「ってわけで、お前のちんこ確認しに来たし」
城に帰った途端、玉座で勝手にくつろいでいたポーランドに突然そう言われ、
リトアニア一同は言葉を失っていた。
大公も目をぱちくりさせ、隣に佇むリトアニアに視線を向けた。
しかし、リトアニアもまだ彼、ポーランドの事は理解できていず、首をただ横に振るだけ。
「えっと、あれ冗談でしょ? 場を和ませる為にそう言っただけで」
「俺は冗談なんかいわないし。マジ、リト変〜」
『変はお前だよ』という突っ込みをどうにか飲み下し、言葉を発しようと息を吸い込み。
「ま、早くヤドヴィガと遊びたいし、ちゃっちゃと終わらすんよ」
いつの間にか、ポーランドは大公の背後に立っていた。
手をいやらしく動かし、にまっと不敵な笑みを浮かべる。
「そんじゃ、ご開帳〜」
家臣が止める間もなく、大公のズボンは下着ごと勢い良く下ろされた。
ずるりと顔を出す大公の一物。年の割りにはそんなに使いこなされていないようにも見える。
ポーランドは顔を伸ばし、彼の股間を凝視し、首をかしげる。
「んー、でかいって聞いたけど、そんなんじゃないし。並ってとこじゃね?
ヤドヴィガ心配してたから、安心だし」
ポーランドの言葉に、やっと我に返った女性の家臣の悲鳴が響き渡った。
すぐさま、近衛兵がポーランドを取り囲む。武器を突きつけ、大公の指示を待つ。
だが、刃をつきたてられた当の本人は緊張感無く笑い、近衛兵の武器を指でつついて遊ぶだけ。

「あー……私のを見て楽しいかい?」
「楽しいわけないし。見るんだったら、女の子の下着の方が可愛いし」
へらりと笑ってみせ……大公に顔を近づける。彼にしか見えないよう。
途端に見たことの無い真剣な眼差しになり、鋭い瞳で大公をにらみつけた。
「……ヤドヴィガを泣かせたら承知しないからな」
へらへらとした顔の裏に隠された真剣な眼差し。結局は民を、そして幼き王を愛しているのだ。
だから、皆を心配させぬよう、気楽な顔を見せているわけで。
それをやっと理解できた大公は苦笑を浮かべ、すぐに真剣な表情を返す。
「当たり前だ。女を泣かすのは趣味ではない」
大公の言葉を耳にし、ポーランドの表情がすぐに変化した。
再び気楽な笑みをうかべ、大公の肩をぽんぽんと叩く。
「よし、んじゃ、俺は帰るし。
あ、次来る時は、リトアニアのお菓子沢山もってくるし」
手早く近衛兵の輪の中から抜け出し、リトアニア一同に向かって大きく手を振る。
相変わらず不敵な笑みを浮かべ、彼らの城を後にする。
残された一同は言葉を失い……

「リトアニア、是非、ポーランドと仲良くしてやってくれ。私は気に入ったぞ」
「ええーっ、そんな事言われたって!」
嵐のようなポーランドは去り、沈黙に包まれた城の中でリトアニアの悲鳴に近い叫び声が響き渡り……


「まあ、俺もポーランド嫌いにはなれないけどさ」

ぽつりと呟いた言葉に、大公は満足げに頷いたのだった。




書き下ろし
3巻発売記念の大蛇足編
ちなみに元ネタは
http://nippon.zaidan.info/kinenkan/moyo/0000248/moyo_item.htmlより
ポーの口癖は難しいです。




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