「女の秘密の花園……じゃなくて、秘密の快感スポットは絶対にある!」
「んなもんあるわけねーじゃねーか。本気で馬鹿だな。お前は」
 いつもの騒ぎ。フランスとイギリスの喧嘩。
 今回はあまりに馬鹿馬鹿しい口喧嘩だった。
 きっかけはイギリスで『Gスポットの存在は疑わしい』という研究論文を発表した学者がいた事だった。
 それにすぐに反応したのは犬猿の仲のフランス。
 愛の国というだけあって、女性を感じさせる事に命をかけているのだろう。
 だから、女性が喜ぶポイントはしっかりと抑えておきたいわけで。

 反論は相手の反感を買い、事態はどんどん大きくなっていき……

「俺んちのセクシーな美女達を研究材料にすりゃ、簡単に結論が出たのにねぇ」
「うっせぇ! お前んちじゃ、演技が当たり前だろ!」
 段々とエスカレートしていく口喧嘩。周りにいる女性達の顔はすでに真っ赤で。
 全く進まない会議に、ある男は大きくため息をついたのだった。


「お前達の喧嘩に終止符をつけるべく、研究をしてきた。この資料を見ろ」
 定例会議が始まった途端、むすっとした顔のドイツは、机の上に大量の資料を並べた。
 厚い資料の表紙にははっきりとした文字でこう書かれていた。

『女性のGrafenberg spot、所謂Gスポットの有無について ドイツ・イタリア・日本共同研究』

 彼が馬鹿真面目なのは良く知ってる。変な方向にも全力で。
 だから、喧嘩していた二人は非常に嫌な予感がし、その資料に目を通し始めた。

 

 

Gスポットに関する研究報告書。
対象。女性国家。
ハンガリー・リヒテンシュタイン・ウクライナ・ベラルーシ・セーシェル
ベルギー・台湾・モナコ・ワイ公国

 某日、女性国家を一室に集め、研究の内容を説明する。
 最初はそれをセクハラだと思い、不機嫌にもなったが、真摯に趣旨を説明すると皆納得してくれたらしい。
 3班にわかれ、各国のGスポットについて探ろうと思う。

「えっと……それでその……どうすれば」
 顔を真っ赤にしたリヒテンシュタインが問いかけてきた。
 俺は手にしていた検査器具に異常が無いかを確認ながら、淡々と言い放つ。
「まずは全裸……恥ずかしければ下半身のみでもいい。足を開いて、こちらを向いて欲しい」
 周りに人がいるから、中々全裸になるのは難しいだろう。
 どうせ用があるのは下半身だけなのだから、下だけでも研究に差し支えはないだろう。
 もじもじと体を動かし、横に並んだ二人をちらりと見て。
「あのぉ……一人ずつじゃダメかな? さすがに」
 やはり真っ赤な顔のウクライナが首をかしげてきた。
「大丈夫だ。研究の為だから。個人の秘密は守秘する事を誓う」
 再び三人は顔を見合わせ……最初に動いたのはベラルーシだった。
他の二人の緊張をとく為だろう。ああ見えて、意外に姉思いでもあるからな。
 ワンピースのボタンを外し、勢いに任せて脱ぎ捨てた。
 下着は意外にも黒いもので、結構セクシー……こほん、いや、ここではそのような事は関係ない。
 下着に手をかけ……俺の方を睨みつけてきた。
 だが、ここで温情を与えたら、研究が成り立たない。
 俺は大きく首を横に振り。
「変態が……」
 呟いた小さな声に、俺の背筋がびりびりとしたのは……きっと気のせいだろう。
 するりと足元に下着を落とす。露になる柔らかな茂み。
 床に座り込み、震える足を抑え、俺の目の前で股を大きく開いた。
 その行動が残りの二人に刺激を与えたのだろう。
 二人とも下着を脱ぎ捨て、ベラルーシと同じように、股を大きく開いた。

 ……ちなみに、リヒテンシュタインの下着は可愛らしいレースのついたもの。
 ウクライナのは淡い蒼色で横にリボンのついたものだった。
 研究に直接は関係ないが、資料として記しておく。

 俺の前に広がるヴァギナが3つ。
 どれも同じ穴のはずなのに、一つ一つ違うような気がするのは気のせいだろうか。

 まずは痛み無く指を挿入するために、よく濡らしておかないといけないだろう。
 俺は床に座り込み、ウクライナの秘丘に触れてみた。
「んっあ……」
 ぴくりと体を震わし、快楽に耐えるウクライナ。すでに身体は出来上がっているのか。
 まだ全然触れていないのに、ここまで感じているのは……
 やはり他人の視線というものが良い刺激の材料となるのだろうか。
 丘を割り入り、ひくひくと口を開けるヴァギナへと指を入れる。
「やぁっ! ダメ、そんな」
 荒い息で甘い声を漏らす。刺激のためか、足を押さえつけていた手が離れ、股を閉じかける。
 そのため、丁度用意していた皮の拘束具で膝と腕を拘束した。
「やだぁ……ドイツ君、そんな事……んんんっ!」
 すでに濡れきっていたから、ウクライナの言葉を無視し、指を挿入する。
 まずは一本。ぎゅうぎゅうと押し付けてくる感触は中々のものだ。
 二本目。かなりきついが、入らないことはない。
 指を根元までねじ込み、軽く指を曲げる。彼女の反応を見ながら。
「う……んっ! やぁ! そこ…は…んっ! やぁっ」
 明らかに反応を示す場所を発見した。
 ざらざらとした中に指に当たる突起物。
 きっとコレがGスポットというものなのだろう。
 彼女の身体を吊り上げるように、指を上壁に擦り上げる。
「ふぁ…擦っちゃ…やぁ、もうやぁ! ダメぇっ!」
 甲高い声を揚げると同時に、身体を大きく振るわせ、果てる。
 その際、淫液があふれ出し、手をぐっしょりと濡らす。
 AVなどではシーツを汚すぐらい溢れ出す者もよくあったが……それは真実だったらしい。
 指を引き抜くと、再び小さくうめき声をあげ、更なる愛液があふれ出し床を濡らしていった。
 肩で呼吸をするウクライナを眺め、俺は記録をつけたのだった。

 ふむ、やはりGスポットというものは存在していそうだが……それが一体どういうものかはまだわからない。
 ウクライナの様子から見ると、経験は豊富のようだから、膣壁を開発されていてもおかしくは無い。

 そうすると、妹であるベラルーシの方はどうなのか。
 経験はありそうだが……如何せん、兄であるロシア意外には心を許していないはずだから。
 快楽を得るには、女性の感情の高まりも必要なのだ。

 だから。

 睨みつけてくるベラルーシ。
 しかし、姉の醜態を見ていたせいなのか、それともこういう状況下にいるからなのか。
 すでにヴァギナは淫靡にてかっていた。
 ひくひくと口をあけ、まだ見ぬものを求めるかのように。
「さっさとヤれ。研究の為なんでしょ」
 淡々と言い放つベラルーシ。だが、言葉尻はかすれ、息はかなり荒い。
「それならば、やってやる。大きく股を開いてこちらを……いや」
 瞳の片隅にはいったあるモノに、俺の目は止まった。壁にかけられた大きな姿見の鏡だ。
「折角だから、この鏡に映してみるとするか」

 羞恥。これはかなり効果的だと思われる。
 いつも強気な彼女の事だから、このように攻められるのは慣れていない事だろう。
 戸惑いを見せる彼女の腕を引っ張り、鏡の前へとつれてきた。
 椅子に腰掛けさせ、足を大きく開かせる。
 自らの乱れた姿に、視線を逸らし、薄い唇をかみ締めた。
「これが研究だなんて……ただの趣味じゃ……んっ」
 確実に感じているらしく、軽く触れただけで甘い声を漏らす。
 本来ならば、弄られている場面を鏡に映し、見せ付けたいものだが、真正面で弄っているとそうもいかない。
 仕方がないので、羞恥に頬を染める姿を見せ付けることにする。

 ……しかし、勘違いしないで貰おう。
 これは研究の為であって、ただ彼女を辱めて性的快楽を得ようとしているわけではない。
 そう、これは研究なのだ。羞恥による刺激によって、精神構造とそれに伴う……

 こほん、まあそれはこの際、おいて置こう。

 指を蜜に絡めると、彼女は熱い吐息を漏らす。
 身体を走る快楽に身じろぎし、正面を向き……
 目の前に映し出される自らの醜態に小さく歯軋りをした。
「ちっ……何が研究のためだ……んっ、変態が」
 できる限り快楽を表に出す事を押さえているつもりなのだろうが、
 身体は非常に正直で、いきり立ったクリトリスが主張をし続ける。
 だが、あえてそれには触れず、指を中へとねじ込んだ。
「くぁっ! やぁっ…入れるな……ばかぁ」
 すでに準備ができていたのに、強気に暴言を放つ。
 非常に反応を見せる娘だ。
「ほぉ……入れるなといっておきながら、こんなに反応して」
水音立てるヴァギナを何度もなぞり、蜜をかき出す。
「蜜をあふれ出して……お前はロシアの事が好きなのだろ。
 なのに他の男に触られ、こんなに快楽を感じて」
「あふ……言う……なぁ! 私は…兄さん……んんっ、くぅ」
 大きく息を吸おうとしているが、絶え間なく襲う快楽にうまく呼吸ができず、涙が零れ落ちる。

 ――そう、その表情だ――

 背中を走る不可思議な感覚。
「この研究結果をロシアに見せたら、どのような反応をみせるか」
「……っ! ダメ! それだけはダっ! いやぁ!!」
 いつもは冷静な娘が、髪を振り乱し、甘い声と絶望的な表情を浮かべ、果てる。
 大粒の涙を零し、椅子の背もたれに身を任す。焦点は合っておらず、肩で呼吸をするだけ。
 かなり魅力的な光景に、俺のも熱く反応してしまったが……

 失敗した。これではGスポットでイったのか、それとも性器の刺激によってイったのかはっきりとわからない。
 まあ、この結果は、性交渉における精神的快楽との関係についての論文にまとめるとしよう。
 次はしっかりとやらなければ。


 部屋の片隅で頬を赤らめている少女に目を向けた。
 すでに下半身は何もつけておらず、恥ずかしそうに脚を摺り寄せていた。
「さて、次はリヒテンシュタインの番だな。これも研究の為だ」
 『研究』という言葉に、彼女の表情がすっかりと変わった。
 さすがはゲルマンの血を引いているだけある。
 これならば研究に積極的に協力してくれるだろう。

「まずは……性に関する情報を詳しく教えてもらおう。
最初に……性交渉についての有無は」
 戸惑ったような表情を一瞬みせ、視線を逸らした。
 震える唇をかみ締め、俯く。
「……一応は」
「では、ヴァギナ内で絶頂を迎えた経験は? 身体で一番感じる場所は?」
 一般的にはセクハラとよばれる類の質問だろうが、これは研究に必要な質問なのだ。
 それを彼女も理解してくれたらしく、俯いたまま、口を開いた。
「……絶頂を迎えた事は……ありません。えっとその……感じるのは…アソコで……」
「アソコというのはどこだ? ヴァギナか、それともクリトリスか? もしやアナルではないだろうな」
 性感帯の名を言うたびに、その場所に視線を動かす。
 さすがにアナルまでは見えないが、その他二つは丸見えである。
「その……く、クリトリスで……す」
 蚊の鳴くような小さな声で呟く彼女に、俺の笑みが深くなるのを感じた。
「そうか。クリトリスか。それでは性的興奮を高めるために、クリトリスを中心に触るとしよう」
 白い大腿部に手を沿え、股を開かせる。

 抵抗する事も無く、すんなりと開いたという事は、しっかりと研究に協力してくれるつもりなのだろう。
 それならば、俺も期待に応えないといけない。
 ぴったりと閉じた丘を指でそっとこじ開ける。
 とろりと溢れる蜜を指で拭い、ぷっくりと主張するクリトリスに擦りつけた。
「や…んぁ」
 小さく声を上げ、身体を震わし悶える。
 ちゃんと反応したという事は、不感症ではないのだろう。
 いや、どちらかというと反応が良い方だ。
 この感度でイった事がないという事は……面白い。
 まだGスポットが開発されていない女性として最良の研究材料となりえるだろう。
 膣内へと指を入れ、じっくりと中をかき回す。
 爪で中を傷つけぬよう、腹を使い、ゆっくりと中をほぐしていく、

「はふぅ……ひゃ…んんっ」
 甘い声が唇からあふれ出すと共に、中から溢れ出す蜜も比例し増えていく。
 きつかった中も徐々に柔らかくなっていき、指2本をいれても痛みを見せないようになった。
 そろそろ良いだろう。
 指を根元まで差込み、関節を曲げる。
 さきほどの二人に比べると、かなりきついが……これは経験の差なのだろう。
 指先に意識を集中し、Gスポットの場所を探る。
「ん……あぅぁ! や、そこはダメ……触らない……んっ」
 指を動かすと、明らかに反応が違う場所を発見した。
 きっとここが彼女のポイントなのだろう。
「ここか……ここを触るどんな感じがするんだ?」
 俺の問いに、一瞬動きを止め、真っ直ぐに見てきた。頬を赤らめ、しばし沈黙し。
「ふぁ……あ、あの……ふゃ…お、おしっこが……でてしまいそうな……」
「そうか。中々適切な表現だ」
 満足いく彼女の応えに俺は大きく頷き、研究を再開した。
 先ほど反応した部分を中心に、指先で軽く引っかく。
「や…やめ……やぁ……やめて」
 弱々しく声を上げる彼女。
 まだそこでは快楽を得るのは弱かったのか、小さく身体を震わせるだけ。
 この様子では、快楽に変わるまでまだ時間がかかりそうだ。
 不思議な感覚に震える彼女への動きは止めず、二人の姿を探し。

 

「へぇ……この辺が知覚神経ですか。確かにこれだったら絶頂を迎えるのも無理ありません」
 細い管を膣に挿入しながら、日本は興味深げに呟いていた。手元には高画質なポータブル液晶。
 どうやら高性能の顕微鏡らしい。
 台湾に挿入された管を動かし、反応を探る。
「やぁ…そんな動かしちゃダメで…んんっ」
 もうしつこいぐらいに弄られたせいだろう。漆黒の髪を振り乱し、大きな涙を零す。
 床にはすでに水溜りができ、瞳は虚ろだ。
 更なる刺激を求めようと、台湾は腕を伸ばし。
「あ、ダメですよ。そこで動いたら折角見つけたGスポットが」
 そういいながら、薄い陰毛に隠れているクリトリスを指でつまみあげた。
 途端に大きく身体を震わす台湾。
「刺激により、膣の収縮と……知覚神経の反応ですか」
 目の前の少女の醜態にも目もくれず、パソコンに情報を入力していく。

 さすがは日本だ。これならば素晴らしい研究結果を得られる事だろう。

 高められた熱が日本の放置という形で段々と冷めていく。
 少しだけ冷静になった台湾は、研究に没頭する日本を拗ねた瞳で睨みつけていた。
「……はぁ…日本さんの…変態……んんっ」
 言葉が途切れ、台湾の体が大きく震えた。
 それもそうだろう。中に入っていた顕微鏡をずるりと抜かれたのだから。
 先端が少々大きくなっており、ちょうどペニスのような形状で、台湾の中から愛液がかき出された。
 力なく倒れこむ台湾。膣は切なそうにひくひくと収縮をし続けていた。


「さて、次は西洋の代表としてモナコさんで」
 きらりと日本の瞳が光った……気がするのは、俺の勘違いではないだろう。
 静かに歩みよってくる日本に恐怖を感じたのか、少し顔を引きつらせた。
 しかし、すぐにいつもの気難しそうな表情を浮かべた。
 日本の前で取り乱す姿を見せたくないのだろう。
 潔くスカートをめくり揚げ、何もつけていない秘所を露にした。
「さすがはモナコさんですね。聞き分けの良い……」
 消毒済みの顕微鏡の先端をモナコの鼻先につけた。
 微かに香るであろう消毒液の香りに、彼女は眉を潜め。
「これを挿入させていただきますよ。
あ、研究の為ですから、そこの所お忘れなきよう」
 どこか意地悪な口調。
 瞳すら、やや影を宿しているようにも見える。

 そういえば……モナコと日本の間には、あの問題があったな。
 いつもは人畜無害に近いのに、食べ物の事になると鬼になるからな。
 ま、日本の事だから、手加減はわかっているだろう。

「はい、ご自分で開いていただけますか。そうでないと中に入らないもので」
 淡々と指示をする日本を一睨みし、自らの丘に触れた。
「……んっ」
 触っただけで小さく声を上げてしまい、彼女は頬を赤らめ、ずれた眼鏡を指で直した。
 うむ……眼鏡はオーストリアで見飽きていたのだが、女性の眼鏡は中々……
 じゃなく……今は研究なのだ。だから今は下半身のみに興味を抱くべきであって。

「おや、もしかして感じてなんかいませんよね。
研究の為なのに感じていただなんて、笑い話にもなりませんよ」
 明らかに黒い台詞に、彼女は一瞬だけ泣きそうな顔をし。
 すぐさま強気な眼差しを日本にむけ、大きく割れ目を開いた。
 収縮する膣。溢れ出す愛液。あまりにも羞恥的な光景のはずなのに、彼女の顔は自信に満ちていて。
 少しつまらなそうな顔で日本は彼女の前にしゃがみこんだ。
「動かないでくださいね」
 少々乱暴な動きで、中に顕微鏡をねじ込む。
 小さく声をあげかけ、すぐに唇をかみ締める。日本に無様な姿を見せたくないのか。
 そう大きくない顕微鏡の先端を飲み込み、管の金属特有の冷たさに肩を軽く震わせた。
「えーと、少し見難いですねぇ」
 ちらりと彼女の表情を確認してから、日本は器具を中で動かし始める。
 水音が響き渡る。溢れ出す愛液は日本の手を汚し。
 息も荒く、頬も赤い。それでも声を出さぬよう、しっかりと唇をかみ締め。
「ああ、これですか。ふーん……記録終了です」
 今度はあっさりと終わり、日本は再びパソコンの前で作業を始めた。
 終了宣言を聞き、彼女は勝利の笑みを浮かべ、日本をにらみつける。
 日本もその視線に気がついたのか、愛想笑いを浮かべ、一礼し。
「あの話は終わってなんか……やぁんんんっ」
 勝利宣言をしようとした瞬間、彼女の身体が大きく震え、力が抜けた。
 秘所から噴出す潮が弧を描き、床に染みを作り上げていく。
「おしっこ漏らしてしまいましたか。仕方がありませんね」
 明らかに尿ではないはずなのだが、日本は楽しそうにそう呟くと、顕微鏡を一気に引き抜いた。
「ひゃっやぁっ!」
 二度目の衝撃に、彼女は再び身体を震わせ、絶頂を迎えたのだが……
 日本は何事も無かったかのように顕微鏡の消毒を始めている。

 ……一度目の絶頂の際、日本は何もしていなかったかのように彼女は思っただろう。
 だが、実の所、日本は手先を動かし、顕微鏡を微かに動かしたのだ。
 この様子だと、Gスポットに刺激がいくようにしたのだろう。
 涙を浮かべ、大きく呼吸をしているモナコを見下ろし、口元に微かな笑みを浮かべる日本。

 ……日本は怒らせないようにしよう。
 俺はしみじみと思ったのだった。


「最後は……アジアと西洋の特徴を持ち合わせたハンガリーさん、お願いします」
「ん……はい」
 思いがけない日本の裏の顔に、少しだけハンガリーは恐れを抱いたのだろう。
 素直に脚を開き、秘所を露にした。
 手際よく、顕微鏡をセットし、彼女の前にしゃがみこみ。
「あ、あの……」
 ためらい気味に彼女は何かをいいかけ……目を伏せた。
 頬を赤らめ、少しだけ上目で日本の様子を伺い。
「あのですね……できれば自分でソレを入れたいんですけど」

 は、ハンガリーのバイブオナニー!

 いや、冷静になれ。自分。あれは研究の為であって。
 きっと日本の暗黒面を見てしまったから、恐怖を少しでも軽減するためにそのような提案をしたのだろう。
 それにしても……あのハンガリーがしおらしい表情でそんなおねだりするだなんて。
 さすがは日本。侮りがたし。

「まあいいでしょう。その代わり私の指示に従ってくださいね」
 俺の動揺は露知らず、ハンガリーは小さく頷き、顕微鏡を手にした。
 少しだけペニスに近い形状に頬を更に赤くし、こくりと喉を鳴らした。
「まずは中を傷つけない為に、しっかりと濡らしてください。
唾液でもいいですが、できれば潤滑液の方が」
 彼女に視線を向ける事無く、淡々と言い放つ日本。

 いつもは純なくせに、研究となるとこんなにも女に興味が無くなるのか。
 ……いや、元々女性にはあまりだったな。二次元方向に絶好調なだけで。

 覚悟を決めたかのように彼女は拳を握り締め、恐る恐る下半身に指を這わす。
「……うぁ…ん」
 微かな甘い声。指はじんわりと濡れる蜜をかき分け、奥へ奥へと侵入していった。
 念入りにほぐし、徐々に広げていく。
 時折、クリトリスを弄り、快楽におぼれる瞬間もあったが、日本の冷めた視線に我を取り戻し、改めて中を荒らす。
「そろそろいいですかね。それでは中に入れてください」
 日本の指示に、微かに肩を震わし、顕微鏡を握り締めた。
 冷たい先端をゆっくりと膣口へ添え、熱い吐息を一つ零す。
「……んっ」
 先端の太い所を全て中に入れてから、大きく呼吸をし、更に奥へ奥へと誘う。
「まっすぐ奥にではなく、入り口をぬけたら、腹の方に曲げて」
「ふぁ……こ、こう……やんっ」
 管を指先で操作していたが、あるポイントで動きが止まった。
 大きく息を吸い込み、背を反らせる。きっとGスポットに行き当たったのだろう。
 それを日本も見逃さなかったのか、画面を食い入るように見入る。
「そう、ソコですよ。やはりハンガリーさんの中は興味深いです。
 アジア系と西洋系が入り混じった生態が……」
 真剣な眼差しで画像を見つめる日本と、器具がGスポットを擦り、襲い来る快楽に必死に耐えるハンガリー。

 ――どれくらいたった頃だろうか。
 満足げに顔を上げた日本に、ハンガリーは終わりの光が見えた気がしたのか、小さく安堵のため息をつき。
「それではおしまいです。ご苦労様でした」
 日本がにこやかに手にしていた管を勢いよく引き抜き。
「や! いやぁっ! ふぁゃぁぁっ!!」
 思いがけない刺激に派手に潮を噴き、悲鳴に近いあえぎ声を上げ、果てる。
 下半身は愛液にまみれ、虚ろになった瞳のハンガリー。
 それを見下ろすのは、実に楽しそうに微笑む日本の姿。

 日本はSだ。それも俺を上回るどS。
 おとなしい奴ほど、裏の顔は謎に満ちているとはわかってはいたが。

 ――日本、侮りがたし――

 ……さて、重くなった気分を払拭するため、開発中だったリヒテンシュタインに意識を移すことにしよう。

 

「ん…ふぁ……あぅ…はぁ……ん」
 だいぶ快楽に素直になったリヒテンシュタインは、俺の指の動きに可愛い声で答えてくれる。
 試しに指の動きを止めてみれば、潤んだ瞳を俺に向けてくる。
「……あ、あの…もう少し……お願いします」
 自ら足を開き、上目遣いで訴えてくる。そろそろ良い頃か。
 Gスポット付近を撫でる指の力をやや強めにし、彼女の体を吊り上げるように指を動かした。
「やぁや…ふぁ……な、何かがく……んんんっ」
 大きく身体を震わせ、絶頂を迎えた。
 その際、じんわりと溢れてくる透明な液体。
 明らかに愛液とは違う液体。きっとこれが彼女の潮吹きなのだろう。
 肩で大きく息をする彼女を眺め……まだ生気の失われていない瞳と目があった。
 この様子だと、まだヤり足りないのだろう。それならば。
 震える体を支えながら、彼女の身体を起こし、膝をついた状態にさせる。
「この状態で自分で刺激してみろ。もっと感じられるはずだから」
「え……はい……んっ」
 ためらい気味に自らの膣に指を突っ込み、動かし始めた。
 普段の彼女からは想像できない姿だ。
 まさかあのリヒテンシュタインが、人前……それも男の前でオナニーを始めるとは。
 それほどGスポットの刺激は凄かったというわけか。


 ……さて、俺の方はこれで実質的にはおしまいだが……イタリアの方はどうしているのか。
 リヒテンシュタインのオナニーを横目で見ながら、イタリアの姿を探し。

 

「ひゃ、やぁ……いやゃ……そんなふぁ」
「あれ? この辺のはずだよね。もう少し奥なのかな?」
 すでにベルギーに挿入し、楽しんでいるイタリアの姿があった。
 全く、研究だとあれだけいったのに、忘れているんじゃないのか?
「イタリア、Gスポットはもう少し腹に近いところだ。
 お前のが極端に曲がってれば問題ないが」
「え? そんな曲がってないよ?
じゃ、どうすればいいの?」
 首を傾け、勢いよく腰を打ち付けた。
 途端に大きく震え、甘い声をあげるベルギー。
 どうやら、イったらしい。
 この様子だと、性感帯はしっかりと開発されているようだが、目当ての場所の有無はわからずに仕舞いだな。
 泡立った密をからめ、イタリアは引き抜く。
 ぐったりと横になったベルギーの頬に口づけし、次の研究対象に目を向けた。

「じゃ、次はセーちゃんだね。
たっぷり楽しもうか」
 周りの雰囲気に飲まれたのか、それとも内なる心に気がついたのか、イタリアの言葉に、頬を赤らめ、小さくうなづいた。
 スカートを自らたぐりあげる。
 中から出てきたのは、美しい下半身。
 すでに何も身につけておらず、てらてらと糸をひく姿が魅力的だ。
 セーシェルは女と少女の中間ぐらいか。

 やはり、このような分配で正解だった。
 身体の生育具合で、Gスポットにどのような変化がでるか、重要な研究対象となるだろう。
 ただし……研究者がイタリアという事に不安を感じているが。
 セーシェルの胸をもみ、身体の感触を楽しんでいるイタリアをにらみつけた。

「研究忘れるんじゃないぞ。
Gスポットに当たるように入れるには……」 
 すでにGスポットの虜になり、一人で楽しんでいるリヒテンシュタインを抱き寄せる。
「ふぁ……くださるの……ですか?」
 期待した瞳で見つめてくるリヒテンシュタインの足を掴み、仰向けにしたまま、膝を高く持ち上げた。
 尻が丸見えになる姿勢だ。
「で、脚をこう持ち上げてから入れれば」
「やぁぁっ……あぁふゃぁ……」
 挿入した途端、子猫のごとく、か細いながらも甘い声をもらし、小刻みにふるえ始めた。
 大事な所が丸見えになったのも快楽の一つだとは思うが……
 最初は全然感じていなかったのに、調教の成果……じゃなくて、研究の結果は中々興味深いものがとれた。
「ふーん、こうやって……か。
セーちゃんの大事な所、びちゃびちゃでてらてら光ってて、すっごいきれいだね」
「いや……言わないでぇ。 そんな言われたら……」
「あ、ひくひく動いてるね。
俺の言葉で感じたの?」
 イタリアにしてはめずらしく、意地悪そうな笑みを浮かべ、濡れた下の唇に息を吹きかける。
 ぴくりと身体を震わせるから、楽しそうに何度も何度も。
「ね、触って欲しい?俺のがほしい?」
 答えはわかっているはずなのに、あえて彼女の口から答えを聞きたいのだろうか。
 口ごもり、視線を逸らす。何か言おうと口を開き、動きが止まった。
 熱の篭った瞳でイタリアを見上げる。
「……お願いします」
「わかったよ。それじゃ……」
 滾ったものを幾度か割れ目に擦り付け、一気に貫いた。
 すでに準備ができていたからか、すんなりとイタリアを受け入れる。
「やぁ、やぁ…中が擦れ……んっ、ひゃぁ」
 蜜があふれ出し、健康的な尻を伝って床を汚していく。
 甘い声を漏らし、中を刺激する感触を身体全体で味わう。
 腕を伸ばし、身体を求める彼女に、イタリアは天使のような笑みを浮かべた。
「セーちゃんってエッチなんだね。俺のちんちんを飲み込んで、ぎゅーぎゅー締め付けて。
それでも足らないんだ。本当にエッチだな」
 顔を近づけ、彼女の頬に軽く口付けをし、荒々しく腰を動かし始めた。

 ……あの馬鹿、研究の事忘れているだろ。
 ま、あの様子だとしっかりとGスポットに当たっているようだし、セーシェルもGスポットは存在し、発達しているという事だろう。

 その証拠に、深く押し入れた途端、身体が大きく振るえ、筋肉が硬直した。
「いゃ、やっ! イ……何かク……るぅっ!」
 一、二度痙攣すると、力なく果てた。どうやらいったらしい。
 頭をぶつけぬよう、力が抜けた瞬間に首を支えたのはさすがというべきか。


「さてっと。後はワイちゃんだけなんだけど」
 横で頬杖をつき、眺めていた幼女……ミクロ国家であるワイ公国に視線を向けた。
 イタリアにしては珍しく苦虫を噛み潰したかのような表情で。
「うーん、ワイちゃんもヤらないとダメ? 俺幼女趣味は無いんだけど」
「ちょっと! あたしは幼女じゃないもん。もう立派なレディなんだから」
 頬を膨らまし、不満を表すワイ公国。
 どう見ても幼女にしか見えんが。

「研究の為だ。嫌だったら俺がやるが」
「いや、女の子に恥をかかせるわけにもいかないし、俺がやるよ。
って事で、俺の前で脚開いてくれるかな」
 活き活きと彼女の顔を覗き込み、笑顔で首をかしげるイタリア。
 ああ言っておきながら、意外に乗り気ではないか。
 それはワイ公国も一緒だったらしく、潔く短パンを脱ぎ捨て、床に座り込んで脚を大きく開いた。
「さ、早くやりなよ。あたしの情報も欲しいんでしょ」
 割れ目が露になった。
 まだ生えてもいない秘所。ひったりと閉じた秘丘が好奇心をそそる。
 割れ目を指でなぞると、不可解な感触にワイ公国は眉をひそめた。

 まだ快楽は得ていないのだろう。
 仕方が無い。まだ幼いのだから、快楽の感覚に変化するのは早いのだろう。
 楽しそうに指でなぞるイタリアだったが、何かを思い出したのか困った顔で俺の方を見てきた。
「そういえばバージンの時はどうやって調べればいいの?」
 あー、そういえばその事は予想していなかったな。
 指で変な風にいじると、処女を奪ってしまうことになるし。
 しばし考え込む俺を、ワイ公国は鋭い瞳で睨みつけてきた。
「そんな考え込まないでよ。あたしバージンじゃないから、しっかり調べて頂戴」
「そうか、それならば……」
 研究方法を変えないで済むのは良い事だ。それならば……って。

『ええええッ』

 イタリアと声が同調してしまった。
 だが仕方が無い事だろう。あのワイ公国が。幼女なワイ公国がバージンではないのだ。
「あ、あーと……聞いてもいいか?」
 混乱してくる頭をどうにか整理し、やっと問いの為の言葉が出た。
 それに対し、ワイ公国はきょとんとした瞳で俺とイタリアを交互に見ている。
「あのね、バージンじゃないって事は……誰と」
「ん? オーストラリアだよ。独立する時に」
「独立させるならばと無理やりか……オーストラリアの奴」
「違う違う。儀式とか礼式とかそういうものらしいよ」
 あっけらかんと言い放つ彼女に、俺らの目は真ん丸くなった。
 さすがにそういう儀式や礼式など聞いたことはないが……彼女がそういうのだったら、こちらも気にしない事にしよう。

 

「では、他の者と同じように研究させてもらうぞ」
 戸惑いを見せるイタリアに視線をおくり、一つ頷く。
 それに気がついたのか、イタリアも恐る恐る彼女の中に指を差し入れ。
「……本当にバージンじゃないよ」
「だから言ったでしょ。早く終わらしてくれないかな」
 退屈なのか、大きな欠伸を一つ。
 この様子だと、バージンではないが、まだ開発されていないようだ。
 中に入った指に違和感を感じるのか、少し眉をひそめるだけ。
「あー、ドイツ、潤滑液になるものないかな。全然濡れないよぉ」
 感じていないという事は、濡れないのもしょうがない。
 まあ、濡れる=感じるというのも少々間違いではあるのだが、ここで論じても仕方が無いだろう。
 俺は辺りを見回し……メイプルシロップが何故かおいてある事に気がついた。
 そういえば、前にカナダが配っていたが……それを置きっぱなしにしたのだろう。
 それを手に取り、必死に彼女の下半身を弄ってるイタリアに投げ渡した。
「グラッツィエ♪ じゃ早速……」
 琥珀色の液体が幼き割れ目にかけられる。
 とろみのある液体はしばし白い肌の上に留まり、やがて割れ目に吸い込まれていく。
 ……一種の芸術に近いな。これは。

 思わず目を取られてしまったのは、イタリアも同じだったらしく、動かしていた手がいつの間にか止まっていた。
「だからさ、早く終わらしてくれないかな」
 つまらなそうに呟くワイ公国。その声に我に返ったのか、指を再び動かし始めた。
 触れると粘着力の強い液体が水音を立てる。
 指に絡ませ、傷つけぬよう胎内に侵入していく。
 綺麗な桃色の胎内。指で広げ、何度も擦り上げ。
 床に零れそうになる蜜を舌で拭い取り、少しだけ舌で中に侵入する。
 ここで甘い声でも出ていれば、それなりの光景だったのだろうが。

「や……はぅ、んはははははははっ、くすぐったいよ!」
 辺りに響き渡るのはワイ公国の楽しそうな笑い声。
 困った顔で俺に助けを求めてくるイタリアの姿に、俺は大きくため息をついた。
「しょうがない。ワイ公国への研究はこれでおしまいだ。
協力感謝する」
「感謝するんだったら、君の所で王様一家を特別待遇で旅行させてあげてよ」
 転んでもただでは起きないというか、中々のつわものだな。
 どう説明しようと頭を悩ませ……

「うーん、まだ俺出してないんだよね。もう一回やってもいいかな」
「ふぁ……あ、ダメ、イタリア君。ダメや、そない……あぁっ」
 俺の許可も得ず、ベルギーを対象に再び性交渉……いや、研究を開始するイタリア。
 すでに日本は研究結果をまとめている。
 そんな二人に苦笑を浮かべ、俺は手元の資料に目を通し、最後の一文を書き加えた。


 研究終了。

 

「というわけで、Gスポットは存在するが、人種によって多少位置が異なる。
また、Gスポットは開発により、快楽を増幅させるポイントとなり得るという結果になった。
二人ともこれで納得いっただろう」
 ドイツの満足げな研究発表に、諸悪の根源である二人はただ涙を流していた。

「畜生……なんでドイツなんかにやられるんだよ」
「おにーさんが頂こうと思ってたのに。美味しく頂こうと……」
 仲の悪かった二人が肩を組み、お互いの肩を叩きながら慰めあっている姿は非常に滑稽で。

 横でけらけらと笑うイタリアをイギリスが睨みつけ。
「笑うな! つか、お前童貞って言ってたじゃねぇか!」
 きょとんとした表情を浮かべ、首をかしげるイタリア。
 しばし考え込み。
「うん。童貞だよ。……プライベートではね」
「ドイツさんの研究ではいろんな事に挑戦なさってますよね」
「ああ。今度は各国の性行為時の趣向について調査したい所だが」
「あ、また俺手伝うよ。今度はベトナムさんも研究したいな」
「それでは、私は様々な道具を用意しましょう。そっち方面の玩具に関しては興味深いものが多いですし」
 和やかに次回の研究について語り始めた枢軸三人組とは対照的に、涙をだくだくと流し続けるイギリスとフランス。
 元はといえば、二人のくだらない喧嘩が元になったのだが。

「ああ、俺ら喧嘩するんじゃなかったな」
「そうだね。喧嘩したからこんな……」

 目の前に散らばった詳細な研究結果を握り締め、二人は再び涙を流し始めたのだった。




2010/08/31 初出
イギリスとフランスがGスポットの有無に対して議論していたという実に馬鹿馬鹿しいニュースより。
……ある意味、仲がいいんですよね。


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