「ね、イギリス君。最近おうち苦しいから、援助してくれないかな?」
踊る会議中、耳元で囁いてきた女性の言葉に、彼はぴくり肩を震わせた。
ちらりと彼女……ウクライナの姿を確認し、小さくため息を一つ。
「嫌だ。お前んとこ援助したからって、俺に何か利益があるわけじゃないし」
そっけなく答え、再び書類……に見せかけたポルノ小説に視線をうつす。
丁度、お嬢様だったジェシカが娼婦に身を落とすというおいしい場面だったから。
騒いでいるフランスとイタリアに感謝しつつ、緊迫の次ページへとむかい。
下半身でもぞもぞと動く何かの感触に、眉を潜めた。
そういう小説を読んでいるから、下半身に血液が集まっているのはわかる。
しかし……
ズボンのチャックが下ろされる感触。それから下着の隙間から元気になったものが顔を出し。
「ちょ! ま!」
奇妙な叫び声を揚げてしまい、会議室が一瞬静かになった。
皆の視線がイギリスに向けられる。
冷や汗が背中を伝った。今現在、下半身は何故か丸出しの状態で。
これに気付かれてしまったら、フランスと同等の……いや、フランス以上の変態にされてしまうだろう。
なんたって、股間は薔薇で隠されていない状況だから。
視線を泳がせ、しばし沈黙し……
「あ、あはは〜まったくもう、こいつは〜」
引きつりそうになる顔にどうにか笑みを浮かべ、何もいない宙に向かって何かを突っつく仕草をする。
「いつもの発作か。迷惑かけるんじゃないぞ☆」
あからさまに馬鹿にした顔で微笑むフランスを殴りたい衝動に襲われつつも、必死にこらえた。
イギリスに注目していた一同は、小さくため息をつき、視線を暴走しているフランスに向ける。
安堵のため息をつき……再び熱くなったモノに何かが触れる感触に再び声をだしかけ、どうにか抑える。
視線を下半身……机の下にうつし。
「……呪うぞ」
「やだ〜イギリス君ってば紳士のはずなのに、そんな怖い言葉はくんだ。おねーちゃん悲しいわ」
視線の先には朗らかな笑みを浮かべたウクライナがいた。
しっかりと手に陰茎を握って。
「馬鹿。とりあえず手はなせ。それからはなれろ」
小声で注意するが、彼女は首を横に振り、満面の笑みを浮かべた。
「援助してくれる気になったら離してあげる。んっ」
元気な下半身に口付けを一つ。反応を上目で確認し、満足げに微笑むと、唇を開き、口内へ誘う。
「く……っ」
脳天を襲う快楽に飲まれそうになるが、プライドがそれをせき止めた。
陰茎をつつみこむ彼女の柔らかい指。舌先が動けば、くすぐったいような感触に血液が集中する。
「ちゅ……ちゅ…んん……イギリス君の元気ねぇ」
唾液にまみれた陰茎が淫猥に光る。
先端から溢れ出す雫が彼女の白い指にくっつき、糸を引く。
弾力のある唇が、陰茎を包囲し、強く締め付け。
意識を他に向けようと、本来の会議資料に目を通すが、どんな文章ですらもエロく感じてしまう。
今ならば、車にでも発情できそうな勢いだ。
「畜生……」
熱くなる顔を手で覆い隠し、小さく舌打ちをする。
下半身はあんなに熱いのに、背筋は凍るように冷たい。
こんな場面を誰かに気づかれたりしたら、一巻の終わりだ。
「あれ、ハンガリーちゃんがこっちを見て……気づかれたかな?」
背に嫌な汗が流れ落ちた。慌ててハンガリーがいるである方向を見て。
「見てねぇじゃねーか……っておい!」
急激に攻めてくる彼女の口内。先ほどとは明らかに違う刺激。
様子を見るために意識を逸らしたのが間違いだった。
強く吸われ、理性が決壊する。
「ん……ぅんん……んぐっ。ご馳走様♪」
先からあふれ出した白濁液を零さぬよう口をつぼめ、しっかりと飲み込むと、彼女はにっこりと微笑んだ。
快楽と脱力感で白くなる視界。力が抜け、机の上にへたれこみ。
「何、寝てるんだい? 会議中に寝るなんて不真面目だな。君は」
馬鹿にするアメリカの声に反論する事はできず、煩そうに手を振るのが精一杯だった。
「イギリス君は寝不足なんじゃないのかな?」
澄ましたウクライナの声に、勢いよく起き上がる。
すでに彼女は自分の席へと移動しており、何事も無かったかのような笑顔を浮かべていた。
「……あのアマ……」
憎憎しげに呟くと、再び力なく机に突っ伏し……
そんな彼は誰にも気にされる事無く、会議はいつものようにまとまりも無く続いていて。
「何のつもりだ?」
「何のつもりかって……最初に話したじゃない。援助してほしいなーって」
手短な椅子に腰掛けながら、彼女は首をかしげて見せた。――会議の後、にこやかなウクライナを不機嫌そうなイギリスが首根っこつかみ、空き室へつれてきたのだった。
もちろん、きっちりと問い詰めるため。
いつもの紳士的な態度はない。やや海賊の雰囲気が漂っている。
そんな空気に気がつかないのか、はたまた気にしていないのか。
無防備に微笑む彼女をじっくりと観察する。
性格は食えない所もあるが、身体はかなり魅力的だ。
特に巨大な胸。あれだけ大きいとなると、重力に負けそうだが、彼女の胸は重力に負けず、高さを誇っている。
ブラジャーのせいなのだろうが、それでも垂れていないのはさすがと言うべきか。
だが、ブラをつけているはずなのに、身体を動かすたび、波を立てて大きく揺れる。
このままでは、肩紐が切れてしまうのではないかと思うほどに。
白いブラウスの胸元は、ボタンを酷使している事が確かであり、いつ限界を迎えてもおかしくないほど。
胸元を基準に服のサイズを選んでいるのか、胸以外はがぶかぶかでちょっとした仕草で肌が見えそうになる。
しかし、肌着を身に着けていないのに、ブラウスからは下着の色が透けては見えない。
という事は、意外にも純白の下着をつけているという事で……「あのさ、話聞いてる?」
いつの間にか目の前に近づいていた彼女の顔に肩を震わせた。だが、どうにか声を出す事は抑えられた。
これ以上、弱点を見せてはいけない。
まったりしているように見えて、実の所は結構腹黒いのだから。
(結構やってるんだろうから、乳首も黒かったりな)
と、頭に浮かんだ下劣な考えを、頭を振って追い払い。
じーっと見つめてくる彼女から目を逸らさない。
ここで逸らしてしまっては、負けてしまう気がする。
二人はただ、黙って見つめ……いや、にらみ合い。
突然、彼女の顔に笑みが浮かんだ。
瞳一杯に彼女が映りこんだ。頬をくすぐる甘い香りのする髪。
唇をこじ開け、何かが入ってくる感触。
まだ何が起こったのか理解できていない脳みそを叩き起こし、彼女の肩を強く掴んだ。
「ん……痛いよぉ」
潤んだ瞳で見られてしまっては、彼女を掴む手の力も抜けてしまう。
それを好機と思ったのか、彼女の唇がもう一度重なった。
生暖かい舌が入り込んでくる。彼女の唾液が口の中で交じり合い、中をあらされる。
キスなんて慣れているはずなのに。
チェリーボーイのように口で呼吸をしかけ、慌てて鼻で息を吸う。
荒くなった鼻息が彼女にかからないよう、少しずつ。
自分の唇を楽しそうに味わう彼女。少しだけ瞳が開き、一瞬だけ唇が離れた。
「もう、キスの時は目つぶらないと」
唇の端から零れ落ちる唾液を目にした途端、鼓動が早くなるのを感じながらも、彼は目をつぶった。もう一度重なる唇。
長い間、お互いの口内を荒し。「ん……イギリス君ってば可愛いね」
鼻を抜ける甘い息の後、口から出てきたのはそんな言葉だった。
『可愛い』は男にとってあまり好意的な言葉ではない。
特に弟ともいえるアメリカにいろいろ追い越された兄という立場のイギリスにとっては、嫌な言葉の一つだ。
「可愛いいうな。全く……いい加減に……っ!」
顔に押し付けられた胸に彼の呼吸が止まった。
柔らかな胸。服の上からもわかるぐらい張りがある。
何を食べたらこんなに大きくなるのかと思うほど大きい。
鼻先をくすぐる胸の香り。
胸の谷間に顔を突っ込んでしまいたい欲望に襲われそうになるが、大いなる理性でどうにか保つ。
「……おっぱい好きなんでしょ。もっと素直になればいいのに」
脳を溶かすかのように甘い誘惑の声。
どうにか顔を上げ、睨みつける。
「何考えてるんだ?」
「だから、援助して欲しいって言って……ま、いいや。とりあえずやろっか」
朗らかな笑みで勢いよくブラウスを脱ぎ捨てた。途端に露になる大きな胸に彼の瞳が釘付けになる。
実際に生で見ると大きくて、でも予想より乳首の色は薄くて。
それよりも何よりも一番気になったのは。
「ブラジャーつけていなかったのか?」
「あ、これ?」
自らの胸を両腕に乗っけて見せた。腕の上に収まりきらない乳房が重たげに揺れる。
目に眩しい白い肌に、彼は生唾を飲み込んだ。
「ん〜さっき肩紐切れちゃったから、外しちゃったの。
あ、そうだ。イギリス君、可愛いブラジャー買ってくれないかな?」
胸を寄せ付け、上目遣いでお願いしてくる。
魅惑的な光景に、反射的に頷いてしまいそうになるが、ここで頷いては彼女の思うがままだ。
胸から視線を逸らし、眉をひそめる。
「それをしたら俺にどんな利益があるんだ?」
「んーと……私とえっちできる……じゃ駄目だよね。
それじゃあさ、私が先にイったら今回は諦める。でも、イギリス君がイったら援助してね」
お気楽にウインク一つ。両手で胸を掴んでみせた。
いつの間にかまた視線は彼女の胸を凝視していたらしいが、すぐさま計算が始まった。
すでに一回抜いているし、女の経験は豊富だ。簡単に自分がイく訳がないと、妙な自信がわいてて出る。
彼も不敵に笑ってみせる。少しだけ余裕が出てきたのだろう。
「その勝負うけてやる。俺のテクを味わえ」
「やーもう、イギリス君おやじくさい台詞だよぉ。ま、いいけど」
最初は軽いキス。それから再び彼女の口の中を積極的に荒し始める。
唇を奪いながら、目の前にある胸に触れた。
すでに尖った先端に触れた途端、肩を震わせた彼女の姿に、笑みが深くなった。
「期待してるんだろ。もうこんな硬くなりやがって」
指先でつまみ、爪で軽く刺激する。大きく息を吐き出し、潤んだ瞳で彼を見上げてくる。
「んぁ……やぁ…イギリス君上手……んんっ」
がくがくとしてきた彼女の膝に足を差込み、逃げれぬよう身体を固定する。
会議用のテーブルに彼女の腰を押し付け、少々荒めに机の上へと体を横たえた。
その間にも、胸への刺激は忘れない。
「淫乱だな。誰にでもそうやって股開いてるんだろ。金を稼ぐために」
彼は黒い笑みを浮かべる。
かなり侮辱的な台詞だとはわかっているが、心の奥底から溢れ出す重い感情は押さえられそうにない。
「はぁ……ぁんぅ! し、しょうがないんだもの。
ロシアちゃんから離れないといけないのに……んっ、私には何もないから……身体しかないから」
一瞬見せた寂しげな瞳に、彼の攻める動きが一瞬止まり。
すぐに満面の笑みを浮かべてきた彼女に、激しく後悔をしたのだった。
「ん、でもえっち好きだからいいけど」
あっという間に彼の腕が掴まれた。机の上に身体が投げ出される。
今度は彼が組み敷かれた状態になっていて。
「さーて、反撃開始だね」
大きな二つの乳房が彼の上で揺れる。
呼吸をするたびに、大きく震える乳房。両手で包み込むのも難しいぐらいの大きさ。
それでも両手で掴みたくなるほどの存在感。
だから、彼が釘付けになるのも仕方が無い事だろう。
「さーてっと。たっぷりとおねーちゃんのおっぱい味わいなさい♪」
谷間に手をいれ、二つにわりいる。そして身体を彼の上に横たえ。
丁度、胸の間に彼の顔がはまるように身体を押し付けた。
「ちょっ、ま……ぐっ」
顔全体を包み込む温かく柔らかい感触に唾を無意識に飲み込んだ。
視界は白い。鼻呼吸をすれば、ミルクに似た甘い香りが脳髄を刺激する。
口で呼吸しようと唇を開き。
「んっ、あっ、ダメよ。舐めちゃやーよ」
くすぐったそうにあえぎ声を上げる彼女の姿に、熱が高まっていく。特に下半身に。
逃げ出そうとじたばたしてみたが、しっかりと胸で押さえつけられて動けそうに無い。
両手で胸を動かし、彼の顔を刺激する。
擦れるたびに鼓動が異様に早まっていく。
直接的な性的刺激はないはずなのに。
女の身体は飽きるほど抱いたというのに。「おとなしくしなさいね。イギリス君」
耳元で囁かれる。吐息がかかるぐらいに近くで。
そして耳に熱い吐息があたり……限界に達した。
「……ぐぅっ」
彼は小さく震える。
一瞬の快楽。そして下半身を襲う生暖かい感触。
段々と熱が引いていき、冷えてくる下半身。
「あれ? もしかして……」
「もしかしてだ。悪かったな。畜生……」
絶望的な声を出す彼に、彼女は気まずそうに笑い、身体を離した。
途端に彼は地面に崩れ落ちた。片手で顔を隠し、肩を落とす。
「えっと……うん、ごめん。おねーちゃん遊びすぎた。こんなに早いとは……」
「早い言うな! 俺とした事がこんな事で……」
今にも泣きそうな彼。
仕方が無いだろう。百戦錬磨の大国イギリスが、女の胸だけでイってしまったのだから。
それも下着の中で。
冷たくなる下半身の感覚に、大きくため息をつき。
「……で、どれだけ援助すりゃいいんだ? いや、俺が金額提示なんかできねーか。
これをネタにたっぷりと搾り取れるんだからな」
あげた彼の顔には深い絶望と自嘲気味の笑みが浮かんでおり。
その顔を見た途端、彼女の心を占める感情が溢れてきた。
それは同情でも罪悪感でもなく。
彼女はしゃがみこんだ彼の前に座り込み、顔を覗き込んだ。
ふるふると震え始める肩に、一瞬泣かせてしまったかと彼は彼女の顔を見上げ。
「イギリス君可愛い♪」
首に腕を回し、情熱的に唇を奪った。
舌先で彼の口内に侵入し、舌を絡める。
最初は何が起こったのか理解できなかったらしく、大きく目を見開いていた。
だが、すぐに現状把握したのか、彼女を引き離そうと肩を掴み。
「……ふぁ…ん、やだぁ、おとなしく……ね」
イったばかりの下半身に柔らかい感触。
いつの間にか下半身に彼女の手がもぐりこんでいた。
自らの精液の冷たさに萎えてしまっていたはずなのに、彼女の手のぬくもりに敏感に反応してしまい。
「あはは、元気だね。これならばもう一回大丈夫かな?」
復活しかけてる下半身に視線に視線を向け、笑みを浮かべ、床に押し倒す。
唇を首筋に這わし、緩んだネクタイを外し、ワイシャツのボタンを一つ一つ外していった。
露になる肌に唇を落としながら、もう一つの手で下半身を弄り。
「ん…またおっぱいでかまって欲しい? それとも……」
少しだけ腰を上げ、彼女は自らのズボンを下ろした。
すでに蜜の滴る秘所。下着はじっとりと濡れ、割れ目をくっきりと映し出している。
指先でその割れ目をなぞり、蜜を絡ませる。
「こっちがいいかな? ねぇ」
蜜のついた指先を、彼の唇に押し当てた。
鼻先をくすぐる女の香り。
それだけで理性が崩壊しそうになる。
「……うぁ…ぐ、中に……」
もうプライドなど無い。率直な欲望を口にし、彼女を求め始める。――しかし、彼女は悪魔の如し、満面の笑みを浮かべた。
「うん、わかった。おっぱいの中がいいのね。もう、イギリス君ったらおっぱい星人なんだから」
「ちがっ! ぐっ」
解かれたネクタイで手首を縛られる。動かぬようしっかりと。
見下げる彼女の顔は良く知った誰かの姿と重なって見えた。
無垢なように見えて、実は残酷な……
(ああ、やっぱりロシアの姉なんだな)
心の中で納得させられた。この残酷な行為を見せられれば。「うわっ、一回出したはずなのに、たっぷり出したね。それに……んっ、すっごく濃い」
下着にこびりついた精液を指で拭い取り、自らの口に含んだ。
それから、元気になった下半身の前に跪くと、胸を持ち上げた。
豊かな胸の合間に陰茎をはさみ、ゆっくりと彼に身体を近づける。
胸に挟まれ、びくびくと滾らせる陰茎の先端に軽く口付け。
強い精液の香り。そしてじんわりと漏れてくる透明な液体。
「もう我慢できないんだ。こんなにだらだらとたらして」
双丘から顔を出す亀頭を口を含み、胸を両端から押さえつけ、刺激を与えた。
時折、動きを止め、根元から先端まで指先でなぞり、反応を確かめる。
「ん……ちゅ、そんなしかめっ面しないでよ。ほら、もっと笑って」
「笑えるか。馬鹿」
刺激に耐えながら、簡潔に、けれどももっとも思いを込めて、やっと声に出した。
少し油断してしまえば、あっという間にいってしまいそうなほど、身体の熱は高まっている。
しかし、ここで出してしまったら、何かが壊れてしまう気がして。
『イギリス帝国』と呼ばれた事もある者の最後の砦は壊さぬよう。
「んもう、そんな強情だと、また一人になっちゃうよ」
的確にトラウマ部分を狙っての発言に、思わず瞳に涙が浮かんできた。
「悪かったな。どうせ一人だよ!」ぽそっと呟いた言葉。それは彼の中のプライドが打ち砕かれた証であり。
陰茎が大きく震える。彼女の胸の間に白い液体が溢れだす。
慌てて口を開き、精液を飲もうとするが、すでに半分以上は出てしまい、大きな胸を白く汚していく。
「あー、もったいないなぁ。出すならば出すって……」
胸にたまった精液を指で拭い取り、実においしそうに口へと運ぶ。
陰茎にまとわりついた精液を舐めとり、出きれなかった液体を軽く吸い取る。
始末をしている間も、彼の反応は無かった。
首をかしげ、彼の顔を眺め……思わず彼女の顔に苦笑いが浮かんでいた。
なぜならば、彼は泣きじゃくっていたからだ。
子供のように大きな涙を零し、拳で雫を拭い取る。
それはまるで子供返りしてしまったかのような錯覚に陥った。
「うーん……ごめん。だから泣き止んで。ね」
「うるさい! どうせ俺は味音痴で友達いなくて早漏でそれでそれで……うううっ!!」
顔をぐしゅぐしゅにして泣きじゃくる彼に、ため息を一つ。
「はいはい。お料理は美味しくないけど、イギリス君には私がいるじゃない。
それに早漏も悪くは……」
「早漏いうなぁぁ!」
更に泣きじゃくる彼。苦笑し、彼の頭を抱き寄せた。
豊かな胸に顔を押し付け、頭を撫でてあげる。
「しょうがないなぁ。今日はおねーちゃんに甘えなさい」
慈愛に満ちた彼女の微笑みに、一瞬、きょとんとし……それから乳首に吸い付いた。
だが、それは性行為としてではなく、乳児が母乳を吸うような行為で。ミルクの出ないはずの乳首を吸う音と、しゃくりあげる声。
それはいつまでも続き……
お財布を満面の笑みで眺めているウクライナ。
機嫌が良いのか、微かな鼻歌まで聞こえる。
「あら、どうしたの? ウクライナちゃん」
三つ編みを巻いた金髪の美女がウクライナの背後に回り、手にしていたお財布を覗き込み。
「あ、これですか? ちょっと良いお小遣いをくれるひと見つけたんです。
だからしばらくはお金に困らないかなーって」
その言葉にどういう意味が含まれているのか、同じような体質を持った者同士なのだから、すぐに察知したのだろう。
女性はにっこりと微笑み、ウクライナの頭を撫でてあげた。
「さすがは私のウクライナちゃん。
そういうお友達はたーっくさん作りなさいね」
「わかってまーす♪ じゃ、今日もそのお友達の所行ってくるね」
にこやかな女同士の会話。ただし、言葉の裏には色々と黒いものが隠れており……「イギリスくーん♪」
背後から聞こえてきた女性の声に、イギリスの肩は大きく震えた。
振り向きたくなかったが、そこで振り向かなかったら事態は悪化するだけで。
絶望的な表情で、ゆっくりと振り返り。イギリスの悪夢は続くようである。
書き下ろし
拍手返しのイギリスの
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
なリクに答えてみました。
何故かイギリスが不憫な事になりましたが……不思議だなぁ。
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