「帰ったぞ」
胸元のネクタイを緩めながら家戻ってくると……何故か女の子が涙目のフィンランドに馬乗りになっていた。
薄い金髪を振り乱し、浅い吐息を漏らして、少女は身体を上下させる。
彼……デンマークが立ち止まったのを不審に思ったのだろう。
後ろからついてきたノルウェーが顔を覗かせた。
「なにデン、止まってらの。ほんまに邪魔なんだばって」
ノルウェーも部屋の中の男女を見つけ、動きを止めた。
「……先に帰ったと思ったら、ベラルーシとこんな事」
「ま、元気がある事はいい事だべ。
いいあんべぇな所でやめてけ」
淡々と流し、一足先に室内へと入るアイスランドとスウェーデン。
会議の疲れが出たのか、大きく息を吐き、椅子に腰掛ける。
「ま、えっか。茶飲むけ?」
「飲む。棚にダンの取っておきのお菓子があったよね。それ食べたい」
「隠してある酒コもってこしうか。
何んぼせあんこのだし、もってのぐねし」
「ん、もってこ」
男女の甘い声をBGMに、他の北欧メンバーはいつもの通り酒盛りを始めたのだった。
「んっ…!」
少女は大きく息を吐き、身体を震わせる。
紅く染まった頬で小さくあえぎ、腕の力が抜けた。
くたりとフィンランドの上に圧し掛かり、荒い息を漏らす。
呼吸を整え、彼の体の上から離れる。
長いスカートの下から白い液体が零れ落ち、脚を伝い、床を汚していった。
だが、脚を汚す液体など気にも留めず、茫然自失しているフィンランドを蔑んだ瞳で見下ろす。
「租チンが」
「ひ、酷いですよ。いきなり来たと思ったら襲われた挙句……」
彼女の愛液と自らの精液で汚れた下半身を隠す気力もないのか、だくだくと涙を流し続ける。
そんな姿を眺め、けらけらと笑いながら二人に歩み寄るデンマーク。
手には酒を持ったまま。
「で、うちのフィンで遊んでた理由はなんだっぺ。
理由によっては、きつーいお仕置きが必要……」
「花嫁修業」
デンマークの言葉をさえぎり、淡々と言い放つ彼女に、一同は目をまん丸に見開いた。
「花嫁修業って……ロシアに嫁ぐのにそった修行必要だの?」
今だマイペースに酒を傾けているノルウェーは、呆れた表情で呟き、隣でアイスランドも大きく頷いた。
「念には念をいれて。兄さんを虜にするには、夜の生活も必要だし。男五人もいればいい練習になる」
無言で酒を飲んでいたスウェーデンの手から酒を奪い取り、彼女は勢い良く傾けた。
酒が喉を通る音。飲みきれなかった酒が唇から零れる姿は意外にも魅力的で。
デンマークは生唾を飲み込み、彼女に手をのばしかけ。
「ふぅ、まあまあの酒飲んでるじゃな……んっ」
デンマークの手が届くより先に、スウェーデンの手が彼女の手首を押さえつけていた。
空いた手で彼女の顎を掴み、唇を重ねる。
最初は何が起こったのか理解できず、目の前に広がる男の顔を眺めていたが、すぐに我に返り、顔を離そうとする。
「んっ! んんっ」
だが、彼の力は強く、中々離してくれそうに無い。
いつもクールな彼女に一瞬焦りの色が見えた。
「んーーっ! んぅん…」
しばらく抵抗をしてから、ぴたりと動きが止まった。
少しだけ彼女の唇が開き、彼の舌を受け入れ。
「……っ!!」
がりっと何かをかむ音。歪むスウェーデンの顔。すぐに顔を離し、彼女を睨みつけた。
「お前が悪い」
口の中に溜まった血を床に吐き出す。ただし、それは彼女の血ではなく。
「……おめ、なして嫁っこのフィンを食った」
口元から鮮血を流れさせながら、威圧感のある眼差しで彼女を睨みつけた。
普通の少女だったら縮みあがっていてもおかしくは無い。
しかし、彼女はあのロシアの妹君であり、ベラルーシという存在なのだ。
威圧感を放つ男女に、周りの者達は佇んで見守るしかない。
「なして」
「だから、花嫁修業だといってるでしょう。このくされちんこが」
「くされてるか試してみっぺ」
売り言葉に買い言葉。
珍しく頭に血が上ったのだろう。
スウェーデンは彼女の手首を荒々しく掴み揚げ、床に押し倒した。
馬乗りになられても冷静なまま、彼女は蔑んだ瞳を向ける。
「丁度いい。その粗末なモノ、ちぎりとってやる」
押し倒されたまま、スウェーデンの下半身に膝蹴りを入れ。
「ま、スヴェーリエばかり美味しいのもずりぃ。俺らも楽しませてもらうべ」
蹴りが決まるより先に、にこやかな笑みを浮かべたデンマークが彼女の脚を押さえ込んだ。
「その姿勢だと一人しかたのしめねぇから、よつんばにせぇ」
「別に逃げないし、まとめて相手してやるからその手はなして」
自由な足でしっかりとデンマークの腹に蹴りを入れ、まだ馬乗りのスウェーデンをにらみつけた。
彼もデンマークが乱入してきた事で少し冷静になったのだろう。
むっつりとした顔のまま、彼女の上から降りる。
自由になった彼女は立ち上がり、身体についた埃を手で払い。
「それじゃ、やる? 一人でもまとめてでもいいけれど」
その言葉と共に胸元のリボンを解く。
恥じらいもなくブラウスのボタンを外し、白い下着を露にした。
女性の下着になれていないアイスランドは頬を紅くし、視線をそらし、ノルウェーはぼんやりと裸体を観察する。
誰かが喉を鳴らし、それから最後の下着を外す彼女に手を伸ばし。
よつんばの彼女は口の中に押し込められた陰茎を舌だけで丁寧に転がす。
「意外に上手いべ」
「うるさい。おとなしくしゃぶられてろ」
にらみつけ、軽く歯を立てた。
だが、デンマークは微かに眉を顰めただけで陰茎の快楽を最大限に楽しむ。
彼女は小さく舌打ちし、手に握られた陰茎を擦り揚げる。
指先で亀頭をいじり、じっくりとなぞり、それから摩擦を強くした。
「擦られて感じてるのか? この変態が」
「くっ、変態じゃない」
唇をかみ締め、快楽に耐えるノルウェー。
しかし、罵られた瞬間、陰茎が大きく震え、更に大きくなったのを彼女は見逃さなかった。
「救いようのない変態ね」
ぽつりと呟いた言葉に、ノルウェーは身体を大きく震わせた。
先端から白い液体があふれ出し、彼女の手を汚していく。
押し寄せる快楽を解放した悦び。それから絶望的な状況にノルウェーは表情を曇らせた。
逆に手についた液体を眉を潜め、振り払う彼女。
「やっぱり変態じゃない。これじゃ女一人満足させられ……んっ」
「お喋りはそんくらいにしとけ。お口が留守だべ」
顔を掴まれ、喉の奥にまで突っ込まれ、くぐもった声を上げた。
強い意志の宿った瞳でデンマークを睨みつける。
だが、そんな事気にせず、腰をリズム良く押し付け続ける。
それに合わせ、胎内を楽しんでいるスウェーデンも腰を打ち付けた。
前後から攻められる快楽にも負けず、彼女は小さくあえぎ声を上げるだけ。
「もっと素直になった方が、おなごはめんこいのによ。
……にしても、アイス、一人で楽しんでないでつっこめばいいだろ」
荒い息を押し殺し、一人で擦り揚げていたアイスランドに視線を向ける。
彼は一瞬気まずそうな表情をみせ、それからデンマークを睨みつけた。
「ダン、煩い」
そうは言いながらも、擦る手は止まらない。
身体を大男二人に蹂躙される光景を目の前に、冷静ではいられないのだろう。
もし泣き叫んでいたのならば、そういう趣味がない限りは萎えてしまうに違いない。
しかし、整った顔を快楽にゆがめ、薄い唇をかみ締める姿はそそるものがある。腰を突かれるたび、白い胸が大きく揺れ、甘い吐息が唇から漏れる。
部屋の中に響き渡る水音。健康的な腿に蜜が流れ落ち、床を汚していく。
口に押し込まれたモノを舌先で弄り、吸い上げる。
時折、上目遣いで様子を探り、反応を確認する。
攻められているはずなのに、ペースを崩されること無く、刺激を与え続ける。そんな彼女の姿に、女に免疫の無いアイスランドは耐え切れるはずも無い。
手の動きが早くなる。
小さくうめき声を上げ、動きが止まり。
「……はぁ」
手についた白い液体に、アイスランドは大きく肩を落とした。落ち込むアイスランドの姿に、デンマークは豪快な笑い声を上げた。
もちろん睨みつけもされたのだが、そんな事に気づくような男ではなかった。
「まぁ、そんな落ち込むな。アイスは初めてだべ。だからしょうがな……」
「次はお前だ」
誰よりもドスのきいた声を出したのは、ベラルーシだ。
その声に一瞬腰が引けたデンマークだったが、がっしりとモノの根元をつかまれ、動かす事ができない。
まずは先端を軽く舐め、それから全体を口に含む。
やんわりと袋を指でいじりながら、やや強めに吸い上げる。
デンマークが小さくうめき声をあげているのを確認してから、更に唇をつぼめ、顔を前後させた。
突如襲う強い刺激。
油断していたから、抵抗らしい抵抗はできなかった。
びくりと血管が悲鳴を上げる。先端からでている先走り液を吸い上げ、音を立てて飲み込む。
「ま、待て。そんなやられたら」
限界が近いのだろう。
彼女の口から離れようとするが、彼を見上げる表情に釘付けになってしまった。
あまり見せない拗ねたような表情。
白い肌を紅く染め、上目遣いで顔を見つめる。
唇を大きく開き、必死に頬張る姿はいつもの彼女みたいではなく。
「早く……頂戴……」
微かなおねだりの声に、デンマークは限界に達したのだった。
小さくうめき声をあげると、彼女の顔を掴み、奥深くに押し込める。
口の中が白い液体で満たされ、入りきらなかった液体が口元から溢れ、白い筋をつくる。
大きく息を吐き、余韻を楽しむデンマークだったが、不意に眉を潜めた。
「……そんなところを噛まれるど、痛いっぺ」
「噛み切られないだけマシと思え」
口を離すと、憎憎しく口の中に溜まった白濁液を床に吐き出した。
それからすかさずデンマークの股間にパンチを叩き込み、床にしゃがみ込む姿に蔑んだ瞳を向けた。
「お前も早漏か。役立たずが。
……さてっと」
ちらりと背後から突くスウェーデンに視線を向けた。
「最後の一人。お前も搾り取ってやるから覚悟しておけ」
彼女の微笑みに、いつも無表情気味なスウェーデンですら、口元が微かに引きつり……
「ちっ、練習にもなりやしない」
裸のまま、椅子に腰掛け、タバコを一吹かし。
あまりに男らしい態度のベラルーシとは裏腹に、やはり裸のまま、泣きくれる北欧五人衆。
あの後、手当たり次第に散々搾り取られ、最強のテクニックと最凶の口の悪さで男達を絶望の淵へと叩き込んだ。
つわものぞろいの北欧とはいえ、彼女の攻めに耐え切れるものはいない。
何度も何度も搾り取られ、罵詈雑言を叩き込まれ、立ち直れぬほどに叩きのめされ。
彼女は煙を大きく吐き出し、タバコを机に擦り付ける。
椅子から立ち上がると、男達は大きく肩を震わせた。
死神のような足音に、身をすくめ。
「さて、そろそろ回復したか? 次はいろんな方法をためさせてもらうからな」
悪魔の宣告に、男達はぼんやりと天井を見上げ。悪魔の饗宴はまだ終わりそうに無い。
書き下ろし
だいぶ遅くなりましたが、2/26に拍手くださった方のリクエスト
『北欧×ベラ』に挑戦……しましたが。
やはり『ベラ×北欧』になってしまいました。
さすがはベラです。
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