華嵐
『男女交流会に参加なさいませんか?』
まさかのリヒテンシュタインからの申し出に、手紙を開いたイタリアの動きが止まった。
穴が空くほど何度も確認してみたが、間違えではない。
男女交流会。いわゆる合コンというものだろう。
震える手で、手紙を握りしめる。
「ドイツードイツー俺、合コンの招待状貰っちゃった~」
「イタリア、エイプリルフールは終わったぞ。合コンなんてものは都市伝説であって……なに?」
嬉しそうなイタリアの姿に生暖かい笑みを浮かべ、差し出された手紙に目を通す。
一度目はさらりと。二度目は軽く目をこすってから。
「まさか……ありえん。合コンと言うのは都市伝説では」
「噂には聞いていましたが、本当に実在するんですね」
後ろから日本が不可解な表情でのぞき込んできた。
「それもリヒちゃん直筆だよ。
リヒちゃんがからかうわけないし、きっと本当なんだよね。
女の子は5人だって。参加するのは俺とドイツと日本と……あ、兄ちゃんも呼ぼっと
ドイツもプロイセン呼んでできてよ」
テンションの上がりまくったイタリアに、未だ手紙の真偽を探り、光にすかしてみたり、あまつさえ指紋採取まで考えているドイツ。
そして
「……なんとなく嫌な予感が……」
ぽつりと呟いた日本。
その虫の知らせは……結局は当たる事になるのだが。
「ヴェ~お招きありがと~」
花束を手に、テンション高く会場となる部屋のドアを開いた。
部屋の中にはたくさんの料理と可愛らしい内装……だったら良かったのだが。
部屋の真ん中に飾られた怪しげな三角の木馬、壁を彩る様々な手錠。
更に床には大人の玩具の数々が飾られている。
そしてテーブルはなく、代わりに置かれたキングサイズのベッド。
「えっと、おうち間違えたかな~お邪魔しましたー」
一同は一斉に回れ右をし、逃げる準備をしたが、すでに遅かった。
肩を誰かに捕まれていたから。
恐る恐る振り返ると、にこやかな笑顔のハンガリーがいた。
「イタちゃん、間違えではないわよ。ここが会場なの」
「だが、ここは合コンの会場っぽくな……ちぎっ?!」
震え、言葉の出ない弟の代弁をしようと、ロマーノが口をどうにか開いたが、すぐに言葉を失った。
いつの間にか背後に得体の知れぬ気配が、彼のくるんを握りしめていたから。
「ふふっ、ロマーノちゃんの弱点ってここなんですってね。
さ、楽しみましょうね」
巨乳美女に敏感なところを握りしめられていては、抵抗もできない。
あまり頼りたくはなかったが、ゲルマン兄弟に視線を向け、
「すまねぇ、お前の犠牲は無駄にしない!」
得体のしれぬ恐怖にプロイセンも混乱しているのだろう。
イタリア兄弟を犠牲にし、弟と共に戦線離脱しようとしていた。
しかし、目の前に立ちふさがったのは涙を浮かべた少女。
震える肩を抱き、彼らを上目使いで見つめた。
「行ってしまうんですか?
せっかく準備したのに……」
力ずくで止められたならば、女相手でもどうにか対処できただろう。
だが、前に立ちふさがるのは震える少女。
さすがに彼女に無理強いはできるわけもなく。
「よーし、ベラルーシさん、今のうちに縛るです♪」
実に楽しそうにセーシェルが指示を飛ばすと、ベラルーシは手際よく、イタリア兄弟とゲルマン兄弟を縛り上げた。
そして最後に残ったのは……
「ここは抵抗するのが美というものでしょうが、貴女方に勝てる気がしません。
ですので素直に投降させていただきます」
両手をあげ、降伏の意志を示す日本に、女性陣はハイタッチで祝勝をあげた。
楽しそうに雑談をする女性陣。これが紅茶などを手にしながらならば、きっと和む風景だったのだろう。
「うわぁ~えげつない形。こんなのまであるんだ」
「こっちはフランスさんち、これは眉毛んちからパチって……じゃなくて回収して来たんですよ」
「これはどう使うの?ベラルーシちゃん、わかる?」
「これはアナルにねじ込む……一度、兄さんに使ったら泣いて喜んでくれた」
「ベラルーシさんってば積極的ですのね。私も見習わなければ……」
手にしているのは年頃の乙女達が持つには違和感ありすぎな大人の玩具。
それを意気揚々といじり、和やかに話あっているのだ。
そんな光景を見つめるのは、絶望的な瞳の枢軸組。
きっちりと縛られている為、逃げるにも逃げられない。
どうせならば、このまま雑談だけで終わってくれれば良かったのだが。
「さて、合コン開始と行きましょうか」
残酷な開会宣言がハンガリーの口から放たれた。
女性陣の瞳がきらりと光り。
「じゃ、さっき決めた通りで始めるです。
後は流れで代えても良しって事で」
にこやかなセーシェルの言葉に、女性陣は縛られた男達に近寄っていった。
「それじゃ、プロイセンちゃんは私とだね」
妖艶な笑みを浮かべ、縛られているプロイセンへと歩み寄る。
豊かすぎる胸が揺れる様に、生唾を飲み込み、抵抗するのを辞めた。
胸にこだわりがあるのだろうか。
妙に期待した瞳でウクライナを見上げる。
「あ、プロイセンちゃんってばおっぱいフェチ?」
見せつけるよう、腕で胸を押さえつけ強調してみせた。
さすがは巨乳……いや、ここまでくると魔乳というべきか。
圧迫感のある胸にプロイセンの目は釘付けだ。
これならば縄を解いても逃げないと思い、腕の縄を解いてあげようと、背後に回った。
「うおっ、胸胸当たる当たる」
縄をほどく際、ワザと背中に当てると、鼻息の荒くなったプロイセンが血走った瞳でウクライナを見つめてきた。
先程までの恐怖は払拭されたのだろう。
「あはっ、プロイセンちゃん、そんな慌てなくても」
解いた途端、彼女を荒々しく押し倒してきた。ブラウスのボタンを外す余裕もないのか、胸元のボタンがはじけ飛ぶ。
まるで帽子のような大きさのブラジャーが露になった。その防具も乱暴に払いのけた。
「おおおおおお、おっぱいおっぱいおっぱいっ!」
すでに箍がはずれ、興奮した様子で胸の谷間に顔を埋もれる。
顔全体を包み込む白い塊。雪のような肌にうっすらと血管が透けており、顔を押し付ければ規則的な鼓動が耳に入ってくる。
二つの丘に顔を挟まれ、頬が潰されそうになるが、ソレすらも未知の感触で。
谷の奥底に鼻を近づけて見る。ほんのりとした汗のにおいと雌の匂い。
それだけで頭がくらくらしてきそうな感覚に陥り。
「おっぱいおっぱいおっぱいおっぱ……お?」
本当にくらくらしてきた。新鮮な空気を求めようと、谷間から顔を引き抜こうとしたが……それは無理な事だった。
彼女の胸はそう易々と撤退を許さない。
がっしりと押さえ込まれた谷間から、どうにか逃げ出そうと暴れてはみたが、無駄な抵抗だった。
興奮して真っ赤になっていた顔が、徐々に青白くなっていき。
とうとう動きが止まった。力を失い、くたりと垂れる腕。
「もう、慌てるからだよ。お姉さんに任せておけばいいのに」
意思が朦朧となった彼を地面に横たえ、ちょこんとその前に座った。
その顔は非常に楽しそうに。
「さーてっと。それじゃ、改めていただきます」
日本式に手を合わせ、一礼すると、彼のズボンに手を伸ばす。
一気にずらすと、すでに大きくなった肉棒が勢い良く顔を出した。
しばし、その大きくなった肉棒を眺め、
「……可愛い」
「ちょっと待て! 可愛いって俺のがか?! そんな小さいわけじゃないだろ! それなりの大きさ……のはずだ。
女だってよがらせられるぐらいの大きさ……だよな? だから、その可愛いって!」
「うるさいなぁ~少し黙ってて……ね」
時折疑問系になりながらも、復活してがなりたてる彼の肉棒を手で掴む。
上目遣いで微笑んでから、先端に唇で触れた。
途端にぴくりと大きく震えるプロイセン。
「えへ、やっぱり可愛い♪ たくさん遊んであげるからね」
抵抗すらする間もなく、根元をしっかりと掴まれた。軽く唇を開き、先端部分を口に含む。
唾液で全体を濡らし、舌先でねっとりとしゃぶりあげる。
「ん…んぶぅ……ちゅ…んふ、気持ちいい?」
ちらりと彼の反応を見てみると、すでに快楽の虜になっているらしく、目をつぶり、下半身の感触に酔いしれていた。
予想通り……いや、予想以上の反応に気をよくしたのか、唇を離し、床に転がっていたボトルを手に取った。
口を開けると、辺りに甘い香りが漂う。
「これね、カナダちゃんから貰った幸せになれるメイプルシロップ。これをね……こうやって」
大きな胸を寄せ付け、谷間にシロップを流し込む。琥珀色の液体が魅惑の塊を彩っていく。
「これでおちんちんを挟めば……ほら、幸せになったでしょ」
豊か過ぎる胸に両方から挟まれ、更に元気を増していった。
「で、おいしそうになったおちんちんをぱくっと」
胸の間から顔を出した亀頭を唇で包み込んだ。口の中に広がる甘い味の中にほのかに感じるにがさ。
「ん…んぐぅ……ちゅぢゅ…ふぁ……やっぱおちんちん美味しい♪ ……あれ?」
淫語が彼女の口から出るたびに、大きく反応を見せる事に気がついた彼女。
「へぇ……えっちに乱れる女の子が好きなんだ~ふーん」
口元の笑みが深くする。
唇を離すと、口の中にたまった唾液を一度飲み込むと、淫靡に満ちた表情を浮かべて見せた。
一度立ち上がり、ズボンを脱ぎ捨てる。わざと彼の顔の上で。
レースの下着を下ろすと、銀色の糸を引き、しっとりと濡れた蜜壷が露になった。
指先で陰唇を開いてみせると、一本だけ指を差し入れ、ゆっくりとかき回す。
口元をだらしなく開け、息を荒くしてみせた。
「ね、お願い。ここ……舐めて。おまんこぐちょぐちょになるまで舐めてぇ」
彼の顔の上に腰を下ろし、胸を身体に押し付ける。
唇はもう一度、彼の肉棒を包み込み、
「くっ……スケベな奴だ。こんなにおまんこ濡らしやがって」
少しずつ復活し始めたゲルマン特有のS心。
荒々しい舌捌きにも、時折声をだし、悶えてみせ……
濡れた音が響く。お互いの性器をしゃぶり続ける。
たまに尻を叩く音。彼女を責める声。
――きっとプロイセンは主導権を握ったと核心しているのだろう。
しかし、どうあがいてもウクライナの手の上で踊っているだけとは……思いもしないのだろう――
「えっとあっと、べ、ベラルーシちゃん、顔怖いよ? ね、笑ってくれる……かな?」
一方、青ざめた顔で迫りくる少女を見つめているのはイタリア。
潔く全裸になったベラルーシは、凶悪な道具を手に、じりじりと近寄ってきていた。
逃げようと抵抗はしてみるが、手足はしっかりと縛られているため、逃げられそうにない。
その間にも、目の前に到着する。仁王立ちの少女。
全裸の為、うっすらと茂った秘所や形の良い乳房が丸見えだ。
ほっそりとした身体。足はすっきりと長く、魅惑的な腰に手を当て、彼を見下ろした。
「尻がいい? ちんこがいい?」
黙って立っていれば美少女なのだが、口を開いた途端、女性に対する幻想が音を立てて崩れ落ちていく。
「で、尻か? ちんこか?」
苛立った表情で、もう一度問いてきた。
質問の意味を理解できず、首を傾げるが、彼女の迫力にそれ以上突っ込めず一瞬考え込み、
「どっちかというとちんちんの方がいいけど。だけどそれ何の選た……ヴェ?」
ずるりとズボンを下ろされる。ちょこんと顔を顔を出す男根。
恐怖の為か、魅惑の裸体が目の前に迫っていも、まだ元気にはなっていない。
露になった自らの男根と、彼女の無表情な顔を交互に見やり、
「うわぁぁぁぁっ! ベラルーシちゃんちょっとそれはダメぇぇ」
「煩い。黙ってろ」
混乱して泣き叫ぶ彼の口に、何やら押し込められた。一瞬見えたそれは、黒い布でできた何か。
口の中にほんのりしょっぱさが広がった。
「それ、私のパンツだから。サービス。それじゃ、はじめる」
色々突っ込みたいが、口をふさがれているため、言葉はでず、更に手足は縛られているから、抵抗もできない。
手に持っている透明な細い管が光に照らされて怪しげに光る。
「よし、萎えているからやりやすい」
抵抗感もなく、男根を鷲づかみにし、亀頭に透明なゼリー状の何かを塗りたくった。
少し清涼感のある感触。やがて彼女の手が触れているのに、感覚が鈍くなったように感じ始めた。
「効いてきたか。入れるぞ」
管が亀頭の先端に触れる。微かに開いた尿道にその管がゆっくりと飲み込まれていき、
「…っ!! ふぐぅー! うぐぅぅっ!!」
今まで感じたことの無い感触に声を上げる。涙目になって身体を大きく震わせた。
彼の反応を確認すると、中に入った管を少しだけ引き抜く。そしてもう一度ゆっくりと中へと進入させる。
元気の無かった男根も、その刺激に徐々に反り返り、主張を始めていた。
「中々の刺激か。どーてーだからこいつの半分程度と想定しても……結構いける。兄さん、待っていて」
……きっと、どこかでロシアがクシャミをしたことだろう。そして、同時に悪寒も感じているのではないか。
彼女の瞳には、彼はもう『男』として認識していない。体のいい実験体だ。
『男』は愛する兄だけなのだろう。
管を出し入れしながら、陰嚢を手のひら全体を使って揉みあげる。
男根から与えられる未知の快楽に、彼の意識は飛びかけていた。
絶え間なく口から溢れ出す唾液が、彼女の下着に吸い込まれる。どれくらいの唾液が吸い込まれたのか。
重さを増した下着が、下を向いた途端に口の中から零れ落ちた。
やっと解放された口内。しかし、もう彼女の行為を諌める事もできない。
「あぅ…やぁ、やだぁ……お、俺、そんな」
軽く肩を震わせる。男根が微かに震え始め、
「出すの? やっぱり早いわね」
勢い良く管を抜きさる。管が外れるのが早いか否か、大きく身体を震わせて、精液が吐き出された。
白い液体は大きく弧を描き、床を、そして魅惑の彼女の身体を汚していく。
顔にかかった液体を指で拭う。整った眉をひそめる姿は一種の絵画のように美しいのだが。
「どーてーのは臭くて嫌。次いく」
焦点の合わなくなった瞳のイタリアの身体をまたぎ、愛液が溢れる秘裂を指で開く。
ゆっくりと腰を下ろし……途中で男根につけたゼリーの存在を思い出し、動きを止めた。
しばらく何かを考え、
「ま、どうでもいい。身体にさほど害はないし」
気にせずに身体を落とす。
まだ復活のしていない男根を内腿で擦りあげる。溢れ出す愛液が潤滑剤となり、濡れた音を立てる。
しなやかな身体が彼の体の上で舞い踊る。手を伸ばせば触れられそうな柔らかい胸。
身体をゆするたび、胸が上下に揺れ、形を変える。
「ん…そろそろか?」
白い内腿に挟まれ、硬さを増していく男根。
何度か指先で勃ち具合を確認すると、腰を上げ、自らの中へと進入させる。
くちゅりと小さな音を立て、男根が飲み込まれていく。
「ふぁーー! もうヤダもうヤダよぉ~」
衝撃の快楽の連続に駄々っ子のように泣き叫ぶ姿に、いらっとした表情を見せる彼女。
涙をぼろぼろこぼす彼に枝垂れかかり、胸を押し付ける状態にする。
耳元に軽く息を吹きかけ、小さな声でささやいた。
「煩い。尻にも入れられたいか?」
青ざめて首を激しく振る彼に満足したのか、再び腰を動かしだす。
微かに甘い声を漏らす少女と、必死に泣き声を漏らさないようにしている青年。
その奇妙な組み合わせの行為はまだ続くようである。
襲われるイタリアと、襲うベラルーシという光景を横目でちらりと見ながら、苦笑いを浮かべる。
「ベラルーシさんったら……後でイタちゃん慰めないとね」
「それはもちろん性的な意味で……ですよね」
「当たり前じゃないですか。他にどういう意味があると思いますか?」
「……ありませんね」
くすくすと笑いながら唇を合わせる。
最初は遠慮しがちに唇を合わせていたが、意外に積極的な彼の舌使いに夢中でしゃぶりつき始めた。
「もう、枯れているって自分で言ってたくせに、こんなに上手いんですね」
「亀の甲より年の功って言いましてね。伊達に年は重ねていませんよ」
「日本さんのむっつりスケベ」
「それ、そっくりお返しします。ハンガリーさん」
周りは悲鳴やら泣き叫ぶ声やら、異様な雰囲気にも関わらず、まったりとした空気を身にまとって、口付けを交わす。
自然に彼の腕が彼女の腰を掴み、背中のファスナーを下ろしていた。
「ところで……この間送ってくれた新刊最高でした。よくあんなの見つけましたね」
首筋に吸い付かれ、小さく身悶える。軽い音を立て、ワンピースが床に落ちた。
空気に素肌が晒される。豊かな胸、きゅっとくびれた腰、程よく筋肉のついたバランスの良い脚。
「喜んでくださって光栄です。街で人気のあるものを送ってみたのですが……私はそっち方面には疎いもので」
フロントホックを外す。ぷるんと大きく揺れ、乳房が顔を出した。
つんと立った乳首に唇を寄せる。
「もったいない。あんな純な世界の事を知らないだなんて。是非、日本さんも読んでみるべきです!」
唇で転がしていくうちに徐々に硬さを増していく。胸を舌で這いながら、彼女の下半身に触れてみた。
しっとりと濡れた下着。指先でなぞると割れ目がくっきりと現れた。
「いえ、私には二次元の嫁がいますから、遠慮しておきます」
下着の上からでもわかるくらい大きくなった豆を指でつまみあげる。
大きく身体を震わせ、彼女は枝垂れかかってきた。肩で呼吸をする。どうやら軽くいってしまったらしい。
「……ん、日本さんならば良いネタになりそうなのに……ふぁ…」
「ネタにはしないでくださいね。さ、そろそろですかね」
脚の力が抜けた彼女の腰を掴み、側にあったキングサイズのベッドに視線をうつした。だが、あいにく先客がいる。
仕方なしに部屋の片隅の小さなベッドを見つめ……動きが止まった。
そんなに離れてはいないが、力の抜けた彼女はもう歩けそうに無い。
そうすると……
「失礼します」
横から抱きしめ、膝をすくい上げるように彼女の身体を持ち上げ、
――ぴき――
嫌な音が響き渡る。彼女がその音に気がついてみあげると、冷や汗をたらし、青ざめた彼の姿。
「もしかして……」
「ええ、もしかしてです。こ、腰が……」
見た目は若くても、身体は数千歳。彼女を抱き上げようとして腰を痛めたらしい。
彼の腕から離れ、大きくため息をつく。
「しょうがないですね。少し力抜いておいてくださいね」
しゃがみこんでしまった彼の肩を支え、仰向けにする。そして膝に手を入れ、一気に持ち上げた。
先ほど、彼が挑戦して傷を負ってしまったお姫様抱っこを、彼女は軽々と行ったのだ。
こんな女性にも負けてしまうとは……と気を落とし、更に襲う腰の痛みに涙が出そうになった。
「ああもう、日本さん、そんな顔しないでください」
抱きかかえたまま、日本のおでこに唇を落とす。
まるで正反対な立場。ベッドに下ろされても、腰の痛みは取れそうに無い。
腰をさすりながらひたすら謝る姿に、彼女は微笑を浮かべた。
「しょうがないですね。じゃ、服脱いでください」
彼女の言葉に、彼は一瞬固まり……
「あ゛ーーー、くぅーそ、そこ最高です」
親父臭い……いや、爺のように気の抜けた声をあげているのは日本。
裸にむかれた彼は、裸のハンガリーにのしかかられていた。
ただし、彼はうつぶせになったまま。
背中にはオイルが塗られ、しなやかな彼女の手が背中を指圧する。
彼女も全裸で、オイルでぬるぬる。本来ならば濡れ場というべきなのだろうが、どうも色気がない。
美しい裸体を晒している彼女には色気がある。十分すぎるほど。
オイルでてかてかと光る背中に、時折身体を押し付けて、胸に走る快楽に酔いしれる。
手を動かすたびに、豊かな胸が上下に揺れ、魅惑的な肢体が踊る。
だが、相手の方は、まるで銭湯に来た老人のようで。
腰をもまれるたびに、魂の抜けたような声を出す。
「ハンガリーさん、最高ですよ。マッサージお上手ですねぇ」
「ええ。私の家にも温泉ありますから。マッサージはお手の物ですよ」
誉められ気を良くしたのか、痛めた腰を中心にじっくりと指を動かす。
あまりの気持ちよさに段々と意識が遠のいていき……
重くなる瞼。身体をゆすられても、もう睡眠欲には勝てそうに無い。
「……人間の三大欲は……性欲、食欲、そして睡眠欲でして、睡魔にはもう勝てな……」
言い訳のように虚ろな声で呟き……とうとう彼は夢の中へと落ちていった。
「あーもうずるいですよぉ。私も気持ちよくしてください」
不満げなハンガリーを一人置いて、日本は幸せそうに眠りについたのだった。
「…………」
「…………」
周りのピンク色な空気とは一線を引く二人は、ベッドの上で向かい合って長いこと見詰め合っていた。
いや、どちらかというとにらみ合っていたというべきか。
「お、おい」
「あ、あの」
ほぼ同時に声を出し、再び沈黙する。お互いが相手が話し出すのを待っているのだろう。
しかし、どちらも口を開くことがなく、大きく呼吸をしてもう一度、
「お、おい……」
「あ、あの……」
やはり同時に声を出してしまった。気まずい沈黙が再び訪れ、
「……お前から話せ」
ぶすつとした顔でロマーノが呟いた。だが、リヒテンシュタインは首を横に振る。
「ロマーノさんからどうぞ」
「お前から話せ」
お互い譲り合い、また沈黙。そんな空気に耐え切れなくなったのは彼が先だった。
「ちくしょう! ああもう言ってやる! 何であいつらはあんな事して! 何で俺はこんなとこにいるんだ!
俺は合コンだから来たわけで、こんな騒ぎに巻き込まれるために来たわけじゃな……く」
思わず感情的にがなりたててしまったが、女性の前という事を思いだし、声が徐々に小さくなった。
ちらりと彼女の表情を確認する。気弱そうな少女だから、泣いてしまったら嫌だなと思いながら。
だが、彼女は首をかしげているだけ。
「えっと、合コンってこういうものなのではありませんか?
前に北欧の皆さんとやった時は、このように……」
彼女の言葉に彼は硬直した。周りを見回せば、確かに皆疑問を抱かず、行為にふけっている。
「……もしかして、俺の認識が間違っていたのか? 世間の合コンというものはこういうもの……んっ」
唇に触れる柔らかな感触。瞳に映るのは頬を染めた少女の顔。
それがキスというのに気がつくまで、しばしの時間を要し、
「ばばばばば……馬鹿野郎!」
彼女以上に顔を真っ赤にし、慌てて離れる。きょとんとした顔で彼を見つめる姿に、視線を逸らし、
「……馬鹿はいいすぎた。すまん。だが、こういう事はお互いの事をもっと良く知ってから」
意外に純情な彼の言葉に、彼女は柔らかい笑みを浮かべた。
「それならば、今からお互いの事を……ロマーノさん、お願いします」
するりと服を脱ぎ捨てる。
控えめな胸。白く細い腰、保護欲をそそる華奢な身体。
そして恥ずかしそうに頬を赤らめる少女。
――それで、彼の理性の糸は切れた。
とりあえず押し倒してみたのはいいが、それから何をして良いのかわからずに硬直した。
柔らかな腕の感触に動悸が激しくなる。頭がくらくらしてくる。
行為に関しては知識はあるにはあったが……如何せん、実戦経験が無い。
「……まずは入れやすいよう、濡らしてくださると嬉しいです」
消え去りそうな彼女の声に、我に返る。
女の子に不安を与えてはいけない。それが女好きとしての役目だ。
本に書いてあった事を反芻し、彼女の身体に手を伸ばした。
柔らかそうな胸に手を伸ばし、指先だけ触れると、すぐに手を引っ込めた。
彼女の表情を確認する。嫌がっている様子はない。
もう一度手を伸ばす。ふんわりとした感触。
「やわらけぇ……」
小さいのにしっかりとした弾力をもつ胸の感触に感動を覚えたのか、更に指を動かした。
手に吸い付くような肌。微かにふくらみを持つ丘。その頂点を桃色の蕾が彩っている。
蕾を指でつつく。小さいながらも、しっかりと主張する姿に、ある意味感動すら覚えていた。
「や…ふぁ……胸ばかりじゃなくて……お願いします」
涙を浮かべ、更なる刺激を求めてくる彼女。
苦手なモノの一つ、女の子の涙を見てしまったことで、一瞬動きが止まった。
だが、それが快楽による涙という事を理解すると、全身に熱が帯びる。
ズボンの中で必死に主張している陰茎が痛いが、まだソレを解放してやるのは早い気がする。
焦る心を終えつけ、魅惑の秘貝に触れる。蜜が溢れているワレメを指でなぞり、少しだけ中に進入してみた。
「んぁ…んんっ…やぁ」
口を押さえ、必死に声を抑える姿。それが非常に愛おしく感じる。
「声出してもいいんだぞ。可愛い声聞かせろ」
乱暴な口調。だが彼にとっては最大限に優しくしているつもりなのだろう。
その証拠に、時折彼女の表情を確認しながら指を動かしていた。
少しでも痛そうな表情を見せれば、動きを止める。そして再びゆっくりと動かし。
丁寧な前戯。彼女にとってそれは嫌いではないが……
ちらりと辺りを見回す。誰もが熱く濃厚な行為に励んでいるのに。自分だけはこんなに拙い行為で。
「…ふぁ……皆さんみたいに……もっと熱く……」
声を上げるたびに、彼の動きが止まる。
――もう我慢できない――
「すみません!!」
謝罪の言葉を述べ、彼を押し倒す。
瞳を大きく開き、戸惑いの表情を見せる彼のズボンを一気に下ろした。
ぷるんと顔を出したのは、まだ自制の中に進入した事の無い可愛らしい亀頭。
今までの刺激で、すでに興奮していたのだろう。頭からは汁がじわりとあふれ出していた。
頬を赤らめ、指先で亀頭に触れる。刺激に敏感に反応して、肩を大きく振るわせる。
まだ混乱しているのか、言葉も出ず、自らの陰茎を弄る彼女を見つめているだけ。
「もう大丈夫そうですね……それでは…んっ」
腰を持ち上げ、狙いを定める。根元に手を沿え、自らの中へと進入させる。
濡れた音を立て、亀頭が吸い込まれる。微かに眉を潜める姿に、彼はやっと我に返った。
「ちょっとまて、痛いのか? それなら今抜いて……」
「嫌です……くぅ……ふぁ…もっと奥まで……んっ」
彼女の尻を掴み、持ち上げようとする彼の手を振り払い、膝の力を抜く。
結果、自重で陰茎は彼女の中へと吸い込まれていった。
すっかりと収まってしまった陰茎と、少し苦しそうな彼女の表情に、少しだけ泣きそうになり、
「すまねぇ……んぐ?」
二度目のキス。頬をかすめる彼女の柔らかな髪。熱い唇。
胸板に押し付けられる乳房。高まる鼓動。
「ちくしょう……ちくしょうちくしょう! 泣いてもしらねぇぞ! お前が悪い! もう止まらねぇ!!」
細い腰を押さえつけ、強く打ち付ける。
動くたびに、彼女の白い身体が上下に揺れ、口から甘い声が漏れる。
「くふぁ…お願い……もっと強く……んっあ、やぁっ」
美しく乱れる彼女の身体。いつも澄ました顔をしている少女が、今は快楽に顔をゆがめ、涙をこぼす。
征服したという高揚感と、涙に対する罪悪感。
それでも、止める事などできず、高まった熱は彼の身体を揺り動かす。
とろりと溢れ出す蜜が彼の身体を、そしてベッドを濡らし、染みを作り上げる。
どうすれば彼女に快楽を与えられるかなんて、考える事などもうできない。
ただ強く腰を打ち付ける。がむしゃらに腕を伸ばし、手に当たった乳首を強くつまみあげた。
「痛っ! やぁ…やめ……あぁぁっ」
手に力を入れると、陰茎を強く締め付けてくる感触が強まる。
痛みに反応して締めてくると理解るや否や、柔らかなふくらみを持つ臀部に平手を一つ。
乾いた音と彼女の甘い声。更に締め付けてくる感覚。
「もっと締め付けろ! もっともっとだ! くっ」
身体を叩く音と、悲鳴に近い少女の声。高まっていく射精感。
腰を押し付け、できる限り奥まで当たるように構える。抱きついてくる彼女の身体を抱き寄せ、
……身体に広がる赤い痕がちらりと見える。
自分が傷つけてしまったという罪の意識に苛まれながらも、同時に強い喜悦に襲われ、
「……ちくしょうが」
彼女を一方的な欲望によって汚してしまったという罪深い感覚。
「……馬鹿だ。俺、馬鹿だ」
初めての行為の嬉しさは無い。激しい後悔に襲われ、彼はぽろぽろと涙をこぼしていた。
「さーて……ドイツさん、こっち来てください」
「この俺に勝てると思っているのか」
あまりの展開に理性が吹っ飛んでしまったのか、全裸状態でセーシェルと対峙しているドイツ。
彼女も彼女で、やはり全裸で彼に不敵な笑みを浮かべていた。
……なぜか、お互いに鞭やら、拘束具をもったままで。
「もう、ドイツさんったら照れ屋さんですね。大丈夫ですよ。じきに気持ちよくなりますから」
ぱんっと手にしていた鞭で床を叩く。不思議と手馴れた様子で。
「それはこちらの台詞だ。ひぃひぃ言わせてやる」
手に持っていた縄を強く引っ張る。乾いた音を立て、縄が真っ直ぐになった。
じりじりと距離を縮めていく二人。笑みは浮かべているが、心臓の弱い物にはキツイ殺伐とした空気だ。
「もう蜜が溢れているじゃないか。そんなに俺に攻めて欲しいのか。淫乱な奴だ」
「そういうドイツさんだって。私の鞭の音でおちんちん反応したんじゃありませんか?」
まずは軽めの言葉攻め。だが、どちらも一歩も引きそうに無い。
そうすると、実力行使しかないだろう。どちらかが束縛されれば、なし崩しにSとМの立場が決まる。
勝負は一瞬。首輪と縄を持った両者がじりじりと近づいていき……
「あうやぁっ!」
気が抜けそうな声をあげ、彼女が派手にすっころんだ。
あまりに愉快な姿に、彼の肩の力が抜けた。あきれた顔で彼女に近づき、手を差し伸べる。
「全く……結構そそっかしいんだな」
「へへへ……ごめんなさい」
彼の手をとり……その腕につめたいものがかけられた。
声を出す暇もなく、手早く両手を背後に回される。そして両手の動きを塞がれた。
戸惑いの表情をみせる彼の瞳に映るのは、不敵な笑みを浮かべる少女。
手にした首輪がきらりと光った。
「ドイツさんも結構うっかりさんですねぇ。こんな手に引っかかるとは」
――今やっと気がついた。彼女が転んだのが罠だという事に。
そして、今、SとМの立場が決まってしまった事に……
彼の首につけられた首輪が冷たい音を立てる。
だらしなく開いた口からは、絶え間なく唾液をたらし、床を汚していた。
犬のように四足になった彼の上に、澄ました顔の女王様が腰をかけていた。
尻に入っているバイブ付きの尻尾を少しだけいじると、身体を震わせる。
「ドイツさんって、こんなエッチな顔もできたんですね。ギャップがすっごく素敵です」
身体の上から降り、満面の笑みを浮かべ、頬にキスを一つ。
そのような行為は年相応の少女らしいのだが。
可愛らしい表情のまま、大きく手を振りかざし、尻に向かって叩きつける。
「ぐっ!」
これくらいの痛みならば、本来ならば蚊に刺された程度なのだろう。
しかし、最大まで感覚が研ぎ澄まされた現状では、痛みよりも羞恥による快楽が増幅されてしまい。
「あ、感じてますね。おちんちんから我慢汁がぽたぽた滴ってるですよ」
剛直から零れ落ちる液を指でぬぐい、彼の鼻面に近づけた。
自らが出した青臭い香りに眉を潜める。
「ぎんぎんにおっ立ててるし、そろそろ楽にしてあげましょうか? エッチな雄犬さん」
足を開き、妖惑的な蜜壷を露にする。興奮しているのか、すでに健康的な足に蜜が流れ落ちていた。
「やっぱ、犬だったら犬らしく後ろからですかね。
さ、交尾の許可あげます。後ろからたっくさん突いてください」
壁に手をつき、臀部を突き出す。
てかてかと光る蜜壷を向けられたら、今の彼に我慢できるわけもなく。
「突いてやる。たっぷり突いてやる!」
「くっは……ぐっ」
男の吐息が漏れる。唇をかみ締め、強く腰を打ち付けていく。
濡れた音が響くたびに、彼女の甘い声があふれ出し、男の興奮を高めていった。
少女を後ろから攻める。大きな身体が彼女を包むように覆いかぶさる。
確かに犬のような行為の仕方。だが、この体位は確実に彼女を支配できる形であり。
「ひゃっ、や、おっきい…大きいよぉ! 私の中壊れそ…っ……く」
確実に彼女は自らのモノに反応している。先ほどまではあんなに蔑んだ瞳で見ていたはずなのに。
揺れる胸を鷲づかみにする。びくりと反応し、振り返って快楽におぼれた表情を見せる。
「や…おっぱいはダメぇ……そんなきゅっとにぎっちゃ……くふぅん」
ダメといわれて、素直に離すような男ではない。
「胸でも感じて、おまんこでも感じるのか。やっぱりお前が変態なんだな」
徐々に瞳に熱い光が戻り始めた。忘れかけていたサドの心。
指先で乳首をつまみあげる。両方の乳首をつまみ、同時に引っ張る。
接合部分に手をやり、小さく主張する豆を爪で引っかく。
「やだやだやだ! やめてそんな強く……やぁっ!」
なきそうな彼女の声に、快楽が最大限に高まった。
強く腰を押し付ける。彼女を征服するために。
「中に出してやる! よく味わえ雌犬が!」
そして、精液を吐き出し……
……何故か吐き出せなかった。
剛直は痛いほどにはれ上がっているのに。
戸惑う彼を置いて、彼女は身体全体を大きく震わせた。
息を深く吐くと、腰を引いて剛直を引き抜く。
ずるりと出てくる感触に、軽く身震いし、呆然と佇む彼に微笑んだ。
「誰が雌犬ですか? 誰が変態なんですか? これはお仕置きです。イかせてあげません」
まだ勃起しつづける剛直を手で触れる。ゆっくりと竿をなで上げ、根元を優しくなで上げた。
よくみれば、根元に透明な何かが巻きつけてあった。このせいで射精をせき止められたのだろう。
「ふふっ、私に逆らった罰です。そうですねぇ……私を10回いかせたら、外してあげますよ」
剛直がびくりと震える。先端からは出せなかった精液がだらしなくあふれ出している。
これを出してしまえたら、どんなに気持ちよいのか。
この苦痛から逃れたい。快楽におぼれたい。
もうその欲求しか彼の瞳には無かった。
力なく彼女の足元に座り込む。
「……女王様、ご慈悲を」
虚ろになった瞳で、彼は救いを求め……
何度も交わっても満足することはできない行為。
彼女のためだけに、身体を動かし、快楽を作り上げ。
――ここに、新たな主従関係が出来上がったのだった――
どれくらいの時が過ぎたのだろうか。
まだその饗宴は続いていた。
「ヴェ~もうヤダよ。痛いのヤダよ」
「……泣いていたのに、俺は辞められなかった。俺はひどい奴だ……」
「もう、イタちゃんもロマーノちゃんも甘えっこね。
たくさん甘えてもいいわよ」
泣きじゃくる二人の男に胸を吸われ、優しく頭を撫でるハンガリー。
男たちは幸せそうに胸を吸う。ミルクなどでないのに、子供のようにいつまでも吸い続け。
「ふぁ、…ん、やぁ……日本ちゃんすっごい」
甘い声をあげ、大きな巨乳を振るわせる。男は彼女の背中に指をはわし、
「ずいぶんと凝ってますね。やっぱ巨乳って肩こりひどいって本当なんですね」
もうエッチな雰囲気など忘れたかのように、肩をもみ合う男女がいたり。
「くっ……はっ…ベ、ベラ」
「……っ! つ……強く! もっと……ドイツぅ」
箍が外れた男女は、言葉数少なく、身体を求め合う。
ただ、快楽をむさぼりあうだけの関係。
今はそれだけでよかった。
「ちょっと待て! リヒにセーシェル! 俺にはそういう趣味はな……ぐっ」
「兄弟揃って駄犬なんですね。ま、躾のしがいがありますけれど。
……あ、リヒテンシュタインさん、そこ、間違ってます。結ぶときはそっちを先にやらないと」
「あ、本当ですわね。こうすると確かに綺麗に縛れますわね」
涙目になったプロイセンを縛り上げ、楽しそうに女王様講習を始めるものもいたり。
誰もがその饗宴をそれぞれ楽しんでいるようであり。
それはきっとまだまだ続くのだろう。
男の精魂が尽きるのが先か、女性の体力が尽きるのが先か。
それは誰にもわからないだろう。
2009.09.25初出
積極的な女の子は好きです。
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