おすすめ度 7 満足度 6 周回がひたすら面倒
| イラスト | 8 |
シナリオ | 7 |
システム | 6 |
| 配役 | 7 |
主題歌 | 8 |
音楽 | 6 |
| 萌え | 6 |
切なさ | 6 |
ときめき | 7 |
| 好きキャラ | 黒王子、彼氏、村人 |
苗字固定名前変換あり(デフォルトネームでもよんではもらえない)
エンド回想含めたシーン回想、イラスト回想あり
クイックセーブとロードあり
バックログ、スキップ、強制スキップあり
オマケボイスとフリートークあり
キャラごとに音配役オンオフ可
プレイ時間初回10時間程度、周回は一人3時間前後
以下、敬称略
原案・原画 由良
かわいらしい絵柄だと思います。
原案もこの方なので、ついつい由良ゲーと呼んでしまいます。
絵はいつものこの方っぽいと思います。……骨格は不自然なんですけど、個性だと思います。
シナリオライターが違ってもやっぱり原案が由良さんだからか、いつもの由良ゲーかなとも思います。
具体的にいうと、ヒロインの性格がラブレボ系。
明るくていい子なんだけど、まあちょっと傲慢でずれてる。
設定から、極めて精神的に危うい女の子だなという感想を持たずにはいられないのですが(異世界召喚されてその世界で生きてゆくというのとプログラミングされたゲームの世界で生きてゆくというのは似ていて非なるものです)、シナリオの路線としてはその中で彼らも必死にひとりの人として生きているんだという方向にもってゆきたいようなので、設定の痛々しさを全肯定の方向にもってゆかなくてはならず、そのあたりがちょっと……。
全体的な分量は、周回が面倒なために結構あるような気がしますが、個人個人のイベント量としては多くない。
グラフィックもここにいれちゃいますが、ポリゴンはもっと頑張って欲しかった。
予算の問題もありますけど、あれはひどい……。何故あれでゴーしちゃったんでしょうか。
それから戦闘がストレスです。
恋愛ゲームは周回必須。強さそのまま二周目は当然ですが、アイテム引継ぎもして欲しかった。
二周目からは戦闘もある程度避けてはいきますが、全く育ててない面々もたくさんいますので、全部避けることはできません。ダンジョンか全体マップのどっちかだけで戦闘は十分だったのではないでしょうか。どうしても両方必要なら股がけをもっとしやすくして欲しかった。
戦闘を繰り返すことでキャラへの愛着もわきやすいかなと思いもしましたが、結局オート戦闘で強いキャラだけにしてしまうのでその効果も個人的にはさほどなかった。戦闘自体がもう少し楽しい感じ(協力攻撃とか、オンオフ可能なカットインとか、特定の条件で使えるようになる技とか)の要素があればもう少し前向きに頑張れたのかなとは思います。
6にしてありますが、主観では4です。クイックセーブとロードが使いやすくて、レベル引継ぎができるので6にしてはあります。しかし、周回のストレスが極めて、非常に、強かった。
アルヴァンド 竹内健
ディセ 神谷浩史
ラクロ 中井和哉
キース 緑川光
ルキア 岸尾だいすけ
ソマリ 代永翼
シン 立花慎之介
ワタル 宮野真守
ナオヤ 近藤隆
何で今回配役の点数低いかといいますとね、いや……声質のやわらかい面々の聞き分けがさっぱり出来なかったからです……。
同じ人たちが出ている他のゲームで聞いたときはそんなでもなかったんですけど、今回はなんか、高めで柔らかい声の人たち画面見なかったらどのキャラが喋ってるのかさっぱり私にはわからなかった。今誰のイベントだっけという勢いでした。システムまわりをいじるときにかけられる声は、最後までどのキャラなのか、ほんとわかんなくて。もともと私、声の聞き分けできないので、もっと違う声質の人を取り入れてくれたほうが助かりました。
声優さん個人個人は好きな人たちばかりなんですけど、はい。
元気で、ニィナににあっていると思います。
時々、あわないなあと思うBGMがありました。
スペインぽいという赤の国出身のキャラのBGMがリベルタンゴっぽいんですが、それがまたちょっとうーん。それならもういっそ、ピアソラのリベルタンゴそのまま使っちゃったらどうだろうとか思ってしまうような感じでした。
そのキャラ以外のテーマ曲もあんまり。
客観的に見て、萌えポイントは満載で、好きになる人は多いのではないかなと思う。
ただ個人的にはゲームゲームと繰り返すことでもたらそうと思っているらしい効果のせいで、かえって「ゲーム」ということを常に強く意識させられキャラ萌えという名の感情移入はさほどできませんでした。
切なくなるためのエピソードはたくさんあると思います。
甘い台詞満載ですし、甘やかされてます。
甘い台詞を喋るたびにむしろ彼らはそう喋れとプログラミングされたゲームの登場人物なんだなと思ったりもしました。
個人的に周回するのが本当に面倒だったので、システムをあまり高く評価していません。
ポリゴンとマップと戦闘は予算の関係でしょうが、残念でした。
シナリオは謎のままの部分も残りますが、ゲームの中という設定を特に楽しめるルートが3ルートほどあったので面白かったです。彼氏がいるのに他の男と、という微妙さは、ニィナの清々しいまでの彼氏以外の男を追い掛け回す姿と、すっきりわかれてくれる彼氏のおかげでさほど感じません。
今現在出ている乙女ゲの中ではちょっとおもしろい切り口だったので、楽しめましたが、その分その伏線のためかキャラ萌えはしづらく、キャラの印象は弱めです。
周回が上記の通り面倒だったため、どうにもそれに引きずられて私の評価は辛めなのですが、少し変わった気分を味わえて楽しめるゲームだと思います。
……ほんとに真っ白だ。
白の王子なだけあって、清々しいほどに真っ白だ。彼の苦悩も見事に優等生で、御伽噺の中の王子様。
そのように「つくられている」ということで、彼が真っ白であればあるほど、物悲しくなってきました。
姫様も本当に真っ白で、可愛らしく、やさしく、勇敢で、完璧です。
先にAnotherからやったのですが、恋人はゲームの中の人、というオタク女の姿は、結構同じオタクとしてぐっさりきました。
彼女が真面目に愛をかたり、彼が真面目に愛を語れば語るほど、ぐっさりくる。
ニィナ自身は悪い子じゃないのですが、他のメンバーにしてみたら浮ついていて気分が悪くなるのではないかとも思いました。ただ、ニィナは「ゲームの中でゲームをしている」という意識ですので、彼女の浮つきは仕方がないんですよね。
ゲームのプログラムだと思っている意識と、そのプログラムの恋愛に嫉妬を覚えるという矛盾が、危うくて楽しかった。
ただまあ、彼氏ほっぽいてよくやるよとは思いました。先に彼氏やったら、そこで自分ゲームやめちゃうと思うんで彼氏はあとの方にとっときます。
甘い言葉を終始垂れ流してくれます。
ちょっと意外性がなかったというか。白の王子で感じた意外性は、最近黒い人をやりすぎたせいなので、シナリオの捻りというよりも、私の心が汚れていただけですし。
白の王子で作り物であるということに対する葛藤をやったからでしょう、他のキャラではそのあたり持ってこないことはわかりますが、うーん。
黒ルートのほうが、シンやワタル、ナオヤが生き生きしていると思います。
あと、正直この役にはもう少しハスキーボイスかなんかの人をもってきたほうがよかったと思います。
うーん、どうして彼が病むのかさっぱりわかりません。経緯ときっかけが唐突に感じました。
ラクロはゲームの中の世界だといわれようと、神様が創ったというのと別に私にとっては何も変わりませんという立ち位置でしたから、作られたものであることに悩むアルヴァンドと比べてるんでしょうか。
それにしてもこのシステム、周回必須なのにどうしてこんなに面倒くさいんでしょうか。
もはやぴょんぴょん飛んでますけど、それでも面倒です。周回を基本にするならもっとユーザビリティを考えていただきたいと思ってしまいます。
あと個人的にラクロのテーマ曲のリベルタンゴっぽい曲が苦手です。
甘い台詞と甘やかしはキースといいラクロといい凄いです。甘いのが好きな人はいいんじゃないでしょうか。でも私はなんだか、何を喋っていても怖いなあと思いました。
ゲームの中、ということをそれなりに意識している台詞がでてくるのは楽しいです。そしてこの人はどうやらこの世界がおかしいということにキャラクター中一人だけ気づいている、という設定のようです。そして一周しただけではハッピーエンディングにはいけないようです。
……心が折れかけてきました。
とりあえず、画面の中から話しかけてくる演出というのは怖いですよね。
同じ人を二回繰り返す根性がなかったので、気になっていた彼氏にいっちゃいます。
他の人のルートだとあんなにあっさり別れてくれるナオヤですが、このルートだとかなり恐ろしいです。ちょっと今私の思考回路が恋愛向きじゃないので、よく見ていてくれるという萌えなきゃいけないシチュエーションの全てが、そんなにいつでも見ているの? なんか怖くね? という。
オタバレというのがこの人との間にニィナが抱えたテーマでしたけど、確かに一般人にはオタクですとはなかなかいえないものです
ニィナとナオヤの会話を見ていると、どうも、ニィナのほうはさほどナオヤのことを好きではないようです。手帳に他の男のことは書き込み続けるナオヤも周りの視線からニィナをちゃんと守って上げられてませんし、ニィナの方はナオヤへの感情よりも、周りからの視線のほうが億劫で、という感じです。ここまで周りの視線を気にする子だから、ゲームのことも言えない、ということで性格設定が一貫してて好きです。
というか、光る目……。まあ、彼はまだ十代なので世界征服の夢はありだと思います。いや、二十代以降で世界征服を語る人は白い壁に囲まれた病院をオススメします。経済を支配して君臨するとか、なら、そうかーがんばればーなんですけど、戦争で征服したがるなら、ただの大量殺人者ですし、よくわからん力で世界征服するとなると、もう……。でも、十代ならね。うん、やってる子達も十代だろうし、それならいいんじゃないかな……。
しかし、ナオヤは細かく手帳をつけているという設定からしてもっと微妙な子だと思うんですが、意外と炸裂してませんでしたね。だいたい、ニィナのような女の子は彼氏以外の顔のいい男にもほいほいついていっちゃうから、他の男について弱みとか色々書き込むのもわからないではないですが、一方で女の人たちからのつりあわないとか何あの女という陰口を気にして自分から距離を置きたがるタイプでありますから、他の女の方をより注意したほうがいいと思われます。作戦微妙に失敗してると思います。だから他のルートでは物凄い勢いでニィナに浮気されたうえ別れを切り出されるんだと思います。そもそも、ニィナ、みんなにナオヤを彼氏として紹介してないじゃないですか……。
ナオヤは楽しかったですが、やっぱりぴょんぴょん跳ねるのは大変でした。あと、ワタルを二回、黒の王子、髪の長い子、プリースト、シン、で六回は少なくとも蒼の町ララホープ辺りからやり直さなくちゃいけないようです。
……ダンジョンと戦闘と育成がいい加減ほんとうに……。でも、お金だしたぶんは頑張ろうと思います……。……このシステムなら三人ぐらい攻略対象減らしてもいいと思うんだ……。
ここまでやって思いましたが、これはオタク肯定、ゲームの中のキャラも同じように生きているという、いわば人形に魂が宿る系なんだということがわかってきました。
黒の王子のアナザーはなんというか……ニィナは確実に病院行きという感じで終わりました。私はあれ非常に痛いなあ……と思うんですが、あれは笑うところですか、それとも切なくなるところですか。わかりません。
確かに人形に魂が宿るとか、AIに人の心が宿るとか、そういうジャンルはずっと人気がありますけど、画面から話しかけてきているのは、ニィナにしか見えないんでしょうか。判断に迷うところです。
アルヴァンドエンドよりもニィナの精神状態をより疑いたくなるエンドではありました。だいたい、あのエンドだと黒の王子のキャラ設定崩壊していると思いますし……。自分がゲームの中の登場人物だとわかってるんですよね、たぶん。
自分に負けて、好みのキャラをプレイし終わったので、シンとソマリとノーマルとワタルの真エンドと……頑張れるか不明です。もう折れそうです。このシステムはほんと鬼です。このゲームを99回もクリアしたニィナを素直に尊敬します。凄いよ、ニィナ。
シンは好きな系統のキャラなんですけど、あんまりこのゲームならではの特色を感じられませんでした。
ロングヘアとか優しげ少年とか、好みじゃないから頑張れねえよ、とか思っててすいませんでした。
ソマリさん、人間できてました。立派でした。
私の不明でした。
ソマリの話はゲームに入ったということをうまく使っているルートで面白かったです。ハッピーじゃない方が納得できた。
いやうーん、設定としては悪くはないと思います。魔王憑きが出てきたから神さま憑きも必要なのかな。ただ、もうロデ男がいるんで、ロデ男の部下も必要だったのかどうか……はい、単に、ここまでくるのが大変だったのでもう少し人数減らしてもいいじゃねえかと、ぶーたれてるだけです。
キースとシンとルキアの三人は、ゲームの中でゲームの登場人物と触れ合ってますという特色があまりなかったような。ただ、この3っつは彼らも生きているんですとプレイヤーに思ってもらうための布石だったということもありえるとは思います。
ゲームゲーム強調してるじゃないですか。
ステータス、ダンジョン、設定、キャラ、イベント。ニィナがこれを繰り返すのは、プレイヤー側に、異世界召喚じゃなくて、ゲームに入り込んでるんです、皆プログラムで動いてるんです、そこのとこ忘れないでねっていってるんだと読み取ってたんですね。
ただそうすると、プレイヤーとしては、キャラはやりたくもないことでもプログラムで命令されているからしなくてはならない(アルヴァンドルート)、おかしなプログラムが書き込まれたらバグる(ソマリルート)、負荷がかかるとフリーズする(ラクロルート)というゲーム設定ならではのシナリオは見てきたものの、その中でも彼らは生きている、というのが、いまいちうまく機能していないというか。
ゲームじゃなくて彼らは生きている、ということを強く意識するプレイヤーにとっては、このルートの設定そのものが蛇足だし他のキャラまで消えたりするのは酷いと不愉快になるんじゃないでしょうか。
一方で彼らをデータで、プログラムされた信号に従って動いているキャラだと認識していると、同じルーティンの繰り返しでソフト自体が疲弊していて、データ消去でフォーマットという、こういう切り口も面白いなとは思うものの、解放されてよかったとかそういう風には思いがたい。
つまりニィナの台詞で引き戻されるので、キャラたちの苦悩とかに感情移入できない。
個人的にはこういうのも面白いと思いましたが、乙女ゲってキャラ萌えして、多かれ少なかれ感情移入して遊ぶものですから、こうなるとキャラクタたちのインパクトは減じられてしまってうーん。
ただまあ、機械は自殺できないので、彼らが生きているということを表現するには消えることを選べたということは重要だとは思います。
ただまあ、こういうロボットとかアンドロイドもののお約束である「自殺できない」というキーがこのゲームに通用するのかいまいちわかりません。彼らはプログラムではありますが、人形でもアンドロイドでもロボットでもないですからね……。
あとこれはループものでもあったので、さらになんというか、はい。
面倒な手順が必要な人だからトゥルーという意見と、一つのエンドに過ぎないって意見どっちもあるんですけど、やっぱり最後に現実に帰れとゲームの中の人が言うあたりと、ニィナがロデに行った理由、ロデが動かなくなったら、お気に入りだったから少しゲームやめようと、彼女はゲームから離れる、という三つの要素からワタルがゲーム全体の謎に対する真相エンドかなと思います。今まで重度のオタクを肯定してきたようでいて、ここにきて刺をさしてるし。
彼らはキャラでしかないがキャラであるがゆえの苦しみにさいなまれている。
その苦しみはゲームの中の登場人物である以上消えない。
生きているといくらいってもデータでしかない。
その繰り返しは、ニィナが来ることで解決しましたが、99回も繰り返させてワタルをノイローゼにしたのはニィナなわけですし。
何千枚と売られたゲームのうち一つが動かなくなってもなんの意味もないとは思うのですが、入り込めるとかそういう不思議なソフトだということを考えると、ニィナのところにしかないソフトなんですかね。そうでなきゃ、100回目をやっていることを毎回忘れて、ループしていることの説明がつきません。
ワタルのような神でも王子でもないキャラでこのエンドを持ってくるのは、好印象でした。これが異世界召喚なら、始めに出来るのは神なんですけど、これはゲームで、人為的なものだから、まず神ありきじゃない。ロデの場合は、こういうキャラクターが動く世界を作ろう、というところから始まったんでしょう。
異世界召喚と一線を画したいから、神でこのエンドを持ってくるのは避けたい(起動時に毎回創世記流れて、始めに神ができましたと言わせているから余計、エンドでは違うものをもってゆきたいという意図もある)。
で、王子たちは主役だから設定が細かく決まっている。表に出ていない没データという形でソフトの中に眠っている。それだけ細かく決められているから、決められていることに反しようとするとかかる強制命令も他のキャラよりも強いし(アルヴァンドルート)、繰り返すことも忘れられる。
だから、ワタルじゃなくてシンとかでもこのエンドはありなんだろうけど、もともとこの世界のものじゃない彼氏と、物語の主役である王子たちと、神さまであるロデ男と魔王でこのエンドはないんだろうと思いました。
個人的には、神さまでてくるのに神さま憑きは周回が大変なのでいらなかったんじゃないかなとか、ゲームの中でもみんなそれぞれ悩んだりして生きてますっていう話は、キースとシンとルキアと黒王子の三ルート分もいらなかったんじゃないかとか、色々周回大変だから思いましたけどね。ほんとね、周回大変だから、ラクロでもってきた神に作られていようが人為的なものであろうが、中で生きる彼らには関係なくそれぞれ信念もって生きるだけだってのは黒王子にくっつけちゃえば白黒分けた意味とかでるんじゃないのとか思いましたけど。まあ、私のめんどくさがりゆえの偏見なので、もっといろんな意味とか伏線とかあるんだと思います。
このルートはゲーム設定をとても楽しめて色々考えさせられて私は好きでした。