「Trick or treat♪ お菓子いらないから悪戯させぐっ」
口の中に何かを押し込められた為、言葉が途切れた。
鼻をくすぐる甘い香り。舌の上で蕩ける甘さ。
その味わいに、彼は眉を潜める。
実に残念そうに肩を落とし。
「ちっ、完敗だ。やっぱりベルギーちゃんのチョコは美味だな」
「当たり前やん。愛がたーっぷり入ってるんよ」
可愛らしい袋からチョコをもう一つ取り出すと、彼……フランスの口に押し込んだ。
夏の太陽のような笑みを浮かべると、背筋を伸ばし、腰に手を当てる。
「さてっと、みんなに愛配ってくるさかい、またな」
楽しそうに人ごみの中へと駆け出していく。途中、振り返って大きく手を振り。かりっとチョコレートを歯で割る。中から濃厚な生クリームがあふれ出し、彼の指先を汚す。
残りのチョコを口に放り込み、指についた生クリームを紅い舌で舐め。
「……美味しいお菓子発見……」
非常に楽しそうに笑い、それから彼も騒ぎの中へと駆け出していった。
「Trick or treat?」
一通り配り終わり、窓辺に座って休んでいたベルギーに誰かが声をかけてきた。
「はいはい。チョコならばここに……あれ?」
袋をあさってみたが、中には何も入っていなかった。
散々みんなに配ってきたから仕方が無いだろう。
「ほんますまんな。今度チョコおくるさかい。我慢しぃ……んっ」
形の良い顎を押さえられ、背後から唇が奪われる。
まずは重ねるだけ。硬直する彼女の唇をこじ開け、舌先に触れる。
彼の舌から逃げようとするが、すぐに絡められ、動きを抑えられた。
彼女の鼻から漏れるくぐもった声に彼の頬が緩む。
ほんのりと香るチョコレートの香り。
顔を押さえたまま、呼吸をさせるため唇を離す。
「んふぁ……も、何でフランスく……うううっ」
文句を言わせないため、すぐに唇を塞いだ。
ぷっくりとした唇の感触が気持ちよい。
今度は舌の侵入を防ぐためか、奥歯をしっかりとかみ締める。
だけれども、女の砦を打ち砕く術は心得ている。
唇を重ねたまま、細い腰に手を回し、背中に指を走らせた。
彼の指の動きに身体が震え、口元が緩む。
その瞬間を狙い、口の中へと侵攻した。
中に入ってしまえば後は簡単。優しい彼女の事だ。舌を噛む事などしないだろう。
だから顔を押さえていた手を外し、胸元に滑り込ませる。
大きく開いた胸元。手は簡単に侵入できる。
滑らかな肌を楽しみ、柔らかな丘をなぞる。
手に当たったブラジャーをさり気無く外し、ポケットの中へと仕舞った。
ただ、下着を外しただけだから、見た目は変わらない。――ぷっくりと盛り上がった部分を除けば――
唇を解放してやり、息を大きく吐く。
潤んだ瞳で非難めいた視線をフランスに向けたが、当の本人は悪びれもせず、にこやかに微笑むのみ。
「ん……フランス君、なにすんの」
「何って……お菓子くれなかったから悪戯するだけだよ」
腰を支え、膝の上に誘う。すでに力の抜けていた彼女は素直に彼の膝の上に座り込む。
細い腰を指先でさすり、タイトスカートの裾から手を侵入させた。
滑らか肌に彼は頬を緩め、彼女の耳たぶにしゃぶりつく。
「んぁ……いやや、耳はぁ」
「じゃ、ここはどうかな〜」
脚を開かせ、下着の上から甘い雫を零す蜜壷をなぞりあげる。
下着の上からもわかるぐらい濡れていて、彼の指を湿らせた。
楽しそうに指先に蜜を絡め、下着をかき分けて直接蜜壷に触れた。
「ん〜ここから溢れてるのはなんだろうね。もしかして感じてる?」
顔を覗き込み、頬に口付けすると、彼女は頬を赤らめ、目を逸らした。
「意地悪やな。そないフランス君なんて嫌い……んんっ」
小さな水音を立て、彼の指が彼女の蜜壷へと沈んでいく。
「嫌いなんていうんだ。あー、お兄さん傷ついたからもっと意地悪しちゃおうかな」
ポケットの中から何かを取り出すと、にこやかな笑みを浮かべた。
その手にしたものは棒つきの丸い飴。
唇でカラフルな包装紙を破り、彼女の唇に押し付ける。
ほんのりと開いた唇から口の中へと侵入してくる甘い物体に首をかしげ。
「さて、しっかり濡らさないとキツイからね。
肩の力を抜いてよ」
口の中から引き抜くと唾液が糸を引き、銀色の弧を描く。
舌先で飴についた彼女の唾液を少しだけ味わってから、スカートの中に侵入させた。
ぬるりとした丸い飴の感触に肩を震わし、身体を硬直させた。
指で下着をずらし、飴を蜜壷に押し込める。
両方ともすでに濡れていたため、すんなりと中へと入っていく。
「いやや、ほんまや…やめぇ」
「そんな声出すと、みんなに気がつかれちゃうよ。
お兄さんは視姦プレイも嫌いじゃないけれど」
彼の言葉に身体を硬くする。今更だったが、ここはパーティ会場だったのだ。
視線を向ければ、少し離れた所で談笑する人々。いつ彼女の痴態に気がつくかわからない。
口を手を押さえ、溢れそうになる声を押さえ込む。
「いや〜可愛いねぇ。一生懸命になる女の子好きだな」
飴をしっかりと奥まで差込み、にんまりと笑うと、髪にキスを一つ。
「って事で、パーティ終わるまでその飴を落とさなかったら悪戯はこれでおしまいにする。
だけど、途中で落としたら……」
彼女を膝から解放し、頭を撫でてやる。それから手にした布にキス。
「ちなみにパンツとブラは貰っておくから。今度もっとえっちなの送ってあげるからね〜」
下着を振りながら、優雅に去っていく彼の姿を見送りながら、彼女は呼吸荒く、小さく身もだえ。
「……フランス君の意地悪……」
ぽつりと呟いた言葉は誰にも聞こえること無く。
「みんな元気だね〜」
にこやかに微笑む小悪魔姿のウクライナは、手にしていたメドーヴァヤを傾けた。
ピリッとした辛味が心地よい。
きょろきょろと辺りを見回していた人魚姫風セーシェルも、グラスに注がれたワインを傾け、幸せそうな笑みを浮かべる。
「ハロウィンっていいですね。皆で面白い格好で」
「そうだネ。皆変な……じゃなくて可愛い格好ダヨ♪」
その横でミニチャイナドレスなキョンシー台湾も笑いながらお菓子に手を伸ばし。
「そういや、リヒテンシュタインさんいないね」
「あれ? 本当です。ん〜どうしたんでしょうか」
首をかしげ、周りを見回すが、リヒテンシュタインの姿は無い。
「まあ、きっとどこかにいますヨ。ほら、食べないと私食べちゃいますカラネ」
お菓子を頬張る台湾の姿に、ウクライナとセーシェルは頬を緩ませた。
再びお菓子をつまみ出す三人を横目でみながら、ベルギーは小さく息を吐き。
「ん? 二人どうかしたのか?」
一人黙々とお菓子を食べていた天使風のベラルーシが妙に物静かな二人……ベルギーとハンガリーに視線を向けた。
「あ、いえ、何でも無い。うん、ベルギーちゃんのチョコってやっぱり美味しいわね」
慌てた様子でハンガリーがチョコを口に含んだ。
動く度に揺れるスカートの裾をしっかりと押さえながら。
だが、話を振られたベルギーに動きは無い。
頬を赤らめ、息が少々荒いように思える。
脚を動かし、何故か落ち着きの無い様子で。
「……ベルギーちゃん?」
心配したウクライナがベルギーの顔を覗き込もうと隣に移動し。
「はっはっはっは、お菓子貰ったけど悪戯しちゃうぞ〜」
酔いすぎたのか、股間に薔薇という正装をしたフランスが高笑いと共に女の子達の中に乱入してきた。
彼の行動に反応する前に、彼の瞳がきらりと輝いた。
素早い動きで腕を動かし、彼女達の足元に手を移動させた。
「さて、中身は何かな〜」
勢い良くスカートがめくられた。
彼の動きに反応できなかった悪魔的なセクシーの黒、人魚姫な蒼いレース使いの白、キョンシーなのかシンプルピンク、
天使なのにセクシーすぎる赤の紐が皆の目に晒され、
ハンガリーのスカートをめくりかけた途端に、がっしりと腕を掴まれた。
「ちょっ、痛いよ。ハンガリーちゃん。悪気の無い悪戯じゃな……たたたっ」
にこやかなハンガリーに腕をねじられ、悲鳴を上げるフランス。
「そう。悪気の無い悪戯ならば……同じ目に合いなさい」
戸惑いも無く彼の股間の薔薇に手を伸ばし、勢いよくむしりとった。
さらされた股間に、女性陣はしばらく無言になり。
「嫌ぁっ」
涙目でフランスにボディブローをかますウクライナ。
倒れこんだ所で顔に銀のお盆で追い討ちをかけるセーシェル。
やっと我に返ったのか、露になった股間を見ぬようひっくり返し、背中を踏みつける台湾。
そして、どこから奪ってきたのはかわからないが、カメラでその醜態を撮り、嫌な笑みを浮かべるベラルーシ。
だが、そんな反撃にも、意外に幸せそうな笑みを浮かべていたフランスに、ハンガリーは自己嫌悪のため息をつき。
「……なんでこんな時に限ってめくろうとするのよ。この馬鹿は」
小さく呟いた言葉に、ウクライナは不思議そうに首をかしげた。
「あ、いえ、こんな時って、そのそう、パーティの時ってことで」
さり気無く乱れたスカートを治し、微かに頬を赤らめるハンガリー。
騒ぎの原因となったフランスに睨みつけ……
「ちぇっ、もう少しでハンガリーちゃんのパンティ拝めたのに。
そんで、ベルギーちゃんのも……ね」
意味ありげな視線をベルギーに向け、ウインク一つし。
フランスの視線にベルギーは身体を軽く震わせ……からんとキャンディの棒が床に落ちた事に気がついたのは、この会場内で二人しかいなかった。
「あーあ、もうべとべとじゃないか。よほどノーパンノーブラが気持ちよかったんだな」
パーティも終わりかけの頃、再びフランスはベルギーを壁際に追い詰めていた。
スカートの中に手を突っ込み、溢れ出す蜜を指に絡める。
ほんのりと甘い香りが漂う蜜は、本物の蜂蜜にもよく似ている。
「いやや、そないこと言わんといて。フランス君があんな事すっからや」
首を振って涙ぐむ彼女の頬にキスをし、にんまりとした笑みを浮かべた。
「そんな事言っても、下のお口で飴を食べちゃった女の子は誰かな?
ほら、蜜たっぷりつけて」
先ほどまで中に入れていた飴の棒を彼女の前に差し出した。
棒の先まで蜜にまみれ、彼の指まで汚していく。
視線を逸らし、下唇をかみ締める。
だが、羞恥にも感じてしまったらしく、脚を無意識にすり寄せていた。
そんな姿を見て、更に彼の頬が緩んだ。
「さーて、そんじゃあ悪戯しちゃおっかな〜」
彼女の肩を抱き、壁に背を向けさせる。
軽く唇を重ねてから、床に膝をつかせた。
これならば、彼の体が盾となり、彼女の姿は見えなくなるだろう。
「さてっとそんじゃ、おにーさんのキャンディも食べてもらおうかな」
にんまりと笑い、ズボンをずらすと、自らの陰茎を取り出す。
先ほど、女性陣に痛めつけられたため、少しだけ赤みが刺してはいるが、百戦錬磨の愛の人らしく、迫力のあるモノだ。
そんなものを目の前に晒され、彼女は顔を真っ赤にし、視線を逸らす。
「……フランス君……ほんま止めんか?」
「嫌。やってくれないならば皆の前で合体でもする? 俺はそれでもかまわないけどな」
瞳を合わせるが、彼の瞳には迷いは無い。
冗談は言うけれど、やる時はやる。それがフランスなのだから。
唇をかみ締め、彼の陰茎におそるおそる触れた。
だが、触れるだけでそれ以上何をしていいのかわからず、首をかしげた。
「あれ? ベルギーちゃんフェラしたことないの?
ちょっと口を開けて、中に入れてくれれば良いだけだよ」
彼の顔と陰茎を交互に見てから、覚悟を決め、大きく口を開いた。
「うっ、けふけふ……はぁ」
だけれども、勢いよく口の中にいれたのはいいが、喉の奥をついてしまったらしく、激しくむせ始める。
涙目の彼女の頭を撫でてあげ、彼は大きくため息をついた。
「そんな慌てなくていいんだよ。そうだね、アイスを食べるようにやるといいよ」
「アイスを?」
再び首をかしげ、じっと陰茎を見つめた。それから大きく口を開け……
「ちょっ、まって。アイスのようにっていっても、歯を立てちゃダメだよ」
嫌な予感がしたのだろう。慌てて訂正を入れるフランス。
実際に彼女は歯を立てようと顎をかみ締めかけた所だった。
安堵のため息をつき、自らの陰茎を軽く掴んだ。
「そうじゃなくて、手でこれ支えて……そう、それから舌で舐めるように」
「ん……こう? ちゅ……んんっ」
おっかなびっくり陰茎に舌を這わす。
柔らかな手の感触。そして拙い舌の動きに彼は頬が緩み。
不意に窓の外に視線を向けた。
窓の外にいたのは木陰に佇むリヒテンシュタインの姿だった。
遠くだからよく見えないが、微かに身体を動かしている。
「ん? リヒテンシュタインちゃんどうしたんだろ」
とりあえず目が合ったので手を振ってみた。リヒテンシュタインも彼に気がついたのだろう。手を振りかえしてくれ。
「いっ!」
股間に走った痛みに眉を潜めた。
しゃぶり続けている彼女に視線を向ける。
「……こないときに他の女の子見はるなんて……いやや」
頬を膨らまし、そっぽを向く彼女の姿に、彼の興奮は高まりを増し。
「あーもう可愛い過ぎだ。ベルギーやっぱ俺のモノになれ」
「きゃっ」
彼女の身体を抱きしめ、頬を摺り寄せ始めた。下半身丸出しのままで。
彼女の悲鳴に気がついた女性陣がわらわらと集まり、彼の下半身をみて、二度目の悲鳴が上がり。「ちょっ、まっ、やん、そんなとこ殴っちゃ、お兄さん変な方向に目覚めちゃ……ハァハァハァ」
たこ殴り状態のフランスから1歩離れたベルギーは、ただ見守るしかできずにいた。
賑わいだパーティも終わり、各自帰宅の路につく。
暴れ疲れたフランスも一息つき、会場を後にしようとしていた。
「さてっと、んじゃ帰るかな……ん?」
彼の服の裾を誰かが引っ張った感触に、脚を止めた。
後ろにいたのは、俯いたままのベルギー。
「ん? ベルギーちゃんどうかしたの? もしかしてまだ足りなか……おっ?」
ふざけた声でおちゃらけようとしたのだが、彼女は視線を逸らし、ハンカチを差し出した。
「……ほんますまん。こない傷だらけにして。痛いやろ?」
申し訳なさそうに呟く彼女に、彼の感情は高まった。
「ああもうこの娘は! 可愛いなぁ」
こうなった原因は全て彼のせいであって、自業自得ともいえるし、誰かに叩かれるのは慣れている。
それも一種のコミュニケーションだと思っているから。
それなのに、彼の傷の事を心配してくれているわけで。
「畜生、折角収まっていたのにまた滾ってきた。ってことで、責任とってね」
彼女を抱き上げ、再び会場へと向かった。
もうこの時間ならば誰もいないはずだから。
ドアを蹴りあけ、彼女をおろした。「ん、ここなら誰もいないな」
後ろから下着のつけていない胸を揉み。
「いやや。もう、フランス君、やぁ……ん」
「嫌よ嫌よも好きのうちってな。さっきのじゃ満足できてないだろ。
たっぷり可愛がってあげるからな。ベルギーちゃん」
頬にキスをし、壁際に手を伸ばした。机の上に置かれたのは雰囲気作りのためのカンテラ。
それを手に取ると、会場の電気を消した。
暗闇の中、彼ら二人を照らし出すカンテラ。
ベルギーを抱き上げて、テーブルの上へとのせる。
「暗闇ならば恥ずかしくないだろ。さて、秘密の洞窟を探検だ〜」
「だから嫌……んっ、やぁっ」
スカートをめくりあげ、脚を開かした。
身をよじり、快楽に悶える彼女の声に、彼は熱が篭るのがわかった。
ぼんやりと炎に照らし出される彼女の肢体。
何度も女を抱いても、この大事な所に触れる瞬間だけは緊張する。
彼の吐息に反応し、目の前でぴくぴくと収縮をする蜜壷。
指先を差し入れ、蜜をかき出すと、大きく身体を震わせる。
「やっ、ふぁ……そこはいやや」
ぷっくりと立った豆を指先でつまみ、そっと転がす。
溢れ出す蜜を舌で拭い、舌をねじ込む。
その度に可愛らしい呼応を見せてくれる彼女。
それが楽しかったから、指の動きを止め、彼女の反応を見てみた。
身体を襲う快楽が止まったためか、惚けた顔でぼんやりと彼の顔を見つめ、頬を赤らめた。
何かを言おうと口ごもり。
「欲しいならば言葉にしないとわからないぞ」
からかう彼の言葉に、彼女は頬を膨らませた。
「……くれんの?」
「もちろん♪ 俺がこんな状況で我慢できると思うのか?」
唇を奪い、机の上に押し倒した。
何度も何度も口の中を味わいながら、ズボンを下ろし、いきり立った陰茎を彼女に差し入れた。
「ふぁ……ああ、入ってくぅ……あっ」
先端を入れた途端に、小さく身体を震わせ、手足の力が抜ける。
「もうイったのか。本当、可愛いな。ベルギーは」
彼女の肩を抱きしめ、耳元で呟いてあげた。
その時、どこからか男女の声が聞こえた気がした。
耳を澄まし、その声の持ち主を探す。
どうやら机の下からのようで。そしてその持ち主の傍らは恨みを抱いている男であり。
いろんな打算が頭を駆け巡り、深い笑みを浮かべた。
「ざまぁみろ。そこでうっぷん貯めてろ」
ぽつりと呟くと、彼女の腰を掴み、大きく打ち付けた。
――愛の国の男だけあって、そういう行為に関する知識と経験は豊富だ。
会議中でも気づかれずに性行為をする方法は知っている。音をなるべく立てなければいいのだ。
そして、逆も然り――大きな音が会議室に響き渡る。
的確に快楽ポイントを突いてくる彼の動きに、彼女は抑える事などできずにあえぎ声を上げ続けた。
「ふぁ、やぁ……そんな突いちゃ……んんっ、ふぁっ!」
ぎしりと机が軋む。荒い吐息と溢れ出す蜜が更なる音楽を奏で。
大きな胸を掴み、吸い上げる。その唇を肩、腕へとうつし、紅い痕を刻み付ける。
「気持ちいいのか。こんな俺のをぎゅっと締め付けて」
彼女の耳元で――少しだけ机の下の二人にも聞こえるように――囁き、動きを早めた。どれくらいたったのだろうか。
何度も彼女は絶頂を迎え、彼も何度か彼女の中に精を放った。
それでも彼女を求める欲は失われること無く、腰を深く押し付ける。
「ふぁ……んっ」
彼女の甘い声に混じって、机の下でも甘い声が聞こえ始めた。
きっと耐え切れずに始めたのだろう。
「ちぇっ、あいつらそういう関係だったのか」
彼女に聞こえぬようつまらなそうに呟き。
「ま、いっか。俺らとあいつらどちらが持つか勝負ってトコだな」
しなやかに踊る彼女の身体を抱き寄せ、唇を重ね……結局、一番最初にばててしまったのは、ベルギーという事を記しておこう。