「ふははははははっ! 今日の会議の舞台は俺んちだ!
ってことで、皆全裸になれ!」
「誰だ! イギリスに酒飲ませたのは!!」
唐突なヘンタイ発言に、ドイツがすかさず突っ込みを入れた。
某月、いつも持ち回りでやっている世界会議での出来事。
いつものように会議室に集まり、いつものようにアメリカが仕切ろうとした時だった。
G8の割には、カナダの代わりに中国が参加していたり、
女性がそろえられていたり、少々疑問を抱いていたのだが、
細かいことかと思い、誰もがさらりと流していた。
「あほですか! このまゆげ変態紳士!」
女性の一人、セーシェルが声を荒げて文句を言う。
しかし、イギリスはにやにやとした笑みを浮かべ、
「ここは俺んちだ。だから俺がルール! 法律だぁっ! 
……というのは置いといて。国同士の結束力と士気を高めるために、経営心理学者である……」
真剣な眼差しで淀みもなく、裸でいることの利点をつらつらと語り始めた。
一見、無茶に思えるだろう計画も、口八丁のイギリスの説明に、誰もが納得せざる終えない状況になり、
「そういう事ならば、お兄さん喜んで裸になるぞ☆」
いち早く、フランスが服を脱ぎかけ、イギリスがすぐに静止した。
「まて。ここは交流の意味をこめ、男女ペアになってお互いの服を脱がすというのはどうだ?」
女性陣は少し頬を赤らめるが、反論はないらしい。
すでにイギリスの言葉の魔術に飲み込まれたというわけか。
「で、どうやって相手を決めるの? 私は兄さんがいいんだけど」
「まあまて。日本には『アミダクジ』という、平和的に決定する方法があるというんだ。
今回はそれを採用させてもらう」
壁に大きく貼られた紙には、各国の名前。そして縦線が引かれた先に、女性の名前。
日本にルールを語ってもらい、運命のくじは引かれたのだった。


「まずは外れ組は……おおっ、日本と……俺かぁ。
ま、ヒーローは女の子を剥くものではないんだぞ」
はずれを引いたことに、半分は安堵、半分は口惜しさを感じつつも、
ある意味命が救われた事に、大きなため息をついた。
女性とはいえ、ここにいる女性は心身共に強い。命の危険さえあるだろう。
「では、私は交流の証として、ビデオでもとらせていただきますか」
「おっ、日本の撮影機材は一流だもんな。……後でコピーよろしく」
イギリスが耳元で呟くと、日本は力強く頷いた。
日本の撮影準備は終わった。アメリカの観賞用ポップコーンとコーラもそろえた。
――さあ、サービスの時間…ではなく、交流の時間の開始だ。

 

「まずは……えっと、最初は中国さんとウクライナさんですね」
「我の出番であるか?」
「え、私ですかぁ?」
興味なさそうな中国と、すでにもう泣きそうなウクライナが一歩前に出てくる。
巨乳美人がぷるぷると涙目で中国を見つめる姿は、妙にそそるものがあり、誰もが生唾を飲み込んだ。
「で、では、交流を開始し……」

「ほいある」

気の抜ける掛け声と共に、目にも留まらない手つきで、
ウクライナの服に手を伸ばす。あっという間に白い肌が露になった。
ぷるんとした胸が大きく弾け、たゆんたゆんと音を立てそうなほど揺れる。
大きく上下に揺れ、段々とゆれが収まっていく。
大きな胸のわりには、控えめな乳輪と薄い色をした乳首。
男女共に誰もがその白い巨乳に目が釘づけになった。あ、いや、貧乳マニアな日本は除くが。
あっという間に脱がされてしまったウクライナは、しばらく何が起こったか理解できず、ただ立ち尽くし、

「これも脱がすあるか。メンドクサイある」

下半身のズボンをもあっという間に脱がす。どのように脱がしたのかは、中国のみが知っている。
さすがは年の功というべきか。
むっちりとした太腿、さわり応えのありそうな尻、そして魅惑の秘所までが大勢の目にさらされてしまい。
「いやぁぁぁっ!!」
しゃがみこんで身体を隠すが、すでにもう遅い。
「中国さんってば、中々の技ですねぇ」
「だな。だけれども、もう少し脱がせる楽しみが欲しかったんだぞ。総合点数30点というとこか」
いつの間にか、審査員のような感想を述べる日本とアメリカ。二人に苦笑を浮かべ、
「女の裸なんてもう見飽きたある。で、我を脱がして……は無理そうあるね」
べそをかくウクライナの目の前で、潔く自ら服を脱ぎ捨てる。
すると、視界にもろに股間が入ってしまうことになり、
「やぁぁぁっ!」
再び、ウクライナの悲鳴が聞こえたのも、良い思い出だろう。

 

「次は……おおっ、少しは期待できるか。ロシアとハンガリーの出番だぞ」
「ん、僕の出番か。楽しもうね。ハンガリー」
無邪気な笑顔で言うが、何故か手には凶悪な水道管を装備していた。
負けずとハンガリーも優雅に微笑んで見せる。
「よろしくおねがいしますね。ロシアさん」
やはり、手にはフライパン装備中。
にこやかに笑う二人だが、取り巻く空気はシベリアより冷たい。

じりじりと二人は間合いを詰め……先に動いたのはロシアだった。
「えい♪」
手を動かしたのはどうにか見えた。しかし、それが何をやろうとしたのかまでは、理解できる者はいない。
微かに聞こえた何かが破ける音。一瞬遅れ、ハンガリーのスカートに深いスリットが入った。
「ちぇっ。胸元狙ったのに。残念」
「そんな動きじゃ、まだ甘いですよ」
お返しとばかりに、フライパンが振りかざされ……ロシアのコートの裾が切れた。
「OH! フライパンで物切れるんだ」
「いえ、あれはハンガリーさんぐらいしかできないような……やっぱりロシアさんが有利みたいですね」

先ほどとは打って変わって、まるでバトル映画のような光景に、一同は息を飲んだ。
武器を振るうたびに、二人の肌が徐々に露になっていく。
しかし、両者とも血は一滴も流しておらず、技のレベルの高さをうかがわせる。
友愛とか、友好とか、もうそんなの誰もが忘れ、二人の戦いを手に汗握って観戦し……
ハンガリーの首元に水道管が迫る。
一歩引いてさけようとしたが、とっさの事だったので踏み出が甘く、かわし切れない。
一閃。その一撃で糸が切れたかのように服が崩壊を起こし、
しなやかな身体が皆の視線にさらされることになった。
下着すらも、もうその用途をなしておらず、つんと天をむく胸が呼吸をするたびに上下に揺れる。

「あーもう私の負けね。さすがはロシアさん」
身体に残った服だった布を自ら破り捨てた。その姿はどんな男よりも男らしく。
すっとロシアに手を差し出す。その手をとるために彼女の前へと出てきて、
握り締め……る前に、その手は姿を消した。
「そーいうことで、今度は私がロシアさんの服を脱がしてもいいんですよね。
ふふふっ、無邪気な悪魔が涙を浮かべるシチュエーションも中々美味しいわよね。ハァハァハァ」

「え? え? あのさ、僕をそんないやぁぁぁぁぁぁっ!!」

腐の悪魔の手に、今度はロシアの悲鳴が辺りに響き渡った。

 

「乙女泣きしているロシアさんは置いといて……あ、ベラルーシさん、ここで襲うのは禁止ですからね。
次は……っと、イタリア君とセーシェルさんですね」

「はいはーい。がんばるであります♪」
「うぃ〜あんまり乗り気じゃないけれど、頑張るしかないですよね。とほほ」
半分諦めモードに入っていたセーシェルがとぼとぼと前に出てきた。

「あれ、セーちゃん元気ないね」
「そりゃ、元気ないですよ。何で裸にならなきゃいけない……ひゃうっ」
耳元から走った刺激に、声を上げ、顔を赤らめた。耳元にはイタリアの顔がある。
彼が耳たぶを軽くかんだのだろう。
「え? え、イタリアさ……やぁ…ん」
「セーちゃんの身体って綺麗だよね。日焼けした肌がすごく魅力的だもん」
耳元で甘い言葉をささやく。
手は肩を滑り降り、肩口から手を差し入れる。
ゆったりとした服は彼の手の進入をあっさりと許してしまい。
「あ、セーちゃんノーブラなんだ。触った感触はつけてないほうが気持ちいいけれど、
形崩れちゃうからした方がいいよ。
今度一緒に買いにいこうか」
肩の大きく開いた服を腰元まで下げる。二つの形の良い胸が空気にさらされた。
恥ずかしさに頬を更に染め、彼から顔を逸らす。気にせずに彼は胸の突起に唇を落とし、
スカートにも手を伸ばした。
南国の花が描かれたスカートの中は、すでに湿っており、指を差し入れると濡れた音を立てる。

「あはっ♪ もう下着意味ないね。それだったら脱いじゃってもいいよね」
純粋な眼差し。彼女は小さく頷く。両端のリボンを解けば、アッサリと外れた。
下着にキスを一つ。さりげなくポケットの中にしまいこみ、彼女を抱き寄せる。
「じゃ、最後の砦も壊すよ? いいよね」
「……はい……」
首元に吐息がかかる。ワンピースのファスナーが下ろされ、身体を隠していた布がはずされた。
健康的に日焼けした肌。魅力的なうなじに軽く歯を立ててみる。
びくっと身体を震わせ、涙目で彼を見つめ、

「じゃ、そろそろ中に……」
ズボンの中から、硬くなった自身を取り出す。割れ目に数回擦りつけ……
「あー、会議中だから、そういう事は後でヤってくれるかい?」
空気を読む気ないアメリカがずばっと言い放った。
あっという間に甘い空気は打ち砕かれ、セーシェルは我に返った。
周りにはにやにやと生暖かい目を向ける者たち。
「ふゃゃゃゃぇぇぇぇぇぇ!」
顔を赤らめ、自分の手で身体を隠す。
「童貞と聞いていてたのですが……女の子の扱いがうまいですねぇ」
「さすがはイタリアってとこだね。色気はあった。85点だな」
相変わらずのマイペースな審査員兼進行役が感想を述べ、
更にセーシェルの顔が赤くなったのは言うまでもない。

 

「それでは、気をとりなおして……フランスさんと……台湾さん……ですか」
「はいはいはい♪ やっとお兄さんの出番だね。じゃ、台湾ちゃん、
お兄さんがたっぷりと可愛がってあげ……」

「待ってヨ!」

今にも襲い掛かりそうだったフランスを静止する。
一見おとなしそうに見える台湾だったので、フランスは少し面食らってしまった。
こほんと咳払いをし……すでに全裸になっている人たちの方に視線を向けないようにして。
「今までの結果から見ると、先に脱ぐと不利な気がするヨ。
ですから、今度は私からフランスさんをぬ……脱がせて……」
「いやーん☆ 台湾ちゃんったら積極的♪ でもお兄さん、そういう女の子も好きだぜ」
おちゃらけてくれているおかげで、気恥ずかしさは多少減った。
こういうところはフランスに感謝しなければいけない。

お互い向かい合い、沈黙する。
震える手で彼の服のボタンを外す。恥ずかしさでまともに顔が見れない。
上着を脱がし、ブラウスに手をかけた。服越しに感じるほどよくしまった身体。
「くんくんくん、台湾ちゃって良い香りするね。シャンプーは何使って……」
「黙ってネ!」
沈黙に耐えられなかったのか、フランスが軽口を叩こうとするのを戒める。
彼も彼で、何となく恥ずかしくなってきたのだろう。視線が宙をさまよい始め。

「あとその一枚……だヨぉ」
残りは一枚。股間を隠す下着のみ。
これに手をかけてしまえば、この羞恥は終わる。しかし、女としての何かも失ってしまう気がしまい。

「えいっ」

ぎゅっと目をつぶり、下着に手をかけた。するりと下着を下ろそうとし……むにっとした何かをつかむ。
「や、そ、それお兄さんの」
「えっと、これ、下着じゃないヨ。もしかして下着の中に何か隠していたんだネ! ずるいヨ!」
目をつぶったままだから、ソレが何かは理解できない。
形を確認しようと軽く手を動かす。細長いもの。先っぽが少し膨らんでおり、暖かい。
「えーと、ナマコじゃなくて……あ、亀さんダ!」
「亀は亀だけど、そんなにもんじゃ……くぅっ」
握り締めると徐々に硬くなっていき、びくびくと血液反応が感じられた。
「新種の亀さん? そんなもの下着の中で飼ってたのカ? フランスさんってちょっと不思議だネ」
「不思議は台湾ちゃんの方で……ふぁっ、そんなこすらないで! 握られるとお兄さん……くぅ、だ、ダメだっ!」
「ひゃっ! 亀さんなんか熱いもの出したヨ。うー、亀さんの割にはイカ臭いような」
目をつぶったまま、彼の股間……男性器を握り締める台湾に、
一同は乾いた笑いを浮かべ……あえて見なかったことにした。

「さーて、次いくぞ」
「ちょっ、ま、お兄さんを助け……あっ、またそんなこすられるとまたぁ〜」
助けを求めるフランスをさらりと無視し、アメリカは次の対戦表……もとい、『アミダクジ』の結果を眺めた。

 

 

「さてっと、次は……ドイツさんとベラルーシさん。面白い組み合わせで……おや?」
日本が紹介する前に、すでに次のカードは対面していた。

「…………」
「………」

威圧感のある態度で二人はにらみ合う。
長い間、沈黙し……
「……規約に従わなければならない」
「わかってる。……どうせ兄さん以外は興味ないからどうぞ」
「すまない」
淡々と彼女の服を脱がしていく。
胸元の紺色のリボンを外す。背中のファスナーを下ろし、ワンピースを床に落とした。
肌を隠すのはシンプルなブラジャーとショーツのみ。
それだけの姿になっているのに、彼女は動揺一つ見せない。
どちらかというと動揺しているのはドイツの方だろう。
手にしっとりと汗をかき、微かに震えている。
視線をはずし、できる限り彼女の裸体を見ないようにはしているが、
下着まで手にかけるとなるとそうもいかない。
彼女の背中に手を回し、ブラジャーを外そうとしたが、手が震えるためか中々外せずせない。
あがけばあがくほど、彼女と抱き合う形になってしまい、更に同様が走る。
「……童貞野郎。こう……」
冷たい声で、髪をかき上げる。魅力的なうなじが露になる。彼女は背中に手を回し、ブラのホックを外した。
すとんと地面に落ちる。
固まるドイツに、一つため息をつき、するりとショーツも下ろす。
仁王立ちで立つ姿は、どこか神秘的で。

「じゃ、今度は私が脱がす。おとなしくしてて」
やはり淡々と彼の服を脱がす。全裸なのに、そんな事気にもしていない様子で。
靴を脱がし、ワイシャツのボタンを外し、ズボンをおろし……
下着に手をかけた時点で、彼女の腕が少し停止し……微かに染まる頬。
目を逸らして一気に下着をずり下ろす。
そして、二人は全裸となった。
「あー、何か淡々と脱がす方が妙にエロティックですね」
「だな。これは意外な伏兵だったぞ。91点」
日本とアメリカの採点など二人の耳に入らない。
二人はただ見つめあい……やがて二人とも頬を赤らめ、気まずそうに目を逸らしたのだった。

 

 

「さて、オオトリは主催者で、無茶な事いいだして混乱に導いてくださったイギリスさんと、
リヒテンシュタインさんです。
さあ、皆さん拍手をおねがいします」
「ちょっ、俺がリヒテンシュタインをか?」
少し酔いが覚めてきたのか、目を見開き、周りを見回した。
もう彼と司会者二人は全裸になっている。

「さあ、イギリスが言い出した事なんだから、しっかりとやるんだぞ」
期待に満ちた瞳に、彼は思わず後ずさり……
「……大丈夫です。私は大丈夫です」
健気に微笑むリヒテンシュタイン。しかし、頬は赤く染まり、小さく震えていた。
こんな少女を脱がすなんて事できそうにない。ここは恥じをしのんで自分だけ全裸になろう。
そう決意し、ボタンに手をかけた時だった。
そっと手にふれる柔らかな感触。彼女の手がボタンを外す手を止めたのだ。
「ダメです。お互いの服を脱がすのが交流でしたよね。それは私の役目です」
震える手が彼の服のボタンを外していく。肌が服の隙間から見えるたびに、視線が逸らされた。
どうにか脱がし終え、最後の一枚になった時、手が止まる。
泣きそうな顔を見た途端、イギリスは覚悟を決めた。
「最後ぐらいは自分で脱ぐ。お前は後ろ向いてろ」
「いえ。規則は規則ですから。私だってできますもの」
深呼吸し、心を落ち着ける。震える手をどうにか押さえ、一気に最後の砦を打ち破った。
一同から溢れる拍手。やり遂げたという安堵感で、彼女の膝ががくがくと震えていた。

しかし、まだ終わらない。今度は彼女の番だ。
「あー、後ろからやるから。そんな緊張しなくてもいい」
緊張は感染するもので、女性の服を脱がすのに慣れているはずのイギリスですら、
顔を赤らめ、視線が泳いでしまっていた。
背後に回る。一同に見えぬよう、体で覆い隠し、背中のチャックを下ろす。
ふわりとドレスが床に舞い落ちる。清楚なブラジャーやそれとおそろいのショーツ。
そして、白い肩が目に痛い。

「本当にいいのか?」
同意を求めたつもりだった。
だが、それは逆効果で、耳元でささやかれた言葉は身体を熱くし、肩を更に震わせる結果となった。
「んっ……お願い……します……くぅん…」
羞恥に耐える姿は健気で。緊張をほぐすよう、肩に優しく触れた。首筋にキスをする。
「……俺に任せろ」
「はい、お願いします」
ブラのホックを外……そうとしたが、フォックが見当たらなかった。あるはずのものが見当たらない。
混乱し始めたイギリスに、彼女は何か言いたげに唇を開きかけ、思い切って身体を対面状態に向けた。
視線を外そうとする彼の顔を手で押さえ、赤面して胸元を指差した。
「これ……胸元で外すタイプです……お願いします」
「あ、ああ……」
まっすぐに向かれるとお互い妙に気恥ずかしい。
彼はもうすでに全裸なのだから、彼女も目のやり場に困る。
どうにか前のホックを外し、胸の砦を取り去る。豊かとは言いがたいが、ふんわりと柔らかそうな胸。
触れてみたいという欲望に襲われる。しかし、そこは『紳士』という肩書きを胸にどうにか押さえ込んだ。
ここまできたらもうどうとでもなれと、彼は肩膝をつき、しゃがみこんだ。
ショーツに手を伸ばす。少女はぴくりと反応し、小さく頷く。
ゆっくりと下着を下ろしていく。
はえてもいない美しい割れ目に目が釘付けになりかけたが、
どうにか足からショーツを外すことに成功し、高らかに下着を掲げた。
それは、勝旗を掲げるかのように、風になびく。

 

 

「さ、これでおしまいですね。それではお疲れ様でした」
「ちょっと待て。肝心な会議はこれからだ。それに、日本、お前だって脱ぐのが礼儀ってもんだろ」
勝手に締めて、とっとと帰ろうとしていた日本の肩を、イギリスががしっとつかんだ。全裸で。
「そうだな。規約は守るのが日本の美ってものだろう」
「そーだね。日本も楽になっちゃいなよ」
もう片方の肩をドイツの手がつかみ、にこやかに肩をぽんと叩くイタリア。やはり二人とも全裸で。
「死ねばもろともある」
「だね。裸になったって凍死しないから安心してよ」
何かを悟ったかのような顔で呟く中国と、にこやかに怖い事をいうロシア。全裸以外のなにものでもなく。
唯一の着衣仲間であるアメリカに、救いの手を求め……日本は驚愕した。
すでに全裸になっており、楽しそうに日本いじりを観戦していたのだから。
「よーし、女の子の諸君、日本をむいちゃうぞ。フランスお兄さんに続け♪」
高らかに宣言するフランスの言葉に、女性たちの瞳がきらりと輝いた。皆、全裸で。
「ちょっ、ま、こんな爺の裸なんか見たって面白くないで……アァァァァァァァァァ!!」
「日本さんの裸体……いい資料……ハァハァハァ」
「やっぱり日本さんって褌なんですねぇ」
「うぁ〜これ、どうやって外せば。まあいいです。ひっぱればきっと外れますよね」
「お兄様より華奢な身体なのに、結構筋肉がついてますわ」
「……ぷっ、ほーけー」
「ダメよ。本当の事いっちゃ。日本ちゃんだってきにしているはずよ」
嬉々として服を剥ぐ女性陣(全裸)にもみくちゃにされ、日本は涙目になっていた。

――そして――
「……なんか日本、羨ましいんだぞ」
傍から見ていると、ただのハーレム状態な日本の状況に全裸なアメリカがぽつりと漏らす。
『だな』
日本以外の男たちは大きく頷き……ただその惨状を眺めているしかなかった。全裸で。

 




2009/07/05初出
ttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090704_nude_work_office/ より
カップリングは実際にアミダクジで決めてみたので、特に意図はありません。
変わったカプはやっぱり書いてて楽しいです。


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