彼女の上へと覆いかぶさる。
「本気で入るのか? こんな小さい穴に」
「当たり前や。俺のが入るくらいだから、ロマーノののならば簡単に」
さり気無い暴言に気がついていないのか、
それともスペインの言葉を気にしない事にしたのか、
ロマーノは腰をゆっくりと下ろし。
「ふぁっ! やぁっ! 二本なんてはいら……ふぁっ」
最初はかなりきつかったのだが、先端を完全に飲み込むと、
それから先はスムーズに入り込んでいった。
一番奥までねじ込み、大きく息を吐く。
先ほど入れた時よりも締め付けは激しい。
気を抜いたらねじりきられてしまうのではないかと思うほど。
それでも、根元をきゅーっと締め付けてくる感触は、昇天しそうなほど気持ちが良い。
「ぐっ、気持ちいい……こんな締め付け初めて……」
「そか、そんならもっと気持ちよくしてやる」
やにわに下から突き上げる感触。
更に締め付ける彼女の身体に、ロマーノは眉をひそめた。
身体を駆け巡る喜悦に、あっさりと二度目の精を解き放ってしまう。
しかし、すぐに彼女の体内の暖かさに元気を取り戻し。
「どや? 気持ちええやろ。ベルでならば何度でもいけるやろ」
余裕の表情でスペインは下から腰を打ち付ける。
その振動に、彼女は身体を震わせ、
ロマーノは締め付けてくる感覚に身体を硬直させた。
もう心地よさはどこかへ行ってしまった。
今はただ、とめどなく襲い来る快楽に耐えるだけ。
それは彼女も同じだったらしく、二つの刺激に、幾度も絶頂を迎え、
それでもすぐに熱を高められる。
快楽から逃れようとスペインにしがみつくが、胸の突起がこすれられ、
更なる快楽を生み出すだけ。
「ベルもロマーノも可愛ええな。こない素直で」
自分の上で乱れ踊る元子分である男女を眺めながら、スペインは満足げに呟き。男女3人が織り成す饗宴。それは夜が更けるまで続いたのだった。
「なぁ、ベル、ほんますまんかった。だから、そろそろ出てきてくれん?」
クローゼットの前に座り込み、必死に声をかけているのは
太陽の沈まない国と呼ばれたこともあるスペイン。
困った顔をしながら、クローゼットの扉をノックするが、中からはしゃくりあげる声がするだけ。
「まいったなぁ。ベルも気持ちよかったんやろ。だからなぁ」
「いやや! 親分なんて知らん! 意地悪な親分なんて嫌いや」
「そりゃ、二人が気を失うまでやったのは悪かったと思っとる」
ちらりとベッドに視線をうつせば、意識を失い、ベッドに横たわっているロマーノの姿。
もちろん、下半身丸出しのまま。
気まずそうに頬をかき、スペインは大きなため息をついた。
「もう一回やりたかったんやけど……しゃーない。ロマーノに協力してもらお」
衝撃的な発言に、クローゼットの中のベルギーはぴくりと反応をした。
だが、男同士なのだから、そんな事はしないと思いつつも……
ハンガリーと一緒に見たそっち方面のビデオの事を思い出した。
クローゼットの中からでは、彼らの様子は見えそうに無い。
クローゼットから遠ざかる足音。布ずれの音。
「んー、ロマーノはヤった事ないだろうから、しっかりと濡らさんとなぁ」
小さなロマーノのうめき声と、何かの水音。きしむベッドの音。
顔がさーっと青ざめる。
「ちょっ、ロマーノ君にそないことやめ……!」
クローゼットから飛び出してきたベルギーが見たものは、男二人が絡む姿……ではなく、笑みを浮かべたスペイン顔。
何故か手には縄を持って。
「さーて、今度は束縛プレイといくか。またたーっぷりと可愛がってやるからな」
屈託の無い笑みのはずなのに、底知れぬ黒さが垣間見え。
「いややぁぁっ! 親分の意地悪ぅぅっ!!」
彼女の悲鳴は夜のしじまに解けて消えたのだった……
書き下ろし (スペイン+ロマーノ)×ベルギー
拍手の『3Pで』というのに答えてみました。
……だから、何で自分が書くと、親分がどSになるんだろ。
本気で不思議だ。
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