熱い吐息が漏れる。
胸の突起を据われる度、押さえきれない吐息が零れ、彼女の頬を赤く染めた。
「や……馬鹿っ、髭が痛……んっ」
「痛いじゃなくて、気持ちいいだろ。ね、ハンガリーちゃん」
先端を唇ではさみ、ふくらみを手で揉みしだく。
強めに吸い上げると、口の中に濃厚で甘い蜜のような味が広がった。
「やっぱハンガリーちゃんのワインは美味しいね。これならばいくらでも飲めちゃうよ。
だけど」
快楽に身悶える彼女の腰を掴み、自分の膝の上に誘う。
ぐっしょりと濡れたワインセラーを指でなで上げ、そそり立つ自らのワイン瓶を収納しようとする。
それを察したのか、彼女は涙目で首を横に振り、抵抗するが、彼はにこやかな笑みを浮かべているだけ。
「ダメ。さ、俺のワインもテイスティングしてみて」
「馬鹿フラン……ひゃんんっ」
収納され、大きく身体を震わせる。
腰を持ち上げ、彼から逃げようとしても、彼の的確な動きに快楽を増幅させるだけ。
大きく揺れる胸からは、芳醇な液体が零れ落ち、魅惑的な身体を濡らしていく。
「やっ、もうダ……あっ」
身体を貫く快楽に、彼女の頭の芯が蕩ける。ワインセラーに彼のワインが注ぎ込まれ、二度の快楽を得た。
くたりとなる彼女の身体を抱き寄せ、首筋に口付けを残す。
「ほんと、ハンガリーちゃん可愛いなぁ」
彼女の身体の感触を味わいながら、背後で行われている痴態に苦笑を浮かべた。
「さあ、兄さん。私のウォッカを飲んで」
胸をさらけ出し、涙目のロシアに馬乗りになっているのはベラルーシ。
「あのさ、こんな事良くないと思うんだけ……ぐっ」
口を開いた途端、唇をこじ開け、突起を口の中へと押し込めた。
口の中を焼くような強いアルコールに、彼は少し眉を潜め。
「ああ、兄さんが私のを吸ってくれてる。んんっ、凄い気持ちいい」
幸せそうに身悶えるたび、彼の口の中にウォトカが注ぎ込まれる。
このままでは呼吸ができないからと、口の中の液体を飲み込むが、空になるたびに、新たに注ぎ込まれた。
アルコールによって熱くなる身体とは逆に、彼の頭の中に段々と空白が生まれていく。
もう少しで現実逃避に走る所で、彼の口は開放された。
口の端から飲みきれなかったものが溢れてくるが、もう彼には拭う気力も無い。
大きく安堵のため息をつき。
「って! ちょっとベラ!」
がしりと掴まれた下半身に、再び彼の悲鳴が響き渡った。
「大丈夫。今度は兄さんのウォトカを……」
「本当にやめ……あぁぁぁぁぁっ」
勢いよく吸い上げられる下半身の感触に、彼は悲鳴にならない悲鳴をあげ。
「賑やかやなぁ」
悲鳴をあげるロシアを眺めながら、スペインはポツリと呟いていた。
すでに繋がっているリヒテンシュタインに腰を押し付けながら。
リズム良く突かれるたび、彼女のチーズフォンデュとトマトソースがおいしそうに絡み合い、くちゅくちゅと音を立てている。
控えめの胸はイタリアが丁寧に味わっており、舌先に新鮮なチーズの味が広がっていた。
「リヒちゃんのチーズ美味しい。ほんと、これならば俺らのトマトソースと良く合いそうだね」
「当たり前だろ。チーズとトマトは最高なんだからな。なぁ、リヒテン」
「ふぁ……んっ、ロマーノ様のトマトソース……濃厚で……ちゅ」
口の中に押し込められたロマーノのリガトーニを、うっとりとした表情でしゃぶっていた。
「二人のトマトソースばかりじゃなくて、俺のトマトソースはどうや?」
少しスピードをあげ、腰を強く叩きつける。
段々と彼女の息が荒くなり、火照った頬で瞳を強く閉じた。
「ふぁっ、んっ、ああっ、もうダメ……」
大きく身体を震わせ、彼女は絶頂を迎える。
それと同時に、フォンデュ鍋と口の中に濃厚なトマトソースが注ぎ込まれた。
快楽にひくひくと身体を震わせる彼女に追い討ちをかけるよう、イタリアも強く胸を吸い上げる。
口の中に広がるチーズを、幸せそうに飲み込んで、ズボンをおろし……
「……って、ダメです。漫画といえど、食べ物を粗末にするなんてできません」
書きかけのネームを前に、日本は落胆の色を見せた。
ため息をつき、もう一度そのネームを眺める。
「……我ながらぶっ飛んだ発想ですね。
流石に人間ではないとはいえ、こんな奇想天外な事できるはずもないのに」
乾いた笑いをうかべ、再び大きなため息をついた。
「もし、これができるんだったら、私のは醤油ですかね。それとも日本酒?」
自らの股間を眺め、苦笑を浮かべる。
すると、一度意識したせいか、段々と股間が大きくなっていき。
「ネームやり直しの前に、一発抜いておくとしますか。
確かこの間買った百合漫画がありましたよね」
手元に薄い本とティッシュを引き寄せ、何度か深呼吸をし。
――その後、長い賢者タイムに入ってしまい、新刊を落としたとかどうとか――
初出 2011/05/24
今年最後の馬鹿ネタでした。
元は『各キャラの身体から名物が出てきたら』という雑談からでした。
本当に馬鹿ネタとしかいいようがありません。
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