動かない。 動けない。 それがこんなにしんどいなんて、知らなかった。 ■ガレージの向こう側■ 「ルフィ。あんたいい加減外出てきたら?全く買い物も何もしてないじゃない。」 呆れたようにナミは手を腰に置いてルフィを見た。ルフィはあれ以来、この部屋から一歩も出ていないのだ。 「いい。その間にウソップ来るかもしんねぇし。」 この問答も、仲間に何回も言われた言葉だ。ルフィはそれに全て、同じ言葉で答えている。 本当は。一歩でも出たら、無理やりにでも引き戻しに行ってしまいそうになる自分をこうしてここにいることで抑えているというのもある。 自分の思う通りに行動出来ないことが、辛い。 「・・・・・ほんと、馬鹿よね。あんた達。」 ナミの言葉に「馬鹿とはなんだ!失敬だな!」と切り替えしつつも、どこか自分でも自分自身馬鹿だと思っている。 「そんな顔してそんなに冷や汗だらだらかきながら待ってるぐらいなら、とっとと迎えに行けばいいのに。」 出来ない事がわかっていても、ナミだけは、話の最後にはそう言ってくる。ナミの中での願望でもあるのだろう。 そしてそれが出来ないのが、俺の、重荷だ。 知らなかった。 こんなにも、重いものだったのだ。 「・・・・・ナミ、わりぃ。」 「わかってるわ。・・・言いたいだけだから。」 だから最後まで言わせて?有無を言わせぬ雰囲気で、ナミは続ける。 「そうだから・・・待ってるわよ、あいつきっと。だって私も、ゾロもサンジ君もチョッパーもビビもロビンもフランキーも皆・・・心のどっかで、あんたを待ってたんだから。」 だって最後の最期、どうしても踏み切れない部分踏み切れるのなんて、アンタしかいないんだもの。 そう、言うだけ言って。買い物行ってくるわ、とナミはガレージを出た。 ルフィはずっと握っている掌を、更にきつく握り締めた。 だからこそ。 だからこそ俺は。 願う事しか出来ない。 俺が踏み切れねぇもんをあいつが踏み切ってくれるのを、待つしかねぇんだ。 ウソップならきっと。俺はそう信じてる。 ああでも一日一日がこんなに長く感じた事、そういや、今までなかったな。 ルフィは窓の外を見ながら、ゆっくりと目を閉じた。 **END |
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