「俺は大神研究所へ帰る」
Rが鷹羽家へ嫁いで来て初めての夏
突如切り出された三行半に リョウは一遍に汗が引く
「は・・な・・な、なん、何だって?! なんで、いきなり、そんな、」
「お前とは暮らせない」
「・・お、俺が 俺が何かしたか?」
「何も」
「し・・しなさ過ぎたからか? 悪かった、こっ、これからは
おはようからおやすみまで外人張りに抱擁でも接吻でもする」
「そうじゃない」
「言わなさ過ぎたんならいくらでも言う
あ、愛・・あ、・・あ・・・ぃ、愛し、ぁぃし・・て、る」
「もう耐えられないんだ」
「そっ、そうか、しすぎたか? これからは週1、いや、五日置き、
いや、三日置き、いや、一日一回にするから」
「ふざけるな それで駝鳥のつもりか」
「それをいうなら妥協だ」
「別にお前に不満がある訳じゃない」
「二郎丸が何か我儘を言ったのか? 俺からよく言っとくから・・」
「そんなのは気にはならん」
「じゃあどうして突然実家へ帰るなんて・・・」
「何の事だ? 夏の間だけ研究所で暮らすと言っているだけだ」
「はぁ? なんで?」
「暑いから」
「っ・・・あほかお前は! 暑いなら泳いでくればいいだろ!」
「そうは言っても ここからじゃ海どころか市民プールも遠いし
交通費や入場料の事を考えると行く気になれん」
「川へ行けばいいだろ」
「川か・・なるほど それは盲点だったな」
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