まったく別の場所で、まったく違う人生を歩んで、ここでこうして一緒に生活していることは、ほぼ奇跡に近い。 だから、価値観の違いとか、そういうのが生まれてくるのは当然のことだと思うし、むしろそういうものが生まれない方がおかしいと思うけれど。 だけど、あいつと俺にはそんなすれ違いはないと思ってた。 「ただいま」 「・・ん・・ぃ・・っ!?」 暗闇の中、二つの荒い息遣いと甘い声が交差する。 「だ、め・・ぃた・・っ」 ウソップはルフィの腕にぎゅっと爪を立てたが、それでもルフィは止まらなかった。 「・・ぃ・・・たいっつっつんだろーがっ!」 痛みに我慢出来なくなったウソップは、目の前にあるルフィの頭をバシッと叩いた。 「なんだよー」 「そんなに激しくされたら傷が開く!」 「えー、俺激しいのがいい」 「えーじゃない!俺はおまえとは違うの!」 納得がいかないのか、ルフィは口を尖らせた。 「だいたいな、死にぞこないだった奴が一番に回復するとかどうだよ!おまえの身体、大概おかしいぞ?」 「・・・どうしてもダメ?」 「ダメ。無理。」 今度はぷぅっと頬を膨らませる。 しばらくの間睨み合って、観念したのかウソップの上にぺたんと落ちた。どくどくとウソップの鼓動が伝わる。肩に顔をうずめたせいか、鼻にウソップの癖のある髪の毛が当たってくすぐったい。 急に、まだ少し傷跡の残るオデコをふわりと撫でられた。 「・・・信じてたけど、・・ルフィがいなくなったらどうしようって思った」 か細い声に心配になって顔を上げたら、泣きそうな顔で見つめられていた。 「俺が死ぬとかありえねーし。つか、ウソップ残していなくなるわけねーし」 その答えに安心したのか、ウソップはすぐにいつもの笑顔に戻った。 「・・・でもホントは死ぬかと思った・・・」 ぎゅうっと抱き締めながら言ったルフィの声は、少しだけ弱々しかった。ウソップは一瞬驚いたが、すぐにルフィの背中に手を回した。 「・・あん時ウソップが来てくんなかったら、俺、」 「それ以上言ったら怒るよ」 誰よりも強い男が吐く弱音を、ウソップはそこで制した。これ以上は聞きたくない。聞いちゃダメだと思った。 ルフィは、ウソップの耳にも聞き取れないような声で「ごめん」と囁くと、ようやく上体を起こした。長いこと暗闇の中にいたせいか、目が慣れ目の前にウソップが映る。 戦闘からしばらく経ったが、ウソップの身体にはまだ生々しい傷跡が残っていた。その一つを撫でると、ウソップはぴくりと反応した。 「まだ痛い?」 「ちょっと」 今度はウソップが、もう大分治りかけているルフィの胸の傷跡に触れた。 「痛かった?」 その問いには答えず、触れられたウソップの手を捕まえると耳の横に追いやって指を絡ませた。その間にウソップの唇を奪う。 「・・ウソップを殴った拳の方が痛かった・・」 囁きまた唇を奪う。何度も何度も、お互いの存在を確かめるように口づけを交わした。 結局ゆるい刺激だけでお互い果てると、ルフィはまたウソップの上にぺたんと落ちた。 「・・激しいのがいい」 「まだ言ってんのかよ」 口を尖らせるルフィに、ふ、と笑った。 「・・傷、治ったらしていいよ」 「ホントか!?」 途端に明るくなった顔を見てまた笑みがこぼれる。 「明日の朝、立てないようなやつ」 「任せとけっ」 にししと笑ってウソップに口づけた。 もう離れないように繋がり合おう。 もうどこにも行かないように繋がり合おう。 俺たちはずっと一緒。 ずっと仲間。 ずっと海賊。 「あ、そういえばさぁ」 「んー?」 「おまえ、俺が最初からいたって気づいてた?」 少しの間考えて、ルフィはウソップにキスを落とす。 「秘密」 「なにそれ」 くすりと笑い合ってまたキスをした。 END |
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