本文サンプル(一部抜粋です) |
風呂上りの御剣は本当においしそうだった。いいにおいがした。 洗いたての髪の毛はさらさらだった。日に焼けない肌が白かった。 部屋の電気を消したくなかった。さすがにそれは駄目だと怒られた。 いいじゃないか、こんなに静かに肌に触れられるのは久しぶりなんだから。 娘のことや明日の仕事のことを考えずに、 御剣に触れられるなんてそんなに何度もあるわけじゃない――と言ったら、 君がそんなことを気にしていたとは知らなかったな、 少なくとも私はそんな配慮を受けた覚えはないが―― 誰か別の人間にそんなことをしたのかね? などと、さらっとコワイことを言われた。 ちょっとちょっと! 僕がそんなことするわけないじゃん! 成歩堂は笑いながら、しかし真剣に御剣にそれを抗議する。 本気で御剣がそれを信じているとは思わないが、しかしそんなことを疑われるのは心外だ。 「そうだろうか?」 「そうだよ。だいたい久しぶりじゃないか、二人だけでっゆっくり出来るのって――。ねぇ?」 「そんなことを同意されても困る」 そっちだってやる気の癖に同意しろよ。 「なんだよ。僕がこういうことをする相手がほかにいると思ってるの?」 「…いるのか?」 「いればいいんだけどねー。 こんなだらしない子持ちの男に付き合ってくれる愁傷な物好きは、 …生憎と一人しか知らないもんでね」 「ほう」 「だからつきあってもらおうと思って」 肌は白い、本当に白い。夜は暗い。電気を全部消すと本当に真っ暗になるほど暗い。 さすがにそんなところでことに及ぶのは嫌なので、豆球だけは許してもらった。 ここは町とは違う、窓の外は本当に暗い。 すだれのかけられた窓の外がほんのり見えるのは、今日が満月だからなのか。 でも夜は晴れているようには思えない、そんなことはどうでもいい――そう、どうでもいい。 蚊取り線香の匂いは少し気になるけど。 「そんな物好きがいるとはな。貴様も捨てたものではないではないか」 「うん、そうだね。……僕には持ったいない人だよ。 綺麗で、強くて、弱くて、……やっぱり強いよ」 「ずいぶん、な、褒めよう…では、ない…か、……ッ、 跡は、跡は…つけるな…、夏の、服は、案外透けて見える…のだ」 「こんなところも?」 舌を伸ばして小さく隆起している皮膚を舐める。味蕾には何の味も感じない。 まだ風呂から出たばかりだからなのか、ただ――滑らかなだけだ。 もう何度も何度も舐めたのに、まだ成歩堂はその味を覚えられない。 戯れに話を始めたときにはまだ少し固かった皮膚が少しずつ柔らかくなっているのはわかる。 「ここならいい?」 「ば…」 「女の子みたいに、…膨らむかな」 「イッ…!」 赤ん坊が吸い付くように、御剣の乳頸に舌を伸ばした。 少し先の部分を尖らせた先で弄繰り回したあと、唾液を口の中に溜めて、唇を細める。 そうしてからおもむろにそこに吸いついた。 舌の裏で乳頸を転がす。 前後に撫でたあとは舌を回して擦るように舐め、反対の乳頸は指先で摘んだ。 親指と人差し指の間に挟んで小さく揺する。 沈んでいた皮膚から、そこはすぐに真紅の丸い形をあらわして、ぷっくりと立ち上がっていた。 根元のくびれているところへ力をこめ、そこを狙って今度は摩擦を加える。 皮膚が急激に汗ばんできた。 「う、うっ…ん」 まだ声は小さい。 さすがに網戸が開け放しになっているので、声を控えているんだろう。 唾液で濡れた御剣の乳頸は、 薄ぼんやりした明かりの中で触れてもわかるほど、熱を持って腫れていて、 左右の胸に手をやれば、大きさまで違うように感じられる。 成歩堂はそれを確かめて、さっきまでなぶっていた乳頸を改めて舐め始めた。 布団の上から成歩堂の頭を撫でていた手が、整っていない髪の間から耳を探る。 「なに」 強く引かれたので、成歩堂が顔を上げた。 「な、んで…そっち…ばかり…」 「ん? じゃ、自分で弄りなよ」 |
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